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2016年10月の102件の記事

2016/10/31

「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<17>

<16>からつづく   

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「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 <17>
ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次
 
1)こちらも返却期限が近づいてきた。パラパラと全頁をめくってみれば、かなりの量の取材が織り込まれおり、一気に読み飛ばすことはできない。
 
2)当ブログとしてはケヴィン・ケリーの12の法則から、もっと引き寄せた12の目標を身近に感じながら、自らのデジタルライフの方向性を修正中である。
 
3)そして、レイ・カーツワイルとケヴィン・ケリーの読書を続けながら、結局、バランスをとるかのようにOSHO「Mindfulness in the Modern World」 How Do I Make Meditation Part of Everyday Life?(2014/04 Griffin)につながっていけたことも大変ラッキーだった。
 
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4)自らの卑近なライフスタイルに引き寄せて考えれば、小さなネット端末を身近に置き、雑誌WIREDのバックナンバーをめくり、日々のOSHO瞑想に立ち戻れるなら、わたし流の、ライフスタイルは完成、ということになる。
5)これらの本たち、機会があれば、相互に関連しながら、また読み進めることになるだろう。
 

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「シンギュラリティは近い」エッセンス版―人類が生命を超越するとき レイ・カーツワイル<6>

<5>よりつづく 

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「シンギュラリティは近い」エッセンス版―人類が生命を超越するとき<6>
レイ・カーツワイル 2016/04 NHK出版(編集)  単行本(ソフトカバー) 256p

1)返却期限が近づいた。その前にもういちどペラペラと前頁をめくってみる。全体的にはかなり難しく、専門的な研究結果の羅列が広範囲にわたって論述されているので、まったくわかりやすい本ではない。

2)しかしながら、科学者を自称する人々が、自らがかかわる部分にだけでも目を通してみれば、彼が引用している部分の諾否だけでも判断できるのではないだろうか。それぞれに意見もあり見通しもあるはずなので、全体として大きくレイ・カーツワイルが論を外している可能性はゼロではない。

3)当ブログは、あえていうなら「瞑想と意識をめぐる読書ブログ」なので、シンギュラリティとして語られているいわゆる科学テクノロジーの行く先の、その先の部分についてより関心があり、また著者がその部分に触れていることだけでも驚くし、そして、まったく的を外した見解とはいいにくい。

4)当ブログはOSHO門弟として、既知、未知、不可知、の三段階の認識論に立っている。私たちはすでに既知なる科学の大いなる恩恵にあずかっている。パソコンやインターネットはその最たるものだろう。しかし、その被害にもあっている。原発事故や地球温暖化など、影の部分も多く見せつけられている。

5)ここでレイ・カーツワイルが盛んに推測し論を重ねているのは未知なる部分についてである。限りなく続く未知なる部分も、ある集約点に近づいてきているのではないか。それを彼はシンギュラリティと名付けている。

6)年代は明瞭とはしていないものの、ほとんどのベビーブーマーたちが生存中に、それを目撃することになるだろう、と予測しているかぎり、すくなくともあと数十年以内、ということになる。

7)レイ・カーツワイルを「強いシンギュラリタリアン」というなら、WIRED創刊編集長ケヴィン・ケリーは「弱いシンギュタリアン」であろう。科学者、というよりは、ジャーナリストとしての芸術家的な感性でやんわりと受け入れる。

8)ところで我がマスターOSHOは、科学者であり、アーティストであり、さらに神秘を受け入れる不可知を感知できる人間であれという。科学が積み上げてきたもの、芸術的な感性が予知しているもの。そして、ついには到達しえない不可知なる領域がある。それを受け入れるのだ。

9)雑誌WIREDやシンギュラリティ大学などに置いて、いつも意識的に、あるいは加速度的にマインドフルネスに触れるチャンスが多くなっている。それを科学的な効果を狙うテクノロジーとしてだけ受け取っては片手落ちである。

10)マインドフルネスは、さらなる創造性を刺激し、探求心を掻き立てる。そして、加速度的に拡大しつつ、ついには到達しえない領域がさらにあることを領解させることに役立つだろう。

11)この本が、近くの複数の図書館に入り始めたことは喜びだ。多くの人に読まれるべきだ。しかし、いつまでもこの本をレインボー評価としていていいのだろうか。もっと冷静に読まれるべき時に近づいているようにも思う。

12)トーンダウンしていった時、確かにレイ・カーツワイルのいうようなシンギュラリティ現象は、強いか弱いかは別にしても出現するだろう。あるいは、出現してしまった現象に、シンギュラリティ、と名前をつけることは、可能である。

13)だが、本来、人間が生きるとはなにか、自分とはなにか、という、この本の一番最後に書かれている部分に差し掛かれば、そこからの考察は、必ずしも厚いものではない。通り一遍である。

14)当ブログは、レイ・カーツワイル的科学マインドに刺激されつつ、ケヴィン・ケリー的感性を愛しつつ、やはりOSHOの不可知の道の旅人なのだ、と自覚する日々である。

<7>につづく

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2016/10/30

「WIRED VOL.9」 OPEN GOVERNMENT ひらかれた政府 デジタル時代の「ガヴァメント」<2>

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「WIRED VOL.9」 特集OPEN GOVERNMENT ひらかれた政府 デジタル時代の「ガヴァメント」 <2>
WIRED編集部 (編集) 2016/04 コンデナスト・ジャパン 雑誌(GQ JAPAN.2013年10月号増刊) 不定期刊版  WIRED関連リスト 
★★★
1)3.11後に(再)創刊されたWIRED誌のこれまでの全25号の見直し中、大体の概略的な理解をしながら、結局は、三つの号に集約されるのではないか、というところまできた。
VOL.01 特集 OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?
2011/06
VOL.11 特集 イノヴェイションは世界を救う
2014/03
VOL.25 特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える 2016/10
  
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2)しかし、よく考えてみれば、創刊号とVOL.02 特集 ステイィーブ・ジョブズが遺した14のレッスン 2011/12 あたりは、もう当ブログとしても読み込み済みで、天の時、としてすでに共感ずみなのではないか。とすると、もうVOL.01VOL.02はとりあえずのトライアングルから外してしまっても構わないだろう。
 
3)そう思えるなら、今、急上昇してくるのが、VOL.09 特集 開かれた政府 デジタル時代のガヴァメント 2013/09 である。前回は、この号があることを確認したのみにとどまり、別のマインドフルネスなどの記事のほうに興味をとられてしまったので、今回はそのオープンガヴァメントのほうを読んでみた。
 
4)角川インターネット講座の中から選んだ三冊の中でも、第12巻 開かれる国家」境界なき時代の法と政治 東 浩紀 監修(2015/06 KADOKAWA)は、かなりのインパクトがあり、注目すべき一冊としてマークしているところである。
 
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5)さて、開かれた国家、オープン・ガヴァメントとは、いったい何か。どう、何が、進行しているのか。今回のこのWIRED VOL.9で書かれているのは、アメリカでのIT的イノヴェイションと、ロシアから分離したエストニアにおけるITインフラや制度の整備状況である。
 
6)具体的に書かれていることにビックリする。決してそれは想像的であったり、空想的であったりするわけではない。具体的に物事は動いているのである。そのことを、むしろ小さな虫の視点で、具体例を積み上げている記事には驚く。
 
7)ただそれらは、今回の着目点であるブロックチェーンとは直接的には連動していない。行政にあるパソコンのシステムを規制のものからオープンソースのものに置き換えるとか(それでもたいしたものだが)、情報を公開するとか、セキュリティを高くするとか、法人立ち上げのシステムを迅速にしたとか、納税の話とか、そういう話のレベルである。
 
8)翻ってみるに、インターネット納税にしろ、マイカード登録にしろ、少なくとも私たちが住んでいるこの日本国においては、さまざまな憶測を呼んで、遅々として歩みは遅い。一気にもっていかれることも恐ろしいが、巨視的に見た場合、どちらがイノヴェイティブであるのかどうかは、一言では判断できない。
 
9)かつて、車掌さんがいた乗り合いバスは、ワンマンカーになった。地下鉄などはノーマンカーさえある。かつて郵便番号の導入ですら、労組の反対などが大々的に行われた。かつて一週間ほどかかった郵便物の配達も、いまでは翌日配達を期待してしまうほどに迅速化されている。これらも、ほとんどすべてIT技術によるイノヴェーションであり、世界を変えてしまった実例であろう。
10)これからは、この問題が加速していくことが予測される。例えば電力消費量メーターの自動化、いわゆるスマートメーターにせよ、両論百出している。時代の流れ的にはそうならざるをえないだろうし、それをイノヴェイションは支持するだろう。
11)公共機関の乗り合いバスなどもワンマンカーどころか、ノーマンカー化さえ夢ではなくなってきている。これをイノヴェイションと呼ぶか、人々から仕事を奪う愚策とみるかは、今のところそれぞれである。
12)しかるに、かつて都市機能移転が叫ばれた時、それに急ブレーキをかけた石原慎太郎みたいな政治家の「悪行」はいずれ裁かれるだろうが、とにかく、人間が生活するには、巨大都市文明は適していない、と当ブログは見ているのである。
13)小都市連合のような国家感が生まれるには、大都市のデザスターを待たなければならないのかもしれないが(それもまた不幸な話ではあるが)、かつて戦後というデザスターのなかから、わずか70年で大東京圏ができたことを考えると、未来における小都市連合政府の出現も、決して夢物語ではないのである。
14)おそらく、テクノロジー、イノヴェイション、オープンガヴァメントは、その方向にある。

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15)「そのテクノロジーは会社や、銀行や、国家さえも壊してしまう(かもしれない)」VOL.25 特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える 2016/10

16)その真の糸口を、私たちは(WIRED風に、「ぼくらは」と言ってみようか)、まだはっきりとつかんでいるとは言えない。「かもしれない」のレベルなのである。

17)継続して追っかけてみる必要を感じる。

<3>につづく

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2016/10/29

「WIRED VOL.18」 特集 STAR WARS 新たな神話のはじまり <1>

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「WIRED VOL.18」 特集 STAR WARS 新たな神話のはじまり <1>
2015/09 コンデナスト・ジャパン 雑誌 不定版 (GQ JAPAN.2015年10月号増刊) WIRED関連リスト 
No.3831★★★★☆

1)すでにリアルタイムにタブレットで読了した号である。そうして今回すでに手元に紙ベースの雑誌があるのに、さらに外出時にスマホの小さな画面で読んでみることにした。

2)やっぱり雑誌は紙ベースの雑誌がベスト。美しいし、大きいし、資料としての存在感が大きい。

3)第7作 「フォースの覚醒」2015/12/19は封切の日に見ることにした。話題に乗りたかったからね。

第1作 「エピソードIV 新たなる希望」1977

第2作 「エピソードV 帝国の逆襲」1980

第3作 「エピソードVI  ジェダイの帰還」1986

第4作 エピソード1/ファントム・メナス」1999

第5作 「エピソード2 クローンの攻撃」2002

第6作 「エピソード3/シスの復讐」2005

第7作 「フォースの覚醒」2015

4)まぁ、でもそれまでである。私はむしろ、この号なら、「大麻ビジネス最前線 コロラド・マリファナ・エクスペリメント」なる記事のほうが面白い。最近はいろいろあるからね。真面目に取り組む動きが後退しなければいいとは、思う。

5)さて、WIRED全25号が存在する現在、当ブログにまだメモできていない号がいくつかある

VOL.05 特集 未来の学校 「教育」は終わった、「学び」が始まる

VOL.06 特集 THE AGE OF GLOBAL GAMING ゲームの世界標準

VOL.10 特集 SPECIAL FEATURE 未来都市 2050 2013/11 編集長・若林恵 

VOL.14 特集 死の未来 The Future of Death 2014/11 編集長・若林恵

VOL.17 特集 NEW FOOD なにを、なぜ、どう、食べる? 2015/07

の5冊である。

6)おおよそ80%の号に目を通し終わった今、これらの号をさらに取り寄せて読むべきだろうか。ましてや、いちおうすでに代表的な三冊をピックアップし終わっているのである。これらに紙ベースで目を通すべきなのか。あるいは、ネット上におけるちら見やダイジェストページで確認する程度でいいだろうか。

7)あるいは、どうせ追っかけを貫徹するなら、すべての号を紙ベースで確認すべきだろうか。悩むところである。その他、ネットで電子本でしか見ていないのが他に三冊ある。

8)どうすべきか、もうすこし余裕を見て考えよう。急がなければならない理由は、今のところ、ない。

9)実際、VOL.14 特集 死の未来 The Future of Death などはぜひ目を通しておきたいところなのだが・・・。

<2>へつづく

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「『走る原発』エコカー」 危ない水素社会 上岡直見<4>

<3>よりつづく 

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「『走る原発』エコカー」 危ない水素社会 <4>
上岡 直見 (著) 2015/07 コモンズ 単行本  134ページ
★★★★★

<4>冬タイヤ

1)この話題、この本にリンクさせてシリーズかするのはどうかとも思うが、このシリーズ、当ブログの「2016年版 間違いだらけのクルマ選び」(島下泰久2015/12 草思社)の後継シリーズに位置しているので、こちらに書いておこう。

2)結局、今日は冬タイヤを買いに行った。高い。思わぬ出費である。来年、ひょっとするとクルマを乗り換えるかも、という可能性の中で、すり減ったとは言え、あと一冬はもたせようと思っていた古タイヤではある。だが、いやいや、そうではない、一応10年10万キロを目指して、一台のクルマを長く乗るのが、エコなのだ、と反省し、事故を起こす前に、ということでカーショップに行った。

3)今月中なら作業代無料、とかいう奴に引っかかった。結局、ワンランク上のタイヤを買わされたのだから同んなじだろう。はあ~~。

4)ニュースで、どこかのご老人が、小学生の登校児童の列に突っ込んで、かわいそうに一人の生徒が亡くなったなんて聞くと、悲しくて悲しくて、しかたない。アルツめいた爺さんも一方的にはせめられないとしても、やっぱり、事故を起こすのはまずいだろう。

5)年齢もすごいよ。私はまだまだそこまでは届かないけれど、ああ、あんな年になるまでは、キチンとクルマの運転はやめなければならないのだな、と観念した。

6)そしてまた、ああ、だからせめて冬タイヤに早めに交換しておけばよかったのに、なんて言われないように、自分のセンサーがかなりきくつ反応した。

7)しかたないな。必要な出費じゃ。

<5>につづく

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「MonoMax(モノマックス) 」2016年 06 月号 特別付録アーバンリサーチ本皮Wファスナーキーリング付き財布<2>

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「MonoMax(モノマックス) 」2016年 06 月号 「特別付録アーバンリサーチ本皮Wファスナーキーリング付き財布」<2>
2016/5/10 宝島社 雑誌 月刊版
★★★★★

1)ということで、大事に使ってきたのだけど、結局毎日使うものだし、性格上、いっぱいいろいろなものを入れてしまうので、今日、壊れました。

2)想定通り、金具のリベット部分が外れてしまった。元にはもどれないし、もっとも力がかかるところなので、穴をあけて針金を補強して、これからさらにどのくらい使えるものか、試してみよう。

3)それにしても、結局は値段相当だなぁ。1万で10年持てば、3KYで3年。700円だから、半年は妥当か。

4)そういえば、「日経TRENDY2016年5月号」雑誌「限定スペシャル特典!!(先着順)スマホ用レンズ三種類セット」、ってやつも、面白いとは思ったが、結局活用するチャンスなし。解像度が悪いのと、使いたいときに手元にない。結局、スマホのズームを使ったほうがそうとう早いし、きれい。

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5)そして、「MonoMax(モノマックス)」 2016年09月号ビームスライツ「BIGバッグインバッグ」 ってやつも、なぁ~~~。面白い、使える!、っていう直観はあるのだが、値段相当の活用しかできない。そんなもんなんだなぁ。

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6)ということで、私はこれに「ハマりました」っていうシリーズは、この三冊で終わりにしよう( ;∀;)

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「WIRED VOL.13」特集 Fashion Decoded ファッションはテクノロジーを求めている

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WIRED VOL.13」特集 Fashion Decoded ファッションはテクノロジーを求めている
2014/09 コンデナスト・ジャパン 雑誌 不定版 (GQ JAPAN.2014年10月号増刊) WIRED関連リスト 
No.3830★★★★☆

1) ここまでWIRED日本版第3期(と、とりあえず呼んでおく) の全25冊をランダムにめくり続けていて、当ブログがかぎ取ったのは、この三冊になる。

VOL.01 特集 OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか? 2011/06 

VOL.11 特集 イノヴェイションは世界を救う 2014/03

VOL.25 特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える  2016/10

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2)VOL.01 これは仕方ない。創刊号である。すべてはここで決まってしまうということになる。ここでかぎ取るのは、テクノロジーであり、未来、という言葉である。

3)VOL.25 これもある意味仕方ない。なんせ最新号である。当ブログとしては、本当の意味でようやくリアルなWIRED読者になった記念碑的な号である。そして、ここでかぎ取るのは、ブロックチェーンであり、世界、という言葉である。

