「五重塔」幸田 露伴 <1>
「五重塔」 <1>
幸田 露伴 (著) フォーマット: Kindle版
ファイルサイズ: 282 KB
紙の本の長さ: 57 ページ No.3652 ★★★★★
五重塔関連の本を探していくと、この幸田露伴の小説に大体ぶち当たる。どの解説本にも登場する定番本であるらしい。あるいは、いつもいつもこの本がでてくるが、この本以外にはあまり出てこない。つまり、この幸田露伴の「五重塔」は類書の少ない、稀有な「五重塔」本なのかもしれない。
図書館を検索すればいろいろでてくるのだが、この手の古い小説だったら青空文庫にあるのではないか、とiPadで読みだした。これがなかなかの傑作。古い文体の古い社寺仏閣の話なのに、最新のIT環境で読めるというのが、じつに妙な取り合わせで面白い。
腕のたつ宮大工棟梁の源太。対するのっそり十平衛の反逆。二人の宮大工の取り合わせが実に味わい深い。のっそり十平衛が作っていたのは50分の1スケールの模型だったが、当ブログで制作中は40分の1スケールである。おおよそ同じ大きさではあるが、やはり、五重塔を作るということは、これだけの覚悟がいるものか、と、その凄さに、目を見張る。
男心が男に惚れて、というのか、仏心、人心を見通すというのか、頑固一徹、我を通すというのか、とにかく、男と男の火花が散る。人と仏と、大自然が葛藤する。こりゃまた面白い小説だね。
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