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2016/08/30

「2016年版 間違いだらけのクルマ選び」島下泰久<21>

<20>からつづく

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「2016年版間違いだらけのクルマ選び」
島下 泰久 (著) 2015/12 草思社 単行本(ソフトカバー) 256ページ 目次
★★★★☆

<21>雑感アラカルト2

1)代車のレンタカーとは言え、新車に乗っていると、やはり周囲の目は違ってくる。お、買い替えたの? とか、交差点の譲り合いでも、こちらが優先になることが多い。それなりにみんなが気をつかってくれる。歩行者もこちらを見てくることが多い。なるほどね、新車はそれなりに優越感を持つことができるんだね。

2)「新型、どうですか?」と聞かれる。どうかなぁ、と私は首をかしげる。自分のボロ車のほうが、慣れているだけ運転がしやすいです、と答えると、周囲は納得する。周囲の心理も微妙である。うらやましさ半分、何か文句のひとつもいいたいところがある。「やっぱ、そうですか、人気いまいちなんですよね」。それが本当かどうかしらないが、そういう会話のほうが現場は丸く収まる。

3)実際運転してみて、座面が低くなったので、乗り降りがスムーズなのは、これは大いに二重丸である。それと、まぁまぁナビの室内音声が割と気がついてくれるので、それはそれでいいのだが、若干慣れてくればうるさくもなるだろう。だが、これはマイナスというものもある。

4)それは車両の大きさ。これはどのクルマに乗っても最初は戸惑うものだが、やはり私の好みとしては、もうすこし小さいほうがいい。横丁のスーパーに食材を調達しにいくのに、このクルマではちょっと大げさだ。狭い路地や、込み入った駐車場では取り回しに気を遣う。

5)高速はどうだろうと思うが、高速時はやはりこの程度の大きさは必要だと思うし、むしろもっと大きくて安定していてもいいのかな、と思う。そういう意味では、ゴルフなんて、乗ってみたことはないが、4mをちょっと超えたくらいの大きさで、しかも高速クルージングの安定性などから考えれば、日本人に人気があるのは、わかる。アメリカでは不人気だそうだが、やはり、あの小ささが納得できないのだろう。

6)リペアもなかなか一進一退している。一番の問題は、この天候である。始めた時はちょうどよい天候だったのだが、その後は、雨が降ったり、湿度が上がったり、台風が来たり。思った風に乾燥しないので、進まない。もっとも、慣れない作業ゆえやり直しをしなければならないところもたくさんあり、この湿気で塗料がへがれやすくなっているのは、むしろ歓迎すべきか。

7)リーフがいいなぁ、と思い始めると、道路を走っていても、駐車場に入っても、お隣さんでもリーフが目に付く。リーフもいいなぁ。ゴルフがいいなぁ、と思い始めると、道路を走っていても、駐車場に入っても、お隣さんでさえゴルフに乗っていることに、ようやく気がつく。結局、なんでもいいんだな。

8)そういう目で見始めると、自分の旧車さえいとおしくなる。道路を走っていても、駐車場に入っても、自分と同型の旧車が目につく。お、カッコいいじゃん。乗ってる人もなかなかだなぁ。そして、自分のクルマの損傷している部分と同じ個所を眺めては、そうだよなぁ、あそこがああいう風にツルンとさえしていれば、なんでもないのだ、と納得する。

9)リペアがうまくいけば、おそらく私の浮気心は収まっていくだろう。浮足だつこともない。まずはゆっくり、アートを楽しもうじゃないか。10年10万キロ、とはこういうことをいうのだ。

10)NHKのニュースでもプリウスのPHVを報道していた。何をいまさらとも思うが、ひょっとすると、何か動きがあったのか、とネットを検索してみたりする。所詮は今冬発売という予定がより確定的になってきている、ということであろう。

11)手の届かないブドウは渋い、という法則通り、もはや今冬PHV購入をあきらめた身としては、あのスタイルがどうもいまいち納得がいかない。高速クルージングや燃料消費だけの問題なら、あの必然性はわからないでもないが、太陽光パネルで充電して、横丁にトーフを買いにいく、という用途では、そんな風力学や車両の重厚性は不要なのではないか。

12)新車を買いましたぁ、という目立つのはあまり好きではない。業務用で使用していくクルマでもあり、あまりに客先を刺激するようでもうまくない。いまや古臭く見えるリーフのほうが、ちょうどいいのではないか。簡易郵便局に切手を買いに来ていたおじさんのリーフ、カッコよかったな。あの程度でいいのだ。あのドン臭さは、貴重で有用だと思う。ただ、あれでも、もうすこし車体は低くて小さいのがいいのかも。

13)エコカーを「走る原発」とまでクサす勢力があることを知った限りは、お花畑でのおクルマ選びごっこにばかり熱中もできないが、どうも気になるので、その辺ももうすこし調べておきたい。いいたい気持ちもわかるが、そこにはキチンと説得力ある反論を下しておかなければならないだろう。

14)車両本体と、ナビと、冬タイヤは必要、と自ら断じている限り、これからは、すこし各社のパンフレットなどを参考にして、この際だから、ナビ選びと、タイヤ選びについての調査もしておこうかな。

15)小さな貸農園のオーナーが、黒塗りの大型ベンツで登場した時にはまいった。ぜんぜん似合わない。軽トラでこいよ。市民農園にナスやキュウリをもぎに行くときに、プリウスPHVやミライでいく自分の姿を想像することさえできない。それは似合わないだろう。別に軽トラとは言わないが、もうすこし風景になじんだデザインというものがあるだろう。巨大都市を闊歩するのだけが、工業デザインではないだろう。

16)そんなことを考えていると、一年後、三年後、五年後のクルマ選びは、その時はその時、まずはゼロベースで再考すべきなのだな、と改めて思う。

<22>につづく

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