4)その中間にあって、どれを選ぶかは、本当はまだ正確ではない。まだ手にしていない号が何号もあるからだ。しかし、現在のところもっとも有力なのは、VOL.11 この号で特にかぎ取らなければならないのは、イノヴェイション。そして、やはり、世界、という言葉だろう。

5)生々しいことばで言えば、テクノロジー、イノヴェイション、そしてブロックチェーンだ。そして、それらは、世界を変え、世界を救うのか?! ここが、WIRED誌を、ず~~と愛読していけるかどうか、という当ブログの態度のチェックポイントである。

6)さて、この二年前にでたVOL.13。テーマはファッションである。う~~ん、最近は腰ばかりか背中も痛い、入歯で、老眼で、高血圧剤が日常的に必要になっているパスト還暦男に、ファッション、とは、ちょっと不似合いであるばかりか、なんとかの冷や水でしかない。

7)そう思ってしまえば、このテーマはかなり遠いのだが、ここにさらっと「テクノロジー」を忍ばせてくるのが、WIRED誌なのである。「ファッションはテクノロジーを求めている」? そう来たか。

8)と、ちょっと構えて、ファッション、を探してみるのだが、実はそれはそうではなくて、これもまたWIRED流の表現の、ひとつなのだ。

9)ほかの記事でも、テクノロジーはいかに「写真」を拡張するか?(巻末資料あり)とか、インターネットはぼくら(と音楽)をいかに救ったか? など、別建ての特集というよりは、上の三つのテーマの、さらなる深化した各論ともいうべきものだろう。

10)今回の巻頭の編集長のエディター・レターは、ちょっと変わっていた。ちょっとカッコイイ。

 

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「WIRED VOL.12」特集 COFFEE & CHOCOLATE STARTUPS コーヒーとチョコレート

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「WIRED VOL.12」特集 COFFEE & CHOCOLATE STARTUPS コーヒーとチョコレート
2014/06 コンデナスト・ジャパン 雑誌 不定版 (GQ JAPAN.2014年7月号増刊) WIRED関連リスト 
No.3829★★★☆☆

1)今回も、一読者としての私の感性には、必ずしもピンとくるものではない。しかし、なぁ~に、そんなことは苦にする必要はない。視点はたしかに共感できるものであり、最初は異質に見えた特集タイトルだったとしても、キチンと視点が合ってくる。
 
2)ましてや、特集とは銘打っていても、他の記事が充実している。必ずや期待しているほかの記事が見つかる。例えば今号でも、p122の「2045 WHEN GOD IS A MACHINE その日コンピュータはぼくらを超えた」あたりは瞠目すべき内容である。
 
3)2年前あたりから、キチンとこのあたりのテーマを追い続けてくれており、キチンと記録していてくれているのを確認すれば、わたし的にはそれでよし。惜しむらくは、「雑誌」ゆえ、突っ込みが浅い。もうちょっと知りたい、となれば本文記事を詳細に読み解き、他の文献へと移っていかざるを得ない。そのつかみを、この雑誌に見つければ、それで正解なのだろう。
 
4)本日、土曜日の朝のNHKテレビ番組の対談で、ビットコイン論議に熱中している人々の姿があった。両論併記で、あれこれ異論がとびだすが、今となっては、ビットコインに対するネガティブ意見が飛び出すと、おいおい、もうすこし勉強しろよ、とか、う~~ん、最初はみんなそうなんだな、と思ったりする。
 
5)ビットコインを、イサカの仮想通貨と共通項をにおわせて説明している御仁もいたが、まぁまぁ、当たらずとも遠からず、そのような許容的態度でいいのか。この話題も、これからもっともっと沸騰するに違いない。
 
6)この雑誌を読んでいて、いつも残念に思うのは、私はこの雑誌のリアルタイムの読者ではなかったこと。1993年にアメリカで創刊されて、日本版は95年の1月に出ている。なんとあの阪神淡路大震災と期を一にしている。どうも、天の動きに隠れてしまうのが、この雑誌の運命だった。
 
7)日本では廃刊、復刊を何度か繰り返し、3・11直後に復刊(創刊)されたわけだが、これもまた天の配剤か。どこかに運命が見え隠れするWIRED誌である。
 
8)巻頭のエディターズ・レターを読むのも楽しみ。編集長若林恵の、原寸的でかつ肉感的な文章が好き。WIREDの、ちょっと気取ったアメリカ風の誌面とは異にして、日本の友人的感覚。これでいいだよなぁ。これだからこそ、WIREDを「読む」のだ。

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「WIRED VOL.11」 特集 イノヴェイョンは世界を救う 明るい未来のためのテクノロジー&デザイン<1>

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「WIRED VOL.11」 特集 イノヴェイョンは世界を救う 明るい未来のためのテクノロジー&デザイン<1> 
(GQ JAPAN.2014年4月号増刊)] 2014/03 コンデナスト・ジャパン 雑誌 不定版 WIRED関連リスト
No.3828

1)3・11後三年目。ここにきてこの雑誌もようやく大きく吹っ切れた何かがある。

2)
BIG IDEAS
SMART INNOVATION
BRIGHT FUTURE

3)どうしても、わがWIREDを定義しようとして、三つのキーワードに押し込めようとしていたのだが、ようやくここにきて、この三つのキーワードで納得した。BIG 「IDEAS」、 SMART 「INNOVATION」、 BRIGHT 「FUTURE。私としてはこの三つの言葉を見つけることができただけで、この号はもう十分である。

4)「特集 イノヴェイッションは世界を救う 明るい未来のためのテクノロジー&デザイン」。
このコピーの素晴らしい。このコピーは、この号を表現するというだけではなく、WIREDそのものを表現するにふさわしいキャッチフレーズではないだろうか。すべてが含まれている。

5)WIRED大学 21世紀の教科書 「新しい世界」を考える42冊 これもなかなかですね。早い話がWIRED大学とは、おすすめの書籍コーナー。今回の書籍は、う~~ん、どうかなぁ。いまひとつピンとこないが、池田純一なんてひとも選者のひとりになっている。タイトルが、新しい「地球」、タイトルだけは★5。まぁ、いずれにせよ、あとで再チェック。

6)気にくわないのは、ビル・ゲイツなんて人が、たびたび登場することだが、まぁ、これは仕方ないことかな。いまさら忌み嫌っても、どうしようもない。許容範囲だ。

7)表紙の写真は最初意味不明だったが、ワクチンをやっている姿だとか。素保辺を知り始めると、なかなか意味深。

8)この号、わたし的には◎。この号で、ようやくWIRED全体の性格付けを理解したような気分になる。

9)ミスター高橋のいうプロレス風景に例えるなら、創刊号でその「勢い」を示し、この号で「アングル」を決めた感じがする。あとは、「波」だな。本当の意味でWIREDは波をとらえてはいないだろう。少なくとも日本では。

10)今回25号あたりのブロックチェーンあたりから、ひょっとするとうまく「波」をとらえることができるかな?

11)この号、要再読。

<2>につづく

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2016/10/28

「WIRED VOL.8」 特集 MUSIC OF OUR TIMES これからの音楽

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WIRED VOL.8」 特集 MUSIC OF OUR TIMES これからの音楽
 
GQ JAPAN.2013年7月号増刊 2013/06 コンデナスト・ジャパン 雑誌  不定版 WIRED関連リスト
No.3827★★☆☆☆

1)一気に、浴びるように、WIREDに触れていれば、次第に飽きがくる。こちらの感性も雑になる。そろそろ雑誌から離れて、自然に触れて、畑仕事でもしたい。

2)そんなタイミングになるとき、ふとこの雑誌を開くと、実は、テクノやイノベーションばかりではなく、海や、波や、野菜の温室や、植物や、イチゴ、羊や魚、などなどの写真やイラストや、話題やらが、飛び込んでくる。

3)うまいこと編集しているね。

4)まずは今回は、ひととおり目を通している段階。そのうち、全体を見なして、それぞれをフィードバックする時がくるだろう。

5)断片的には、ひとつひとつが興味深い記事で満載だが、なんにせよ、すでに3年前の雑誌である。情報は古い。古いからこそ今見ているのだが、その古さがさらに磨きがかかる瞬間がくるはず。

6)いまはめくり読み。                        

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「WIRED VOL.7」 特集 未来の会社 これからの「働く」を考える

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「WIRED VOL.7」 特集 未来の会社 これからの「働く」を考える
GQ JAPAN.2013年4月号増刊  2013/03 コンデナスト・ジャパン 雑誌  不定版 WIRED関連リスト
No.3826★★★☆☆

1)知人の自宅兼仕事場を訪ねた。街中のマンション、家族が出払ったあとは、彼専属の仕事場になる。知り合ってからすでに25年も過ぎている。当時から若々しい笑顔の素敵な友人ではあるが、だいぶご無沙汰で、尋ねたのは3年ぶりくらい。相変わらずの笑顔の素敵な男性だが、なんと聞いてみたら、もう還暦だという。

2)ええ、そうなのぉ・・・? 職種は編集業+コンピュータ関連。なかなか時代を先取りしたハイカラ男のイメージだったが、時代はどんどん過ぎて、彼もいまや白髪で、口元もなんだか怪しいかもなぁ。

3)仕事はどうなの? と聞いてみると、仕事は若い人々に取られて、なかなか回ってこなくなっているという。若い人たちにはもうかなわないよ、と苦笑い。ああ、そうだねぇ、私たちはもうそういう年代なんだなぁ。

4)未来の会社、これからの「働く」を考える、って言われても、実際はもう、このようなテーマでは乗り切れない年代にはなっているのである。まぁ、これまでの「働く」を総括する年代になっているんだよね。

5)彼は私よりはちょっと年下なのだ。でも、私は生涯現役主義。まだまだ生きている限りは、そして仕事ができる限りは続けていくぞ。私の仕事は、まずはパソコンが使えて、クルマが運転できれば、まずできる。あとは日々との情報更新と、顧客との良好な関係の維持だ。

6)今号の特集だって、私は私なりに、役に立てることができる。

7)今号のテーマは、どこかVOL.23 特集 GOOD COMPANY いい会社 ビジネスとミッションは両立できる! 2016/06にも似ている。ひょっとすると、WIREDにも、いくつかの主テーマがあって、それを順番に回しているのではないだろうか。

8)そう思ってざっくりと、毎号毎号のキーワードをちょっとづつ拾ってみた。テクノロジー、未来、ビジネス、学校、ゲーム、ボディ、アート、世界、都市、ミュージック、フード、マネー、会社、建築、映画、AI、コンピュータ、学校、政治、イノベーション、などなど、実にランダムなキーワードがつづく。

9)だが、あえて当ブログ流に、おおよそ三つのキーワードに絞ってみた。まず、テクノロジー、イノベーション、ボディ、ビジネス、あたりに絞り込むことができるのではないか。逆に、これらの言葉が欠如すれば、WIREDがWIREDらしくなくなるような気がする。

10)そして、この言葉の中で、特に突出しているのはイノベーションだろう。テクノロジーにせよ、ボディにせよ、ビジネスにせよ、+αとしてのイノベーションが付加されなければ、lWIREDらしくないんじゃないかな。

11)ジャーナリズムのメインストリームとしてのWIRED。そのようにとらえるには、テクノロジー、仕事、人間、そのイノベーションにある、まずはそう暫定的に仮定してみる。

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「WIRED VOL.4」 特集 WIREDの未来生物学講義

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「WIRED VOL.4」 特集 WIREDの未来生物学講義
WWIRED日本版編集部 2012/05 コンデナスト・ジャパン  雑誌 不定版 (GQ JAPAN2012年6月号増刊) WIRED関連リスト
No.3825★★★☆☆

1)創刊4号目。おそらく以前より準備をしていたのだろうが、その(何回目かの)創刊がちょうど3・11の直後となってしまい、まるでホール・アース・カタログの再来となるような表紙で登場したWIRED日本版。

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2)そしてこれまた、これまたまったく予期しなかったであろうスティーブ・ジョブズの死亡による第二号。

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3)これまでは、まるで期を会わせるがごとくに起こった出来事に、ある意味WIRED誌は引っ張られた形で急上昇し始めた。三号では、その反動を食らって暗中模索のようなイメージを与え、編集長も変わった。そして、四号目は、はてさて、どうだったのだろう。

4)古誌ランキングでは結構な高値を読んでいるWIRED誌だが、ネットで電子版が配信されたり、電子版と併売されたりした関係か、飛び切り安値になっている場合もある。受容と供給のバランスゆえ、定型価格はないものとは言え、この号は比較的安価で入手できる。ということは人気がなかった号、ともいえるかもしれない。

5)生物学の話である。「ネットで進化する人類」 ビフォア/アフター・インターネット角川インターネット講座15 伊藤 穰一 (監修) (2015/10 KADOKAWA)でも、バイオテクノロジーの話が重要な要素として語られていた。バイオのDIYとか、キッチンでのバイオ実験とか、首を突っ込めば面白そうなテーマがいっぱいだったが、当ブログとしては、せいぜい、酵素を使たドブロク作りに興味を持った程度だった。

6)この号では、主テーマではないにせよ、レディ・ガガの紹介がある。彼女がOSHOについて語った時のことを思い出していた。

 7)雑多な記事が掲載されている雑誌ゆえ、関連のない記事も多いが、巻末には、楽天の三木谷浩史と電子書籍KOBOの紹介がある。我がスマホにもKOBOはインストールしているが、活用の度合いは、というと?である。あれから4年、どれほど浸透しているだろう。

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「WIRED VOL.3」 THE NEXT BIG THING 破壊者たちの新たなビジネス革命

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「WIRED VOL.3」 THE NEXT BIG THING 破壊者たちの新たなビジネス革命
WIRED日本版編集部 2012/3 コンデナスト・ジャパン 雑誌 不定版 GQ JAPAN2012年4月号増刊 WIRED関連リスト
No.3824★★★☆☆

1)入手したのが古書なのだから、若干紙がくすんで見えるのは仕方ないとして、情報もまた、スマホやアプリ、回線の情報などが古い。ああ、3・11後の1年後というのは、せいぜいこの程度だったんだな、とあらためて再確認。

2)この号から編集長が若林恵の名前になっている。

3)原子力だろうが、音楽だろうが、通信だろうが、スーパーコンピュータだろうが、業界批判はどこでも、驚くほど内容が似ている。右を向いても、左を向いても、「世界を見ていない」。いったい日本人はどこを見て生きているのだろう。(中略)

 せめて誌面を通じて「世界」の空気に少しでも触れられるようにしたい。誰よりもまず自分がそれに触れたいからだ。記事を読んで思う。世界はなんとダイナミックに動いていることか。

 そしてちょっと焦るのだけれども、焦っている自分に安心する。「ビジネス・イッシュー」と銘打ってはいるが、個人的には道なき道を歩く勇気についての特集だと思っている。p11「EDITOR'S LETTER」 「WIRED」編集長

4)抜き書きして、ピンポイントで指さす箇所ではないだろうが、3・11後、1年を経ない段階で世界を見ろ、と言われても、それはかなり難しかっただろう。それは世界を飛び回っている人々にとっては焦りだったのかもしれないが、少なくとも私などにとっては、ガラパゴスでさえ広すぎた。

5)私なぞは、賢治のデクノボーよろしく、うろうろ地域をさまよい歩いているだけだった。

6)逆に言えば、あれから5年半が経過し、ようやく「世界」へ目が向き始めたのだ、と言えるだろう。その証拠にこうして古いWIRED誌などを広げることができるようになってきた。

7)この号での着目すべき記事は、「ATOMIC DREAM」ワインバーグ博士とありえたかもしれないもうひとつの原発の物語」p114であろう。

8)溶解塩炉=トリウム原発については、当ブログとしては渋々調査を開始した段階だ。「THE NEW NUKE」 トリウム原発の新時代(WIRED Single Stories 008)Richard Martinも読んでは見たが、薄っぺらい内容であり、なんの決め手にもならない。

9)すでにこの可能性については、小出裕章氏は完全に否定されているわけであるし、他の開発者たちの夢は大きかろうが、その行く手は必ずしも明るくない。ましてや、その夢を追う前に、この惨状をなんとかしてくれよ、というのがガラパゴスよりさらに狭い「現地」にいる私たちの正直な気持ちである。

10)この雑誌の中のこの程度の記事では、それこそ可否を判断しかねるが、幸いにすでにその方面の資料はすこしづつ揃いつつあるので、いずれ順番にそちらをよみすすめるとして、少なくともこの「WIRED」誌において、3・11後1年を経ない段階ですでに、このような形でトリウム原発を取り上げている記事を発見したのは、当ブログとしては大きな収穫だ。

11)脱原発がガラパゴス化した日本独自のカルチャーなのか? 「世界」はどう動いているのか? この雑誌だけが唯一の指標とはなるまい。当ブログは当ブログの指標をもちつつ動かなければならない。

12)それでもなお、この時点でこの雑誌がこのような記事を掲載することによって、何を、どう表現しようとしていたのか。そこのところ、今後、すこしづつ追っかけてみる。

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「講座スピリチュアル学」 第7巻 スピリチュアリティと宗教 (地球人選書 講座スピリチュアル学) 鎌田 東二 (編集) <8>

