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2016/09/26

地球の論点 現実的な環境主義者のマニフェスト<3> スチュアート・ブランド

<2>からつづく 


「地球の論点」現実的な環境主義者のマニフェスト<3>
スチュアート・ブランド 仙名紀 2011/06 英治出版 単行本 439p
★★★☆☆

1)面倒な議論をまた始めなければならない。この本を再読しようと思い立ってから、すでに2週間が過ぎてしまった。なにからどう手をつけてよいのやら、いまひとつ進まない読書作業に、ちょっとはいらつく。

2)この本を再読として読み進めるには、それなりの併読すべき資料がある。今はひとつひとつ数え上げないが、きわめて広範なテーマを扱っているので、おっかけにも体力がいる。

3)幸いにしてこの著者にしてこのような本がでるのは、年齢的にもこれが最後だろうと言われているので、多少の時間がかかっても、遠く手が届かないところまで離されてしまうことはないだろう。むしろ、多少、無理な論理でも、自らが他に先じている、という自覚を持っている著者であれば、むしろ、かなりのバグを抱えたままの自説を、後進のものたちの目や手によって更新される日を待っているようにさえ思う。

4)夢想的なのか。冷笑的なのか。批判的なのか。隠遁的なのか。単にひやかしなのか。野次馬なのか。おっちょこちょいなのか。

5)この本においては、自らの視点を「現実的」と規定する。そしてまた「環境主義者」とも語る。

6)どこからどこまでを現実とみるのか。誰の目からみた現実なのか。どのような規定でもって切り取った現実なのか。その現実、リアリティ、という言葉には、大きく幅ばある。

7)環境主義者、という自負の念の中に、大きな勘違いはないのか。大国的で、エリート的で、しかもお友達的な内輪での現実、というものに成り下がってはいないか。

8)この本を読み下すには、やはりまずはエネルギー問題であり、次に食料の問題がある。ざっくりいえば、彼に見えている現実は、この地球上の人類のエネルギーをまかなうには原発が必要であり、70億からやがて100億に到達するであろう人類の食料生産には、遺伝子工学が必要、ということになる。

9)まずは、当ブログにおいても、このふたつあたりを切り口に、なんとかこの本を読み下したいと思っている。

<4>につづく

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