「WIRED VOL.24」 特集 NEW CITY 新しい都市 <1>
「WIRED VOL.24」特集 NEW CITY 新しい都市 <1>
2016/8/9 コンデナスト・ジャパン 雑誌
; 不定版 日本語
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No.3788★★★★★
1)ごく最近になって、当ブログは当ブログなりに、自分はカウンターカルチャー路線でもなければ、エソテリックワーク路線でもない、と自己規定した。そう勝手に決めた、ということではなく、具体的に起こる事象からわが身を処するにあたって、そう規定せざるを得なかったということのほうが正しい。
2)カウンターカルチャーつまり「反」でもなく、エソテリックワーク「非」でもなければ、はてそれでは何なのだ?と自らに問いかける。「超」というのもなにかトンデモ路線を想像させる。スピリチュアルな軽い天使とか宇宙人が出てきそうな、そんなイメージ。それではいけない。
3)当ブログはあえていうなら「新」であろう。未来志向であって、なおかつ目新しい世界へのトバグチを探す、そんなイメージだ。あえて何歩も何歩も前に行きたいとは思わない。敢えていうなら、半歩でいい。
4)そして、本当のことを言えば、長州力ではないが「ど真ん中」がいい。「真」だ。
5)さて、当ブログではたくさんの本を読んだし、気になる雑誌もだいぶ追っかけてきた。すでに4000冊になんなんとする、この10年の歩みを、自分は自分なりに評価しつつも、はてさて、本当に未来へのトバグチを見つけることができたのか、という忸怩たる思いも確かにあるのだ。
6)その中にあって、この「WIRED」は、とても気になる雑誌シリーズである。その経緯や、心象については、今までいくつかの号で取り上げてきたが、各号の評価というよりも、この雑誌の全体の評価がそろそろ必要になってきたと思う。
7)ざっくばらんに言って、私はこの雑誌が好きである。この雑誌以上に気になる雑誌は、今のところない、と言ってもいい。しかしながら、逆にいうと、この雑誌ほど、読もうとすると、まったく読めない雑誌も他にない、ということになる。
8)どういうことなのか。この雑誌全体は、説得力のカタマリだ。何かを語りかけてきて、力づくでこちらにメッセージを伝えようとする。ひとつひとつがなるほど、と、うなづかないわけではない。
9)しかし、ひとつひとつがどうも納得しがたい論説であったりする。それは、読み手であるこちらに弱点があったりすることは確かだ。しかし、ちょっとへそ曲がりで、素直ではない私にとっては、どうも、ちょっと、おい、それは違うだろう、という面もかなり多い。
10)つまり一言でいうと、この雑誌は私にとっては、「良薬、口に苦し」というところである。良薬とは、現在のところ、ちょっとほめすぎでもある。良薬と、認めてあげたいが、本当にそうかい? と問いかけているところである。
11)良薬、というよりも新薬というなら、むしろそっちのほうが正しいかもしれない。新しく開発された新薬の、実験台になっている、そんな感じがする。確かに効き目があるかもしれない。新しい世界の先端で開発された新し技術、新しい世界観。それを飲むのか、拒否するのか。とにかく積極的な姿勢を要求される。
12)この雑誌、正しい表現ではなかろうが、あえていうならリベラルだ。自由で、先進的で、ある意味、傲慢だ。しかし、その論説には説得力もあり、また、現実味もある。
13)ひとつ、大きなリトマス試験紙となるのは、原発に対する姿勢だろう。キチンと確認したわけではないが、この雑誌にまつわる事象の周辺は、必ずしも「反」原発ではないのである。もちろん「非」原発でもない。一挙に「超」原発にも走らないが、現実味のある「新」原発に、おそらく肯定的な軸足を置いている。
14)ここのところが、私がこの雑誌を全面的に容認できない、大きなポイントである。原発そのもの、というよりも、人類の進化や技術のイノベーションに対して、大きな見極めをしているところがある。決して「理想」ばかり走らない。そして、多少の「悪」をも飲み込む、ある種のやんちゃさも持っている。そんなイメージだ。
15)したがって、私はこの雑誌のよい読者ではない。敢えていうなら、この雑誌の批判者だ。だが、その批判者たる私は、この雑誌を読んでいると、本当にそれでいいのか、と、ちょっと自分の立場が悪くなるのを、いつも感じる。手ごわい相手なのだ。
16)本当は私はこの雑誌に対して、反でもなければ非でもない。超でも、新でもなく、ど真ん中の「真」として、溶け込んでいきたい、という欲望もある。そうできるかどうかはともかく、そう思せる、そういう力を、この雑誌はもっている。魅力ある雑誌シリーズである。
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