<7>からつづく

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「講座スピリチュアル学」 第7巻 スピリチュアリティと宗教 (地球人選書 講座スピリチュアル学) <8>
鎌田 東二 (編集) 2016/08 ビイングネットプレス 単行本: 277ページ 「地球人選書 講座スピリチュアル学」リスト  
No.3823★★★★

1)ようやく始まった当ブログにおける「WIRED」誌追っかけ、道なかばとさえ言えない、まだまだ始まったばかりではあるが、圧倒的に面白い、と感じている。

2)その次いでに思い出したのが、角川インターネット講座。すでに完結して、いくつかのアクセスポイントを掴んではおいたが、結局過去のインターネットの歴史のまとめ、というイメージが強く、ちょっとおざなりな部分も多い。

3)そしてさらに思い出したのが、こちらの地球人選書「講座スピリチュアル学」である。WIRED誌に、クリス・アンダーソンや、ケヴィン・ケリーらの編集者の姿が色濃くあるように、こちらの地球人選書の監修者は鎌田東二であり、彼の人脈をフルに使った、彼の論説がプラットフォームになっているようなシリーズである。

4)当ブログの、この講座に関してはやや辛口なのであるが、まだ完結をしておらず、さらには全巻通しての再読ののちに最終的な結論を出そうと思っていたので、ちょっと中途半端な気分でいた。

5)今調べてみたら、実は全7巻のうち、まだ第7巻は未読だったのだ。刊行中はずっと楽しみにして追っかけていたのに、本当のことを言えば、だんだん熱意が冷めてきていて、まだ未刊だったことをいいことに、すっかり忘れてしまっていた。ごめんなさいm(__)m

6)と、慌てて図書館を検索してみたら、実は最寄りの図書館に、も市内も県内の図書館もまだ入っていなかった。大学関係はまだ調べていないが、すでに8月にでているはずなのに、まだ未収蔵というのはマズイでしょう。さっそくリクエストしなくちゃ。

7)思えば、科学、アート、意識、を三本柱としてきた当ブログにおいて、これら三つのシリーズはちょうどいい具合にこれら三色のカラーを彩ってくれているように思える。

8)あくまでインターネットに絞り込んでまとめ上げた「角川インターネット講座」。イノベーションというアートに集中する「WIRED」。それに比すれば、こちらの「地球人選書 講座スピリチュアル学」のほうは、むしろ、もろに当ブログの主テーマにかぶさってくるイメージがあった。

9)しかし残念ながら、現在のところ、この三シリーズの比較で言えば、圧倒的に「WIRED」が面白い。

10)WIRED誌は当然、インターネットの歴史を収斂して、さらなる次のイノベーションを「表現」しようとしているわけだし、さらには「マインドフルネス」という”スピリチュアリティ”をも飲み込もうとしているわけだから、幅広い面白さがあるのは当たり前と言えば当たり前だ。

11)比すところの「角川インターネット講座」においても、実はインターネットという世界から次への展望をみており、さらにそこから瞑想やマインドフルネスへの視座をはっきりと明言している限り、こちらもなかなか捨てがたいシリーズとして完成している。

12)はてさて、こちらの「地球人選書 講座スピリチュアル学」は、どうなってしまうのかぁ。

13)最終巻である第7巻は、なんと「スピリチュアリティと宗教」だという。なかなかありそうなテーマでもあり、もう、これしかないでしょう、という決めつけのテーマでもあり、ああ、結局そうですか、という陳腐ささえ匂ってきそうな、終わり方じゃぁ、あ~りませんか。

14)おそらく、シリーズの完結編ではなくて、単発の単行本であったなら、内容はともかく、いくら監修者の名前が付されていても、私なら、通り過ぎるとおもうなぁ。

15)おそらく、すくなくともこの最終巻、タイトルで損をしている。各図書館の収蔵が遅れ気味なのは、その辺の影響があるのではないだろうか。

16)毒くわば皿まで、という。当ブログとしてはなんとしてもこの最終巻まで目を通し、もうちょっと熟読する予定。そうでなければ、結局は、科学、アート、意識の、三本柱のバランスが崩れてしまう。

17)願わくは、この「講座スピリチュアル学」、内面的な精神性に拘泥せずに、もっと開かれた人間像を提示する「地球人選書」であってくれればいいな、と願う。「講座」もよけいだし、「学」もよけいだ。ましてや「選書」もちょっと邪魔だ。

18)当ブログとしては、「地球人」と「スピリチュアル」があれば、むしろそれは当ブログの集積の結果として大歓迎したいくらいなのだ。

19)まずはすでに完結していることを知ったこと喜び、いずれ目をとおせる日がくることを楽しみに待つこととする。

<9>につづく

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「WIRED VOL.9」 OPEN GOVERNMENT ひらかれた政府 デジタル時代の「ガヴァメント」<1>

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「WIRED VOL.9」 特集OPEN GOVERNMENT ひらかれた政府 デジタル時代の「ガヴァメント」<1>
WIRED編集部 (編集) 2016/04 コンデナスト・ジャパン 雑誌(GQ JAPAN.2013年10月号増刊) 不定期刊版  WIRED関連リスト 
No.3822★★★★

1)WIRED誌の追っかけを始めるにあたって、ちょっと多めにバックナンバーを入手した。ことの性格上、発行順に目を通そうと思っていたのだが、どうしてもその10数冊の中から、まずはこの号を読みたかった。
 
2)しかし、その特集は約25ページと、決して多くなかったし、後半の部分に、むしろつけたしのような形で組まれていた。
 
3)そのページにたどり着くまでに多少の時間がかかったわけだが、その前に私の目に飛び込んできたのは、ENLIGHTENMENT ENGINEERS シリコンバレーが「禅」をハックする、という記事だった。
 
4)あはは、OPEN GEVERNMENT よりむしろ、今の私はこちらの記事のほうをメインに探しているのだった。内容もまだゆっくり玩味していないが、この記事の存在に気づいただけで、私は満足じゃ。
 
5)このテーマにおいても、プラスマイナスの両面からのレポートがあり、実際の具体的な例として、ああ、そういうことがあるんだな、という程度で、良心的で、両論併記的な記述がつづく。この点については、またまとめる機会があるだろう。
 
6)さてオープン・ガバメントだが、具体的にはどういうことを言っているのか。
ーーーーーーーー
 
7)と、ここまで書きかけておいて、数日ストップしてしまった。これでは没原稿になってしまうので、強硬にアップしておく(笑)。そのためには、もうちょっと書き加えておく。
 
8)そもそも、このWIRED誌は、各号それぞれ特集を組んではいるが、特段にそれに特化しているわけではない。むしろ、その号のナンバリングのためのようなもので、毎号毎号似たようなテーマがシリーズとして並んでいる。
 
9)つまりこの雑誌を表するには、一号一号では手遅れになる可能性が高い。全体として見なければならない。
 
10)オープンガバメントにしても、特段にこの号だけで取り上げているわけではない。むしろ「イノベーション」全体から考えて、当然ありえる未来の帰結なのである。さまざまな要件が絡み合って進んでいけば、そうならざるを得ない。そのプロセスの目撃者に、人々はならざるを得ないだろう。
 
11)オープンガバメントというテーマは、例えば角川インターネット講座 (2014/10~2015/10 角川学芸出版)で言えば、第12巻開かれる国家」境界なき時代の法と政治 (東 浩紀監修 2015/06)なんてあたりと併読すれば、面白かろう。
 
12)あのシリーズ15冊の中から、敢えて三冊を選び出したのが、
第2巻ネットを支えるオープンソース」ソフトウェアの進化
第12巻開かれる国家」境界なき時代の法と政治

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13)すでに国産のパソコンメーカーは全滅に近く、ほとんどが中国メーカーに売却されるに至り、インターネットにしたって、こうして過去の「遺跡」としてひとまとめにされる時代である。次なるものを求める声は日々次第に大きくなる。

14)次は見えているのか・・・・? 

15)今、あえてWIRED誌を追っかけようとするのは、その内なる声に答えようとしているからである。

<2>につづく

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「WIRED(ワイアード)VOL.16」 特集 お金の未来(と、かわりゆく世界)<2>

<1>からつづく 

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「WIRED(ワイアード)VOL.16」 特集 お金の未来(と、かわりゆく世界)MONEY,CODE & ME <2>
WIRED編集部 2015/5 雑誌 Kindle版 158p WIRED関連リスト
★★★★★

1)一連の「WIRED」誌を中心に、「Finteck」というカテゴリを走っている、現在の当ブログにおいて、まずは取り上げ、再読すべきはこの号であろう。

2)ということで、一連の当該雑誌を紙ベースで収集中なのであるが、まだこの号は入手前である。すでにタブレットで通読したのが一年前。あれから私の視野にはさまざまなことが刷り込まれていたのだ、ということが分かってきた。

3)閲覧履歴ということで、現在スマホではこの号を全部見ることができるのだが、タブレットはどうやら容量の関係で見れない。仕方ないので、紙ベースで楽しむのは後日として、今日のところはまず、スマホで通読とあいなった。

4)そして思う。今回の「フィンテック」というカテゴリ名は正解であっただろう、と。このカテゴリ名にフィックスしてよかったと思う。さっさと逃げ出したくなるテーマではあるのだが、いやそうではないぞ、逃げ出したくなるような世界だからこそ、ここを「イノベート」しなければならないのだ、と痛感する。

5)ビジネスやテクノロジー、アイディアなどと、併記されるところのこのWIRED誌のテーマ。もう一つの重要なテーマは「イノベーション」である。

6)
1.イノベーター(革新的採用者) 
2.アーリーアダプター(初期採用者)
3.アーリーマジョリティ(初期的多数採用者)
4.レイトマジョリティ(後期多数採用者)
5.ラガード(採用遅滞者) 「ツイッターを使いこなす!」(武井一巳 2010/03 日本文芸社) p216「ツイッターに乗り遅れるな」

7)当ブログのこれまでの位置取りはせいぜい3.アーリーマジョリティであった。あった、というか、あったはずである。ところが、今回の「パソコン選び」をやってみて、つくづく痛感したのは、いやいや、とんでもありません、あなたはすでにラガード に叩き落とされていますよ!、ということだった。

8)あらら、トンデモないところで道草を食っていた。これはちょっと急がなければ。自分でも、自分が亀なのか兎なのかわからなくなってきたが、まずは少し先を急ぐことにする。

9)ここまでくると、次のカテゴリ名を決めなければならないタイミングになってきた。候補としてはいろいろあったが、ここにきて明確になりつつあるのは「イノベーション」という言葉だろう。

10)イノベーターになるには程遠いが、せめてアーリーマジョリティの位置回復のためには、まずは視点をイノベーターたちに戻すべきだ。そして、そうそう甘くはないにせよ、すこしづつアーリーアダプターへの道も探るべきだろう、と気づき始めた。特にケヴィン・ケリーの「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 (2016/07 NHK出版)をめくるに及んで、そう思わざるを得なかった。

11)イノベーションとはいうものの、それは何も現実離れした世界ではない。むしろ、そこはど真ん中。メインストリームなのだ。奇をてらったり、トンデモ話に終始したり、矮小化し、あるいは誇大妄想狂と化したりする必要はない。

12)最近になって、ようやくシンギュラリティの話題も多くなってきた。ここを突き抜けていかないことには、メタコンシャスの世界は明瞭にピントはあってこない。そのためにも、どっぷりとこの新しきメインストリームにどっぷり浸かって、マインドフルネスやらの助力を得ながら、イノベートの道をのぞむとするか。

 

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2016/10/27

「Journal of Financial Planning」特集 フィンテックが変える 金融とFPの未来<2>

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「Journal of Financial Planning」特集 フィンテックが変える 金融とFPの未来<2>
日本版FPジャーナル 2016年9月号(第200号) 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 会報 p96
★★★★☆

1)ブロックチェーン → ビットコイン → フィンテック → インステック という図式は見えてきた。そして、それらにかかわるところのマインドフルネスも、なんとなく見えてきた。このまま全体として進めばいいのだが、当ブロブの場合は、どうしてもブロックチェーン & マインドフルネス、というところの際立った話題に集中してしまいがちになる。

2)今回当ブログのカテゴリをフィンテックに固定したままにしてあるのは、ある意味作戦である。フィンテックまで戻ってくると、わが日常的な業務にややリンクしてくる。インステックまでくると、もろに業務となるわけだが、それでも、逆に、この日々の業務をインステックを呼んでしまうには、かなりの背離がある。

3)もちろん、人間として、最も関心あるところはマインドフルネス(ここの範疇から選ぶとすればだが)なのだが、それだけでは成立しないのが、この内面の活動という奴である。あるいは、内面の活動だけになってしまうとすれば、それはまた別な角度からのヒナヤーナということになる。

4)ある意味、当ブログは、マインドフルネス(とまずは呼ばれるところの)が主テーマで続いてきているわけだが、それが独自に存在してしまえば、Meditation in the Marketplaceという状態からは、かけ離れたものになってしまう。

5)日常の中にいて、業務の中にいて、決して厭世的にならず、決して孤高をかこわずに、小乗的にならずに、マインドフルネスであることこそ、わが道と心得るべきなのである。

6)つまりだ。あんまりおもしろい本ばっかり読んでいると、業務がおろそかになりますよ、ということだ。泥沼の中にいてこその、覚醒の意味なのである。

7)そこんとこ、またまた、頭を打たれた今日だった。

8)仕事にも精出さないとね。

<3>につづく

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「WIRED」 JEFF BECK

 

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「ワイアード」 Original recording remastered
ジェフ・ベック 2006/02 Sony Music Direct CD ディスク枚数: 1 収録時間: 37 分
No.3821★★★★★ 

 

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さとりサマディにて<4>風景その1

<3>からつづく 

さとりサーマディにて

<4>風景その1   目次 

1)朝、一日のスケジュールを考えている時は、ホーム訪問の予定は、キチンと覚えているのだが、午後になる頃には、ちょっとうやむやになっていて、新しく飛び込んできた要件に振り回されていることが多い。

2)午後の入浴が終わって簡単なリハビリのあと、そして、夕飯準備で食堂に車いすで移動していく前、この1~2時間が訪問のタイミングである。そうしなければいけない、ということではないのだが、自然とそういうスケジュールになった。

3)用件は、週二回の入浴後にでた洗濯物を早く回収し、新しく自宅から持参したものと交換することだけである。用事をすますだけなら、1分でも十分だろう。

4)しかし、そこまでの往復の時間、建物に入ってエレベータに入って、ナースステーションに声をかけて、となると、そうそう簡単な作業ではない。

5)トントン、と扉をノックはするが、耳が遠くなっている彼女はそれだけで気づくことはない。目もほぼ失明しているので、電気もついていない。まず蛍光灯のスイッチを入れる。北側だが広い窓がついている。カーテンをあけて、二重窓の内側をあける。見晴らしがよく、いい部屋だなぁ、と思う。

6)彼女はそのころになると、風の動きや小さな物音を感づいて、誰かが入ってきたことには気づく。その前に、声をかける。「こんにちは」。声の感じで、その声の持ち主が誰かはすぐわかる。看護スタッフなのか、家族なのか、親戚なのか。その名前を言って確認する。

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7)大体はベットに横になっているが、時には半身を起こして静かに座っている。場合によっては、部屋が空っぽの時もあるが、それはスタッフにクルマ椅子に乗せられてトイレに行っている時なので、数分から10分程度待っていれば戻ってくる。

8)一人部屋のホームとは言え、一日のスケジュールは結構多い。三食、入浴、リハビリ、訪問医療、散髪、同じ建物の中でのディサービス。だが、彼女は、耳も目も不自由なので、テレビは見ない。そもそもその操作が自分でできない。

9)自宅で看護ベットに横になっている時は、日がな一日、大きなボリュームでラジオを流し続けていた。だから世の中のニュースには明るい。次々と新しいカタカナ用語を覚え、それを質問して家族を困らす。なかなか返答に苦慮する質問も多いのだ。

10)だが、病院では隣室やスタッフなどを気にしてラジオをつけたことはない。部屋には備えつけているので、イヤフォンを使ったりして進めてみるのだが、いやだという。

11)したがって、彼女の一日の相当の時間は、もっぱら「黙想」に充てられることが多い。その分、かつての思い出などが何度も何度もリフレインするようである。その話は生い立ちに関することが多いので、ホームのスタッフに語っても、あまり意味がない。

12)だから、親戚や身内、特に家族が訪問した時などは、堰を切ったように、その「黙想」の間にたまったたくさんの資料が、突然に、大量に、流れだす。

13)往復に時間がかかったり、洗濯物を交換することなど、それほど大きな問題ではない。訪問する家族にとっては、この堰を切って飛び出してくる「お話」に、いかに対応するかが、目下の、一番の大事業なのである。

<5>につづく

続きを読む "さとりサマディにて<4>風景その1"

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2016/10/26

「マリファナ 秘められた力」 ナショナル ジオグラフィック日本版<2>

 
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「マリファナ 秘められた力」ナショナル ジオグラフィック日本版2015年6月号<2>
ナショナルジオグラフィック編集部 (著) (2015/06 日経ナショナル 雑誌 Kindle版  ファイルサイズ 63299 KB
★★★★☆
 
