「2016年版 間違いだらけのクルマ選び」島下泰久<24>
「2016年版間違いだらけのクルマ選び」
島下 泰久 (著) 2015/12 草思社 単行本(ソフトカバー) 256ページ 目次
★★★★☆
<24>新車と旧車の比較
1)提供されている代車としてのレンタカーも三週間がすぎ、そろそろ返却の時期である。突然のアクシデントとは言え、こうして試乗の機会も与えられたし、クルマ情報のブラッシュアップに役立ったのだから、よしとするか。
2)リペアは、正直言って成功とはいえない。やはりこういうことはプロに任せるべきなのだ。しかしカーコーナーに行けばたくさんのリペア商品が並んでいるのだから、アマチュアでも自分でリペアしている人々は多くいる、ということだ。
3)サビたりしない程度に最低限のリペアを施し、まずは一旦終了。経費は確保されているのだから、いざとなったらプロに頼めばいい。それまでの応急処置である、と納得すれば、納得できない範囲ではない。
4)いきなりクルマが変わるのもなんだか違和感があるから、多少の余裕をもって久しぶりに旧マイカーに乗り込んでみる。さまざまなことを感じるが、まずは座席に乗ろうとすると頭がぶつかる。いかに新車が座面を低くして、乗り降りのスペースを確保しているかがわかる。
5)キーレスエントリーは、私は正直言って好きではない。信頼できないので、毎回ドアノブを引っ張って確認作業をしている。路上荒らし、車上荒らしは、機密の高い資料を持ち歩く分だけ、被害にあえば被害にあった自分の責任ということになってしまう。セキュリティは重要だ。
6)エンジンをかければ、まずはナビが平均距離を示してくる。別段にリセットしなかったので、前の人のデータに継ぎ足しで計算されているが、新車と旧車のリッターあたりの走行距離の差は7キロ。つまり25%さらにエンジン機能が向上しているということだ。
7)これを単純に計算すると、年間1万キロ走行の平均の場合、一か月800キロ走行として、月6000円だったガソリン代が、新車だと1500円安くなる、という計算だ。つまり一年間で18000円、5年間で約10万。10年乗るのであれば、ガソリン代だけで20万は浮くという計算になる。
8)つまり、ぎりぎりの予算からさらに20万高くても、初期投資とランニングコストを換算すると、ほぼ同等ということにはなる。ただ旧車と新車の差額はもっともっと大きい。新車に乗れる分だけ初期投資も維持費も増大することを考えれば、積極的なクルマ替えには否定的になる。
9)走り出した感覚はまったく違う。直観的に言えば、コピー用紙と段ボール紙ほどの違いがある。新車は思った以上に軽い。え、という軽さだが、これがいいのかどうか。私には軽すぎる。走っているというより、滑っている、飛んでいるという表現のほうがあたっている。
10)比すところの旧車は、重い。ドンドンと来る。ペダルを踏む力も1・5倍くらい必要だ。しかし、この走りも実は捨てたものでもない。走っている、という感覚にはなる。だから、ちょうどこの二車のちょうど中間くらいがいいのではないか。つまりは、新車がやや経年劣化したあと、そして旧車の新品時、そのくらいがちょうどいいのだろう。
11)太い通りを走っている分にはどちらにも違いがない。しかし細道に入ると、新車は滅茶滅茶緊張する。ボディが大きすぎるのだ。どのくらいの差があるのか。体感としては全長で20センチ程度、幅で5センチ程度は違うのではないか。車体感覚がつかめないうえに、借り物ゆえ、傷などつけたら、多いにこまる。神経質にならざるを得ない。
12)駐車場入れ、バック時には滅茶滅茶疲れる。何度も何度も切り返す。ナビだけでは安心できずに降りて確認してからまた乗り込んでエンジンを切る。これって、どこか間違っているよなぁ。バックソナーは還暦エイジとしては絶対必要だろう。旧車にはこれがついていないが、後付けオプションなりDIYでも、これは検討すべきだろう。それとこの際だからドライブレコーダーも検討の余地あり。
13)とにかく新車は見切りが悪い。あの窓の形状がそうさせるのであるが、実は私はプリウス3もこれで見限った。私にはプリウス2くらいがちょうどいい。あれでもまだ不満はあるが。見切りの悪さでいえば、リーフだって偉そうなことはいえないだろう。あれではバック時に還暦エイジはてこずるはずだ。そういう意味ではゴルフなどは見切りが簡単そうだ。
14)ここまで来た限り、はっきりしておきたいのは、私は新プリウス4は買わないだろう、ということ。買えない、と言ったほうが本当は正しいのだが、もし可能性があるとしても、同じ車格帯なら別のを買う。あのコピー用紙のような軽さ、やたらとトンがってデカい車体。これだけでマイナス50点。燃費の良さはプラス30点としても、さらに初期投資を考えれば、限りなく不合格エリアに没落する。
15)比して、キスマークありの旧車はどうか。やはりここまでくると燃費の悪さが気になる。もっと乗り方を工夫しよう。旧式ナビをなんとかしなくちゃ、とも思う。バックソナーもほしいなぁ。ドライブレコーダーもね。乗り降り時の頭のぶつかりも、気にはなるよね。タイヤも買わなくっちゃね。でも、追加経費はおそらく数万で済むはず。ローンの借り換えなんて考える必要ないよ。
16)総合すると、この中間がやはりちょうどいい。だから、いずれにしても我慢が必要だ。初期投資の負担に我慢ができるなら新車。性能の衰えに我慢できるなら旧車。今のところ、この中間はない。
17)中間があるとすれば、新車の試乗車などワケあり車を探して格安で乗るか、旧車にそれなりの手をかけて目先を変えるか、のどちらかだろう。
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