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2016/08/31

「2016年版 間違いだらけのクルマ選び」島下泰久<23>

<22>からつづく

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「2016年版間違いだらけのクルマ選び」
島下 泰久 (著) 2015/12 草思社 単行本(ソフトカバー) 256ページ 目次
★★★★☆

<23>リペア

1)走る、曲がる、止まる、の基本機能に影響がないことを確認しているので、本当は何も問題はないのだが、やはり、修復できるものであれば修復しておきたいことはある。特に、多少は人目に触れるボディであれば、なんとか自分で修復できる範囲であれば、しておきたい。

2)と、シロート考えで、あれこれカーコーナーで買い込み、業務や天候の調子などの合間を縫って、なんとか、できる範囲のことはした。せいぜいサビが入らない予防程度のことしかできなかったし、見栄えは、自分で思っていたよりひどい。これでいいのなぁ、と思いつつ、プロではないんだから、こんなもんだろ、という諦めの地点がやや近づいてきた。

3)もっとも、完全修復を約束してもらっているのだから、いよいよになったら、本来のプロに頼めばいいのだ。これでなんとかならなかったら、あとは何かの機会に一緒に直せばいい。そういう妥協が成立する寸前まできた。

4)気になればどこまでも気になるが、知らんぷりしていれば、気づく人も少なかろうという領域である。青春時代のほっぺのニキビのようなもんだ。考えようによっては、チャームポイントにすらなるのではないか、などと、やや慰め気味に納得しようとする。

5)しかしそれにしても、走る、曲がる、止まる、維持する、防災、アウトドア、畑仕事、親戚周り、小旅行、たくさんあるクルマの目的の中で、わが愛車は、ちょうどいいサイズなんだなぁ、とあらためて思う。

6)かつて乗り継いできたマイカーは大体5年目くらいになると飽きが来た。やれ性能が悪い、燃費が悪い、乗り心地がひどくなった、ライフスタイルに合わなくなった、車両トラブルが増えた、とにかく、なんやかんやで、いやになるのが大体5年目くらいである。あとは、ひたすら忍耐の日々。

7)ところがである。現在のマイカーはすでに6年目なのに、まだまだ健在であるばかりか、飽きもこない。ライフスタイルの変化にもうまいこと対応してくれているし、定期整備の効果もあってか、一回もトラブルがない。あえていうなら細かいボディの傷だが、これは逆にいうと、自分にとっては勲章ですらある。

8)畑仕事にもついていくし、山あり谷ありの突発的な現場にも直行する。風雪の中でロングドライブしなければならないときもあれば、あの3・11の時だって活躍してくれた。アウトドアでは、かなり過酷な使い方をされている。向こう傷のひとつやふたつ、勲章のうちでしょう。

9)そう思えるのだから不思議だ。だから、今回の件も、なんとかその程度の範囲で乗り越えようとしている。少なくとも私は。しかし、その傷を見ている家族の目はそうでもない。あらら、これほど~、とちょっと同情されているのがわかる。見て見ぬふりをしてくれるのが一番いいのだが、リペア中の姿を見て、あれ、絆創膏張ってるの、とか、このごみ袋必要?とか、いろいろお手伝いやらチョッカイやら出してくる。

10)だがしかし、もう少しで妥協点までたどり着く。そこまで行けば、家族の嫌味も止まるだろうし、いずれ忘れてしまうだろう。私は忘れないが。しかし、全体から見れば、これがほっぺのニキビ程度に思える日も、そう遠くはないはずである。

11)むしろ、わが身に変って、犠牲になってくれたマイカーに感謝したい気分だ。デメリットももちろんあるが、メリットだって、いろいろある。考えようによれば、これは天の配剤。ピンチはチャンスなのだ。

12)ということで、駐車スペースに長く留め置かれたマイカーが、また走り出す日がまもなくやってくる。それとともに、一か月近くも代車として試乗させてくれたレンタカーとも別れることになる。いろいろ言ったが、こちらにも感謝しておきたい。可能であれば、また君と、自分の次のクルマとして再会するかもね。

<24>につづく

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