1)元・女優が逮捕されたという。特段に興味のある役者でもなかったが、今夏の選挙にでた時は、ちょっと驚いた。その主張はともかく、その立候補母体の政党があまりにも不似合いだなぁ、と思っていたから。
 
2)ちなみに当ブログをマリファナや大麻のキーワードで検索してみると、ほとんど出てこない。でももともと関心がないわけではないが、ブログの話題としてはふさわしいものとは思っていない。もちろん当ブログの主テーマにはならない。
 
「ヘンプ読本」 麻でエコ生活のススメ  赤星栄志 2006/08 築地書館 
 
「マリファナ 秘められた力」ナショナル ジオグラフィック日本版 2015年6月号 薬効や諸外国の事情に詳しい
 
3)今回のニュースの源になってしまったのは、今月10月7日に放映されたテレビ番組「爆報!THEフライデー」に取材させてしまったことだったかもしれない。( 26分後半から詳しい
 
 
3)キジも鳴かずば撃たれまい。
 

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2016/10/25

「いのちの環」 「白鳩」 「日時計」<4>

<3>よりつづく 

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「いのちの環」 「白鳩」 「日時計」<4>
生長の家 2016/10 日本教文社 小冊子 p66 
No.3818~3820★★★★★ 

1)小雨の中、ウォーキングしていたら、またまた見つけてしまったこの三誌。どうせ前の号だろうと思ったが、いや、明らかに違う。前回とタイトルが違う。「菜園ライフをはじめよう」、「バイオマスでふるさと再生」って、前号までには見つけていなかったなぁ。さっそく今回もいただくことに。

2)食卓を彩る自家製野菜は、豊な気持ちにさせてくれるだけでなく、野菜づくりを通し、自然の恵みのありがたさも実感できます。”心豊かな暮らしの素”が詰まっている家庭菜園を、あなたもはじめてみませんか。「白鳩」No.80 p12{特集 菜園ライフをはじめよう」

3)いいですねぇ。当ブログにおける「市民農園体験記」「クラインガルテン計画」「わがボタニカルライフ」、あるいはNHKBS「植物男子ベランダー」関連の一連のメモも、確かになぁ、心豊かにしてくれまっせ。

4)10数ページの記事も、「趣味の園芸」のテキストを見ているようでなんともいいです。菜園ライフかぁ、いいですねぇ。

5)グローバル化の波に取り残され、産業も人も枯渇したかのように見える私たちのふるさと---。「ゴミとして捨てられていた木くずを利用する」という発想で、国内最大級の木質バイオマス発電所を設立し、地域の経済を復活、再生させた 「いのちの環」NO.80p15「特集バイオマスでふるさと再生」

6)こちらもなかなかだ。コピーは最高だ。バイオマスをやりたいと思っている人は多いが、その環境を身近に持っている人は少ない。私もやってみたいと思うけれど、その環境を作れない。ひょっとすると、その環境を持っている人でも、なかなか踏み切れない理由はたくさんあるはずである。

7)いいなぁ、こういう記事、大好き。だけど、これを機会にいろいろ考えた。まず、この三誌、月刊誌だろうに、毎号毎号、このような記事を編集し続けるのは大変だろうなぁ。専門のスタッフがいるに違いないのだが、ひとつのクオリティを維持するのは大変だろう。そう思った。

8)そして、すこし、やっかみも入っているかもしれないが、エコロジカルだからって、スピリチュアルなんだろうか、とも思った。

9)当ブログにおいては、「ボタニカル・スピリチュアリティ」なんてひとつのカテゴリももうけている癖に、なんだか不思議な気分になった。これは明らかに、最近「WIRED」誌追っかけをしていることの影響のひとつのように思われる。

10)一連のWIRED誌に、このような記事が載ることがあるだろうか。すくなくとも今までのところ、そのような記事は見つからない。逆に、こちらの三誌に、テクノロジーの先端の記事が載ることも、おそらくないであろう。

11)そう思って、「日時計24」誌を見た。こちらはU-24(つまり24歳以下の青年向け、ということだろう)となっている。なんとそこには、パソコンを使っている大学院生の風景がカラーで取材されていた。

12)環境問題に興味を持ち始めたのは、中学生の時だった。当時、地球温暖化について、メディアが頻繁に取り上げていた。

 「テレビで、地球温暖化のさまざまな悲観的シナリオが放送されているのを観ました。かと思えば、楽観的な予測をしている専門家もいてりして、もっと深く知りたいと興味が湧いてきました」

 大学に進学後は、様々な要因が複雑に絡み、一概に判断をすることができない環境問題の難しさを知って戸惑ったが、一つひとつ要因を確かめながら評価することの大切さを学んだ。「日時計24」No.80 p3 「自然の力を利用した、快適な都市空間をつくりたい」

13)「原発なしでも大丈夫だった今夏の電力供給」(ネット世代への環境レクチャー)「日時計24」No.80 p26 なんて記事も目につく。

14)いろいろな良い意見を持っていても、他人を批判したり、無責任に行動したりしがちだが、実際に自ら小さなことでも始めることは、なかなか難しい。難しいが、そこから始めるしかないのだ。「次の世代が安心して暮らせるように、原子力や化石燃料に依存しない自然エネルギーの拡大を進めています。」なんて文言も踊る。(裏表紙見返り)。

15)この原発問題が、実は「WIRED」ではネックである。Richard Martin「THE NEW NUKE」 トリウム原発の新時代(WIRED Single Stories 008)なんてブックレットシリーズの本を読みながら、様々な要因が複雑に絡み、一概に判断をすることができない環境問題の難しさ、を痛感している当ブログの現在ではある。

16)即断はやめておこう。一つひとつ要因を確かめながら評価していくのだ。

<5>につづく

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さとりサマディにて<3>簡単な経緯

<2>からつづく 

さとりサーマディにて

<3>簡単な経緯    目次 

1)今年の2月、長男夫婦家族と同居していた彼女は、トイレから出てくる際に、壁の手すりから手が離れ、転倒した。幸い頭部の打撲はごく軽症だったが、腰部の打撲がひどく、隣の部屋で食事の準備をしていた家族にも、異常な音が聞こえたという。

2)夜間診療のある緊急病院に救急車で運ばれ、諸検査の結果、腰部骨折と判断され、入院、手術となった。年齢が94歳となり、手術自体が受けられず、骨折そのものが要因となり命も絶たれるケースもあるらしい。

3)それから、医療機関のよき計らいもあり、家族総出の看護もあり、手術、回復、リハビリ、転院、さらなるリハビリと続き、ほぼ完治の状態となり、隣接するホームへ入居することになった。

4)それまでの数か月、本人もいろいろ大変だっただろうが、家族もまた、あれやこれやのローテーションを組みながら、なんとかかんとか、老老介護の日々を送ってきたのである。

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5)ホームは至ってきれいで親切なスタッフに囲まれているし、家族も近くに専用駐車場を借りるなどして、替わる替わる、面会を続けてきた。書類や契約などは長男が担当し、長女は、月に何回か新幹線で駆け付ける、というスケジュールだ。

6)次男の私は、週二回の洗濯物の交換についで声をかける役割である。近くにはスーパーもあり、図書館もある。帰り足には市民農園に立ち寄って収穫物をゲットしてくるようなコースにあり、至って便利は便利なのである。

7)こんな生活が、今年はずっと続いてきた。だが、夏の盛りも過ぎたころから、それぞれに疲れがでてきた。ひどく熱を出して一週間ほど入院するものもあれば、小さな事故に巻き込まれて、自宅で寝込む者もいた。仕事にやや影響がでてきたりもしたが、これが毎日のことなのだから、なんとか続けてきた。

8)しかし、物事の性格上、いつまでつづくかわからない生活パターンの変化に対応すべく、それぞれが、ようやく秋になって、再点検し始まった、というところである。

<4>につづく

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「血の轍」 ボブ・ディラン

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「血の轍」
ボブ・ディラン 2005/9/21 Sony Music Direct 収録時間: 52 分 CD  ディスク枚数: 1
No.3817★★★★★

1)2016年度のノーベル文学賞はボブ・ディランであると発表されて数週間が過ぎた。しかしながら、今のところディラン側からの返答は一切ない。ありがとうとも、拒否するとも、何もない。

2)毎年、この季節になると、ハルキストなる人々は浮足立つという。その現象から、さして関心もなかった村上春樹を数か月かけて読破した当ブログではあったが、ノーベル賞にふさわしいかどうかは、思慮にあまる。

3)ヘルマン・ヘッセの「ガラス玉戯曲」は彼の代表作であり、この作品を中心としてヘッセもまたノーベル賞を受賞した。

4)日本初のノーベル文学賞を受賞した川端康成はガス管を加えて自殺し、次の日本のノーベル文学賞候補だった三島由紀夫は、受賞も現実化する前に、日本人として割腹自決した。大江健三郎はノーベル文学賞をバックに、世界に向けて発言力を強めている。

 
5)最近のディランは、コンサートの最後に「Why Try To Change Me Now」を唄うことが多いという。
 
6)なにを今更。ほっといてくれよ、という心境だろうか?

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「WIREDVOL.22」BODY & HEALTH 病気にならないカラダ ようこそ! 未来のウェルネス

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「WIREDVOL.22」BODY & HEALTH 病気にならないカラダ ようこそ! 未来のウェルネス
WIRED編集部 (編集) 2016/04 コンデナスト・ジャパン 雑誌 不定期刊版  WIRED関連リスト 
No.3816★★★★☆

1)最近、片目に飛蚊症なるものが現れた。そのうち取れるだろう、と期待していたが、年に一度の健康診断のさい聞いたところ、これはもう元には戻らないのだという。

2)その原因は何なのか。それは単に老化なのだという。聞いてみると、人知れず周囲の友人や仲間たちもみんなすでに「患って」いる。ああ、そういうことだったのか。私は目の老化には気づいていたが、まともに手元鏡も作らないで今日まできてしまった。

3)思えば、目も見えなくなってきたし、耳もなんだか痒いやらムズムズしだしてきている。歯はお恥ずかしながら、入れ歯がないと飯もまともに嚙めなくなった。血圧降圧剤を渋々飲み始めてから一年ちかく。これからだんだんと老齢へと向かうのだ。

4)毎号毎号、新しい世界を見せてくれるこの雑誌に対する、一読者としての対応法がすこしづつ分かってきた。ちょっと意識していたとは言え、まずはその編集長の動向が気になっていたのである。そしてその編集長としての若林恵の約1ページ分の巻頭言が優れている。

5)読者としての私は、まずはこの巻頭言に対応する姿勢を取ればいいのだ。そしてほとんどの場合、この巻頭言は、対峙するというよりも、同調することのほうが多い。おお、そうそう、そうなんだよなぁ、同輩。そういいたくなる。

6)特集されている雑誌は、それこそジャーナリズムなのだから、ありていのことばっかりじゃ、売り物にはならない。あれこれ新奇なことどもで彩られている。されど、同輩、私たちの日々は、そうそう、ここにある。

7)レイ・カーツワイルのように、自分の体の交換可能な部分はどんどん人工物で交換していって、最後は頭脳までAIに入れ変えたとして、最後の「意識」はどうもならないだろう、意識こそは自分、意識こそは人間そのものだ、などと合点している場合ではない。

8)たしかに歯がなくなれば入れ歯を作ろう、目が見えなくなればレンズを当てよう。足腰が弱れば歩行器を準備しよう。いずれは自力生活がムリになれば、ロボット介護も必要になるかもしれない。

7)されど、幸いにして、自分が自分であることを認識できている限り、「意識」こそは人間そのものである、そのような話題にいつかこの雑誌も収斂していく日が来るだろう。

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「WIRED VOL.23」特集 GOOD COMPANY いい会社<1>

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「WIRED VOL.23」特集 GOOD COMPANY いい会社 <1> 
2016/06 コンデナスト・ジャパン; 雑誌 不定版  WIRED関連リスト 
No.3815★★★★☆

1)シリーズ全体に目を通そうというタイミングだからこの号も手に入れたけど、おそらく単体なら当ブログがこの号を取り上げるのにはためらいがあっただろうし、場合によっては目を背けただろう。

2)実は、関連会社の最近のキャッチフレーズが「Be a Good Campany」なのである。これは気になる。おいおい、今まではa Bad Campany だったのかよ、と突っ込みを入れたくもなる。

3)私たちの世代には、いい大学に入って、いい会社に入る、という揶揄されたコースが反語として流通していて、それは「いけないことだ」という決めつけがある。私なぞはまともに、その影響を受けて、なるべくそのような道に「堕ちない」ようにしてきた(爆笑)。

4)しかし、いい、にもいろいろな表現があって、エクセレント・カンパニーとか一流会社とか、そういう意味に取る場合と、グッド、だから良識ある、社会的な責任のとれるメインストリームの目的を持った仕事場、という意味の場合があるだろう。

5)私のあの関連会社は一流会社である。学生の就職希望リストの上位にいつも位置する。だからいろいろある。きっと裏も表もあるのだ。その時に、さまざまな要素をまずは脇においておいて、一発 「Be a Good Campany」! と言い切ってしまうのは、わかりやすくていいのではないか?

6)あのGoogleの社是のひとつに「邪悪に堕ちない」の一言があると聞いた気がする。スターウォーズで言ったら、ダークサイドに堕ちない、というのと似通っているか。

7)日々従事する業務が正業であるなら、まさに八正道の八番目はここに行きつく。日々の業務で社会正義に従事していると思えたら、こんなにいいことはない。

8)WIRED編集部はいい仕事場だろうか。出版元のコンデナストはいい会社だろうか。いい会社であってほしい。

9)この号は取り立てて、これ、って指さす企画はないが、あまたのビジネス雑誌を見ているより、こういうヴァイブレーションに触れていたほうが、いい仕事ができそうだ。

10)70年代から日本で続いてきた「宝島」という雑誌があったけれど、若者雑誌からカウンター雑誌、別冊雑誌になって、最後はビジネス雑誌になったが、ついに近頃廃刊(休刊?)になった。

11)もしあの雑誌がこのWIREDのような路線を取れていたら、日本でもまだまだ延命できた数少ない雑誌となったであろうなぁ。それを支える執筆陣だって、キチンとまだあったはずだ。

12)あるいは、私なぞは今でも、あの宝島が、WIREDのこのような雑誌として、キチンと日本で復刊してくれないだろうか、と心待ちにしているのだ。このような路線を取れる雑誌は、数限られている。

<2>につづく

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OSHO 現代世界のマインドフルネス 「Mindfulness in the Modern World」 <C001>

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「Mindfulness in the Modern World」 How Do I Make Meditation Part of Everyday Life? <C001>
OSHO 2014/04 Griffin 英語 ペーパーバック 254ページ (Osho Life Essentials) 
No.3814★      本文目次

1)当ブログは重い腰を上げて、おっとり刀で、ようやくマインドフルネスなるものの追っかけjを始めたところである。長いことOSHOの門弟でありながら、彼の言葉使いには、そのようなものはない、と勝手に思い込んでいた。

2)しかし調べてみると、動画は出てくるは、ブックレットシリーズの本はでてくるは、なんでもありのOSHOワールドとは言え、キチンとこの辺あたりまでフォローしているんだなぁ、とあらためて納得。

3)しかし、どうも怪しいのは、この本の編集は2014/04となっているから、世界的にバズワーズとなり始めてから、編集者が編集本のタイトルとしてこの言葉を入れたのではないかな、と疑ってみる。

4)というのも、このブックレットにおいても、OSHOは必ずしもマインドフルネスという言葉を多用しているわけではない。やはり瞑想という言葉を連用しているのであり、また、それをなにかのメソッドのようには扱っていない。それは人生の質そのものを表しているのだ。

5)Remember, be mindful and alert. If you are alart, if your actions become more and more aware, whatsoever you do will not be done sleepily. The whole effort of society is to make you automaticm, is to make you like an automation, is to make you a perfect, efficient mechanism.

When you start learning to drive you are alert but not efficient, because alertness takes energy and you have to be alert to many things--the gears, the wheel, the brake, accerator, Clutch.

There are so many things you have to be aware of that you cannat be efficient, you cannot go fast.

But by and by, when you become efficient, you need not be aware. You can go on humming a song or thinking inside or solving a puzzle and the car goes by itself. The body takes it automatically. The more automatic you become, the more efficient. p16

If you can understand me, then the whole effort of meditative techniques is to deautomatize you, to make you again alertm, to make you again a human being, not a machine.

In the beginnig you will become less efficient, but don't be bothered by it. In the beginning everything will become a mess. Because everything has settled in you as an automation, in the beginning everything will become a mess; you will nat be able to do anything efficiently.

