「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<10>フィルタリング フィルターをかけていく 本当に必要なものを順に選別する
「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
ケヴィン・ケリー (著), 服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次
★★★★★
<10>フィルタリング フィルターをかけていく 本当に必要なものを順に選別する
1)ここまでくるとわかってきたのは、「<インターネット>の次に来るもの」は原題通りではないとしても、来るべきものを知るには、まずは、インターネットを知り尽くし、使い尽くしてこそ、初めてわかる、ということになるのだろう。
2)12の法則のうちちょうど半分の6まできて、ここからは7番目の法則である。ある意味、ここからは折り返しの地点である。
3)あふれ続ける情報の波にフィルターをかけるというのはある意味当たり前のことであり、各自それぞれに工夫もしている分野であろう。
4)当ブログでは最近、アクセス解析を通して判別される「人気記事ランキング」のコードを変えてみた。というのも、ベスト10に入る記事は、ほとんどが一冊の本の各ページになってしまい、ある意味、当ブログの結論は、この人の、この本、という結論がでてしまったからである。
5)個人的には、この人の、この本に人気が集中するのは当然であり、その結果についても問題はない。それは歓迎すべきことであり、ある意味、そのなるように書き手として読者を誘導してきた面も少しはある。
6)しかしよくよく考えてみる。その読者の人々は、私の書いた文章にはあまり興味はない。ひたすら、あの人の、あの本の、リピターなのである。一人で毎日何十ページもアクセスする。ブログを設置している立場としては、うれしくはないのだが、あまりにも長期にその事態が常態化すると、飽きがでてくる。もう、これで終わりかな、とさえ思う。
7)そこで、最近フィルターをかけた。その本に一切アクセスできないようにしたのである。そうすると、ベスト記事に登場する顔ぶれが大きく変わってきた。そして毎回違った顔ぶれが登場するようになったのである。これは正解だったと思う。
8)さらには、二番手、三番手も、実はフィルターをかけた。ヤマタノオロチの8つの顔のうち、3つをやっつけてしまったことになる。ドラゴンヘッドが少なくなって、ロングテールから順番に、上に上がってくる記事もでてきたのだから、書き手としてはうれしい。
9)おお、そうかそうか、この記事も読まれているのか、と再認識できる。。
10)おそらくドラゴンヘッドのすべてをいずれフィルタリングすることになるだろう。そして、この記事はどうしても読んでほしい、といままで隠れていた記事が読まれるように、フィルターをかけ続けることになるかもしれない。
11)逆に、自分向けにフィルタリングしなければならない面も多い。長い間メールのあるコーナーは、まったく手つかずで放置してあるのだ。そこはジャンクメールではないが、日常的にはあまり必要じゃないものの日々のデータが送られてくる場所だ。毎日毎日、同じ文面で同じ発信元から、数字だけ変えて送られてくる。自然、そのコーナーは無関心になってしまう。
12)怖いのは、そのメールだけではなくて、他のメールにも関心が薄くなり、自然と大事なメールも見落としてしまいがちになるということである。これではいかん。フィルタリングは重要である。
13)これまでのCOGNIFYING(コグニファイング)やFLOWING(フローイング)、ACCESSING(アクセシング)やSHARING(シェアリング)にはやや矛盾し、逆方向への法則だが、ある種SCREENING(スクリーニング) にも似て、FILTERING(フィルタリング) も、インターネット・リテラシーにおいては重要な要素である。
14)そしてまた、ここらあたりからこそ、「<インターネット>の次に来るもの」の本体の姿が見え始まるのではないか。
15)経験やパーソナルライズを強化するあらゆるテクノロジーが面白いのは、われわれが何者であるかという問いを否応なく突きつけてくるからだ。われわれはじきに、「万物のライブラリー」の真っただ中で暮らすことになり、そこでは人類がなしたすべての仕事が流れていく存在となってわれわれを取り巻き、すぐ手が届くところに無料で存在する。
大規模なフィルター群が寄り添い、静かにわれわれをガイドして、われわれの望みに応える準備をしている。「あなたは何がほしいですか?」とフィルターが尋ねる。「あなたは何でも選べますが、どれにしますか?」。
フィルターは長年われわれを観察してきたので、われわれが何を望むかを察知している。だからほんとど尋ねられると同時に自動的にそれを満たしてくれる。問題は何を望んでいるのかわれわれが分かっていないことだ。(中略)
われわれが新しいものを作り続ける限り、さらなるフィルタリングは不可避だ。新しいものでもっとも重要になるのは、フィルタリングやパーソラナイズの新しい方向であり、それがわれわれをより自分らしくするのだ。p253「FILTERING」
| 固定リンク
« 「わがボタニカルライフ」<34>ナナツホシテントウムシ | トップページ | 「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<11> リミクシング 再統合していく 異質だったものを混ぜ合わせてみる »
「10)FinTech」カテゴリの記事
- 「WIRED VOL.25」/特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える<4>(2016.11.02)
- 「地球の論点」 現実的な環境主義者のマニフェスト<4> スチュアート・ブランド(2016.11.02)
- 「WIRED VOL.9」 OPEN GOVERNMENT ひらかれた政府 デジタル時代の「ガヴァメント」<3>(2016.11.02)
- 「開かれる国家」 境界なき時代の法と政治 角川インターネット講座 (12) 東浩紀(監修) <2>(2016.11.02)
- 「講座スピリチュアル学」 第3巻 スピリチュアリティと平和 (地球人選書)鎌田 東二(編集)<10>(2016.11.01)
コメント