「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<9>シェアリング シェアしていく 秘匿化せずに分かち合う
「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
ケヴィン・ケリー (著), 服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次
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<9>シェアリング シェアしていく 秘匿化せずに分かち合う
1)「社会主義」という言葉に多くの読者が眉をひそめることはわかっている。それは「コミューン」とか「共同体主義」とか「集産的」といった関連する言葉も含めて、文化的な重荷を背負い過ぎている。
私が「社会主義」という言葉を使うのは、厳密に言って、社会的相互作用が駆動する一連のテクノロジーを示す最適な言葉だからだ。われわれがソーシャルメディアを「社会的(ソーシャル)」と呼ぶのも同じ理由からで、そこにはる種の社会的な行動がある。
ここで広義の社会的行動とは、ウェブサイトやネットに接続されたアプリが生み出す、顧客や参加者、利用者もしくはかつて視聴者と呼ばれていた人々の非常に大きなネットワークからの入力を利用したものなのだ。
もちろん、こういう扇動的な用語でさまざまなタイプの組織をひとまとめにするのは論理的な危うさがある。ただこの種の共有を表現するのに手垢の付いていない言葉が見つからないので、敢えてソーシャルとか社会的行動、ソーシャルメディア、社会主義といった最も直接的な言葉を引っ張り出すことになる。
生産手段を持った大衆が共通の目的に向かって働き、プロダクトを共有し、自分の労働を賃金の対価なく提供し、成果物をタダで享受していることを、新しい社会主義と呼ぶのに不自然な点はないj。
彼らが共通して使っている動詞が「シェアする」という言葉だ。実際のところ、こうした新しい社会主義の経済的な側面を、ある未来主義者たちは「共有経済(シェアリング・エコノミー)」と呼んでいるが、それはこの世界における基本通貨が「シェア」だからだ。p183「SHARING」
2)ケヴィン・ケリーのこの本における12の法則のうち、もっともわかりやすく共感しやすいものの一つはこのシェアリングであろう。当ブログがインターネット社会にもっとも期待してきたことであるし、また享受してきたことの一つでもある。
3)おそらく精神において、この法則から私があらためて具体的に示唆を受けることはそれほど多くない。そうだろうなぁ、そうすべきだよな、ということが圧倒的に心に浮かぶ。
4)しかしだ。本当にそうだろうか、と胸に手をあててみる。ケヴィン・ケリーはこの項において、群衆としてのクラウドのボトムアップも必要だが、時にはある一定程度のトップダウンも必要だと言っている。具体例や表現法は違うが、私もまたそう思う。
5)シェアリングというコラボレーションの基本は当たり前ともいえるが、実はこれが具体的に有効化されることは難しい。ある意味奇跡的であったりする。
6)そういうことを踏まえて、私自身がかつて参加してきたプロジェクトなり共同性が、なぜにどうして、ああいう結果になったのか、ということは十分振り返ってみる必要がある。そして、よりインターネット的に理解を進める必要があるだろう。
7)ここまでで、12の法則のうちの6つがリリースされたわけだ。私なりに私のライフスタイルにおいての理解をまとめておこう。
-----------後日追記-----------
⑪クエスチョニング あきらめず神秘に向かって問いかけ続けよう
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