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2016/06/20

「知的障害のある子といっしょに」(バリアフリーの本 「障害」のある子も“みんないっしょに”)渡辺 眸(写真)

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「知的障害のある子といっしょに」(バリアフリーの本 「障害」のある子も“みんないっしょに”)
渡辺 眸(写真)石井 葉(著), 湯汲 英史(著), 2000/01 偕成社 大型本: 39ページ 渡辺眸関連リスト
No.3723★★★★☆

1)このシリーズには数十冊の単行本があるが、その中のこの7と10に、われらがカメラウーマンは参加しているようである。シリーズ10「『障害』ってなんだろう?」(2000/03)には4人の写真家が関わり、彼女の写真は4枚だけだったが、こちらの本は、写真家としては彼女一人の名前があるだけである。

2)この本を見ていて思い出したことがある。障がいのある子といっしょに、というテーマで考えれば、実は、私の家のすぐそばに、知的障害者(が中心と思う)のディサービスの施設がある。通常の二階建ての民家なのだが、独り暮らしになった女性が家族と一緒に暮らすことになり、数年空き家だったところである。

3)3・11震災の前の年、ここに誰か引っ越して来るらしいよ、という噂とともに、若い男性が隣近所ということで挨拶にきた。なにやら施設になり、時々大きな声がするかもしれませんが、大丈夫ですので、よろしく、とのことであった。

4)数日して、近所の元町内会長から召集がかかった。この施設は問題なのではないか。この町内には必要ないのではないか、とのことである。隣近所数軒と、その施設の代表が、一晩話あった。

5)80も越えた元町内会長の意見ももっともなところがあった。この小さな町内は、実はこの大きな団地の草分けで、何もないところからだんだんと大きくしてきて、これだけ注目されるような団地になったのだ。その歴史あるこの町内を大事にして、調和のとれた団地にしていきたい。その流れにこの施設は沿っているのか。

6)元会長がいうのももっともだが、実は、すでに世代はどんどん交代していて、今は新しい世代や住み方が進行中である。古い住宅は取り壊されたり、空き家になることもある。変に空き家になって火事などの心配をするよりは、誰かが利用するのは、家というもののもともとの目的にあっているのではないか。

7)私は、両者の話を聞きながら、その施設の実態もよくわからなかったが、誰かがお世話しなければならないのなら、その施設がここにあることはそんなに不思議ではないのではないでしょうか。別に私は反対ではありません、と話した。

8)それを後ろで聞いていた、これもまた町内会の重鎮だが、いや、じつはほれ、うちの親戚の誰々の子供も、まぁ、こういう形で世話になっていて、といろいろな話もでた。結局、まずは何かあったら、お互いよく話し合いましょうね、という了解を得て、この施設はスタートしたのだった。

9)思えば、この施設の関連の公的施設は、もともとは県北部のキャンプ場の近くにコロニーとしてあったのだが、県政の方針が変わったのだ。、ノーマライゼーションということで、どこかにまとめて収容する、という姿勢ではなくて、街の中で、みんなと同じに暮らしていこう、というのである。

10)それからもう数えて見れば6年が経過している。3・11も一緒に体験し、地域にすっかりなじんだ施設と言える。わたし的には、特段にお手伝いしているわけでもなく、別に迷惑を受けているわけでもない。お隣さんとして一緒に暮らしているのである。

11)特徴と言えば特徴になるか、この泊りを含むディサービス施設からは、たしかに「大きな声」が聞こえてくる。叫ぶ声も聞こえるし、ガタガタ賑やかな音がでてくることもある。休みの日の朝など、その手の音で目が覚めてしまうこともある。まぁ、しかし、それは朝寝坊している私の、一種の目覚まし時計になっている、と言ってもいいのかもしれない。

12)この本もまた、いろいろ考えさせてくれる。私のような割と無関心な者に比べれば、身内や親戚などにそのようなテーマを抱えて、真実そのテーマに直面し、葛藤しながら生きておられる人々も多くいらっしゃるに違いない。そのような人々が声を飲み込んでしまうのではなく、時には、声として出していただき、私たちの耳に届くことは、とてもバランスのよいものであると、思われる。

13)これを書いている今さっき、我が家の窓の外を、利用者の子供たちが、何人か連れ添って歩いていった。賑やかなものである。見ていて楽しい。駅から歩いて10分足らず。ひとりひとりについては、よくわからないけど、私は、町内は賑やかなほうがいいと思う。

14)カメラウーマンのヒトミは、決して好奇の目でもなく、ノーマライゼーションといった堅苦しさもなく、ネパールの女の子モヒタを見つめるように、健人くん小学三年生をも、静かに見つめる。

14)「賑やかに 通り過ぎていく 子らのある」 把不住

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