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2016/02/06

「週刊 仏教新発見 改訂版」創刊号 01 法隆寺再建の謎に迫る<9>

<8>からつづく

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「週刊 仏教新発見 改訂版」創刊号 01 法隆寺再建の謎に迫る<9>
朝日ビジュアルシリーズ 2015/12 朝日新聞出版 ムック 48ページ
★★★★☆

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 いやいや、いつまでもこうしてはいられない。いつまでも年末年始の気分が抜けず、バルド瞑想やら、五重塔制作にうつつを抜かしてばかりいられないのだ。2月も節分も過ぎ、すでに立春である。そそろそろお仕事モードに戻らなければ。そんな私の目の前に、結局、仕事の書類に交じって、五重塔の画像が飛び込んでくる(笑)。

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 そんな私の頭によぎるのは、20年ほどまえに知人から中国土産でもらった香木でできた扇子である。なかなか情緒豊かで貴重な一品ではあるのだが、日常ではほとんど実用的ではない。人前でこの扇子を仰ぐのは、ちょっとはばかれる。なにか活用法がないか。ずっと考えていた。

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 そんな時、チラチラ思いついたのだ、あの法隆寺五重塔の2階から5階にかけてついている欄干。法隆寺建立当時の卍崩しの透かし彫りが、40分の1スケールではちょっと作りにくい。模型で作ったとしても、つまようじなどでは、チャチイものしかできないのではないか。

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 わが造形の、主なるモットーは、適材適所である。廃材とは言え捨てられないもの、それらを生かし、活用して、新たなる価値を持った存在へと生まれ変わらせるところにある。

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 ふと気付いてみれば、この扇子の香木の透かし彫りは、決して卍崩しではないが、ちょうど巾といい、枚数といい、五重塔模型の欄干、4階*4面の16面の欄干に活用するには、ピッタリなのである。

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 現在封印中の制作であるが、頭のなかでは、いろいろな準備が進んでいる。大体において、骨材は足りる予定だが、どうやら屋根材が不足する。そこんとこを補完するために、あれこれ家の内外の余った板などを集めてきては、お茶などを飲みながら思索している。思えば、本来の仕事も、適材を適所に嵌めて行けばいいのだから、五重塔制作と同じようなものだなぁ、などと、ひとり納得する時もある(笑)。

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<10>につづく 

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