You will feel diffculty because you have become fixed with unconscious efficiency. To be consciously efficient, long effort will be needed. But by and by you will be aware and efficient. p17

6)今日読んだところでは、あえて一語だけmindfulが使われていた。

7)バズワードとして、一語だけが踊り出しているような昨今の状況だが、より本質的な方向へと、全体の気づきが向かうといいなぁ、と思う。

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2016/10/24

「心に静寂をつくる練習」グーグル本社が本気で取り組む、「立ち止まる習慣」 吉田典生

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「心に静寂をつくる練習」グーグル本社が本気で取り組む、「立ち止まる習慣」
吉田 典生 (著) 2016/06 WAVE出版 単行本(ソフトカバー) 224ページ
No.3813★★★☆☆

マインドフルネス関連リスト

「マインドフルネスストレス低減法」(ジョン・ カバットジン 2007/09 北大路書房) 

「Mindfulness in the Modern World」 How Do I Make Meditation Part of Everyday Life? OSHO 2014/04 Griffin

「死にゆく人と共にあること」 マインドフルネスによる終末期ケア (J・ハリファックス 2015/4 春秋社)

「グーグルのマインドフルネス革命」―グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス(サンガ編集部 2015/05)

「マインドフルネス最前線」 瞑想する哲学者、仏教僧、宗教人類学者、医師を訪ねて探る、マインドフルネスとは何か?  (香山リカ他 2015/10 サンガ新書)

「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」 マインドフルネスから生まれた心理療法ACT 入門(ラス・ハリス 2015/12筑摩書房)   

「心に静寂をつくる練習」  グーグル本社が本気で取り組む「立ち止まる習慣」(吉田典生 2016/06 WAVE出版)

「Tarzan(ターザン)」 2016年 7月14日号 マインドフルネス入門(2016/06マガジンハウス)

「図解 マインドフルネス」 しなやかな心と脳を育てる (ケン・ヴェルニ 2016/06 医道の日本社)

「スタンフォード大学 マインドフルネス教室」(スティーヴン・マーフィ重松 2016/06 講談社)

「WIRED VOL.24」特集 NEW CITY 新しい都市(2016/08 コンデナスト・ジャパン)

1)マインドフルネスという言葉があちこちで使われるようになってきたことに、内心、私は不安を感じています。自分が言葉の広がりの片棒をかついでいるにもかかわらず。

 マインドフルネスを自分や組織に役立てようと一生懸命になると、またひとつ新しい知識をインプットして忙しくなるだけ。世界は何も変わらない。そんな危惧を抱いているのです。p219 「おわりに」

2)悪い本ではないとは思うが、だからって、この本においてマインドフルネスやらグーグル本社やらがでてくる意味は奈辺にあるのやら、と不思議マークが?? いくつか浮かんでいた。

3)そもそも当ブログにおいて、マインドフルネスという「探求」は、野次馬根性のなにものでもない。本当に自らが「マインドフルネス」を心から探しているのでなければ、さっさと撤退したほうがいい、と思うようになった。

4)なかなかこのキーワードでは良本に出合わない。おそらく探求のしかたが間違っているのだ。

5)始めたばっかりで、即撤退するのも、なんだか気恥ずかしいので、このまま当面続けるが、あまり期待しないで、物理的に、事務的に探索を続けてみよう。

6)そのうち、今のところ気づかないことの何かを発見するんじゃぁ、なっかろうかぁ?

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「さとりサマディにて」<2>目次

<1>からつづく

 

さとりサディにて 

 

 

 

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<2>目次

40) 皐月  new 2019/05/18 
39) 南無薬師瑠璃光如来  
38) 誕生日
37)めぐりあわせ 
36)96歳。何がめでたい
35)右、左、右、左
34)
 
33)少名彦名命
32)18歳と81歳の違い‎ 
31)ひとり
30)
青春
29)
ひ孫たちとの対話
28)
ご不満
27)
次のステップ
26)
楢山
25)
教育勅語 
24)
新一年生
23)
プラレール 
22)
ジャガイモ 
21)
ぼけたらあかん長生きしなはれや
20)
忘れる
19)
小仏薬師
18)
後悔 
17)
せん妄 
16)
薬師瑠璃光如来
15)マインドフルネスによる終末期ケア 
14)
今日は何日?   
13)
添い寝
12)
さとりサマーディについて
11)
さとりサーマディにて
10)
百歳
9)
初詣
8)
お誕生日おめでとう
7)
わが家の十大ニュース 
6)
喪中はがき 
5)
さとりコンピュータ 
4)
風景その1 
3)
簡単な経緯 
2)
目次 
1)
その始まりについて 

 

 

 

<3>につづく 

 

 

 

 

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「Tarzan(ターザン)」 2016年 7月14日号 [自律神経 チューニング術]<3>

<2>からつづく  

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「Tarzan(ターザン)」 2016年 7月14日号 [自律神経 チューニング術]<3>
マガジンハウス; 月2回刊版 (2016/6/23) 雑誌
★★★★☆
 
1)この号、もちろん[自律神経 チューニング術]に注目して手に取った一冊だったが、キチンと「マインドフルネス入門」(ビジネスエリートも注目の瞑想術)も特集されているのだった。p59 わずか10ページたらずの特集だが、カラーページで若い女性モデルの図解があり、とても新鮮でわかりやすい。
 
2)ただ、いつも気になるのはマインドフルネスと瞑想が、まったくほぼ同義として扱われていること。この雑誌でもそのボーダーは明瞭ではない。
 
3) 1979年、マサチューセッツ医科大学のジョン・カバット・ジン教授が、瞑想からテクニックだけを抽出し、ストレス軽減を目的とした治療法を作った。それがマインドフルネスの始まりと言われている。

 以後、脳科学の進歩に合わせ科学的根拠のある方法にのみ収斂され、現在の形に至った。
 
 何十年も修行が必要だった方法が、脳科学により、最小限の努力で最大限の効果を生むメソッドとして確立し始めているのだ。p60
 
4)まぁ、本質的には同じものなのであるから、あとはなんと味付けしようが、それを体験する人たちのお好みで構わないのであろうが、瞑想や禅でも、ちっとも構わないのだ。
 
5)ただ、最近、「日本会議の研究」(菅野完 2016/04 扶桑社)を読んでいて思ったことがある。この会議のルーツには谷口雅春がかかわっていたことは事実として知っていたが、もうひとり朝比奈宗源という禅僧も深くかかわっていたことを知って、なかなか難しいものだな、と思った。
 
6)仏教、禅、瞑想、老師などという伝統的キーワードには、深い闇が潜んでいることも確かなのだ。
 
7)本質的にメソッドとしてマインドフルネスが現在流行しているとしたら、それはそれなりにその根拠がないわけではないのだ。
 
8)個人的にはOSHO的言葉使いの中でマインドを肯定的に使うのにはちょっと抵抗があったが、ある時、OSHOが瞑想の特質としてマインドフルネスという言葉を使った動画を見て、へぇ~、そうだったのか、と、ちょっと敷居を下げた。
 
9)オレゴンのコミューンにおけるジャーナリストに対する応答だと思うが、そのうち、文献も探して、日にち等も確定しておきたい。
 

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「週刊ダイヤモンド」2015/6/29 特集トヨタを本気にさせた水素革命の真実

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「週刊ダイヤモンド」2015/6/29 特集トヨタを本気にさせた水素革命の真実
2015/06 ダイヤモンド社Kindle版 ファイルサイズ: 22265 KB  紙の本の長さ: 138 ページ
No.3812★★★★☆

1)30数ページにわたる特集。何がなんだかわからないうちに進められている国家プロジェクト。うろうろしていると、私なんぞは、うかつな意見を言ったまま、誤解に誤解を重ねるかもしれない。

2)そんな当ブログに釘を刺したのが、「『走る原発』エコカー」 危ない水素社会(上岡直見 2015/07 コモンズ)。両論をキチンと聞いておかないと、ただただ巻き込まれるだけになる。

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3)この週刊ダイヤモンド誌はすでに1年以上も前の号だが、当時の「FCVを中心とした水素社会実現を促進する研究会」(水素族議員は100人超)の会長は、今をときめく小池百合子東京都知事)p65。「オリンピックは絶好の舞台 水素を根幹エネルギーに」とインタビュー記事に答えている。p39

4)当時の舛添東京都知事も「2020年、”水素”を前面に押し出したオリンピックを計画中」と赤ら顔のイラストで登場している。p65 流れる川は絶えずして、しかもとどまるたる試しなし。人と住処とかくのごとし。

5)「『走る原発』エコカー」 危ない水素社会の上岡直見氏や小出裕章氏が問題にしている、じゃぁ、その水素はどこから来るのか、についての論述は弱い。「その水素は”何由来”ですか?」p49においては、「化石燃料の改質」、「工業プロセスの副産物」、「バイオマス」、「自然エネルギーを使った水の電気分解」などは消化されているが、原発の副産物、ということには言及していない

6)おそらく「自然エネルギーを使った水の電気分解」などは、イメージとして使われるのであって、政府は本気ではない。むしろ、もんじゅを廃止して、大洗の新型炉あたりから大量に放出される水素ガスの有効利用が、まずは頭にあるのだ(ろうか?)。

7)この記事においては、保坂延人世田谷区長のインタビュー記事もある。p47

 九州電力が再生可能エネルギーの買い取りを断念したのも問題の本質は同じですが、日本ではエネルギー需給を考えるとき、開発側、供給側の理屈だけで制度設計してしまってきた。

 いくら日本企業の技術が進化しても、エネルギーを使う側である需要家、消費者の視点がないと、水素をはじめとする再生可能エネルギーなんて普及しない。水素革命を起こすために、われわれが声を上げることは使命だと思います。p46保坂展人「自治体連携を強化し水素革命を加速させたい」 福田紀彦川崎市長との対談

8)まだまだ海のものとも山のものともわからない水素革命社会。もっと興味関心をもって見つめ、追っかけていかなくてはならない。

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「THE NEW NUKE」 トリウム原発の新時代(WIRED Single Stories 008)Richard Martin<2>

<1>からつづく

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「THE NEW NUKE」 トリウム原発の新時代(WIRED Single Stories 008)<2>
Richard Martin (著),    相原俊樹 (翻訳) 2012/03 コンデナスト・ジャパン Kindle版 ファイルサイズ: 120 KB 紙の本の長さ: 10 ページ
★★★☆☆

1)現在「WIRED」にワイアードしている(されている?)当ブログにとって、きわめて重要となるのが、この小さな電子本。印刷媒体では出版されていない。わずか小さな本ではあるが、同じリチャード・マーティンの「トリウム原子炉の道」世界の現況と開発秘史(2013/10 朝日選書)のダイジェスト版、というよりも、粗略な紹介本と言っていい。

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2)そもそもは「WIRED」US版2009/12で記事として掲載されたもの。

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3)記事体としては例によって外部からの投稿という形になり、WIRED誌全体としての態度はニュートラル。日本語版にはおそらく翻訳はでておらず、電子本パンフレットとして邦訳されたものではないか。
 
4)出版元はコンデナスト。この出版社はファッション関係の本も出しており、ジャーナリズムとしての野心を持っている出版社と見える。本当にWIREDの出版元としてふさわしいのかどうかは、これから調べる。
 
5)ただし、1993年以降、右往左往している出版体制であり、現在のところ、これまでで一番安定しているかに見える。これは今後すこし調べてみよう。
6)もし、今後このトリウム原発について調べるなら、日本語としては「原発安全革命」古川 和男 2011/05 文藝春秋)と
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「トリウム原子炉革命」―古川和男・ヒロシマからの出発(長瀬隆 2014/08 ゆにっとBOOKS)
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を読めば、おおよその外郭がつかめるだろう。
 
7)また当ブログとしては、ついにスチュアート・ブランドの「地球の論点」 現実的な環境主義者のマニフェスト(2011/06 英治出版)に突入していく機会となるのだろうか。

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つづく・・・・かな?

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2016/10/23

「マインドフルネス最前線」 瞑想する哲学者、仏教僧、宗教人類学者、医師を訪ねて探る、マインドフルネスとは何か?  香山リカ他

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「マインドフルネス最前線」 瞑想する哲学者、仏教僧、宗教人類学者、医師を訪ねて探る、マインドフルネスとは何か?
香山リカ (著), 永井均 (著), アルボムッレ・スマナサーラ (著), 永沢哲 (著), 2015/10 サンガ新書 291ページ
No.3811★★☆☆☆

1)香山リカ。当ブログがスタートした時点から、図書館にいくと、心理コーナー、とくに新書コーナーに彼女の名前がみつかることが多かった。虚心坦懐にページをめくるのだが、どうも私とはチャンネルが合わない。すでに10冊近く読んだはずだが(関連リストを下に作ってみた)、私はいつも辛口の評価しかできないで来た。

2)今回も、マインドフルネス、ということで虚心坦懐に読み始めてみたのだったが、スタートしてちょっとした段階で、私はだめだった。パラパラとめくって、さっと閉じてしまった。

3)このような人がいることは理解できるし、このような本で初めてマインドフルネスやら、この手の世界へと導かれる人がいることは、それはそれで妥協できるとして、どうも私のコンパニオンではない。おそらく乗っている舟が違うのだ。

4)呉越同舟という。多少の違いがあっても、同じ舟に乗っている限り、いさかいをしていても仕方ない。とにかく向こう岸まで、一緒になかよく渡ろうじゃないか。呉越同舟なら、そう思える。

5)しかし、彼女においては、どうも私は違うと思う。そもそも、同じ舟には乗り合わせてはいないようだ。それは、彼女が、最初から、精神科医とか、そういう肩書で取り上げられるし、また彼女はその立場から発言しなければならない、という思い込みから始まっているのだと思う。

6)私もまた、そこにひっかかるのは、なぜなのかわからない。劣等感とか、ライバル意識というのとは全く違うと思う。すくなくとも、裸の彼女(女性にこんな表現は失礼か)が見えない。作っているキャラクター、見せるために書いてある文章、請われて役割を演じている、そんな感じがどこまでもしてしまう。

7)そんな彼女のマインドフルネスであろうが、瞑想であろうが、ビパサナであろうが、私個人には、どうも響かない。

8)対談されている方々には、なお失礼になるだろうが、とにかく、この本に対する我がブログの評価は低い。同じ内容なら、他の本でもたくさん読めるはずだ。

香川リカ関連リスト

「精神分析学がわかる」AERA Mook 43 朝日新聞社 1998/11 
「ネット王子とケータイ姫」悲劇を防ぐための知恵 森健と共著 2004/11 中央公論新社 
「テレビの罠」  コイズミ現象を読みとく ちくま新書 2006/03 
「スピリチュアルにハマる人、ハマらない人」2006/11 幻冬舎新書 
「現代フロイト読本」 2008/05 みすず書房 
「女たちよ、勝間和代を目指すのはやめなさい」 「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール2009/07 幻冬舎
「勝間さん、努力で幸せになれますか」  勝間和代と共著 2010/01 朝日新聞出版 
「週刊アエラ」  勝間和代X香山リカ 公開ガチンコ90分 ツイッター「恋愛とマネー」
2010年3月15日号 
「マインドフルネス最前線」 瞑想する哲学者、仏教僧、宗教人類学者、医師を訪ねて探る、マインドフルネスとは何か?  2015/10 サンガ新書
「大法輪」特集マインドフルネスと坐禅・瞑想 2017/ 04 大法輪閣

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「ニュー・アース」 エックハルト トール <5>

<4>からつづく 

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「ニュー・アース」意識が変わる 世界が変わる <5>
エックハルト・トール (著),    吉田 利子 (翻訳) 2008/10 サンマーク出版 ハードカバー 336ページ

1)とにかく28回分、最後まで聞いた。例によって、この手の本を聞いていると、とにかく眠くなってしまうのだが、そして実際は眠ってしまったことが何回かあったが、それでも毎回30分程度なので、大きく聞き逃した部分は少ない。

2)面白いと思う。途中ちょっと中だるみだったが、最後に向かってどんどん面白くなった。最後のひとことがなおよかった。

3)この人、いつの頃から、どのようにして登場していたのか全く知らない。ある時、かれこれ数年前に、SNSつながりで友人が紹介してた動画を見て、初めて認識した。

4)割合この手のお話や本には、私はやや食傷ぎみで、まじめに取り合うことが少ない。ひやかし気味に取るので、結果として冷やかし気味の読後間しかメモしないことが多い。真面目に読めなくなっている自分が、さびしい。

5)今回、こうして朗読動画を発見することによって、336ページにもわたる分厚いハードカバー本を、一冊まるごと「聞く」ことができたのは幸いだった。すなおに★5の評価から、レインボー評価に格上げしておいた。

6)言語であったり、表現であったり、文化圏であったりして、なかなかこの手の本をダイレクトに評価するのは難しいものだが、ジェネレーション的にも、言葉使い的にも、しかも内容的にも、きわめて近いものを感じた。

7)逆に言えば、共感する人々は多かろうが、このようにエックハルト・トールのように、すらすらと、きっちり語れる人はすくない。

8)ビディオ動画を見る限り、言葉の感じ、顔の感じ、表情、服装、きわめて身近に感じさせる存在である。私から見た場合、嫌味な感じがしない。むしろ、不要な部分をそぎ取って、ななかなかスマートで、軽快であるように思う。

9)私の場合は、どうしても我がマスターとの連携を感じてしまうのだが、この邦訳者は、言葉の使い方などは、かなり似ていると思う。エピソードとして飛び出してくる話も、すでに我がマスターの口から聞いてしまっていることが多い。

