「市民農園体験記」<45>基本に帰る
市民農園体験記
<45>基本に帰る
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「もっと上手に市民農園」4.5坪・45品目 小さな畑をフル活用(コツのコツシリーズ)<4>
斎藤 進(著) 2012/3 農山漁村文化協会 単行本 103ページ
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4月から始まったわが市民農園体験。半年経過して、当初、ナニを目的にしていたのかにもよるが、畑としての成功率は1割程度である、と自覚する。まだ半年あるので、まだ結論はでないが、ただ後半は秋野菜から、畑の休眠期にはいる。ここまでくると、最初の「まずはやってみよう」の勢いは、かなり低下している。
まず、成功であろう、ということから列挙してみる。
・なにはともあれ畑を二か所見つけ、どれだけのことができるのか、どれだけのことしかできないのかが、すこしづつ見えてきた。
・土があり、大地がある。そこに種を播いて、苗を植えれば野菜になるわけではない。まず土を耕し、バランス良く(!)土壌を改良する。季節や天候を見極める。風、雨、日照り、気温、嵐、台風。水やり、追肥、収穫時期。ひとつひとつが勉強だ。そういうことが分かった。
・農具や種代、苗代、交通費、耕作に当てられる時間、周囲の人々の反応、作物のできる量、収支決算。そのようなことが、おぼろげながら見えてきた。自分のできる範囲がすこしづつ見えてきた。
・作った作物の出来不出来にもよるが、なんとか作物が形になる時の喜びは格別なものである。これがもっともっと上手になれば、たのしいのだろうな、ということも分かった。
・ボカシ肥料の自作、堆肥施設の活用、防虫用の液体作成など、ひとつひとつ身についたこともいろいろある。
・最初の謙虚さはどこえやら、いつのまにか自己流になり、本などは一切読まなくなった。これは大きな失敗だった。
・種や苗を買ってきても、書いてある注意書きなど読んだこともない。植えればいいんだろう、という態度。これは、おそらく間違いですね。大きな間違い。よくよく読むべきだったのだ。
・自分の畑の特性がよく見えていない。いいところを生かせばいいのだが、いいところを生かせず、悪いところに引っかかってしまっている。
・イチゴ、スイカ、トウモロコシ、ズッキーニ、ササゲ、ゴーヤ、シュンギク、ニンジン、カブ、ピーマン、シシトウ、ヤマイモ、トマト、数え上げればきりないが、ことごとく苦い経験の連続であった。0点というものは少ないまでも、こちらの期待値まで到達してくれたものはほとんどない。改良すべき点は山ほどある。
・化成肥料や苦土石灰を使わなかったのは、結果、失敗であったと思う。防虫用の化学薬品や農薬を使わないのは市民農園の方針だから当然としても、最小限の化成肥料等は、ビギナーには必需品と考えてよかろう。完全有機農法は、それからチャレンジしても遅くなさそうだ。
などなど。
ということで、この「もっと上手に市民農園」4.5坪・45品目 小さな畑をフル活用、という本を久しぶりに開いてみることになった。
秋野菜、今、タマネギの苗を植えたり、ニラやホウレンソウを蒔こうとしているのだが、すこしづつ投下する資本も大きくなってきているので、ここは注意深く、あちこち情報を仕入れていくようにしよう。
とくに、ホウレンソウは作ってみたかった作物だが、石灰分を多く蒔いて、土地を中和する必要があるようだ。いつも目分量もいいところ、まったくのいい加減なアリバイ農業だったので、これからはすこしづつ、その適量とやらも知らなければならないな、と思う。
おそらく、いっときの激情のような「やってみよう」精神は、次の「一定程度の成功」に支えられなければ、持続はできないと思う。これから半年かけて、一年を全うするとともに、来年は、「食べられる」市民農園を目指そうと思う。
「食べられる」とは、生計が成り立つ、という意味ではない。ちゃんと食卓に並べられる野菜を作ろう、という意味である。葉っぱを楽しんだり、グリーンとして野菜を見るのではなく、収獲を目的とするのだ。
いっとき、リナックスのOSが流行り出した時に、インストールするだけのインストール・オタクが流行ったものだが(その一人が私)、それで終わってはならない。その畑、その失敗体験を、どう次に生かすのか。そこんとこだね。
それにつけても、この本、さらに再読、精読だなぁ。これからはもうすこしポイントを絞って、キチンと読み、キチンと実行できるようになろう。
(写真説明 上の二枚は奥さんのプランターミズナ。三枚目は、同じ種をすこし遅れ気味にまいた畑のミズナ。肥料や水管理をしっかりしないと、なかなか育たないことを痛感)
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