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2016/06/02

「宮澤賢治 魂の言葉 」 宮澤 和樹 (監修)<2>

<1>からつづく 

宮澤 和樹 (監修)  2011/06 ロングセラーズ 新書 218ページ
★★★★★

1)3・11後の賢治の評判はますます高まった。あちこちから賢治が立ち上がった。もはや賢治しかいないのか、というほど期待が集まる。マイトレーヤーかメシアか、救世主のごとくだ。ひとり賢治におっかぶさっていいのかどうか。そろそろ再検討が必要だろう。

2)当ブログとしては、すでに100冊をゆうにこえる賢治作品を記録してきた。そして、かなり拙速ぎみに「ちょっと早すぎる賢治再読リストベスト10」(2012/01/17)なんて記事を書いていたが、まぁそろそろ再読する季節でもあるだろう。もう5年も経過したのだし。

3)すでに自分で作っておいたこんな図式や(2011/10/16)

Photo_3

4)こんな図式も気になり始めてきた。(2011/11/06)

Photo

5)さて、この「宮澤賢治 魂の言葉 」 宮澤 和樹 (監修)は、賢治ゆかりの著者が花巻に経営する林風舎を訪問した時に求めた一冊である。発行時期や血筋から考えて、こちらも大事にしておきたいが、実は、当ブログとして大いに肩入れしたのは「宮沢賢治祈りのことば 悲しみから這い上がる希望の力」(石寒太2011/12 実業之日本社)のほうであった。

6)今となってはタイミングの違いとだけメモしておくが、今後、この二冊を並べて検討してみるのも面白いかもな、と思う。

7)それと、どうせ賢治論を再発熱させるなら、賢治の出自論もきになるところである。「宮沢賢治幻想紀行」 新装改訂版 畑山博他 2011/07 求龍堂)には

賢治の両親は、ともに姓を宮沢という。父方も母方も宮沢家である。祖先をたどってゆくと、一人の人物にで行き当たる。つまり遠縁の一族なのだ。その人物とは誰か。江戸中期の天和・元禄年間に京都から花巻にくだってきたといわれる、公家侍の藤井将監(しょうげん)である。この子孫が花巻付近で商工の業に励んで、宮沢まき(一族)とよばれる地位と富を築いていった。(中略)

 いずれにしても、賢治の祖先は、京都からの移民である。つまり、賢治の中に流れている地は蝦夷以来の、みちのくの土着ではない。天皇を頂点とするクニに反逆する血ではないのだ。p106「生涯」

 などというコメントも残されている。他にはまだ見つけていないコメントなので、この辺あたりも、しっかり把握しておきたいものである。

8)スティーブ・ジョブズにも似て、我らが愛す賢治アイコン、そろそろまた活動時期がきたようである。

つづく

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