「人工知能と21世紀の資本主義」サイバー空間と新自由主義 本山美彦
「人工知能と21世紀の資本主義」サイバー空間と新自由主義
本山 美彦 (著) 2015/12 明石書店 単行本 313ページ
No.3769★★☆☆☆
1)人工知能という単語で引っかかってきた一冊。タイトルに人工知能と語ってはいるものの、そこに特化しているわけではなく、この50年来のIT技術の進化にともなるゴシップを、ひとまとめにまとめたもの。
2)1943年生まれの京都大名誉教授ということなので、それなりの重鎮なのであろうが、専攻は世界経済論とかで、IT世界へのアプローチもおざなりだ。ITが好きで好きでたまらない、というオタク感はまったくない。むしろ、虫歯で泣いている子供を、歯科椅子に乗せて、さて治療でも始めようか、という、クール感、ある意味、そっけなさが目立つ。
3)もっとも人工知能と言えば、単にそれだけが存在しているわけではないのだ、その歴史全体が必要になるわけだから、著者のアプローチが間違っているわけではないのだが、むしろ間違っているのは、内容ではなくて、タイトルであろう。タイトルは著者の意志というよりは、編集者や出版社の意向が反映されることが多い。
4)最後にビッドコインについての論究があるなど面白いが、全体としてはおざなりな一冊。で、あなたは何をしたいの。どこに属しているの。と、読んでいて、何度も何度も聞き返したくなる一冊。いわゆる学者さんの手慰みなのだろうか。
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