「図解・燃料電池自動車のメカニズム」 水素で走るしくみから自動運転の未来まで 川辺謙一
「図解・燃料電池自動車のメカニズム」 水素で走るしくみから自動運転の未来まで
川辺 謙一 (著) 2016/2 講談社ブルーバックス 新書: 256ページ
No.3774★★★★★
1)本著のタイトルがどうであれ、本著はミライとリーフとプリウスPHVの試乗体験をベースにして全体が作られている。その三台の比較の中に、歴代の実験車や、私はすっかり見落としていたiMiVEやアウトランダーPHEVなどが絡んでくる。
2)なかなか面白い比較だ。突然始まった、クルマ選び(準備)のアンテナに、当然この三台がひっかかってきたのは、むしろ必然だったのだ。これらが一番新しい話題なのだ。もっともこの本が出て半年以上経過しているわけで、ミライはともかくとしてリーフにはより長時間走れる上位車種が派生し、プリウスPHVも、今冬モデルチェンジするのである。
3)この本のタイミングであれば、どれとも判断はつかなかったが、現在となればリーフが一歩長じており、これから冬にかければプリウスPHVが話題に、ということになるだろう。しかし、それはさらには来年になればまた新たなニュースで上書きされることになり、年々、話題の中心は変化していくだろう。
4)いわゆるこれらのエコカーは、当然のごとくにあの3・11をきっかけに加速して開発されてきているのであり、環境問題に敏感である層には、目を離せない、あるいは避けて通れない話題である。
5)「『走る原発』エコカー」 (上岡 直見 (著) 2015/07 コモンズ)なんて本もあったし、この本においても、いわゆるエコカーは本当にエコロジーなのか、という問いかけもあるので、お花畑でのエコカー礼賛は避けるけれども、やはり「走る原発」とまで断罪するほどでもないのではないか、と、この本を読む限り思う。
6)まず水素をどのようにつくるか、という問題は、エコカー推進は、原発の一種である高温ガス炉ありきで推進されている、と断定する上岡説は、ちょっととんがりすぎているように思う。まずはエコカーの流れは、別にガラパゴス的な日本国内だけの技術ではない。世界的な潮流なのだ。たしかに日本が先駆けてはいるが、それをもって現政権への批判とするのは、ちょっとゆがんだ思想のように思う。
7)とにかく、ガソリンも電気も、水素も新しい。私の人生はわずか60年ちょいだが、生まれたころは身近にガソリンなんてものはなかった。電気だって、通じてないところはたくさんあった。水素に関しては今でも身近なものではないが、とにかく、この数十年の技術の変貌は限りなく激しいものであったことは間違いない。
8)これらの技術が、破壊のほうに行かずに、創造のほうに行ってほしいと願うのは、何も私だけではない。
9)思えば、遊園地のゴーカートだって、ゴルフ場のカートだって、あるいは幼稚園送り迎えの若奥様方のアシスト自転車だって、電気で動く移動体だった。電気自動車なんて、昔からあったのである。安価で、便利で、整合性のある道具に成長していってほしいものである。
10)文頭に帰るが、もし、今本当にクルマ選びをしなければならないとしたら、私はリーフを選びそうだが、まだまだ現在のマイカーが若干古いままのハイブリット車だとしても、それが使えるうちは、しっかり大事に使おうというのが、もっとも中心となるエコ感覚ではなかろうか。
11)そしていずれはやってくるだろう最終的なクルマ選びの時のために、もうすこし現在のクルマ状況を調査しておこう。
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