「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<1>
「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則<1>
ケヴィン・ケリー (著), 服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次
No.3795★★★★★
1)人気本である。なかなか私の番が回ってこなかった。当然であろう。ケヴィン・ケリー、目下、もっとも注目を集めるべき地球人のひとりである。その最新刊である。
2)最新型のコンピューターも融通が利かなくなる。使っているうちにアプリも古びてくる。プログラムも陳腐になる。新しいソフトもすぐにほころんでいく。あなたのせいではなく、勝手にそうなっていくのだ。それが複雑であればあるほど、より多く(より少なくではなく)注意を払わなければいけない。変化へと向かおうとする自然の傾向は、最も抽象的だと思えるもの---ビットにさえ及ぶのだ。
こうしてデジタル世界の景色を変えようと攻撃が始まる。周りのものがすべてアップグレードされたら、自分のデジタル機器にもその圧力がかかってメンテナンスが必要になるのだ。あなたはアップグレードしたくないかもしれないが、他人がやっていたら、あなたもせざるを得ない。それはアップグレードの軍拡競争だ。
私はずっと自分のデジタル機器を(まだ使えるのになぜだと思いながら)、最後の最後にいやいやながらやっとアップグレードしていた。それがどんな結末になるかはお分かりだろう。一つアップグレードすると途端に他のものもアップグレードが必要となり、さらにそれがあらゆるものへと飛び火する。
私はある小さなアップグレードをしたせいで、自分の一生の仕事をダメにした経験があるので、ともかく何年でも延ばせるものは延ばしたい主義だ。
しかし個人が使うテクノロジーがどんどん複雑になってくると、周辺機器ともお互い依存するようになり、それは生きた生態系(エコシステム)のようになっていくので、アップグレードを遅らせることはより破壊的な結果をもたらすことになる。
現在進行中の小さなアップグレードを放っておくと、それがどんどん溜まっていき、最終的に行われるアップグレードがとんでもなく大変なものになる。そこでいまでは、アップグレードはある種の衛生手段だと考え、テクノロジーの健康を保つための健康法だと思うようにした。
テクノロジーのシステムにとってアップグレードを続けることは不可欠なので、主要なコンピュータのOSやいくつかのアプリでは、自動アップグレードが行われる。マシンは陰に隠れて自らをアップグレードし、時間と共に静かに自らを変えていくのだ。これは徐々に行われるので、われわれはそれが何かに<なっていく(ビカミング)>ことに気がつかない。
われわれはこの進化を当たり前に受け取るようになるだろう。p17「BECOMING」
3)いやはや、泣いた。あのケヴィン・ケリーすら、このような状態であったのである。私はずっと自分のデジタル機器を(まだ使えるのになぜだと思いながら)、最後の最後にいやいやながらやっとアップグレードしていた。まさに現在の私の立場のような状態だ。
4)しかし、さすがにケヴィン・ケリーである。そこでいまでは、アップグレードはある種の衛生手段だと考え、テクノロジーの健康を保つための健康法だと思うようにした。なるほどなぁ。私もそこまで、自分の考え方をグレードアップできるだろうか。
5)私はここまで読んで、すっかり「掴まれて」しまった。ぐいぐい彼の世界へと引き込まれていく。そして頭の中では、はてさて、会計ソフトはどうしようかなぁ、すでにスタンドアロンの古機③はどうしようかなぁ、プリンターは、どうしようなかなぁ、と考え続けていた。
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