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2016/01/04

「トリウム原子炉革命」―古川和男・ヒロシマからの出発 長瀬隆<3>

<2>からつづく

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「トリウム原子炉革命」―古川和男・ヒロシマからの出発<3>
長瀬 隆(著) 2014/8  ゆにっとBOOKS 単行本  238ページ
★★☆☆☆

トリウム原子炉関連リスト 工事中

「平和のエネルギー―トリウム原子力」 ガンダムは“トリウム”の夢を見るか? 亀井敬史2010/09 雅粒社

「原発安全革命」 古川和男 2011/05 文藝春秋

「地球の論点」 現実的な環境主義者のマニフェスト スチュアート・ブランド 2011/06 英治出版

「トリウム原子炉の道」リチャード・マーティン 2013/10 朝日選書

「トリウム原子炉革命」ー古川和男・ヒロシマからの出発 2014/8  ゆにっとBOOKS 

1)私はウランにせよトリウムにせよ、また個体燃料にせよ熔融塩にせよ、いずれにせよ原子炉の専門家ではなく、それらを対象とするマーティンのような科学技術ジャーナリストでもない。化学プラントということでは長い貿易商社生活でソ連に輸出した青酸カリのプラントの計装室勤務の経験があるのみである。長瀬 p172 「3・11から『原発安全革命』へ---戦後学生運動と原水禁運動」

2)やっぱりこの本、通読するのは無理だった。この本は、1931年生まれの80歳を越えられた方が、自分の人生を振り返って、ある意味、記念碑的に、あるいは文学的に、一冊をモノされているのであり、トリウム云々が主題ではない。少なくとも、科学的な根拠となるところを求めてはいけない。

3)古川和男はフクシマの年の12月14日に84歳で亡くなった。その年多くの講演をこなしたが、最後には常に「世界を、人類を、地球を救いましょう」と呼びかけていた。氏のFUJIは、ヒロシマに淵源し、それゆえにそれを成しうる唯一のものなのである。p233 長瀬 「ウランは悪であり、トリウムは善である」

4)著者の善意に鞭打つつもりはまったくないが、これでは、「世界を、人類を、地球を救えない」。ウランやトリウムであれ、物質が悪であったり善であったりするはずがない。ウランが悪なら、世界のほとんどが「悪」で支えられていることになる。

5)物質に善悪などない。文学的な表現ではあるが、決して科学的ではない。もっと言うなら、本人の宗教的信条でしかないだろう。イワシの頭も信心から、と申します。よそ様の信仰に口を挟める立場ではないが、私はこの本に「科学的根拠」を求めてしまっていたのであった。

6)よい機会だから、トリウム関連リストを作っておく。

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