「人工知能は私たちを滅ぼすのか」 計算機が神になる100年の物語 児玉哲彦
「人工知能は私たちを滅ぼすのか」 計算機が神になる100年の物語
児玉 哲彦(著) 2016/03 ダイヤモンド社 単行本(ソフトカバー): 328ページNo.3753★★★☆☆
1)AIや人工知能、シンギュラリティについての情報がいよいよ乱立してきた。しかし、あちこちでボンボンと打ち上げられる花火の、どれがどう本命なのかは、いまだ不明である。
2)この本は1980年生まれの(ということは現在36歳だから、決してもう若者とはいえない)若い世代の、コンピュータ歴史のまとめと展望である。
3)かつて当ブログがスタートした地点で、独自の検索を続けた結果、コンピュータが意識を持つとすれば、それは身体を獲得するからである、という結論に達している。
4)この本においては、「心」という用語が多用されていて、「意識」という言葉使いはされていない。この辺は恣意的なものであり、用語の統一はいずれ図られるであろう。
5)人工知能は、人間の赤ちゃんのように体を獲得し、体を使った家事や肉体労働や介護や農業などの仕事をこなせるようになります。ペッパーの例のように、人工知能はロボットに搭載されることで、物理的な仕事もこなせるようになるのです。p251「体を持って生まれ落ちる人工知能」
6)コンピュータにとっての身体とは、必ずしもロボットといわれるような五体をもった人間型であるとは、必ずしも確定していない。また大きさもまた決して人間サイズとは決まってはいない。最終型に至るまで、その身体は、さまざまな意味においての「身体」となるだろう。
7)しかし究極的に、人間の「意識」を生み出そうとするならば、当然のように人間サイズの人間型の「ロボット」になるのは必然であろう。
8)この本、最初の90%はこれまでの歴史のまとめであり、当たり前でちょっと飽きがくる部分も多いが、残り10%は、ある意味独自性のある想像的でSF的で、物語的でもあり、まぁ、留意すべき点も含んでいる。
9)ただし、本のタイトル「人工知能は私たちを滅ぼすのか」とか「計算機が神になる100年の物語」とか云う部分は、あまりイカさない。どこかこれまでの日本的なドメスティックでガラパゴス的な発想に繋がっていき、どうも発展性がない。
10)もうちょっとイメージを全面的に開放し切った大きなステージの上で、意識なり、身体なり、頭脳なり、を再構築してほしいものだと思う。
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