「週刊ダイヤモンド」2015/6/29 特集トヨタを本気にさせた水素革命の真実
「週刊ダイヤモンド」2015/6/29 特集トヨタを本気にさせた水素革命の真実
2015/06
ダイヤモンド社Kindle版 ファイルサイズ: 22265 KB 紙の本の長さ: 138 ページ
No.3812★★★★☆
1)30数ページにわたる特集。何がなんだかわからないうちに進められている国家プロジェクト。うろうろしていると、私なんぞは、うかつな意見を言ったまま、誤解に誤解を重ねるかもしれない。
2)そんな当ブログに釘を刺したのが、「『走る原発』エコカー」 危ない水素社会(上岡直見 2015/07 コモンズ)。両論をキチンと聞いておかないと、ただただ巻き込まれるだけになる。
3)この週刊ダイヤモンド誌はすでに1年以上も前の号だが、当時の「FCVを中心とした水素社会実現を促進する研究会」(水素族議員は100人超)の会長は、今をときめく小池百合子東京都知事)p65。「オリンピックは絶好の舞台 水素を根幹エネルギーに」とインタビュー記事に答えている。p39
4)当時の舛添東京都知事も「2020年、”水素”を前面に押し出したオリンピックを計画中」と赤ら顔のイラストで登場している。p65 流れる川は絶えずして、しかもとどまるたる試しなし。人と住処とかくのごとし。
5)「『走る原発』エコカー」 危ない水素社会の上岡直見氏や小出裕章氏が問題にしている、じゃぁ、その水素はどこから来るのか、についての論述は弱い。「その水素は”何由来”ですか?」p49においては、「化石燃料の改質」、「工業プロセスの副産物」、「バイオマス」、「自然エネルギーを使った水の電気分解」などは消化されているが、原発の副産物、ということには言及していない
6)おそらく「自然エネルギーを使った水の電気分解」などは、イメージとして使われるのであって、政府は本気ではない。むしろ、もんじゅを廃止して、大洗の新型炉あたりから大量に放出される水素ガスの有効利用が、まずは頭にあるのだ(ろうか?)。
7)この記事においては、保坂延人世田谷区長のインタビュー記事もある。p47
九州電力が再生可能エネルギーの買い取りを断念したのも問題の本質は同じですが、日本ではエネルギー需給を考えるとき、開発側、供給側の理屈だけで制度設計してしまってきた。
いくら日本企業の技術が進化しても、エネルギーを使う側である需要家、消費者の視点がないと、水素をはじめとする再生可能エネルギーなんて普及しない。水素革命を起こすために、われわれが声を上げることは使命だと思います。p46保坂展人「自治体連携を強化し水素革命を加速させたい」 福田紀彦川崎市長との対談
8)まだまだ海のものとも山のものともわからない水素革命社会。もっと興味関心をもって見つめ、追っかけていかなくてはならない。
| 固定リンク
« 「THE NEW NUKE」 トリウム原発の新時代(WIRED Single Stories 008)Richard Martin<2> | トップページ | 「Tarzan(ターザン)」 2016年 7月14日号 [自律神経 チューニング術]<3> »
「10)FinTech」カテゴリの記事
- 「WIRED VOL.25」/特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える<4>(2016.11.02)
- 「地球の論点」 現実的な環境主義者のマニフェスト<4> スチュアート・ブランド(2016.11.02)
- 「WIRED VOL.9」 OPEN GOVERNMENT ひらかれた政府 デジタル時代の「ガヴァメント」<3>(2016.11.02)
- 「開かれる国家」 境界なき時代の法と政治 角川インターネット講座 (12) 東浩紀(監修) <2>(2016.11.02)
- 「講座スピリチュアル学」 第3巻 スピリチュアリティと平和 (地球人選書)鎌田 東二(編集)<10>(2016.11.01)
コメント