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2016/01/10

「デジタル遺品」が危ない そのパソコン遺して逝けますか? 萩原栄幸<1>

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「『デジタル遺品』が危ない」  そのパソコン遺して逝けますか? <1>
萩原 栄幸(著) 2015/10   2015/10 ポプラ社 新書 164ページ
No.3644★★★☆☆

1)亡くなる友人が多くなってきた。友人たちはかなりの確率でネットに遺品を残している。生前はあまり気がつかなかったことも、亡くなった後、その残された記録を見て、個人を偲ぶことも多くなった。便利な時代であると思う。

2)一方、いつまでこの記録は残っているのだろう、と不審になることもある。いつまでも残っていて欲しいという気持ちと、これはそろそろ誰か削除してあげないと、という気持ちと二通りある。

3)表現者としての一生を送った友人は、自らの作品の一覧を克明に記録しており、これはむしろ誰かが早く書籍のようなハードコピーで発表し直してあげないといけない、とさえ思うことがある。一度失われてしまえば、もう取り返しのつかない損失となろう。

4)闘病生活をつづったある友人は、家族や限定された友人に向けてメッセージを送り続けた。身内や友人たちには貴重ではあるが、いつまでもネット空間を浮遊し続けるのはどうか、と思うような個人情報が含まれていることもある。

5)ROMとして、覗き重視で登録しているようなSNSなどは、むしろ早く誰かが退会手続きをして上げればいいのではないか、と感じる。無言のまま名前だけは残っているので、繋がっている関係者は、彼は無口なのであって、まだ生存しているのだ、と勘違いしている向きもある。

6)いずれにせよ、ネットから切り離されて生きていけない現代人は、つねに誰かが次々と亡くなっていくのであり、その遺品をどうするのかをキチンと検討して行く必要があるだろう。すくなくとも、自分はどうしたいのか方針を立て、明確に意志を残し、あるいは後見人に委託しておく必要があるだろう。

7)この本で多く頁を割かれているのはパスワードについてである。数え上げれば個人レベルでも、70から100個のパスワードを使い分けているという(p66)。個人が亡くなってしまえば、それを完全に復活させることはかなり困難となる。それをなんらかの方法で残し、伝える方策を考えよ、と言う。

8)私個人も近年、自らの記憶力も弱くなってきたし、また使用するデジタル機器が増加したこともあり、その一覧を保存する工夫をしてきた。自分が覚えていないものさえあるので、決して失われないように、その保存方法にも一段と力を入れていかなればならない。

9)逆に、これは残したくない、と感じるものは早目早目に削除することにしている。おそらくOKだと思うが、そう思っているだけで、自分では気づいていない危険も数々あるかもしれない。そういった意味では、つねに棚卸しして、管理し続ける必要を感じる。

10)当ブログで言えば、できればいつまでも残って欲しいなと思うメモだけを残しているつもりなのだが、あまりに誤字脱字、あるいは記憶間違いなどが多すぎるので、早めに訂正しておこうと思う。だがなかなか手が回らないのが事実である。

11)逆に、生前であろうと、死後であろうと、不用意にブログカウントが削除されたりしたら、大変だな、と思う。私の人生の記録のかなりの部分が失われてしまう。空襲や災害でほとんどなにもかも失ってしまった人々もいるわけだから、その程度なんともないよ、と諦念することも可能ではあるが、やはり大事なものは大事だ。

12)この本は、本人にとっても、残された遺族にとっても分かりやすく書いてある。生前元気なうちに、家族や身内で、いちどこのような話題を共有し、いざという時には、だいたいこうすべきなのだな、ということを確認しておく必要があろう。

13)エンディングノートのような形で、キチンと管理しておくことも必要であろう。

<2>につづく

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