「星の街仙台」 ベールを脱いだ呪術都市 稲辺 勲
「星の街仙台」 ベールを脱いだ呪術都市
稲辺 勲 1999/11 IPO B5パンフレット p30
No.3759★★★★★
1)いかにも月刊雑誌「ムー」から切り出したような作りの小冊子である。デザイン、写真、文章、どれを取っても「一流」である。このまま市販本の人気ランキングに入ってもおかしくないような一冊である。
2)しかるに、どうも解せない点がいくつかある。通常であれば、まずは著者紹介がある。写真と簡単な略歴があってしかるべきであろう。せめて何年生まれで、現在の所属とか・・・・。まぁ、すでに17年前の出版であれば、変更点も幾つもでてきて当たり前だが。
3)私は、たまたま数日前ネットで検索していてこの小冊子があることを知って図書館から取り寄せたのだが、ネットでこの本のタイトルを検索して行けば、内容の全体がほとんど分かってしまう。ただ、もともとはこうして一冊の本として存在していたのであり、ここまで出来上がるまでのエネルギーに敬服するものである。
4)ここからは単に個人的な推測にすぎないが、作者は50年配(ということは出版当時30代半ばか)の男性。仙台市近郊で出生し、あるいは育って、県内の高校を卒業し、現在はどうやら街中で「居酒屋」か「バー」のようなものを経営されている方、というイメージがある。
5)この本の骨子は、400年前に伊達正宗がこの地に街を築くにあたり、神社仏閣やその他施設を意図的に配置した、というものである。中世都市国家の建設にあたり、風水のようなグランドスコープを持ちいたことは、なかば当然化されているのであり、それは多いにあり得ることだ。
6)しかしまた、仙台に住まう人々や正宗に関心を持つ人々にとって、じゃぁ、それではどこがどうなっているのか、という視点は、実に新しいものと思われる。
7)仙台城本丸、愛宕神社、榴ヶ岡天満宮、仙台東照宮、青葉神社、大崎八幡宮、亀岡八幡宮。仙台に住まう私たちにとってはなじみの深い社名だが、これらがひとつひとつの繋がりを持って、しかも全体として大きな意味を持っていたとしたら。しかも、おおやけには知られずに、秘密裏に物事が進められていたとしたら・・・・・。
8)このレベルの関心になると、おそらく雑誌「ムー」などを「愛読」しているような愛好の志にとっては、もはや当たり前の内容なのかもしれない。あるいは、もともと密かに語り継がれてきたことが、今回なにかのきっかけで浮上し、あるいは「解き明かされ」、あるいは意図的に「流布」されている、と見ることもできないわけではない。
9)その他、白虎、朱雀、青龍、玄武などの四獣をどこに見るか。東西南北をどこに見るか、どこに交差させるか、させいないか。角度、鬼門、柔術・・・・などなど、無責任に野次馬根性で見る分には、なるほどね、仙台も「ちゃんと」風水していたね、ということになる。
10)しかしまた、もうすこし突っ込んで関心を持ったとして、じゃぁ、それがどうした、ということになる。それらが「呪術都市仙台」の証拠であったとして、だからどうした、現代に生きている私たちにどう関わってくる? という問題意識の変換がある。
11)面白い「発見」ではあるが、そこんとこが「弱い」。
12)ただ、そこまで言ってしまっては、あまりにつっけんどんである。少なくとも、身近な自分たちの街に、少なくともこれだけ多くの施設があり、これだけの歴史があり、いままで何の繋がりも感じず通り過ぎていた施設やポイントが、これだけの意味を持っていた「かも」という可能性を持って、散歩し、ウォーキング、散策、見物、参拝、再考するのは、とても面白いと思う。
13)すくなくとも、漫然とポケモンGOなどをやるよりは、はるかに面白い!!❤と、還暦はるか越えの私なら思う。
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