10)それでもなお、この方から聞き直しても、なんの違和感もない。むしろ純化されていて、不純物が濾過されているようにさえ感じる。

11)逆に言えば、この人の「ムーブメント」とか、この人の「実態」とか、この人の他の本とか、この人の「とりまき」とか、どうなっているのかな、と、よからぬ他の部分について好奇心を刺激される。

12)一度、動画朗読で聞いてしまったが、聞き落としたところもあるので、いずれ再聴しよう。そして、本も再読しよう。

<6>につづく

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さとりサマディにて<1>その始まりについて

さとりサーマディにて

<1>その始まりについて 目次 

 

1)眼科に手元眼鏡を調整に行って検査をしてもらった。この際だからと飛蚊症なども調べてもらうことにしたら、なにやら瞳孔を開く目薬をさされた。帰宅後、すくなくとも6時間は読み書きしないようにとの注意とともにである。

2)帰宅後、仕方ないので、イヤフォンで音楽でも聞くことにした。そういえば、昨日エックハルト・トールの「ニュー・アース」の朗読動画を発見したところだった。これはグッドタイミング。横になって聞くことにした。

3)この動画を途中まで聞いていたところ、彼がカウンセラーとして中年女性の話を何年にもかけて聴き続けていく風景が語られていた。それはそれなりに興味深いものだったが、そういえば、私もまた一人の瞑想心理カウンセラーとして、長年、さまざまな人たちのお話を聞きつづけていることを思い出した。

4)そして、それに続いて、最近老人ホームに入った、わが母親のことを思った。現在94歳。還暦を過ぎた私の1・5倍の人生時間を送っている。意識はたしかだし、いわゆるボケもない。最近まで、親戚や知人たちの名前や誕生日を明確に記憶していて、「さとりコンピューター」というニックネームももらっている。

5)さとり、とは彼女の名前である。

6)私の最近の日課は、彼女の洗濯物を週二回、交換しにいくことである。ホームに入っているので、長時間ではないが、いっとき、彼女と話しをすることとなる。目は完全に失明し、耳も少し不自由になってしまった彼女ではあるが、彼女は、時おり訪れる家族や知人と話しをすることを、とても楽しみにしている。

7)ところが最近の私は、時にはカウンセラーと自称することがあるのに、彼女の話を聞き続けることが苦痛になることが多い。むしろ積極的に避けていることが多い。

8)いや、これは不味い。もう少し、積極的に彼女の話に向き合わなければならないな、と、そう思う。だから、最近はすこし心を入れ替えて、むしろ、ホームの彼女の部屋は、むしろ私にとっての瞑想ルームであるかのように、訪問してみようかな、と思った。

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9)そういう経緯である。このコラムは、当グログ「プレムバベシュの孫たちとの対話」と対になるような気がする。

10)彼女にまつわるエピソードをすこしづ綴っていこう。

<2>につづく

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2016/10/21

「ニュー・アース」 エックハルト トール <4>

<3>からつづく 

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「ニュー・アース」意識が変わる 世界が変わる <4>
エックハルト・トール (著),    吉田 利子 (翻訳) 2008/10 サンマーク出版 ハードカバー 336ページ
★★★★★

1)眼科に手元眼鏡を調整に行って検査をしてもらった。この際だからと飛蚊症なども調べてもらうことにしたら、なにやら瞳孔を開く目薬をさされた。すくなくとも6時間は読み書きしないようにとの注意とともにである。

2)帰宅後、仕方ないので、イヤフォンで音楽でも聞くことにした。そういえば、昨日ニュー・アースの朗読動画を発見したところだった。これはグッドタイミング。横になって聞くことにした。

3)さすがエックハルト・トール。面白い。本も再読しようと思っていたが、ぜんぜん始まらない。そんな時、こうして朗読動画で聞くことができたら、それは便利だな。

4)一気に聞いたが、#7で、ちょっと一息。これを一気に最後までは聞けない。また、チャンスを見て続編を聞こう。ここまで聞いたところ、すこし論理的すぎるかな、と思う。最近OSHOの本は「直観」がでた。

5)この本は、もうちょっと直観がほしいね。あるいは、これからそれについて触れていくのかな?

6)今後続編を聞くため、リンクだけは張り付けておく。(編集中)

#1 第1章 わたしたちはいますぐ進化しなければならない
#2
 新しい意識 スピリチュアリティと宗教 変容の緊急性 新しい天と新しい地
#3
 第2章 エゴという間違った自己のメカニズム 世界をありのままに見る 幻の事故 頭の中の声 エゴの中身と構造
#4
 アイディンティティとしてのモノ なくなった指輪 所有という幻
#5
 欲望:もっと欲しい 身体との同一化 内なる身体を感じる
#6 忘れられる「大いなる存在」 デカルトの誤りからサルトルの洞察へ すべての理解にまさる安らぎ
#7
#8
#9
#10
#11
#12
#13
#14
#15
#16
#17
#18
#19
#20
#21
#22
#23
#24
#25
#26
#27
#28

<5>につづく

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「WIRED(ワイアード)VOL.21」 MUSIC / SCHOOL 音楽の学校

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「WIRED(ワイアード)VOL.21」 MUSIC / SCHOOL 音楽の学校
WIRED編集部 (編集) 2016/02 コンデナスト・ジャパン フォーマット: Kindle版 ファイルサイズ: 157687 KB WIRED関連リスト
No.3810★★★☆☆

1)ようやくWIRED追っかけを始めた当ブログ、過去にさかのぼって創刊号からゆっくりたどってくる予定でいた。いずれこの号も実際に手にとって読もう、と思っていたら、なんと今朝からこの号がネットで電子本として全ページ読めるようになっていた。

2)発売当初、店頭でまずは手にとってひととおり見ている。だが、立ち読みで味わい尽くせるような本ではない。次に電子本アプリで、ちら見した。もちろんこれでも全ページみれるわけではない。

3)今回、ようして全ページ、電子本として読むことができたが、おそらく私は一読者として、一追っかけとして、やはり紙ベースのこの号を入手したくなるにちがいない。紙は紙の良い点がある。紙でしか味わえない魅力がある。

4)だが、単号としてのこの号は、特集からして必ずしも私向きではない。シリーズとして全号揃えた時に、歯抜けになっていては気分が悪いので、やはりそろえようということになるのだろう。

5)今回そういう視点からみた場合、編集長名が若林恵となっていた。う~ん、創刊の時は別の編集長の名前がでていた。これはどうなっているのかな。もうすこし毎号毎号チェックしてみよう。

6)というのも、やはり雑誌は編集長の存在が大事だと思うからだ。ケヴィンケリーがいまだにWIRED.USの創刊編集長として祀られていることを考えると、雑誌の性格付けには編集長の存在は大きい。

7)この号をタブレットでピンチアウトしたりピンチインしたりして、最後まで読んだのだが、コマーシャルまで全部解放されているのは、良心的だと思うが、すこし疲れる。それに比して、同時に読んでいた「エコノミスト誌」などは、まったくピンチアウトーインは必要ない。これは横文字雑誌の長い行を読むのと、縦組み雑誌のそこそこにくぐられた行間を読むことの違いによるもののようだ。

8)そもそも電子本(特に雑誌のばあい)は文字が小さくなりすぎて、われら老眼族には不都合なことが多いのだが、今やネットつながりの平均は40代中ごろになっている時代である。WIRED編集部には、この点の改革を要望したい。

9)音楽や学校について、いまさら特段の思いはないが、例えば、シンギュラリティ大学のマインドフルネス講義については関心はあるのだから、個人的にはこの号の特集よりも、もっと別なものをほしがっている私がいるのだろう。

10)第二特集として「Sex In The Digital Age こんな時代のセックス」も、セックス全盛エイジを通り過ぎている我が世代には、ぴったりの特集とはいいがたい。VRセカンドライフでも、いまやパーツとしてのペニスを装着してバーチャルセックスするのが目的になってしまってさえいる、というレポートもある。ああ、そういう時代なんだなぁ、と思う。

11)この雑誌を読んでいると、まずはイノベーションという言葉がとにかく目につく。革命や進化、などという言葉には心惹かれるのに、イノベーションはまだまだ違和感が残る言葉である。革命や進化は日本語にもなっているし、あるいみ遠く離れた言葉でもある。

12)それに比すればイノベーションは、改革とか更新とか、まだまだ日本語になり切れていない言葉ではあるが、すぐさまここから今日からの自己変革を要求されるようで、どうも足元が切り崩される怖さがのこる。

13)この雑誌の裏表紙にあたる最後の140Pにはトヨタレクサスのコマーシャルがあった。なかなか素敵なデザインのコマーシャルではあるが、WIREDとレクサスが似合っているのかどうか、その辺はどうも、私は納得ができなかった。

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2016/10/20

「ニュー・アース」 エックハルト トール <3>

<2>からつづく

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「ニュー・アース」意識が変わる 世界が変わる <3>
エックハルト・トール (著),    吉田 利子 (翻訳) 2008/10 サンマーク出版 ハードカバー 336ページ
★★★★★

1)<AI朗読>というものに気が付いた。そしたら、ネットのほうが私の好みを推察したのか、この動画もアップされてきた。そうだ、いつか読んだ本だ。そしていつか再読しようかな、と思っていた本でもある。今のところそのチャンスはやってきていない。

2)むしろフィンテックなどよりもこちらの方が、当ブログのテーマに近いかも。どこまで読めるかわからないが、いずれ聞くかもしれないので、張り付けておく。

2)さて、こちらも同じようなページだが、どうやらこちらは#1から#28まで続いている。ひょっとすると全文が読めるかもしれないので、こちらも実験的に張り付けておく。ひょっとすると、もし全文が読めたら、それは当ブログにとっての初体験となる。

<4>につづく

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「ブロックチェーンの衝撃」 馬渕邦美他<1>

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「ブロックチェーンの衝撃」  <1>
ビットバンク株式会社&『ブロックチェーンの衝撃』編集委員会 (著),    馬渕邦美 (監修)  2016/06 日経BP社 単行本 296ページ
No.3809★★★★★

1)この本リクエスト中だが、まだまだ来ない。早く読みたいなぁ、と思っていたところ、なんとAI朗読で読める(もちろん聞くのだが)のだった。

2)いずれ全文を読めることを楽しみにして、AI朗読だけでも張り付けておく。

  • <2>につづく 

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    「仮想通貨革命」---ビットコインは始まりにすぎない 野口悠紀雄<2>

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    「仮想通貨革命」---ビットコインは始まりにすぎない <2>
    野口 悠紀雄(著) 2014/06 単行本 ダイヤモンド社 単行本(ソフトカバー) 276pNo.3394★★★★★
    1)すでに2年前に出た本であり、当ブログで読んでからもすでに1年半経過しているが、類書の中ではもっともすぐれている本の一冊である。再度読みたいなぁ、と思っていたところ、<AI朗読>なるものを見つけたので、張り付けておく。
    2)全文を読むことができないのは残念だが、よし、もういちど一冊読むぞ、という気分を盛り上げてくれる。

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<16>

    <15>からつづく  

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 <16>
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次
    1)ネットを検索して、<AI朗読>というものが登場していることに気づいた。しかも、それは私が読みたいと思っている本の新刊本がいくつもあるのである。びっくりした。全文を聞けるわけでもなく、途中から読みたい部分だけ読む、というわけにはいかないが、それでも、日々視力が落ちている私などには朗報である。
    2)ケヴィン・ケリーのこの本も読めるようになっていた\(^o^)/
     
     

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    「WIRED (ワイアード) VOL.2」 スティーブ・ジョブズが遺した14のレッスン

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    「WIRED (ワイアード) VOL.2」 スティーブ・ジョブズが遺した14のレッスン(GQ JAPAN2011年12月号増刊) 雑誌 – 2011/11 出版社: コンデナスト・ジャパン; 不定版  WIRED関連リスト 
    No.3808★★★★★

    1)2011年6月に(再)創刊したWIRED誌、その秋に続刊される次号予告には、当然、ジョブズのことなんか特集するとは書かれていない。しかしながら、スティーブ・ジョブズはその10月5日に56歳と7か月の人生を閉じた。11月に発行されたWIRED2号は、緊急のジョブズ特集を組んだ。

    2)すでに当ブログにおけるジョブズ追っかけは一段落している。そして決定的だったのは、「WIRED×STEVE JOBS」 『WIRED』 保存版特別号(2013/10 コンデナスト・ジャパン)だった。そして、当ブログが初めて決定的にWIREDを意識した瞬間でもあった。

    3)それらの経緯についてはすでにメモ済みである。ここおではせっかくだから、表紙見出しにもなっている「スティーブ・ジョブズが遺した14のレッスン」を箇条書きに列記しておく。

    1)「いま」を考えるな
    2)価値があれば、もっと売れる
    3)人を繋ぐ
    4)ビジネス・マスターへの道
    5)ボトム・アップで行こう
    6)物まねするな、解釈せよ
    7)デザインこそすべて
    8)オーディエンスを幻惑せよ
    9)ビジネス金言集
    10)期待を裏切れ
    11)己の競合たれ
    12)再起動、再起動、再起動
    13)盛大なお披露目こそ最大の広告である
    14)ハングリーであれ、愚かであれ
     p32~p41「スティーブ・ジョブズが遺した14のレッスン」

    4)ジョブズは独特のアルゴリズムをもっており、当ブログとは言語が違う。すべて鵜呑みにはできない。それに比較すれば、この雑誌の巻末近くでインタビューを受けているケヴィン・ケリーとクリス・アンダーソンの述懐は、かなり親近感を持つ。彼らが「雑誌」というメディアにかかわってきたからゆえであろうか。抜き書きすると全文ということになってしまうので、画像として全体を張り付けておく。

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    Img_68272

    5)文章もだが、この画像からかもされるたたずまいがなんともいい。

    6)それにしても2011年という年は、3・11とジョブズの逝去というふたつの大きな出来事があった。WIRED日本版のスタッフにしても、(再)創刊後、二号続きで黒い表紙になるとは思わなかっただろうなぁ。

    7)今の私は、3・11にジョブズの死、そしてそれに加えることのこの雑誌の創刊、ということで2011年を深く記憶に残しておきたい気分だ。

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    2016/10/19

    「48歳からのウィンドウズ10入門」<10>

    <9>からつづく 

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    「48歳からのウィンドウズ10入門」 

    リブロワークス (著) 2016/4 インプレス 単行本(ソフトカバー): 128ページ 目次
    ★★★☆☆

    <10>音声アシスタント「コルタナ」を活用する?

    1)旧機①を最新OSにグレードアップしたものの、いまいち音がうるさい。盛んに活躍しているのは、セキュリティソフトとコルタナである。セキュリティソフトは止めることはできるが、コルタナは止めることができない。

    2)メモリーが不足しているのかなぁ、と推測はしてみるが、三台とも同じ数量だけメモリーを積んでいるし、CPUにしたって、それほどの違いはない。おそらく、どっかの段階でひっかかっているのだろうが、ドシロートの私にはわからない。

    3)あんまりうるさいので、結局使わないことになってしまう。バックアップラインで緊急時に使えればいいや、と割り切ってみるが、せっかくなら、やっぱり静かになってほしい。

    4)そんなことををしながら、それならと、ようやくコルタナなるものを使ってみようかな、という気になった

    5)ケヴィン・ケリーなどを読んだりして、すこしはポジティブに、楽天的に、オポチュニストになってやろう、とは思うのだがなあ。

    6)でも、いざ使おうとなると、セットアップがうまくいかない。なにか、大きくスキップしているかららしい。ああ、めんどくせい。

    7)別にどうしても使いたいと思っているわけではないので、やっぱりこれはスキップかな?

