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2016/08/31

「2016年版 間違いだらけのクルマ選び」島下泰久<22>

<21>からつづく

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「2016年版間違いだらけのクルマ選び」
島下 泰久 (著) 2015/12 草思社 単行本(ソフトカバー) 256ページ 目次
★★★★☆

<22>防災を考える

1)観測史上、はじめての東北直撃上陸台風だという。当地は昼過ぎに強い雨風があったが、夕方には割とおだやかな風景となり、夕焼けさえでた。しかしながら、災害はいつやってくるとも限らないし、今回の台風で被害を受けた地方の方々には、心よりお見舞いを申し上げます。

2)さて、災害とクルマというテーマでいえば、あの3・11を思い出さざるをえない。クルマのバッテリーが何日分の家庭消費電力になるとか、そういう話題だけをメーカーは出したがるが、何はともあれ、当ブログは当ブログとして、それらのエピソードをいくつかメモしておくことにする。

3)当日午前、不思議な予感があった。クルマででかけるべきか、いや、否か。結局、電車ででかけた私は正解であった。あの日、街に出かけて、立体駐車場にマイカーを入れていたら、出庫することさえ不可能であっただろう。まずはクルマが足出まといになることを、想定しておかなければならない。

4)地震直後、私は徒歩で自宅に2時間半かけてもどったのだが、普段からウォーキングしていたおかげで、大体の時間も予測できたし、体力もあった。ビジネスシューズではあったが、戻れる自信はあった。

5)しかしながら、あの時、もしクルマで帰宅する途中なら、カーラジオで刻々と報道される地震情報に耳を傾けることができただろう。私のスマホは充電が半分だった。通常の通信でさえやたらと電力を食い、ネット情報やラジルラジルのような利用方法は、頭に浮かばなかった。

6)当地は4日間停電したわけだが、その間、クルマから電力を取ることはできなかった。その設備がなかったのである。しかしながら、あとで聞いたら子供たちの部屋にはそのシステムコードがあったのであり、本当はスマホにも簡単に充電できたはずだった。もうすこし考えておけばよかった。

7)ガソリンは半分しか入っていなかった。しかし20リットルとして、リッターあたり20キロ走るとすれば400キロ以上移動できたはずなのであり、関東や、北東北の親戚まで、移動することは可能であることを確認していたので、まずはガソリンを浪費せず、温存することを心掛けた。

8)数日経って、ひょっとすると知り合いのガソリンスタンドではガソリンがあるかも、と思い訪問すると、20リットルだけ分けてくれた。障害者や緊急自動車が優先なのだという。半分特待的に分けてくれた。災害時のためにも、近所に懇意にしている燃料店があるのはよいことだ。

9)となりのお宅では太陽光パネルを上げていたので、スマホの電力を分けてもらうことができた。それで、我が家でも震災後、さっそく太陽光パネルをあげた。クルマにも、USBやら100Vやら、電力が取れるようシステムを常備した。

10)加えていえば、安全面からも電気をつかうファンヒーターを常備していた我が家であったが、残っていた旧式の石油ストーブが役に立った。古いゆえ、すぐ壊れてしまったので、震災後、新しい石油ストーブを購入した。もっとも、冬の間しか灯油を常備していないので、もし夏の間に災害があった時のことを考えると、また別の対策を考えておかなければならない。

11)さて、断片的な以上のことを踏まえたうえで、災害時にも役立つクルマ選びを考えるなら、次のような点を考慮すべきだろう。
・コンパクトカーもいいのだが、災害時に必要となる備品のバックアップセットを用意しておく意味でも、トランクルームはそれなりにあったほうがいいだろう。
・電力は最小限で、いい。別に電気自動車でなくても構わないが、それを取り出す工夫は常にしておかなければならない。費用は数千円ですむのだから、怠ってはならない。
・場合によっては、臨時ベットになる。一晩も二晩も過ごす可能性があるのだから、多少は余裕をもってすこし大き目でもいい、と思う。
・ガソリンは空にしてはいけない。結局同じことなのだから、50%を切った段階で満タンにしておくべきだ。この時の安心感は大きい。
・今時当然のことだろうが、クルマの中でもラジオ・テレビを視聴できるようにしておくほうがいいだろう。情報は大切である。普段からも、音楽なんか聞くよりも、地方ラジオ局のニュースに耳を傾けていたほうがいい。乗車時に地震に遭遇したことがあるが、クルマ自体がゆれるので、地震そのものに気づかないことも多い。道路情報も大切だ。
・災害時に、クルマのバッテリーが役立つ、という宣伝もあるが、それはあまり当てにしてはならない。利用は限定的と割り切るべきだ。そういう方法がある、ということを忘れない程度でいいだろう。
・3・11ではたくさんのクルマが流された。災害対策のために、キチンと保険も確認しておくべきだ。地震・噴火・津波特約、なんてものも、キチンと理解しておく必要がある。
・クルマで逃げる時のために、ナビもキチンと整備しておくべきだろう。懐中電灯も必要だ。できれば、寝袋なんてのもマット替わりにクルマに積んでおくのもいいかも。

12)などなど、こういう側面からもクルマ選びをしていくとすると、たんなる燃費とかカッコいいとかばかりではなく、別な意味でのクルマの実用性にも目を向けておくべきだろう。

<23>へつづく

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