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2015/11/21

「七五調の謎をとく」 日本語リズム原論 坂野 信彦

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「七五調の謎をとく」 日本語リズム原論
坂野 信彦(著) 1996/10 大修館書店 単行本: 273ページ
No.3611★★★☆☆

 飯沼勇義史観が、古代の時間軸の根拠の一つとする千葉富三ホツマを読み解こうとしてからだいぶ時間だけが経過したが、どうもいまいち納得しかねる部分で足止めを食らっている。

 そもそもホツマが、五音七音でまとめれていることに、いまひとつしっくりこないのだ。本当にホツマが真書であったとして、なぜに、五音七音で、徹頭徹尾まとめられているのか。

 それに対し、古事記、日本書記、古今和歌集を初めとする俳諧の世界においては、その枕詞として陸奥・東北に題材を求めているものがおびただしい数で存在している。

 となると、やはり昔の古代より、日本の源流は、東北みちのく日高見・縄文にあるのか。

 それにしても、なぜ、五音七音なのか。

 その問い掛けに対して、本書も真正面から回答しているものではない。

 いずれも七音ないし七音と五音の組み合わせからなっています。これらがたいへん調子のよいものであることは、だれもが感じることです。ではなぜ、これらの文字は調子がよいのでしょう。---ほとんどのひとは答えられません。まして、なぜ七音・五音という音数なのか、という問題にいたっては、だれにも答えられません。p3「はじめに」

 個人的には、五七調というほうがイメージしやすいのだが、本書では七五調と言っている。著者にかぎらず五七調と七五調では、厳密に区別されており、ましてや著者においては七五調のほうが基本であり重要度が増す。

 「日本語リズム言論」のサブタイトルが示すように、多くの作品をとりあげ、ひとつひとつの語調のなかに、原理原則を見出そうとする。その努力は、今まで当ブログがまったく気づいていなかった世界が展開されている。

 いつか本書をひもとくことがあるかもしれないが、当ブログの流れとしては、ここで止まるわけにはいかない。再会を期す。

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