NHK 100分 de 名著 サルトル『実存主義とは何か』<1>
サルトル『実存主義とは何か』NHK 100分 de 名著 <1>
2015年 11月 [雑誌] NHKテキスト [Kindle版]
NHK出版 日本放送協会 (編集)
フォーマット: Kindle版
ファイルサイズ: 18116 KB
紙の本の長さ: 103 ページ
出版社: NHK出版; 月刊版 (2015/10/25)
販売: Amazon Services International, Inc.
No.3595★★★★☆
またぞろ、ネグリに舞い戻った当ブログであるが、ネグリ単独ではどうしても弱い。いっそ、スピノザ、ニーチェ、ハイデガー、ホッブス、ドールズ、サルトルなど、哲学一般をもういちどおさらいだなぁ、と、ちょっと落胆気味。
そういえば、Oshoの「私が愛した本」のジャンル分けのなかで「西洋哲学」の分野はあとで読もうと取っておいたはずだ、と思い出した。そして、自分の書いたブログを読みなおしてみたのだが、いやいやどうして、もうあれはあれでいいのではないか、と納得できる位置にあるようである。
そんな時、テレビで「サルトル」をやるらしい。この手の番組はなかなか興味深いのだが、いつもいつも見逃してしまう。失敗の連続である。今回も、見てみたいのだが、どうも見落とす可能性もある。とりあえず今日の部分はHDに録画しておくことにした。
さてさて、サブタイトルもなかなか賑やかである。「私」自身をつくる。「自由ってなんだ?」「民主主義ってなんだ?」。なかなか意味深であるが、最近の戦争法案反対のの国会前デモなどで盛り上がっている、若い世代の政治への関心を反映させているのだろうか。
この番組、最後の最後まで付き合えるかどうか定かではないが、とりあえず努力してみる。
ジャン・ポール・サルトルの「存在と無」だ。まず言っておかなければならないのは、私はこの男が好きではないということだ。私が嫌いなのは、この男が衒学者(スノッブ)だからだ。彼は今世紀で最も衒学的な人間のひとりだ。私が彼を衒学者と呼ぶのは、実存的であるということの意味をまったく知りもせずに、彼が実存主義の指導者になったからだ。ただ、この本はいい。私の弟子たちにとってではなく、ちょっとばかり狂った人間にとってはだ。ほんのちょっとだがね。この本は読みにくい。
この本はちょっとばかり狂っている人間を正気に戻す。その意味では大した仕事だ---薬効がある。Osho「私が愛した本」p136
ジャン・ポール・サルトルが代表している実存主義はまがいものだ。瞑想については何ひとつ知らないのに、彼は「存在」(ビーイング)について語り、「無」について語っている。ああ、それはふたつのものではない。Osho同上 p137
だがジャン・ポール・サルトルは、私は好きではない---ただ好きでないだけだ。嫌いですらない。嫌いというのは強い言葉だからね。Osho同上 p137
ジャン・ポール・サルトルは、実存について何ひとつ知らないが、たわ言を書いた。哲学的なたわ言、頭の体操だ。それも本当の体操だ。もし「存在と無」の十ページを読むことができたら。人は正気になるか、狂うかのどちらかだ。とにかく、この本の十ページを読むのはむずかしい仕事だ。教授だったとき、私はたくさんの生徒にこの本を与えたが、ひとりもそれを読み終えた者はいない。十ページすら読めたものはいない。一ページでも多過ぎた。実際は一段落でも多すぎるくらいだ。何が何だか分るものではない。ところがそれが千ページ以上もある。これは大冊だ。Osho同上 p137
この男が好きでないのに、追補の中でこれを思い出したのは、・・・私が嫌いなのは哲学の方かもしれない・・・・。そうだ、それを哲学と呼ぼう、本人はそれを反哲学と読んでもらいたがっていたが。私がそれを反哲学と呼べない理由は簡単だ。あらゆる反哲学は、結局はもうひとつの哲学にすぎないことを、自ら証明することになるからだ。存在は、哲学的でもなければ、反哲学的でもない・・・それは、ただ在る。Osho同上p138
私がこの本を含めたのは、彼のやった仕事が大変なものだからだ。これはかつて書かれたものの中で、大変は手腕と大変な論理を駆使して書かれた最も記念碑的な書物のひとつだ。しかもなお、本人のごく普通の、ひとりの共産主義者にすぎない---それが私が彼を好きではないもうひとつの理由だが。存在を知っている人間は、共産主義者などにはなりえない。平等などありえないことを知ることになるからだ。不平等こそがものごとのありようだ。何ひとつ平等ではないし、また平等ではありえない。平等とは夢にすぎない。愚か者たちの夢だ。存在とは、多面的な不平等性だ。Osho同上p138
<2>につづく
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