「古事記」全3巻 中村吉右衛門(朗読) 河合隼雄(解説)<1>
「古事記」全3巻 <1>
中村吉右衛門(朗読) 河合隼雄(解説) 2006/02新潮社 CD 9枚組
No.3695★★★★★
1)古事記は避けて通れないのだが、いざ読み始めると長続きしない。荒唐無稽である。いずれ天皇制肯定へと続いていく。日本書記との差異。ホツマ読みもあるでしょう。仏教との関係は? いろいろ理由はあるが、読んでいく時の方向性、柱、というものを設定することが、なかなか難しいからである。
2)もう、文献として読む気力は残っていないので、ここはCD文献で、ラジオを聴くように古事記を学ぶ方法があるのではないか。そう思って調べてみたら、わが図書館にCD古事記が存在したのだ。
3)しかし、さすがに大冊である。所要1時間のCDが9枚組。上つ巻、中つ巻、下つ巻、それぞれ3枚づつCDがついている。つまり、ひととおり耳にいれるだけで、9~10時間かかることになる。つまり、おそらく一日で聴ける範囲ではない。
4)それでも、なにか可能性がありそうだ、と取り寄せてみると、なんと、上つ巻、中つ巻は、他の人に借りだされていて、借りられたのは下つ巻だけ。開けて、とにかく聴き始めてみたら、なんと各天皇の物語である。う~ん、なんだかなぁ。古事記って、こういうものだっけ・・・?
5)でも、悪いことばかりではなかった。下つ巻から始まったのは、むしろ良かったかもしれない。朗読は中村吉衛門だったが、巻末の巻末で、河合隼雄が「解説」しているのである。これは、私にとっては、とてもラッキーだった。最後の最後に見つけるより、最初の最初からこの「解説」を聞くことは本当によかった。
6)と言いつつ、ラジオを聴くように、他の作業をしながら、ながら視聴だったので、聴き落としたところもたくさんあるので、これから何回も聴くことになるだろう。いずれにせよ、なるほど、そうなのかい、と思ったところを、箇条書きしておく。
・河合隼雄ですら、若い自分は古事記が嫌いだったという。
・でも、現在(解説時点)では、無人島に持っていくなら、まずは古事記一冊を持っていくだろう、というくらい好きだという。
・日本書記よりは古事記が好きだという。
・古事記の中でも、上つ巻が一番おもしろく、中つ巻はまあまあ、下つ巻は、あんまり、というレベルのようである。
・となって、上つ巻のストーリー解説を聴いていると、なるほど、私でさえ知っているようなストーリーがほとんどである。それでも、それらをどう読むのか、どう取り上げるのかは、ちょっと微妙である。
7)ヒルコ、ツクヨミ、ホスセリ、天之御中主神を代表とする中空均衡構造と、リーダーシップ重視の中心統合、この二つの拮抗の話は面白い。
8)ここまで聴きとったことは、かなりアバウトな内容なので、今後、もうすこしキチンと聞いて、しかも、河合隼雄の本などにもあたり、もうすこし正確な内容を書きとめることとする。
9)それにしても、非常に大事なポイントに差し掛かっており、当ブログとしては、全体性を取り戻す意味において、このCDは相当重要な資料となりそうである。
| 固定リンク
「13)すべてがムダであることについて」カテゴリの記事
- 「10年間で読んだ本ベスト10」<24>最後の一冊(2016.06.02)
- 「宮澤賢治 魂の言葉 」 宮澤 和樹 (監修)<2>(2016.06.02)
- 再読したいこのカテゴリこの3冊「すべてがムダであることについて」編(2016.06.02)
- 地球人スピリット・ジャーナル・ダイジェスト版<60>「すべてがムダであることについて 」カテゴリについて(2016.06.02)
- 「10年間で読んだ本ベスト10」<23>さらに3冊にしぼる(2016.06.02)
コメント