「隠された十字架―法隆寺論」梅原猛 <1>

「隠された十字架―法隆寺論」
梅原 猛(著)1972/05 新潮社 単行本 456ページ
No.3658 ★★★★☆
1)この本、実は一カ月ほどまえから読み始めているのだが、ちっとも進まない。他の本が簡単だからそっちにばかり食指が動く。
2)実際には、この本は1991年頃に、当時親交のあったスワミ・モンジュ氏に勧められて購入したものだが、すっかり積ん読本になり、気にはなっていたのだが、ついぞこれまで完読したことがなかtった。
3)私の蔵書は、だから平成2(1990)年2月の51刷になっているわけだが、実はこの本、初版は昭和47(1972)年5月である。実に44年前の本となる。大正15(1925)年生まれの著者47歳の時の作品である。
4)著者学生時代からの腹案だったというからそれがスタートしたのはさらに以前からということになるので、実に古色蒼然とした作品ということになる。
5)隠された「十字架」というタイトルから、私は長い間あの五重塔の相輪の部分には十字架が仕組まれている、とかなんとかの本だろうと、さして気にもとめなかった。そもそも法隆寺論争には、とんと関心がわかなかったのである。
6)しかるに、ここに来て法隆寺の五重塔に関心を抱き、我が蔵書の中から掘り出してきたというわけである。
7)今あらたまって読み始めてみると、油ののりきった時代の著者の創作意欲に圧倒されつつ、やはりあの時代の時代性の背景を感じないわけにはいかない。また、この後にでただろう論評は、すでにあの推論をとうに超えているのかもしれない。
8)それでもやはり、今回はこの本を読破しておきたいと思う。十字架の意味は、私の単純な推論のようなものではない。もう少し周辺の知識や情報が必要である。
9)この記事は、一ケ月前から準備していたのだが、どうも始まらないので、断片的ではあるが、暫定的にスタートしておく。
10)哲学者としての著者の姿勢、日本という「国」の成り立ち、そしてそこに関わる「私たち」。とくに、なぜあの時代に、わが友人であるモンジュ氏が私にこの本を勧めたのか、あらためて推量しながら、すこしづつ進むことにする。
つづく
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