「共産主義の理念」 アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート、他
「共産主義の理念」
ドゥズィーナス、 スラヴォイ ジジェク(編集), アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート、他 (著)2012/06 水声社 434ページ
No.3597★★☆☆☆
ネグリ&ハート追っかけを10年来続けている当ブログではあるが、その理解もなかなかおぼつかなく、また多数出版されている本であってもなかなか手がとどかないものが何冊もある。
その反動で、雑誌やらオムニバス本やら、とにかく彼らの名前が見える本が、もしわが図書館にあるのなら見ておこう、という精神で検索した中にあった一冊。
そもそもは2009/3の三日間、ロンドン大学バークベック校で開催されたコンファレンス「共産主義の理念」のドキュメンテーションである。おおよそ15人の学者、研究者、論客たちが熱演(だと思う)している。今回は、ネグリ&ハート追っかけの一環で開いた本なので、他の論客たちについては割愛する。本としては2010年に原書が発行され、邦訳は3・11後の2012年になって出版されている。
全体としてのイメージは、堅く、暗く、閉鎖的である。男くさく、柔らかい女性性など微塵も感じられないこの本の中で、おそらくネグリもハートも特段に突出した存在ではなかろう。いずれにせよ、2009年当時の「共産主義」の「理念」が語られているので、当ブログとしては、直接的にアクセスするポイントは少ない。
しかしながら、ハートの論旨などには共感を覚える部分もあり、引用しようかなとも思ったが、その後に出版された邦訳等で十分その意は汲まれていると考え、そちらを精読することで、より距離を縮めていくこととする。
むしろ、こういう形で、列挙されている場合には、ネグリとハートの「差異」を感じる良い機会だとおもうので、万が一、後日この本を開くことがあったら、そのような視点で読みなおすのも一興だと思う。
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