「20 DAYS AFTER 」半田 也寸志(写真)<2>
<1>からつづく
「20 DAYS AFTER 」<2>
半田 也寸志(写真) 2012/03 ワニブックス ヨシモトブックス 大型本(写真集)
わたしの目の前にあるのは半田也寸志の圧倒的な写真集「マイティ・サイレンス」(イタリア・スキラ社、2013/03刊)である。
フクシマのまわりにひろがる平原を、嵐のあと亡霊のような静けさが支配し、自然が引き起こした悲劇が、生きることの意味を問うている。「ネグリ、日本と向き合う」(2014/03 NHK出版)p163
とネグリが言っているかぎり、この半田也寸志の写真集「マイティ・サイレンス」を探さなければと思って、まずは見ることができたのはこの「20 DAYS AFTER 」であった。
被災地における風景は、これの連続なのであり、ある意味被災地においては「珍しい風景」ではない。
しかしながら、この風景を誰かほかの人、たとえば、当時イタリアにいたネグリのような人に伝えるには、文字や言葉だけでは、伝えることはできないだろう。もちろん、写真だからと言って、真実が伝わるわけではないが、写真でなければ伝えることができない多くの事実がある。
さいわい「マイティ・サイレンス」を近くの図書館のリストに見つけることができたので、近々そちらも見る予定だが、その前に、今手元にあるこちらの写真も何度も見ることになった。
ネット情報によれば、二つの写真集には、同じ写真がお互いの表紙を含め、10枚以上の作品が掲載されているようだ。ただ、ネグリが「フクシマのまわりにひろがる平原」と表現したような福島原発周辺の写真は、こちらの「20 DAYS AFTER 」には含まれていない。
ネグリの着想を、すこしづつ手探りで引き寄せている現在の当ブログの作業であるが、少なくともこの写真集たちは、ネグリと私(たち)を、同じ地平に立つことを、積極的に助けているようである。
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三脚を立たられる環境ではPhaseOneP65+を、手持ち用にはNikonD3Xを使用する事にした。少なくともkの時点では最高画質を誇っていたこれらの機材の描写力と、デジタルになってから再び復刻し始めた容易なパノラマ写真法は、当時の現場での撮影上の現実的な制約点を踏まれば、かなり納得のいく結果を出してくれたと思っている。巻末 作者「20日後の挽歌」
おそらく「MIGHTY SILENCE」の中の「20 DAYS AFTER」も同じ様な配慮がされているものと思われる。「FUKUSHIMA:18 MONTHS AFTER」のおよそ20枚弱の写真については、どうであろうか、今のところ確かめようがない。2015/11/10追記
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