「わがボタニカルライフ」<32>ハロイン・カボチャ
<32>ハロイン・カボチャ
1)今年の夏は所用で忙しく、また体調もいまいちだったので、本来月に最低2回は通うべきクラインガルテンには、ほんと恥ずかしくなるほど通えなかった。なんとか苗は植えたもの、そのあとは放置、という情けない状態が続いた。
2)あれはどうする、これはどうする、と疑問がいっぱいな畑仕事だが、なかなか失敗連続で、思ったようなものは作れない。
3)それでも、大地があり、太陽があれば、あとは雨風あらしがやってきて、鳥や蝶々や蜂たちがやってきて、作物はそれなりに育つ。それが生命だ。雑草と言ってしまうが、もろもろの期待されざる植物たちもたくさん群生し、あっという間に草むらとなる。
4)今年のかぼちゃはちょっと小さかった。肥しをやるべきなのか、実に台座をしいて保護すべきなのか? ほかのツルを断って、実を厳選すべきなのか。わが栽培法はまだ確立していない。それでも今年もかぼちゃは成った。
5)実はなってくれたので、いくつかは冬至まで保存しておいて冬至カボチャでスープになるとして、小さくて、しかもちょっと収穫の遅れたものは、下のほうからやや腐敗が始まろうとしている。これは保存がきかないだろうし、食べてもおいしくないだろうな。
6)いくつかは、酸えた臭いもしてきたので、残念ながらゴミ箱行きとなってしまった。
7)しかしまてよ、とゴミ箱から取り出して、ハロイン・カボチャに変身となった。彫刻刀でざっと顔を書いて、あとは歯ブラシなどで種を掻きだせばできあがり。孫たちの喜ぶ顔が浮かぶ。
8)二個だけ作ったけど、孫の数だけ作った方がいいのかな。それとも近隣の小さな子供たちの分まで作ってあげたほうがいいのかな。なにはともあれ、我が家の孫たちの反応を見てからだな。
9)こうしてみると、なぜにハロイン・カボチャというものが登場したのか、わかるような気がする。せっかく大地から生命が芽をだして実をもったのに、歓迎もされず、よろこばれもせずに廃棄されてしまう。それではあまりにも哀れではないか。
10)そのような植物たちの、うらめしい怨嗟が、ハロイン・カボチャのような形になって、せめて子供たちにバイバイをいおうとしているんだろうな。カボチャ君たち、今年も遊んでくれてどうもありがとう。一緒に祝おう。感謝してるよ。
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