    8)こうして、次第にレイトマジョリティからさらにラガードに落ちていく、わがパソコンライフであった。( ノД`)シクシク…

    <11>につづく 

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    「いのちの環」 「白鳩」 「日時計」<3>

    <2>よりつづく 

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    「いのちの環」 「白鳩」 「日時計」<3>
    生長の家 2016/10 日本教文社 小冊子 p66 
    No.3806~7★★★☆☆ 

    1)「日本会議の研究」(菅野 完2016/04 扶桑社)を読むに至って、またこの教団のことを思い出した。特段に深い縁があるわけではないが、日常的に通る生活道路に、関連施設があるのだから、まぁ、これも地縁という縁かもね。

    2)この教団が、行動右翼的な政治活動から手を引き、エコロジー左翼に転換したのは1984年あたりだというから、そのような変遷には、私などはまったく気がつかなかった。おそらくこの関連施設ができたのは、その転換のあとのことであったかもしれない。

    3)私はこの施設を一回だけ利用したことがある。ジェームズ・スワンの本が、日本教文社からでて、この施設でも販売していたからだ。あれはもう1990年代の中頃になっていただろう。

    4)でも、実は最近もまた、この施設がぐぐっと身近に感じることになった。突然のクルマのトラブルで、一時は深刻な「クルマ選び」サイクルに入ったのだ。

    5)次はどんなクルマの乗るだろう。その時出てきたのは、ハイブリッドか、電気自動車か、PHVか、という選択肢だった。その時、この施設に、急速充電システムがあり、一般にも開放されていることが分かった。

    6)自宅に充電設備を設置することも可能だが、すぐ近くにその設備が解放されていれば、利用しない手はない。また、近くにその施設があるということを前提にクルマ選びするのもありかな、と思った。

    7)そういいながら、実はそのクルマ選びのプロセスで、「『走る原発』エコカー」 危ない水素社会(上岡直見 2015/07 コモンズ)と出会ってしまったことは大きい。エコロジー、という隠れ蓑があったりする。その辺を考え始まったので、今回はとりあえず、今回は現車をリペアして、現状維持を図った。しかし、残されたテーマは重い。

    8)このテーマは深い。そして本質的だ。ゆっくり考えていくことにする。

    <4>につづく

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    「日本会議の研究」 菅野 完 <1>

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    「日本会議の研究」 <1>
    菅野 完 (著) 2016/04 扶桑社 新書 302ページ
    No.3805★★★☆☆

    1)現在当ブログは、ようやく重い腰を上げて「WIRED」誌追っかけを始めたところである。おそらく一か月、あるいは年内はこの話題で満杯になるだろう。そのタイミングでこの本が到着した。

    2)この本は新刊直後に図書館の蔵書になってすぐにリクエストしたのだが、すでに人気本であった。私の手元にくるのに半年ほどかかった。なに本当に読みたいのであれば、店頭で手にすればいいのだけれども、そこまでの緊急さは感じていなかった。

    3)だからこそこのタイミングでの登場となったわけだが、この取り合わせのなんと落ち着かないこと。いかにもギクシャクした対比である。

    4)この本、時の本、ということになってしまっているが、本来はもっと純粋なインフィクション・ストーリーとして読まれるべきだった本ではないだろうか。今年読んだ本で言えば、「真説・長州力」1951‐2015(田崎健太 2015/07 集英社インターナショナル)とか、あるいは個人的にすごく感銘を受けた「Get back、SUB!」 あるリトル・マガジンの魂(北沢夏音 2011/10 本の雑誌社)とか、賞まで取った「さよなら、サイレント・ネイビー」 地下鉄に乗った同級生 伊東乾 2006/11 集英社)などのように、じっくりとそのターゲットとの出会いをかみしめながら、追跡していくような、長尺のストーリーになってもよかったはずだ。

    5)実際、著者は、この新書一冊に盛り込めなかったほかのたくさんの取材結果を残念がっている。

    6)現在、当ブログはこのテーマを深追いする気はないので、全部は見ていないが、ネット上では、著者の外国記者向けの記者会見や、本誌登場人物たちの動画など、たくさんの情報を見ることができる。それはそれで、面白い見もの、読み物である。

    7)思えば、日本会議に象徴されるような、「日本、国家、天皇」に比して、追っかけを始めたところのWIREDの世界は「地球、人間、イノベーション」と対比できるかに思う。日本と地球、どっちを大事にするのか。国家と人間、どっちを優先するのか。天皇とイノベーション、どちらに重きを置くのか。

    8)当ブログの姿勢やいかに、と問われれば、日本が成立する前の、あるいはホツマツタエがかろうじて伝えているような、もっと原始的な地球、国家が成立する前の人間が中心だった世界、天皇が君臨する前のスピリチュアリティ、となるであろう。

    9)そうである。現在のところWIREDと当ブログは、イノベーションVSスピリチュアリティ、のレベルにおいて葛藤している。いずれ彼らが標榜するマインドフルネスを深堀することによって、当ブログとWIREDの距離感ががつかめるだろう。

    10)さて、この本が書いているところの「日本、国家、天皇」についてはここでは復言しない。これまでの6000に余る記事に書いてきたことゆえ、ここでどう書いたとしても、当ブログの姿勢を隠すこともできなければ、修正することも不可能である。

    11)日本に生まれ、日本に育ち、日本に生きながら、国家というものの庇護のもとにあって、あるいはそれを支える立ち場にあって、さらには天皇を敬う文化の中で自らの生命を永らえている限り、私が個人的に何を言おうと、それは宙に浮く、戯れ言にさえ、なりかねない。あるいは、不用意な論争などを巻き起こしたり、巻き込まれたりしたくない。

    12)しかしここでは、当ブログはイノベーションを支持したい。この地球は、人間ひとりひとりを大事にする、スピリチュアリティにこそ立脚すべきである、と。

    13)WIRED追っかけも、実は当ブログ最終形態ではない。そこからマインドフルネスに抜け、そして、さらに当ブログが掲げた世界へと抜けていけるもの、と確信している。

    14)この本は、時事的に読まれているが、本来はもっとゆっくり、ひとつの文学として読まれるべき一冊なのではないだろうか。

    <2>につづく

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    2016/10/18

    「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<6>

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    「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<6>
    (GQ JAPAN2011年7月号増刊) 2011/06  コンデナスト・ジャパン 不定版 27.2 x 19.8 x 0.6 cm WIRED関連リスト  VOL.1について
    ★★★★★

    1)うん、この本は面白い。これからは、愛読雑誌は何ですか? と問われたら、まよわず「ワイアード」とまずは答えそうだ。もちろんこの雑誌一冊、というわけにはいかない。何冊かのうちの一冊ということになろう。しかし、まずはトップにこの雑誌の名前を上げることだろう。

    2)表紙にあったタイトルをすべて個別に書き込もうと思ったが、すでに次に読むべき本が到着してしまった。先を急ごう。必要であれば、後に再読する。今は概略をとりあえずつかむことのほうが先だ。

    3)現金もカードもいらない お金の未来 他でも触れたし、今後も話題になるだろうが、当ブログとしてはメインの話題にはならない。フィンテックというカテゴリではあるが、視点がずれている。限りある金は丁寧に、キチンと間違いなく使うしかない。

    4)「SNS」という罠 プライバシーが消えてゆく 、5年前と現在ではかなり違ってきてもいるが、またその対策もだいぶ取られるようになってきた。でも少なくとも、大衆が気づかない部分についての継承は誰かが鳴らさないといけない。

    5)クリス・アンダーソンが語る「未来はすでにここにある」 巻末コラムコラム雑誌一体化クリスアンダーソンWIRED見分って

    6)IDEA/TECHNOLOGY/BUSINESS テーマった認識ってって、注意深くみていこう。

    7)WIRED.jp  GET WIRED ONLINE 私は雑誌WIREDの読者でなかったばかりではなく、ネットのWIRED.jpのファンでもなかった。よくよく見ているわけではない。ただ、たまに横断してしまうので、ああ、こういうのがあった、と毎回気づくのだが、すぐ忘れてしまう。まぁ、その程度でいいのだろう。

    8)WIRED大学 新・教養学部の必読書50 最後にこのコーナーを取り上げないわけにはいかない。WIRED大学、と洒落てはいるが、シンギュラリティ大学のような実態をともなった存在ではなかろう。ここでは、「日本校」として50冊の本をリストアップしてある。

    9)当ブログとどのくらいクロスしているかな、と思ったが、既読なのはなんと5分の1。内容的にはほぼカバーしているが、具体的にこのような形でリストアップされていると、いずれ読みたくなる本もいくつかある。すでに時期を外した本がないでもない。

    10)しかしまぁ、WIRDE大学「日本校」 新・教養学部の聴講生としては、曲がりなりにも、すべての本の存在を確認し、手にとってペラペラしてみる必要があろう。

    11)そして、もっと大事なものは、ここに「ワイアード・スクールがもたらしたもの」p094という文章が追記してあった。抜き書きしようと思ったが、全文になるので、とりあえず、ここに画像として添付しておく。

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    12)最後に、GQ JAPAN 2011年7月増刊 ワイアード VOL.1 LUNCH ISSUE ってところを忘れていた。WIRED日本版は、1990年代中盤に一度創刊されていたようだが、いつか立ち消えになった。その後、復刊したわけだが、その時にこのGQという既存の雑誌の特別号として発行されている。

    13)なぜにそうだったのかは未確認だが、単体の雑誌としては、日本のマーケットで一人歩きするにはあまりにも弱かったのかもしれない。ヘタな形で借財を追って三号雑誌となり、その後まったく日の目を見ないようになるよりはよかったのかな、と思う。

    14)その辺の事情については、いずれ後日、追っかけしながら分かってくるに違いない。

    まずはこの項<完>

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    「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<5>

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    「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<5>
    (GQ JAPAN2011年7月号増刊) 2011/06  コンデナスト・ジャパン 不定版 27.2 x 19.8 x 0.6 cm WIRED関連リスト  VOL.1について
    ★★★★★

    1)この本、表紙にあるタイトル通りに本文が並んでいるわけではない。だから、次に「特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」を追っかけようと思ってみたが、必ずしもそのように区切られているわけでもなさそうだ。全文が、その特集タイトルに掛かっているようにも見える。

    2)そもそもコピーライティングとしては「OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」というタイトルは秀抜だが、こんな薄い本にすべてが書かれているわけではなく、この小さな本にすべての答えを見つけよう、とするそのこと自体がムリであろう。

    3)しかし、ここでは、「WIRED」はどうとらえているのか、という姿勢が分かればそれでいいのだ。3・11直後という創刊時期にあたり、いかにアメリカ本誌の翻訳雑誌とは言え、どのようにこの本の編集部はとらえていたのか、ということを把握しておく必要がある。

    4)少なくとも、パラパラ読み進めるうえで、この本は完全にアメリカ本誌の翻訳本ではなく、日本独自の記事も多数あるのだということが分かってきた。

    5)ただ、この本は文字が小さい。老齢化して、それでなくても老眼がすすむ我が読書人生において、小さな文字は障壁である。このページを電子本でみると、さらに小さいので、ピンチインしてさらに大きな文字にして読むのだが、ページ全体が失われて、別な意味で読みにくくなる。

    6)そんな思いをしたので、電子本ではなく紙ベースの雑誌を取り寄せたのだが、こちらはむしろピンチインできないので、小さな文字を老眼鏡を強くして読むしかない。途中疲れること多し。

    7)されど、レイアウトやデザイン、印刷の色調、文字構成、リード、イラストなど、寡聞にして、日本雑誌には見られない雰囲気が多々ある。これが好き、これがいい、とまではいえないが、その「違い」を楽しむことはできる。これが「WIRED」なのだ。

    8)さて、「特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」という問いかけだが、本文においては、現場のレポートと、それについての肯定否定の両論併記、がパターンとなっており、その問いかけに反して、どちらかの答えを導くという誘導ラインは少ない。

    9)両論併記の場合、読み手が、どちら一方に肩入れしている場合、こいつは、相手チームを押しているのではないか、と疑ってしまうこともなきにしもあらずである。

    10)基本、この雑誌を途中まで読んだ限りにおいて、「テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」という問いかけについて、答えはでていない、どちらにも肩入れしていない限り、不透明ではある。

    11)しかし、その問いかけは正しいだろう。その問いかけにダイレクトに答えはでなくても、その問いかけがなぜでてきたのか、という見直しにはなりそうだ。あるいは、議論に油をそそぐことはできそうである。

    <6>につづく

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    「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」 マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 ラス ハリス

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    「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」 マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門
    ラス ハリス (著), 岩下 慶一 (翻訳) 2015/12筑摩書房 単行本: 284ページ
    No.3804★☆☆☆☆

    1)マインドフルネスという単語がバズワードとして飛び交っている。当ブログもある思惑から、この言葉を手繰り寄せてみようと思っている。結局は「WIRED」のセンスでもって、マインドフルネスとはどうか、というところまで行こうとしているわけである。

    2)とりあえずわが最寄りの図書館の蔵書を検索してみると、かなりの冊数があり、しかもそれぞれが人気本だ。いまさら予約しても、私の番がめぐってくるのはだいぶ先になりそう。

    3)そこでまずは予約ゼロの「不人気本」から読み始めることになった。

    4)だから経緯から言って、この本が面白い確率は低い。あまり読まれていない本なのだ。そう分かってはいるのだが、いざ開いてみると、この小さな本を完読するのは難しい。タイトル、サブタイトル、中身、それぞれが、どうもこちらをオープンにしてくれない。

    5)実は、この手の本は、昔からずっとあるのだ。この手の本をさがせない時期などなかった。常に亜流のサードパーティが活躍する。そしてその余地は常にある。

    6)なぜなら、人間は生まれ続け、幼児は少年になり、少年は青年となり、人生の壁へと招き入れられるからだ。人間が新陳代謝として生まれ続ける限り、この手の本は消えてなくならない。

    7)もし、若い層がこの本を手にとって、夢中になっているとしたら、私には何もいうことはない。がんばれ、と声援を送るのみだ。

    8)しかし、キミがこの本を手に取って、あれ変だな、ちょっと違うな、と思うのだったら、私はキミの感性と知性を支持する。少なくとも、この手の本は他にもたくさんあり、しかも有益さにおいては、はるかにこの本を凌駕する本が山ほどある。

    9)私は私なりに探検し、ある意味、その答えを知っている。

    10)しかし、今は、あえてその答えを即答するのは避けておこう。問題は、その答えを見つけることになるのではない。その答えを探して彷徨うことにこそ意味があるのだ。キミにはキミの回答がある。

    11)この本にキミの回答を見つけたのなら、それはそれでいいのだ。それ以上のことはない。おめでとう。だが、もし、いずれこの本に不満足になるのだったら、それはそれで、キミはかつてのオメデタイ自分に気づいたことになるのであり、それは成長したことを意味する。

    12)マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門、などというまがい物に迷ってはいけない。

     

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    「さよならインターネット」 まもなく消えるその「輪郭」について 家入一真<2>

    <1>からつづく

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    「さよならインターネット」 まもなく消えるその「輪郭」について <2>
    家入 一真   (著) 2016/08 中央公論新社 新書 253ページ
    ★★☆☆☆

    1)ケヴィン・ケリーの「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則(2016/07 NHK出版)を読み終わったあとに、こちらの本を読むと、実に薄っぺらな一冊だ、と気づかざるを得ない。

    2)地方の引きこもり青年が、インターネットという「都会」に出かけていって、それなりに一旗揚げて、享楽して、いよいよ飽きたので、都会をすてて田舎暮らしもいいかなぁ、と、考えているのが、この方である。

    3)かたやケヴィン・ケリーは、若くしてアジアを放浪し、シリコンバレーという「原野」にたどり着き、そこに開拓地を見つけながら、さらに原野奥深く、分け入っていこうという根っからのフロンティアだ。

    4)インターネットという「都会」に住んでいるのは、両者とも同じだろう。そこになにがしかの問題を感じているのも確かだろう。そしてそこから、お二人はどうするのか。二人ともそこから脱出を図ろうとする。一人は、ふるさとの懐かしい街並みへ、もう一人は、さらなる未知なる原野へ、まったく方向性は異にする。

    5)ケヴィン・ケリーは私より一学年上とはいえ、ほとんどの同時代人だ。それに比較すれば、家入は私たちの子供世代だ。まったく一世代違う。それにしても、見事なコントラストである。

    6)もしこの二人の主張が、それぞれお互いの立場だったら、それはある意味妥当であっただろう。青年は荒野を目指すのであり、老年は静かに隠遁する。その景色なら、ある意味、どちらも妥当であり、際立つものがない。

    7)しかしながら、ここにおける青年は、早々とアナログな隠遁を試み、かたや意気軒高な老年は、さらなる原野に向けて旅立とうとする。さらにこの老人は、すでにその黄金郷への案内地図さえ手に入れてしまったのである。

    8)こんな若造に「さよならインターネット」なんて言わせておいてはいけない。キミひとりで作り上げたものなど何もない。インターネットが嫌いになったら、それはそれでいいだろう。静かに去りなさい。田舎にこもりたくなったらこもりなさい。それは個人の自由だし、その道もある。立派な道だ。

    9)しかし、さよなら都市文明、と一人の若者が去ったとして、都市文明は崩壊はしない。キミが、さよならインターネット、と言っても、インターネットの発展は続く。あらゆる矛盾をはらんで、それは膨張し、進化していく。

    10)ケヴィン・ケリーは、インターネットを享受した。そして、そのいくつかの問題点にも気づいている。そしてそこからさらにオプティムズムに支えられた未来像を描く。それは極めて妥当性に裏打ちされている。

    11)この本とやや傾向が似ているのが「スマホをやめたら生まれ変わった」(2016/09 幻冬舎)のクリスティーナ・クルックだ。アメリカ人女性らしい感性で、この爛熟した、ある意味混乱したインターネット社会を見つめる。それから距離をおくことには妥当性がある。

    12)しかしそれは、「森の生活」のデビッド・ソローの試みに似て、やがては町に帰る人の、実験的生活であり、振り返りや反省に基づいた試みではあったとしても、本質的な文明を変換し、進化させることはできない。

    13)翻って、ケヴィン・ケリーのその旅は、2016年のいまだからこそ価値あるビジョンだ。少なくとも、私は息子世代からの引退宣言を受け取るよりは、同世代からのさらなる一旗主義に賛同する。

    14)旅はつづく。荒野を目指す。

    <3>につづく

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    2016/10/17

    「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<4>

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    「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<4>
    (GQ JAPAN2011年7月号増刊) 2011/06  コンデナスト・ジャパン 不定版 27.2 x 19.8 x 0.6 cm WIRED関連リスト  VOL.1について
    ★★★★★

