「FinTech革命」 テクノロジーが溶かす金融の常識<3>
「FinTech革命」 テクノロジーが溶かす金融の常識<3>
日経コンピュータ (編集) 2016/01 日経BP社 単行本 204ページ
★★★★★
1)今期、当ブログのカテゴリ名として暫定的に選んだのが「Fintech」だった。それがいくら暫定的とは言え、この時期このテーマを選んだということは、決してあてずっぽうであったわけではない。
2)ひとつには、この言葉が、私の業務上の上でも飛び出しつつあったからである。フィンテック、あるいはインステックという用語とともに、何事かの浮足立つ状況が生まれていることは確かなのだ。
3)しかし、それが、ことの本質をズバリと突いている、とは、まだどうしても私には思えない。当ブログは、スタート以来なんとか業務からみのブログにならないかと、実は私なりに努力はしてきているのだ。いろいろ試みた。だが、その試みは長くは続かない。いつの間にか、趣味的というか、もっと私的業務から離れて、どんどん一般論になっていくのが常であった。
4)おそらく、私の日常的な業務に関連させていくのなら、むしろこのフィンテックというジャンルに絞り込んで、より自分の業務のイノベーションにテーマを絞りこんでいくべきなのだろう。だが、そうならないだろうことはすでに予感から実感へと移っている。
5)中学校時代のクラスメートで、同じバスケット部のチームメイトだった友人は、いまや地方銀行の頭取である。あの、スポーツもできて、頭も切れて、なんでも一生懸命やる彼なら当然だとは思う。が、それにしても、人生わずか40年50年の間には、大きな差がつくものだ、とわが身と比較して、驚愕する。
6)だがしかし、私は私で別段に劣等感を感じているわけでもなく、それなり自分の人生に納得満足しており、また、彼はまた人もうらやむような出世街道を歩んだわけだが、その苦労も、友人の一人として、まったく知らないわけでもないし、この長期不景気が続く時代において、当面しているだろう課題も大きかろうことを推測し、そのご苦労も推察するものである。
7)ましてやこのフィンテックの時代、彼は具体的に、どのような課題に直面し、どのように解決していくのだろうか、と、思いを巡らしてみることもある。これもまた、フリーな立場である自分の身軽さがあった上の話であろう。
8)かたや地銀の頭取に比較すれば、わがSOHOのなんと、身軽すぎることか。所詮長年使ってきた会計ソフトを、バージョンアップするべきかどうか、なんてことを悩んでいるのだから、まぁ、お気軽といえばあまりにもお気軽である。
9)この本には、会計ソフトの話題もいくつかピックアップされている。ベンチャーと言われているタイプのネット会計ソフトのCEOなどもインタビューに答えており、なるほど、最初はあまり気にはならなかったが、一度このネットにつないで、その会計ソフトを使ってみようかな、なんてことを思ったりする。
10)しかし、やはり、当ブログとして取り組むべき話題は、結局はフィンテックではない。その本質であるブロックチェーンであろうし、パーソナルコンピュータ、インターネットにつづく、さらなるイノベーションはどのような形でやってくるのか、というテーマである。
11)自宅でインベーダーゲームができる、というレベルでパソコンをとらえていたら、次なるものは決して見えてはこなかった。パソコンで裏本をただで見れる、というレベルでみていたら、インターネットの本質などわかるはずはなかったのである。
12)自分の金融業としての業務がどのように変わっていくのか、とか、送金手数料が安くならないか、いい投資先はないのか、というレベルで見ているだけなら、おそらく現在進行形のイノベーション全体は見えてこない。
13)ではでは、一体全体、やがてやってくると言われるシンギュラリティ状況へのステップアップとしてのこのブロックチェーンを取り巻く環境は、今後どのようなものへと変質していくのか。そこのところは正直まだわからない。わからないからこそ、今後も注意深く、みつめ続けていく必要を感じる。
つづく
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