「FinTech革命」 テクノロジーが溶かす金融の常識<1>
「FinTech革命」 テクノロジーが溶かす金融の常識 <1>
日経コンピュータ (編集) 2016/01 日経BP社 単行本 204ページ
No.3789★★★★★
1)当ブログでもたくさんの本を読んできたが、かなりの確率で「革命」とか「進化」とかいうタイトルがついている本をめくってきた。そのようなタイトルは目につきやすいのだろうし、また当ブログもまたそのような本が好きなのであろう。
2)しかし、ここにきてFinTech革命と言われても、ピンとくる人はそう多くあるまい。かくいう私もちょっと眉唾でいることは確かである。
3)当ブログでもすでに、仮想通貨、ビットコイン、ブロックチェーン、AIと言った類似ワードで追っかけを続けてきたが、ここにきて、それらの全体の言葉が、FinTechという表現に固まりつつあるようだ、と気づいた。
4)FinTechとは、金融技術(Financial Technology」のことであり、情報工学(Information Technology)がいつの間にかITという言葉ですっかり社会に溶け込んでいるように、やがて近い将来、私たちの生活のすぐそばに存在することになるだろう、と言われている。
5)その技術を支えるものは3つのキーワードで示されている。
6)まずはAPI(Application Progrmming Interface)。
APIはアプリケーション・プログラミング・インターフェースの略で、他のシステムやソフトウェアに機能を提供するための規約のこと。APIを使えば、外部サービスと連携する際にシステム開発の手間が省けるなどの利点がある。p31
7)二つ目は、いわゆる人工知能(Artificial Intelligence)。
人工知能とは、コンピュータを使って人間の知能と同等の機能を実現するシステムや、その実現に必要な基礎技術を指す。p32
8)三つ目はブロックチェーン(Blochchain)。
ブロックチェーンとは、暗号技術とP2P(ピア・ツー・ピア)ネットワーク技術を応用し、データの改ざんをほぼ不可能にしたデータベース技術のこと。仮想通貨「ビットコイン」の信頼性を支える基盤になっている。p33
9)これらが束になって新しい時代を切り開いていく、という予測のもとに、ある種の革命前夜的な騒ぎになっているのが、いわゆるFinTech周辺である。
10)同じテクノロジーでも、情報と金融、と言った場合、前者はともかく、後者においては、ぐっと一歩身をひいて冷静になってしまうのは私だけだろうか。私はいわゆる金融業に分類される業務に従事しており、必要に迫られFP(ファイナンシャル・プランナー)などとも呼ばれているが、正直、あまりこの分野については深入りしたくない、というのが本音のところだ。
11)情報なら、発信するのも受信するのも、ある種の自由な雰囲気がただよっているが、金融となると、なぜかどこかに後ろめたい、まがまがしさがつきまとう。これはそう周囲から感化されてきているからかもしれないし、もともとこの世界が持っている本質をついているからかもしれない。
12)情報ならば、世界のあらゆる情報を知ってみたい、などという途方もない夢を持ったりするが、金融となると、まさか世界の資金を全部かき集めてみたい、などという無謀な陰謀は、ほとんどの人間が持つことはないだろう。
13)ましてや、情報や知識なら、典型的には図書館のような公共スペースにおいて、ほとんど無料で提供されるに比べ、金融となると、あらゆる規制と陰謀、裏切りと落とし穴、などを連想してしまい、あんまり関わりたくないなぁ、と、私は率直に思ってしまうのだ。
14)しかしながら、ここにきて、人類の歴史を一変させたインターネットの次の技術は、このブロックチェーンやフィンテックである、という呼び声は高い。本当にそうなのであろうか。それともまたまたまがい物をつかまされるのだろうか。
15)どうも納得のいかないまま、当ブログの新カテゴリを始めるにあたって、まずはこのFinTechのネーミングを借りて始めてみようと思う。途中で、思いっきりタイトルを変更する可能性も否定できないが。
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