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2016/08/24

「2016年版 間違いだらけのクルマ選び」島下泰久<17>

<16>からつづく

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「2016年版間違いだらけのクルマ選び」
島下 泰久 (著) 2015/12 草思社 単行本(ソフトカバー) 256ページ 目次
★★★★☆

<17>高速クルージング

1)新プリウス4で自動車道を300キロほど走ってみた。私は自動車評論家でもなく、モータージャーナリストでもないので、その走り心地を言葉で表現することはなかなか難しい。実に快適だった、とはいいがたいし、あれはもう乗りたくない、などと言えるわけもない。

2)そもそも私は、そういう意味では高速道路を長時間乗るように作られたクルマにいままで乗ったことはないのだ。走りという意味では、おそらく平均値以下のクルマしか乗ってないのだ。

3)しかしながら、一年に何回あるかないかのそのようなチャンスに、クルマはとにかく安全に走ってくれたらいい。目的地に着けばいいのだ。音、疲労、楽しさ、そのようなことは二の次だった。

4)そういう点からいえば、音は、今まで私が乗ってきたクルマの中では一番静かだろう。エンジン音、タイヤ、新車度、そういう点からいえばあたりまえだ。しかし、老齢化したわが身を考えれば、もうすこし静かで穏やかであってもいい。必要十分ではあるが、全く問題なし、とはしない。

5)疲労、これは音にもつながることだが、運転していて、いやになることはないが、疲労しないわけはない。疲れはでてくる。しかし、肩あたりの疲れはそれほど感じなかったのではないだろうか。到着した後は、ゆっくり休みたくなったが、めちゃくちゃ疲れて、もう乗りたくない、というような感想はでなかった。

6)楽しさ。これもなぁ、よくわからん。出たばかりの話題の新車を与えられて、高速クルージングを味わえるわけだから、楽しくないはずはない。同車種が走っていれば、ああ、こちらもああいう風にみえるんだなぁ、と思いつつ、他のクルマから「そんけい」の目で優先してもらったりすると、おお、なかなかいい、と満足感は高まる。

7)それでもやっぱり、寄る年波を考えると、高速クルージングするのは、もう危ないな、と感じる。いままでも乗り越えてきたリスクなのだろうが、とにかく高速クルージングには危険がいっぱいだ。いつ大事故が発生しないとも限らない。あの時、あのタイミングで、ちょっとこうしたら、こういう大事故につながったかな、と想像すると、あとからジワーと怖くなる。老婆心ならぬ、老爺心とでもいうものだろうか。あまり長時間の長距離運転はしたくないな、と思う。

8)途中、サービスエリアで給油した。ガソリンの残量約10リッター未満。そこからだってまだまだ200キロは走れるはずなのだが、やはり怖くなる。順調に走り続けられる時ばかりではない。時に渋滞に巻き込まれ、時に事故で高速道の上に留め置かれる時のことを考えると、かぎりなくガソリンは満タンのほうがいい。

9)そういう意味では、いくら満充電で280キロ走るとは言っても、電気自動車は怖い。途中で放電しなくてはならないような事態に陥った時、一体どうなってしまうのか。たしかにガソリン車の給油だって、5~10分の時間をとるのである。80%充電に20分かかったって、いいではないか。それほどの違いはない。そう思ってはみるものの、あの自動車道で、夜間、長距離間にサービスエリアがなかった時のことを考えると、正直ゾッとする。

10)私はおそらく健康であれば、70歳を超えても運転はするだろう。いや80歳になっても運転できるような健康を保ちたい。そしてもしその時も生涯現役として仕事を続けて、ハンドルを握っていたとしたら、その時もやはり何百キロという長距離を走る可能性は否定できない。もうしたくないだろうが、必要に迫られて高速クルージングになるやもしれないのだ。

11)そういう意味においては、今日の高速クルージング体験を踏まえていうと、完全電気自動車EVより、自宅でも充電できるがガソリンでも走るPHVのほうに軍配を上げたい。それは、一種の保険だ。

<18>につづく

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