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2016/10/16

「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<15>ビキニング 始めていく 今こそ新しい時代の夜明けである

<14>からつづく 

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「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

<15>ビギニング 始めていく 今こそ新しい時代の夜明けである

1)極めて強くインスパイアされる一冊である。当ブログが、2006年に梅田望夫の「ウェブ進化論」(2006/02 筑摩書房)でスタートしたとするなら、当ブログはこの一冊で幕を引いた、としてもおかしくはない一冊である。この本へ至る道であった、ということができる。

2)しかしながら、ケヴィン・ケリーのこの12の法則が、ビカミングから始まって、ビギニングに至る道程であるならば、当ブログもまた、始まりつづけることを宣言すべき一冊となる。

3)<始まっていく>ことは1世紀にも及ぶプロセスで、変わらずなんとか前に進み続けている。その巨大なデータベースと広大なコミュニケーションは退屈なものだ。リアルタイムの地球規模の意識の夜明けということの事象は、無意味なもの、あるいは恐ろしいものだとして片づけられている。

 実際のところ、大いなる不安が沸き起こるのももっともで、というのもこの脈打つ鼓動から逃れられる人間の文化(や本質)は何ひとつないからだ。

 それでも、われわれは自分たちを超えたレベルで動き出した何かの一部でしかないために、この興隆しつつあるとても大きなものの全容を掴むこができない。

 分かっているのは、そのまさにその始まりから、古い秩序を混乱させ続けていることだ。それに対する過激な揺り戻しもあるだろう。p384「BEGINING」

4)コンテナとしてのパーソナルコンピュータ、コンテンツとしてのインターネット、そしてコンシャスネスとしての*****、と当ブログはとらえてきた。*の部分については、それぞれの時期に、それなりの試みで、さまざまな言葉を当てはめてきた。

5)<インターネット>の次に来るもの、として、ごく最近ではブロックチェーンを取り上げる潮流がある。本書では、ACCESINGの中で、ビットコインとともに取り上げられている。

 ビットコインは完全に分散化され、中央銀行が正確さを保障したり保証したり法的措置や規制をかけたりする必要がない通貨だ。(中略)ビットコインのもっとも重要なイノベーションは「ブロックチェーン」であり、それはこのサービスを動かす数学的なテクノロジーだ。ブロックチェーンはお金だけでなく、他の多くのシステムを脱中央集権化するものすごい発明なのだ。p161「ACCESING」

6)この本においては、それは必ずしも<インターネット>の次に来るもの=ブロックチェーン、という風には定義されていない。どんなものであっても、未来において確定ということはない。

 ブロックチェーンの重要な側面は、それが公的な共有地(コモンズ)の性格を持つことだ。誰もがそれを所有しているわけではなく、言うなれば、皆が所有している。創造する行為がデジタル化すれば、それはより共有され、共有されれば所有者はなくなっていく。

 誰もが所有するということは、誰も所有していないことに等しい。それこそ、公共財産やコモンズの意味するところだ。p162「ACCESING」

7)現在はモノに偏った表現がされているが、コトに移り、やがてアルに至ることであろう。

 分散化されたウェブやインターネットは、いまでは公共のコモンズの中心にある。ウェブのサービスはまるで自分が所有しているように使えるが、それを管理する手間はほとんど要らない。指一本でいつでもすぐに呼び出せる。p162「ACCESING」

8)一般には「強いシンギュラリティー」と「弱いシンギュラリティー」の二つのバージョンが知られている。強いシンギュラリティーは、未来が超知能によってもたらされると考える。もし自分よりスマートなAIを作れるAIがあれば、理論的には世代を重ねるにつれそれ以上ないレベルのAIになっていく。

 実際にはAIが自力で次々とスマートな次世代を生み出し、それが無限に加速していくと、最後にはAIが神のような知恵を持って存在する問題すべてを解けるところまで到達してしまい、人類を置き去りにするというものだ。

 それがシンギュラリティーと呼ばれるのは、その先がわれわれの理解の範囲を超えているからだ。これをわれわれの「最後の発明」と呼ぶ人もいる。さまざまな理由から、私はこうしたシナリオは起こらないと思っている。

 弱いシンギュラリティーの方があり得る話だ。この例ではAIはわれわれを奴隷化する(スマート人間の悪徳版のように)ほどにはスマートにならず、AIもロボットもフィルタリングもトラッキングも本書で述べたテクノロジーの数々もすべてが合体し---つまり人間にマシンが加わって---複雑な相互依存へと向かっていく。

 その段階に達すると、あらゆる出来事はわれわれのいまの生活以上の大きな規模で起こり、われわれの理解を超えたものになるので、それがシンギュラリティーということになる。

 それはわれわれの創造物がわれわれをより良い人間にする領域であり、一方でわれわれ自身がその創造物なしでは生きられなくなる領域だ。これまで氷の状態で生きてきたとするなら、これは液体だ---新しい位相なのだ。p380「BEGINING」

9)当ブログでは現在、レイ・カーツイルの「シンギュラリティーは近い」 (2016/04 NHK出版)を併読中である。全6章のうち、5章までは、入り組んだ科学的な世界の用語の説明がつづき、正直理解しにくいところもあり、退屈でもある。しかしながら、最終章である第6章は極めて興味深い。

第6章 わたしは技術的特異点論者だ それでもまだ人間なのか?

意識をめぐる厄介な問題

わたしは誰? わたしはなに?

超越としてのシンギュラリティ レイ・カーツワイル「シンギュラリティーは近い」 p219

10)ケヴィン・ケリーのこの興味深い一冊に感銘をうけながら、具体的にわがライフスタイルを更新しつつ、次はレイ・カーツワイルのこの部分を読みつなぐ予定である。

 われわれは、すべての人間とすべてのマシンがしっかりと結び付いた地球規模のマトリックスに向かって容赦なく進んでいる。このマトリックスは、われわれが作ったものというよりプロセスそのものだ。

 われわれの新しい超ネットワークは途切れることのない変化の波であり、われわれの需要や欲望を新しく組み替えては絶えず前へと溢れていく。今後30年の間に特定のものが成功するかどうかは、個人のチャンスと運の流れ次第だ。

 しかしこの大規模で力強いプロセスの全体としての方向性は、明確で間違いようがない。これまでの30年と同じように、これからの30年もホロスは同じ方向へと向かっていくだろう---

 つまり、より流れていき、よりシェアしていき、よりトラッキングし、よりアクセスし、よりインタラクションし、よりスクリーンで読み、よりリミックスし、よりフィルタリングし、よりコグニファイし、より質問し、よりなっていく。われわれ<始まっていく>そのとば口にいるのだ。

 もちろん、この<始まっていく>ことはまだ始まったばかりだ。p391ケヴィン・ケリーp380「BEGINING」

<16>につづく

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