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2016/06/02

日高見国を訪ねて 「北上川散歩」鈴木 文男<3>

<2>からつづく

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「北上川散歩」日高見国を訪ねて <3>
鈴木文男1991/05 あづま書房 新書版 p153

1)昨日、著者を訪ねた。我が家から著者のお宅までは実に数キロの距離である。実に示唆に富んだ本なので、以前より出版社やら著者に関心があったのだが、本は本として、ご自宅に押し掛けたり、出版社に問い合わせたりしたりするのは、どうもハシたない、と思う癖があったので、そのままになっていた。

2)しかし、どうもいても立ってもいられなくなり、昨日は、わずかな手掛かりを手に外にでた。出版社はすでに引っ越しているかと思ったが、まだ現存し、なんとその出版社の表札の上には、著者のフルネームの表札がでていた。1920年生まれの著者、まだ御健在であったのである。

3)この方がどういう方なのか知らない。どういう経歴で、どういういきさつでこの本ができ、今現在、どういう状況にあるのか。そんな中で、突然の訪問は失礼だろう。もちろん、失礼すぎる。

4)しかしながら、この恥ずかしがり屋の東北生まれの私にも、蛮勇をふるうエネルギーが腹の底から湧いてくる時がある。太平洋をはるかに見はらす高台にあるお宅は、おそらく3・11の波の動きをつぶさに観察できる位置にあっただろうとさえ思われる。

5)逡巡したが、勇気を掻き集めインターフォンを押した。おそらく二回押した。しかし、残念ながら、ご不在のご様子である。残念。出直そう。綺麗に片づけられたお庭にはなにやら著者のボタニカルライフを思わせるような風景が。

6)車にもどって、ふと考えた。そういえば電話をかけてみるという方法もあったよね。自動案内音声が「もうありません」と伝えてきた。そうだろうな、と思いつつ、掛け間違えていたことに気づいて、再コール。そこでようやく私は著者と直かにお話しすることができたのであった。

7)「北上川散歩」の残部がありましたら譲ってほしいのですが。最近ヒタカミ国に関心を持ち始めた友人にこの本を一冊プレゼントしたいので・・・。ご高齢の方なので、電話の音声の聞きとりがむずかしいこともあったかもしれない。だが、しっかりされた声でお答えいただいた。

8)すでに残部は一冊もないこと。再販の声もあるが、まだそれには至っていない、ということ。読者の方々に関心を寄せていただくことは大変ありがたいことだ、と。そういうお答えのなかに、しっかりした著者のエネルギーに触れたようで、こちらの背筋もピンとした。

9)残念ながら、電話だけで、実際にはお会いできなかったが、いずれお手紙で読後感想などをお伝えいたします、とお話させていただきました。

10)実は、著者のご本は巻末のリストを見るだけでも数十冊あるのである。しかもその多くは近くの図書館に入っている。著者を直接訪問する前に私にはやるべきことがまだ残っていたようである。

11)現行カテゴリもまもなく終り、次期カテゴリは「把不住」という名前でスタートしようというところである。次のスタートは、ひょっとするとこの方の本を読むところから始まるのではないだろうか、という予感がしてきた。すくなくとも「把不住」カテゴリ一冊目はこの本できまりでしょう。

つづく

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