「原発安全革命」 古川和男 <1>
「原発安全革命」 <1>
古川 和男(著) 2011/05 文藝春秋 単行本 247ページ
No.3623★★☆☆☆
この本も、3・11の直後に、フクシマの事故を受けて、かつて出た本を焼き直して緊急出版したもの。もともとは2001/08にでている。そもそも、その10年間で「実用化」出来なかったのはなぜなのだろうか。あわててまた出してきても、成功する可能性はどれだけあるのだろうか。
安全、とはいうものの、ナニを持って安全という単語を使うのだろうか。トリウム原子炉が安全というなら、今度は電力会社の地下にでもその発電所をつくるのだろうか。プルトニウムを生み出さないから安全だ、などと言ったところで、すでにプルトニウムは人類を破滅させて、地球を破滅させるほど十分に作られてしまっている。
正直言って、技術的なこと言われても、私には理解不能。テレビを作ることはできないが、コントローラの操作はできる。その程度だ。パソコンをCPUレベルから作ることはできないが、キーボードは叩くことができる。その程度だ。
電力と言われても、自転車の発電機を水車で回すんだな、火力で回すんだな、程度であって、そのメカニズムなど理解しようとしていないし、専門家以外の人間は、そんなこと勉強しなくてもいいだろう。分かっている人たちが、積極的に開発すればいいことだと思う。
私は発電においては、太陽光発電が一番分かりやすい。「安全」だから、自宅の屋根に載せている。自家消費としては、絶対量としては足りている。電力行政の仕組みで、売ったり買ったりしているが、発電量は足りている。目の前でわかるシステムなので、これが一番いい。
電力全体の40%が民生用らしい。あの60%は産業用などである。だから、家庭で消費している電力だけを太陽光で発電すればいいとは思わない。道路にでれば信号機の電力も必要だろうし、コンビニの照明も必要だろう。時にはデパートのエアコンの恩恵にも預かっているはずだ。
だから、我が家なら、現在の3倍の発電量を作ってこそ、一応社会全体での一家分の負担ということになろう。もしそれが本当に必要だったら、それをやりたいと思う。つまり現在の3倍のパネルを上げればいいわけだ。ないしは三分の一の電力で暮らせばいいのだ。
しかし、子供や孫が独立してアパート暮らしになれば、自分の部屋のベランダで発電とばかりもいかないだろう。日当たりの悪い立地もあるだろうし、引っ越しの度にパネルを持ち歩くのも大変だ。でも、やろうと思えば、やれるはず。
なにはともあれ、小出裕章氏のトリウムについてのインタビューの中から、当ブログなりのチェック点を作っておく。
1)トリウム原発軽水炉よりもはるかに技術的なハードルが高く、メリットは何1つない?
2)60年代にこんなものは、モノにならないということで、あきらめられたものなのか?
3)自然界にあるもので、核分裂する性質を持っている物質は、ウラン235しか無いのか?
4)ウラン235だけではエネルギー資源にならない。もう核分裂はしないウランの238という物質をプルトニウム239にしてなんとかエネルギー資源にしようとして、今日までずうっと格闘してきた?
5)高速増殖炉というようなものを何とか作ろうとしたのだが、全て、出来なかった?
6)トリウムというのは、もともと核分裂しない?
7)トリウム232番という物質をウランの233番というものに変えた上で、それを核分裂させようというのが現在言われているトリウム炉、というものなの?
8)もともとウランをプルトニウムにかえてやろうというその計画すらができなかった…し、核分裂するウラン235を利用するということすらが、今、頓挫しようとしているわけ?
9)トリウムをウラン233に変えてやろうなんていうことは、もともと、遥か先、というか技術的にはもう夢のようなことで、可能性がない?
10)トリウム232も放射性物質であり、なおかつ核分裂をするという性質を持ったウラン233に変えて、エネルギー源にしようという計画で、放射性廃棄物も出てきて、全く同じことになる?
11)原子力をこれまで進めてきた人たちが、なんとか生き延びるための方便で今言っているだけ?
12)トリウム原発は、世界で動いているものは1つもない? 2013/10現在、あるいは今も?
13)インドがトリウムを使いたいと研究をしているが、1つとして実用化してない?
これでもチェック点が多すぎて、分からなくなるが、さらに絞って、4)、7)、9)、10)あたりの理論的、技術的ポイントに搾って、関連の本を読んでいこうと思う。理解できるかどうか、定かではないが・・・・。
つづく
| 固定リンク
「15)ねぇ、ムーミン」カテゴリの記事
- 「瞑想―祝祭の芸術」 Osho<4>(2015.12.31)
- 「ムーミン谷の彗星」 トーベ・ヤンソン原作 斎藤博監督(2015.12.31)
- Comet in Moominland (The Moomins #2)(2015.12.31)
- 「ムーミン谷の彗星」 新装版 トーベ・ヤンソン<1>(2015.12.31)
- 「死について41の答え」 OSHO 伊藤アジータ<4>(2015.12.31)
コメント