「法隆寺五重塔 」不滅の建築 鈴木嘉吉他 <1>
「法隆寺五重塔 」不滅の建築 <1>
鈴木 嘉吉(編集), 工藤 圭章(編集), 小川 光三 1988/6 毎日新聞社 大型本 52P
No.3655★★★★☆
1)五重塔を調べていくうちに、いかに多くの人が五重塔に魅せられてきたのかを感じることができる。そこにまつわる歴史的事実、人間模様が、じつにさまざまで、ある種の豊かさを感じる。
2)わずか40分の1スケールの木造模型を作ってみよう、と思い立ったのが今年の正月だったが、資料を調べていくと、さまざまは画像や工法がでてきて、一様ではない。いずれが真実か、と探ってみるのだが、よくわからないことが多い。
3)それもこれ、1300年に渡る歴史のなかで、改造され、修理され、改変されてきた建造物として見れば、なるほど、多様な情報が飛び交っていて当たり前なのである。それらのなかから何れが真実かを定めるのは、自らの感性にしたがうしかないようである。
4)この本も貴重な一冊である。細部にわたる情報はいずれの資料にも載っていないことがたびたびある。その中にあって、この写真集もまた、視線の細かさゆえ、あらぬ方向からの撮影画像があったりする。大いに参考になる。
5)特に、塔頂に掛かっている九輪に、四方に向けて飾りがあるように見えていたが、それは実は大きな鎌だった、ことを知ったことは収穫だった。これは落雷よけということである。つまり、建築当初からあったとは、必ずしも言えないものである。
6)その他、壁の下絵や、内部の構造など、ひとつひとつの資料を読んでいくことによって、さらに立体的な五重塔が見えてくる。
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