「冥途の旅はなぜ四十九日なのか」数学者が読み説く仏教世界 柳谷 晃

「冥途の旅はなぜ四十九日なのか」数学者が読み説く仏教世界
柳谷 晃(著) 2009/5/2 青春出版社 新書 新書: 205ページ
No.3650 ★★★★☆
1)市立図書館蔵書を「五重塔」で検索してでてきた一冊。いみじくもバルド瞑想47日目の今日、こんな本を読んでみるのも一興かと思う。思えば、49日も五重塔も、ひとつの体系的な仏教観のなかに、しっかりと組み込まれている概念だった。
2)著者は1953年生まれ(私と同学年)の数学者である。仏教とは無縁なはずの数学者が解く仏教世界であるだけに、ともするとスノビズム、トリビアの泉にさえなってしまいそうだが、豊富な話題と、軽妙なタッチが、なるほどと思わせる。
3)どこぞの僧侶が、通夜の席にでも、この本の何頁かを抜き出して語ったら、結構受けるに違いない。面白話題が満載である。
4)しかし、これを「仏教世界」と括ってしまうことは、必ずしもいいことではないだろう。そもそもゴータマ・ブッタの悟りの世界は、決して、これほどの話題満載のものではなかったはずだ。もっともっとシンプルで、おそらく数字など、一切なかったのだ。
5)日本に仏教が入ってきたと言われるのはおおよそ13~400年前。仏滅後すでに1300年ほどが経過していたのだから、日本に伝わった仏教は、プラットホームとしてのゴータマ・ブッダの悟りの上に、さまざまな文化が融合して出来上がった当時の最新の世界文化であったのだ。
6)だから、個人的に私は、この本を一冊読んだからと言って、読者の仏教感が深まるとは思えないし、むしろ、余計な知識が邪魔をして、人をして奈落につきおとすのではないか、とさえ考える。もちろん、使い方によっては、明瞭な理解を深め、頑迷な疑問を解くきっかけにもなる可能性もあるだろう。
7)数字にまつわるエピソードが、あれもこれもと満載だが、それを決して「仏教」と言ってはならない。そのようなトリビアを入れ込むことができる仏教と言う世界が、これほど広いのか、と理解すべきであろう。
8)五重塔しかり、四十九日しかり。
9)しかして・・・・。
七七日 太山王 薬師如来(病気を治し安楽を得させる仏) p171「冥土の旅はなぜ四十九日なのか」
この記述は面白い。冥土の四十九日が薬師如来に対応していることを思いださせてくれたことには感謝する。
10)今日は、年に一度の薬師如来にまつわる昼食会がある。昨年末からつづいていたバルド瞑想は満願にちかづき、薬師如来に迎えに来てもらったのだ。ありがたい、ありがたい。
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