アントニオ・ネグリ&マイケル・ハート 『コモンウェルス』 <帝国>を超える革命論<3>
「コモンウェルス(上)」 「(下)」<帝国>を超える革命論<3>
アントニオ・ネグリ&マイケル・ハート 2012/12 NHK出版 全集・双書 348p 338p
★★☆☆☆
「ネグリ、日本と向き合う」を読み、改めて、<帝国>、マルチチュード、に並び立つ概念としての「コモン」が重要なのだ、と気付き、再読し始めている。しかしながら、そう思って読み始めてみるものの、やっぱりこの本は読みづらい。現在、<上>の前半分に目を通したところだが、なかなか気が重い。
今回は、直感的に「コモン」を、普段当ブログが使いなれている「コミューン」という単語として読み変えてみているのだが、これが相当きつい。こういう読み方をすればするほど、コモンとコミューンは、まったく似つかわない、反対語であるかもしれない、とさえ感ずることになった。
ひとつのアイディアとしては、ネグリ&ハートの「<帝国>、マルチチュード、コモン」というトリニティを、「魂へのマフィア達、サニヤシン、コミューン」というOshoトリニティで読みなおしてみているのだが、これも相当につらい。(私は何をやっているんだか・・・笑)
さらには「ブッダム、ダンマム、サンガム」のブッダの三宝トリニティに比して考えたりしているものだから、ますますこんがらかってしまった。
ただ、この読み方は、まったく間違った、頓珍漢なものでもないのではないか、という自負がある。敢えていうなら、これらのトリニティは、三角形と逆三角形を形成しており、二つ重ねると六芒星のようにも見えてくるから不思議である。
私なんぞは、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を四苦八苦しながら読みこんだ時に、この六芒星を想定することによって、なんとか読み切ることができた。
だから、私には三角形の世界観があったとして、それに絞りこむことなく、倒立することの逆三角形のうまく組み込むことができれば、まさにドストエフスキーが提案した議論を、わが手の上に再形成することができるのではないか、とさえ感ずることになった。
ちょっとマゾヒズム的ではあるが。
いずれにせよ、この上下巻を読み切らなければ、前には進まん、という気概を持って、なんとか今回も完読することに務めよう。
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