「ムーミンを生んだ芸術家 トーヴェ・ヤンソン」 冨原眞弓 他
「ムーミンを生んだ芸術家 トーヴェ・ヤンソン」
冨原 眞弓(著), 芸術新潮編集部(編集) 2014/04 新潮社 単行本: 119ページNo.3609★★★★☆
ムーミン谷の登場人物たちのうち、誰に一番感情移入できるだろうか。まずはムーミントロールだが、これはまあ当然というべきか。年齢的には、ムーミンパパが全うな該当かも。ちょっとプライドが高くて、ちょっとおっちょこちょいで、どうかすると、三枚目。
スナフキンもなんとなくカッコいいが、カッコよすぎか。スナフキンの日本への紹介には、「ひょこりひょうたん島」原作のいのうえひさしが関わっていたらしいから、ひょっとすると、スナフキンとひょうたん島のダンディは、どうもキャラクターがかぶせているかも。
「ちろりん村とくるみの木」には似たようなキャラで、しろカブさん、という登場人物があったらしいが、私は覚えていない。「ゲゲゲの鬼太郎」だったら、さしずめ似たようなキャラは、ネズミ男になってしまうのだろうか(爆笑)
そのほか、それぞれユニークな登場人物たちがムーミン谷を訪れるわけだが、もちろん、この人にはなれない、というキャラもある。ムーミンママにはなれないし、スノークの女の子にもなれないし、ちびのミイもダメ。
それからそれからいろいろなキャラが登場してくるので、はてさて、どのキャラが一番自分にジャストフィットするかなぁ、とこれからムーミンを読み始めるのが楽しみ。
でも、よくよく考えてみると、登場人物よりも、ムーミンの世界を生み出したトーヴェ・ヤンソンその人を追っかけてみるのも面白いかもしれない。この本は、そのような人にこそ、読まれるべきだろう。
もともとのムーミンは9話までしかなかったなんて、知らなかった。では先日映画館でみた「南の島のムーミン一家」なんてのは、どこから来たんだろう。すぐそんな疑問が湧いたが、これからそれを探っていくのだ。
日本でアニメにされた1970年前後の作品しかしらない訳だが、トーヴェその人は、あまり気に入ってはいなかったらしい。あれらの作品は封印されているとか。なるほど、トーヴェという人は気難しい人だったのかな。
日本に限らず、あちこちの自分の作品が展開されていくことには、決して前向きではなかったようだ。頑固なんだな。それらのことを、これから少しづつ探っていこう。
そんなムーミン・ビギナーの私には、ピッタリな一冊。気難しいところがない。そして、この一冊で、なんだかムーミンがわかったような気分にさえなる。
ムーミン谷ってどうなっているんだ、と興味を持っていたが、ここにはトーヴェその人が描いたムーミン谷の地図がいくつか掲載されているが、でも、やっぱり、ムーミン谷全体は、見えないな。
| 固定リンク
「15)ねぇ、ムーミン」カテゴリの記事
- 「瞑想―祝祭の芸術」 Osho<4>(2015.12.31)
- 「ムーミン谷の彗星」 トーベ・ヤンソン原作 斎藤博監督(2015.12.31)
- Comet in Moominland (The Moomins #2)(2015.12.31)
- 「ムーミン谷の彗星」 新装版 トーベ・ヤンソン<1>(2015.12.31)
- 「死について41の答え」 OSHO 伊藤アジータ<4>(2015.12.31)
コメント