« 「目からウロコの日本の歴史」 小名木善行+神谷宗幣<3> | トップページ | 「国宝 法隆寺Ⅰ」釈迦三尊と玉虫厨子 鈴木嘉吉他監修 »

2016/03/07

「インナーラビリンス」 自分という名の迷宮 ナルタン(日家ふじ子)<1>

71s4ria9mzl

「インナーラビリンス」 自分という名の迷宮
ナルタン(日家ふじ子)(著) 2016/3めるくまーる 単行本(ソフトカバー)– 232ページ
No.3659

1)ナルタンの最新作。もっともっと以前にでていて欲しかった一冊。そしてまた本文にも書いてあるように、ぜひとも続編を期待したい一冊。

2)ナルタンとはあまり接触はないが、83年頃に仙台の瞑想センターに招き、3日間のグループワークをリードして貰ったことがある。

3)ナルタンは初期的な日本人サニヤシンの中にあってはやや年配で、専門も建築とかで、硬派な感じがした。しかし、プラブッダの「存在の詩」につづいて、ふみくら書房からでた「草はひとりでに生える」の翻訳で初期からつとに有名。

4)ギータがサニヤスをとる時に、まだノンサニヤシンだったナルタンがOSHOとの通訳を務めた、というのは痛快。この二人の長い繋がりについては、本文を参照のこと。本書のキモにあたる。

5)ナルタンは、84~5年頃、世界中のOSHOコミューン建設のなかですすんだ、日本の「ラジニーシ郷」の名づけ親で、中心的に活動した、という認識。

6)前後して、アメリカのコミューンである満月の夏にエンライトした弟子たち(21人だったかどうか忘れた)のなかの一人に数えられていたような。どういうことだったか教えてほしいと尋ねたトシヒロに、100万ドルくれたら教えてあげる、という冗談で返した、と聞いたことがある。このエピソードについてはこの本の巻末に詳述されているので、この本は100万ドルの価値があるとも云える(微笑)。

7)流葉(リューハ)は最初OSHOから女性と間違われたと言っていたが、それは本当だった。最初はマ・アイコだったのだ。それは後日訂正されたことは本人から聞いて知っていたが、その時の通訳がナルタンだったのか、と、改めて臨場感に浸る(笑)

8)さすがアナンドらしく、実に細かく内面をつづり上げている。素晴らしい。多少文章化する以上、遠慮したり、端折っている部分はあるだろうが、概略としても、このようなラビリンスがあったよ、と表現してくれるだけでも、読む者の助けになる。

9)無表情で名高いニラーラは、別名「鉄仮面」のニックネームもあるだけに、本文にでてくるエピソードも大いに笑える。だが、私は最初プーナに行った時、ドミトリーの隣のベッドがニラーラだったので、私は最初から彼のチャーミングな笑顔を知っている。

10)それに、ニラーラは京都に住んでいる時、よく修学旅行生なんかに、武田鉄也と間違われて手を振られたり声をかけられたりした、と本人も漏らしていたから、ユーモアのセンスも十分お持ちのはず(爆)。

11)しかし、紙数に限りがあるとはいうものの、そのストーリーの大半が、今から30年前あたりまでで途絶えているのは、ちょっと物足りない。そこからの続編をぜひ期待したい。90年代、21世紀、そして現在、未来。

12)本文の全体の主テーマとさえ思える過去生についての考察は、私も私なりに「湧き出ずるロータス・スートラ」に書き残しておいた程度には理解しているので、なるほどナルタン、と、うなづくこと多し。

13)この本が届いて一気に読んだ。この本はそもそも大手出版社の依頼で書かれたものらしいが、神秘体験などの項がひっかかったという。それから出版されるまで数社の大手中堅の出版社からも関心を持たれたが、承諾されなかったらしい。

14)この程度のことなら、マンガや小説で毎日大量に消費されているのに、これが「事実」や「体験」だとすると、出版社などはいきなり渋くなる。へんなものだ。

14)日本OSHO「大使」だったシャルノも昨年2015年の春に亡くなったという。そろそろ、それがジョークだったとしても「アチャリア」ナルタンの活躍の季節か、と期待せずにはおれない。

LOVE LOVE

<2>につづく

|

« 「目からウロコの日本の歴史」 小名木善行+神谷宗幣<3> | トップページ | 「国宝 法隆寺Ⅰ」釈迦三尊と玉虫厨子 鈴木嘉吉他監修 »

14)じゃこうねずみ」カテゴリの記事

コメント


Devayanaさん
書き込みありがとう。返信長文になってしまったので別途メモしてみました。
http://terran108.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-0fc2.html

投稿: Bhavesh | 2016/03/18 11:09

「炎の伝承 Ⅰ」「炎の伝承 Ⅱ」「死ぬこと生きること」が、取り上げられていないのはなぜですか?

あと・・・
The Discipline of Transcendence 全4巻
The Silent Explosion
OSHO: The Luminous Rebel
The Long, the Short and the All
Beyond Psychology
これらは翻訳済みで、市民出版社に届けてありますが、
出版権を扱うニューヨークのOshoファウンデーションとの連絡が長い間、取れていません。
ひたすら、先方からの版権認可待ちという状況が数ヶ月以上続いています。

つまり、Oshoの本を出したくても出せない状態です。
これについてどう思われますか?

ナルタンに活躍を期待されるのなら、
彼女にこそ、この異常な事態を打開するために働いてほしいと思いますが・・・?

投稿: Devayana | 2016/03/18 06:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「インナーラビリンス」 自分という名の迷宮 ナルタン(日家ふじ子)<1>:

« 「目からウロコの日本の歴史」 小名木善行+神谷宗幣<3> | トップページ | 「国宝 法隆寺Ⅰ」釈迦三尊と玉虫厨子 鈴木嘉吉他監修 »