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2016/10/11

「マネーと国家と僕らの未来」茂木 健一郎, 堀江 貴文, 金杉 肇<2>

<1>からつづく 

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「マネーと国家と僕らの未来」<2>
ハッカーズ、  茂木 健一郎, 堀江 貴文, 金杉 肇  2014/12 廣済堂出版 単行本 197ページ★★★★☆

1)この本が出たのが2014/12、当時当ブログは、ビットコインというキーワードで10数冊の本を追っかけ、大体の概略をつかみ、最後にこの本を読んだのだった。あれから一年半あまりの日々が経過した。

2)昨年は春から市民農園を借りてすっかりアウトドアに夢中になっていたので、こっちのほうの話題はちょっとお休みしていた。

3)その間、世の中では、ビットコインというキーワードはフェードアウトしていったが、自然とフィンテックやらインステックという単語で、何事かのうごめきは続いていたことになる。そのことを、最近また強く意識するようになった。

4)一年半前に読んだこの本のイメージはあまりいいものではなかった。★2つである。類書を併読していたから、特段にこの本からしか読めないことは少なく、むしろ、この三人のキャラクターだけが浮き上がる形で、正直、ちょっとウンザリして、斜め読みしたのだったと思う。

5)さて、今回は、この本を再読してみて、自分はどんな感想を持つのだろう、ということに関心があった。

6)今回、通読してみて、まずは前回よりは印象はアップしていたことに驚いた。本当は★5つけてもよかった気がするが、でも、なんだか薄汚い連中、というイメージが付きまとい、一つ★をマイナスした。

7)1~2年前の、ビットコインや仮想通貨、あるいはブロックチェーンという現象について語るのは、流行りの好きなアウトロー的な存在が多かったように思うが、現在はむしろ反対に、フィンテックという名前で、金融や行政あるいは企業と言った、いわゆる体制維持派たちが、躍起となってこの話題に参入している感じがする。

8)それもこれも、グローバル経済の中で、特にアメリカを中心とする経済の新しい波が、この話題を取り上げざるを得ない環境を生み出しているのだと思われる。

9)この本のタイトル、「マネーと国家と僕らの未来」に即した形で、分解して理解してみる。まず、「マネー」だが、ビットコインやブロックチェーンを、単に「マネー」と言い放ってしまうところに、時代性がある。なれなれしくマネーと言い倒してしまったところに、この「ハッカーズ」という三人組の当時のスタンスの弱さがある。

10)また、現在、あわてぎみに「フィンテック」というキーワードで「対策」を練り始めた金融関連や企業には、「国家」という領域はあまりいじりたくない、タブーなエリアとして残っていることだろう。知っていつつも、触りたくないのだ。

11)そして、「僕らの未来」という時、まずは「僕ら」という寄りかかった甘えに似た言葉に、どうも限界がある。一部の「僕ら」の「未来」しか考えていないようだ。これでいかん。

12)まず、未来については、一部の人間の未来ではなく、広く、地球全体の、人類全体の未来についての考察でなくてはならない。

13)そして、あえてマネーと言ってしまわないで、価値の在り方、信頼の在り方、なんのために生きるのか、という人生の目的としての、新しい技術をイメージさせる言い方が必要だろう。

14)国家についても一工夫が必要だ。反国家とか、無政府主義、という挑戦的な形ではなく、人類社会の集団性やまとまりの新形態への対応、という言葉の対策が必要だ。

15)となると、「新しい技術が開く、新しい社会の在り方と、人類の未来」というニュアンスのタイトルに置き換えていくべき、ということになろう。

16)ないしは、当ブログとしては、再燃したこの話題をそのような方向で読み解いていくことにする。

17)パーソナルコンピュータは、自宅でインベーダーゲームができるから素晴らしい、なんていう少ないマニアが喜んでいた時代は短かった。そのことだけではパソコンの魅力も本質も考えることはできなかった。

18)インターネットにしても、裏本をタダで見ることができる、なんてヨダレを垂らしていた男どもだけが楽しんでいた時代も、本当に短かった。ネットはそんなものではなかった。莫大な可能性があった。

19)今、ネーミングとしては正しいかどうかわからないが、ブロックチェーンという新しい技術で、向こう見ずの好きモノたちが、ビットコインという投機性にあふれた通貨を持てあそび、それに対抗するかの如く、オーソリティたちが、その技術を逆手にとってフィンテックなどと称して、未来を取り込もうとしている段階だ。

20)でも、おそらくそれは、パソコンにおけるゲーム、ネットにおけるアダルト、程度のほんの初期的現象でしかないのだ。おそらく、仮称「ブロックチェーン」における「金融ごっこ」などは、ほんの手始めにすぎないのだ。

21)本当にそうなのかどうなのかは、正直わからない。そうならない可能性も十分ある。しかし、イノベーションというものは、待っているものではなくて、自らが参加し、みんなで作っていくものであるとしたら、「僕らがそれを望むなら」、そっちの方向に強く誘導していけるはずなのである。

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