    <4>チェルノブイリ 25年目の”楽園”

    1)この記事では25年目となっているが、この号がでてから5年が経過しているわけだから、さらにチェルノブイリの詳細な研究がでているに違いない。また同種のレポートはたくさんあるわけだから、この記事ひとつに拘泥するのは、あまり賢いやり方ではない。

    2)しかしながら、現在の当ブログは、チェルノブイリの事故を検証しているわけではない。逆に、チェルノブイリをどのような扱い方にするのかを見極めることによって、WIRED誌そのものを検証しようとしているのである。

    3)この記事は、翻訳ものである。おそらく何号か前に米誌で発表されたものだろう。投稿(依頼)記事だろうから、必ずしもWIRED誌全体の決定的な視線とは言えないだろう。そしてまた、同種の記事はかつての同誌においても複数あったに違いない。

    4)それでもなお、まずは日本版創刊にあたり、ほぼ巻頭にこの記事をもってこざるを得なかったのは、日本誌が自らの3・11レポートの記事を「書けない」が、まさか一切3・11を無視しては、ジャーナリズムを標榜する同誌としては存在しえない、との判断があっただろうと推測する。

    5)しかし、なぜ「書けなかった」のか。

    ・それほどのレポートをする資力がないのか。
    ・そもそもが米本誌の翻訳雑誌なのであり、日本語版独自の許されている範囲は限られているのか。
    ・あるいは、テクノロジーを標榜しつつも、原発を扱うことは、やはりどうしても広告に依存するメディアとしては、周囲を見回す必要があったのか。
    ・まだ正確も明確になっていない創刊の立ち上げ時ゆえ、ひとつの話題に深くコミットメントすることで、必要のない性格付けをされることを嫌ったのか。
    ・逆に、本来は様々な条件があるにせよ、本誌は原発「推進」派、あるいは「容認」派なのであり、原発をもろ手を挙げて賛成しないまでも、感情もこもった反原発派とは見られたくないのか。
    ・さまざまな考えが浮かんでくる。

    6)しかし、このチェルノブイリのレポートを見る限り、両論併記の姿勢を崩しておらず、また、実際の被害というより、それを科学者たちはどのようなレポートをしているか、というレベルに抑えている。全体的な原発を見極めているわけではない。それはそうだろう。

    7)原発についてのキチンとした「科学的」な結論はまだ出ていないのだと思う。当ブログは、科学者でもなければ原発に直接かかわる立場でもないので、詳しいことはわからない、専門家に聞く、という姿勢を取っている。そして、その一番信頼すべき原発科学者は、小出裕章氏である、と認識している。

    8)氏の著書は限りなく読ませていただいているし、講演会にも二度ほど出席した。私にとっては極めて説得力のあるお話しをされる方である。彼の言説には心より感服するとともに、今後の人類の進むべき道も示唆されているようにすら感じられる。

    9)最近では「『走る原発』エコカー」 危ない水素社会(上岡直見 2015/07 コモンズ)の対談にも登場され、当ブログとしては、またまたたじろぐような読後感に、実はヘナヘナになってしまっているのだ。

    10)さてWIRED誌には過去記事を一冊にまとめて電子本にしたショートストーリーというシリーズがある。その中の一冊が「THE NEW NUKE」 トリウム原発の新時代(WIRED Single Stories 008)Richard Martin である。かつて原発開発史の中で淘汰されてしまったトリウム原発について、夢を語っているのだ。

    11)リチャード・マーチン「トリウム原子炉の道」(2013/10 朝日選書)もあるし、「原発安全革命」 古川和男(2011/05 文藝春秋)や、トリウム原子炉革命」―古川和男・ヒロシマからの出発 (長瀬 隆2014/8  ゆにっとBOOKS)なども当ブログでは読んできた。しかし、いまいちよくわからない。トリウム発電については、小出氏は「過去に淘汰されてしまった夢物語、まったく可能性がない」と結論づけている。

    12)WIRED誌とも縁の深いと思われるスチュアート・ブランドも「地球の論点」現実的な環境主義者のマニフェスト(2011/06 英治出版)で、なんとも面倒な論説を展開している。このあたりについては、もう5年も経過したのだ。当ブログとしてもそろそろ決着をつけなければならない時期にきているだろう。

    13)決着をつけないまでも、直視する姿勢は立て直さなければならない。

    14)そう最近になってまた強く思うようになったのは、私の周囲は決して脱原発派だけではないのだ、ということをまのあたりにしたからだ。古くからの友人の何人かは推進派であるだけではなく、その中で働いている。廃炉の道として働いているのではなく、自らの生活の糧として、その職業に積極的に就いているのだった。

    15)職業に貴賤はないし、背に腹は代えられない。

    16)当ブログは、理想的な見地からも小出氏一行の論説を基本としつつ、他の人々の意見についても、虚心坦懐に胸元を開いて、今後も聞いていくつもりだ。

    17)また、少なくとも、WIRED今号において、原発についての問題提起はされているけれども、そこから一歩踏み込んだプロセスに入っているわけでもない。本質的な是非論は、まだまだ始まったばかりだ。

    <4>につづく

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    「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<3>

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    「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<3>
    (GQ JAPAN2011年7月号増刊) 2011/06  コンデナスト・ジャパン 不定版 27.2 x 19.8 x 0.6 cm WIRED関連リスト  VOL.1について
    ★★★★★

    1)まずは、虚心坦懐に表紙を見てみる。それほど多くはないが、キチンと重要なメッセージは記されている。

    クリス・アンダーソンが語る「未来はすでにここにある」

    WIRED.jp  GET WIRED ONLINE

    GQ JAPAN 2011年7月増刊 ワイアード VOL.1 LUNCH ISSUE

    チェルノブイリ 25年目の”楽園”

    現金もカードもいらない お金の未来 

    SNS」という罠 プライバシーが消えてゆく 

    WIRED大学 新・教養学部の必読書50

    Our Future 特集 テクノロジーはぼくらを幸せにしたか?

    IDEA/TECHNOLOGY/BUSINESS 

    2)ざっと上のような文字が見える。ひとつひとつ意味ありげなテーマであり、ひとつひとつ今となっては論議の的になりそうなものばかりだ。これとはまた別な形で目次は存在するわけだが、まずは、この上の文字に連なるリンクの検証から始める。

    3)と、その前に、まずはトップに「『WIRED』始動に向けて」p009という長崎義紹編集長のあいさつがある。創刊の辞、あたりの意味だろう。

     WIRED」の底流にはまず人間の思考があり、その人間のパワーを増幅するツールとしてのテクノロジーがあるというオプティミズムを前提としている。
    いま未曾有の体験をしいられている日本および世界、いや地球はテクノロジーを災厄の源と考えるのか、それとも解決の手段と考えるのかで、まったく異なる未来を描くことができる時にきている。p009「『WIRED』始動に向けて」

     ここでは、まずは人間の思考を選考させているところが味噌である。グラビアとか情報とかよりも、さらにテキストを優先している編集方向がこの辺から理解できていく。そして、表紙にもあったが、アイデアとかテクノロジーがメインのテーマとなってくるのだ。

    雑誌というスタイルでしかできない密度をもって、また、同時にスタートするwired.jpとのハイブリッドなメディアとして、世界に向けて発信していく。p009同

    4)このあたりも味噌だろう。このWIRED、決して雑誌単体のメディアでもないし、またネット上の在り方も、必ずしも雑誌をネットに置き換えたものではない。ほぼ偶然にWIREDのページにぶつかったりするのだが、かなりイメージが違う時もある。

     そして、この雑誌は電子本として有料でタブレットにダウンロードできるのだが、広告などがカットされたり、画面の大きさが違ったりと、私はかならずしも電子本優先では考えていない。むしろ、雑誌は雑誌として楽しみ、ネットはネットとして分離して味わったほうがいいだろう。

    5)歴史的災害に遭遇した、東北関東エリア。いまや事後の原発事故を含め、日本のみならず世界規模での大惨事となりつつある。この事実は動かしようもないが、そのなかでテクノロジーは何をしでかし、何を解決しようとしているのか。p009同

    6)ほかの雑誌のように、派手な被災地のグラビアなどはいっさいない(それだけの取材力がないのかもしれない)。しかしながら、キチンとその視点をこのあたりに置いているのは、この時期に創刊する雑誌としては当然の言辞であろうか。

    「WIRED」はこの一連の惨事を注視しつつ、どのような未来がそこに横たわっているかを冷静に検証しようとしている。綿密なリサーチと科学的な裏づけをもってこの災厄がもたらす事実と、そこにあるテクノロジー的課題を取材し続けている。p009同

    7)その言やよし。震災直後、なかなかまともにはこうすぐ簡単には対応できないものだ。

    チェルノブイリは地上で何をもたらしたか。25年の月日が示す現在は、われわれの国の未来に何が起こりうるのかを示唆して余りある。どうか、この事実から目をそらさず、われわれの未来をいま一度検証していってほしい。p009同

    8)3・11の数か月後、被災地において、すぐにチェルノブイリに視点を移すことなどはできなかった。身に降る火の粉を払うのが先決であった。しかしすでにあれから5年と半年以上過ぎた今、すこしづつ、チェルノブイリも含め、再度検証に入っていく時期に差し掛かっているかもしれない。

    <4>につづく

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    プレムバヴェシュの孫たちとの対話 <62>孫の日

    <61>からつづく

     

    「プレムバヴェシュの孫たちとの対話」 

    <62>孫の日

    1)孫の日、というものがあるらしい。へぇ~、いつ国会が批准したんだ? いつ国連の児童憲法が制定されたんだ、なんて、屁理屈は、まぁ、いいだろう。

    2)9月15日あたりが敬老の日となり、そのお返しに孫の日ができたんだろう。母の日があるのに、父の日がないのは不平等だ、バレンタインデーがあるのに、ホワイトデーがないのは不都合だ、といろいろな理由をつけては、裏で商魂たくましい人々の暗躍があるのだろう。

     

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    3)この日に合わせて、エクザイルショーが遊園地であるらしい。エクザイルってなんだっけ? いやいや違う、それはエクゼイドっていうアニメロボットの名前らしい。もう、こちらはなんでもいい。とにかく、一日孫たちを預かって遊ばせて、若い夫婦たちはのんびりと二人だけでテニスとやらをやるらしい。

    4)しかし会場に行って、しかもヒーローたちが登場してからわかったことだが、エクゼイドとは、仮面ライダーのひとつのバージョンの名前らしい。なるほど、仮面ライダーまでオチてくれば、爺さんだって、すこしはイメージできる。

    5)しかし、でも、あのキャラクターって、仮面ライダーなのかな・・? もうわかりません。

    6)20分くらいのショーがあり、うちの孫などはヒーローがピンチになると、「エクゼイドー、がんばれ!!」の連呼。ああ、そうねぇ。まるでプロレスのリングを声援しているファンみたい。わたしゃぁ、プロレスも会場に足を運んだことはないけど。

     

    Img_6782
    7)最後にエクゼイドにひとりひとり握手をしてもらって、孫たちは大満足。

    8)遊園地というもの、おそらく、うちの子供たちが小学生の時にいったきり、もう20年以上は行っていなかったのではないかな。

    9)観覧車、ジェットコースター、ゴーカート、孫たちはさかんにあれこれ乗りまわっていたが、正直言って、爺さんは、おうまさんのメリーゴーランドと、コーヒーカップが一番たのしかったな。

     

    <63>つづく

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    「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<2>

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    「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<2>
    (GQ JAPAN2011年7月号増刊) 2011/06  コンデナスト・ジャパン 不定版 27.2 x 19.8 x 0.6 cm WIRED関連リスト VOL.1について 
    No.3628★★★★★

    1)現在当ブログは「フィンテック」というカテゴリで進行中である。確定的なものではなく、途中で変貌していくのが最近の常態となっているが、はてさて、今カテゴリはどうなるか、見ものである。最後までフィンテッくでいくのも悪くないかな、と思っている。

    2)かたや、フィンテックのなかの要素ビットコインやチェーンブロックなどのバズワードに変更していくのも悪くないな、と思っている。そしてさらには、それらをもっと大きく包括したかたちで、「WIRED」にするのも悪くないと思っている。

    3)ないしは、次のカテゴリ名を「WIRED」にすることとして、その方向に向かって今回のカテゴリをドライブしていくのも悪くないな、と思う。それほどに、最近の当ブログはこの「WIRED」誌に注目している。

    4)当ブログ10年の歩みの中で、もっとも大きな出来事は3・11だった。その意味はどれほど問いかけられても、問いすぎるということはない。当ブログでは、正直言えば、まだ3・11を直視できないでいる。それは1995年のあの麻原集団事件を直視するまでに10年かかったのと同じような経過をたどるかもしれない。

    5)それと逆に、3・11があったがゆえに、本来コミットメントすべきテーマから離れてしまっているという事実もある。もし3・11がなかったら、そもそもこの雑誌のこの号もなかったのかもしれないが、私個人は、3・11があったがゆえに、この雑誌に気づくことが遅れたし、この雑誌にチューニングするのが、かなり遅れた。

    6)3・11後の私の大きな方向性は二つ。それは地元学を中心としたホツマツタエへと向かうエソテリックワークが一つ。そして、近隣県にある農業コミューンに連なるカウンターカルチャーの流れが二つ目としてあった。

    7)この二つについては、当ブログではすでに既報であり、あえてここでは繰り返さない。しかし、今年の夏、私は個人的な体験を含めて、やや方向を変えた。変えたというより、変えざるを得なかった、と言ったほうが正しい。

    8)「反」でもなく、「非」でもなく、「超」でもなく、あえていうなら「新」、もっというなら「真」へと、方向を変えたのだ。

    9)「WIRED」誌については、これからゆっくりと考察する。今のところは判別不明なことが多い。しかしながら、ここにきて、もう避け続けることはできないな、と直感するところまできた。この雑誌、反でもあり、非でもあり、超でもあり、新でもあり、真でもありうるだろう。しかし、これらの選択肢からいえば、おそらくもっとも「新」がふさわしいだろう。

    10)かたや、当ブログは、おそらく「真」を求めているのだ。ど真ん中だ。

    11)この雑誌の創刊号のこの表紙。もうすでに定番だろう。この宇宙空間に浮かぶ地球の姿こそ、わたしたちのアイディンティになるべきだ。しかし、その中心にあるのはどこだろう。もうどこでもいい。少なくとも、日本列島でないことは確かである。

    12)日本列島でないうえに、そこは3・11の震源地でもない。

    13)それはそれでいいのだ。であるからこそ、私はこの雑誌にきづかなかったのだし、今ようやく、この雑誌を検証しよう、という気になったのだ。

    14)それにしても、この2011年の上半期に創刊しようという雑誌にしては、いくら翻訳雑誌とは言え、3・11から目をそらし、まったく触れていないのは(かどうかは今後検証する)あんまりでないか?

    15)5年が経過して、タイトルも「特集 テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」もなかなか刺激的である。

    16)最近ようやく手元に入手したこの雑誌のシリーズ、すこしづつ紐解いていく。

    <3>につづく

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    「シンギュラリティは近い」エッセンス版―人類が生命を超越するとき レイ・カーツワイル<5>

    <4>よりつづく 

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    「シンギュラリティは近い」エッセンス版―人類が生命を超越するとき<5>
    レイ・カーツワイル 2016/04 NHK出版(編集)  単行本(ソフトカバー) 256p

    1)ケヴィン・ケリー「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則(2016/07 NHK出版)を読み終わった。大いに示唆を受けたあと、その余韻をもって、こちらに読み継ぐ。読み継ぐと言っても、当ブログがまともに読めそうなのは、このエッセンス版の6章のうちの最後の第6章のみとなりそうである。

    2)第6章 わたしは技術的特異点論者だ それでもまだ人間なのか?

    意識をめぐる厄介な問題

    わたしは誰? わたしはなに?

    超越としてのシンギュラリティ レイ・カーツワイル p219

    3)ケヴィン・ケリーの本はより具体的で、いままで当ブログの隠れたベスト本であったリズ・ダベンポート「気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ」 (2002/09 草思社)からようやく離れることができるなぁ、という率直な感想をもった。(笑) ただ彼女には続編「机の上はいらないモノが95% 世界一シンプルな整理法」(2008/11 草思社)があるので、こちらはもうすこし読み続けるかも。

    4)技術的特異点論者(シンギュラリタリアン)とは、シンギュラリティを理解し、それがみずからの人生においてどんな意味をもつのか、懸命に考え続けてきた人を指す。

     わたしは数十年にわたって、そうした考察を続けてきた。言うまでもなく、それは決して答えの得られないプロセスだ。わたしが人間の思考とコンピューティング技術の関係を考えだしたのは、まだティーンエイジャーだった60年代のことだった。p220レイ・カーツワイル「わたしは技術的特異点論者だ」 

    5)これはかなりヘビーな自己主張である。ベビーブーマーの一人であるカーツワイルだし、それほどの世代の隔たりはないが、60年代からとなると、かなりヘビーだ。当ブログとしては、過去に「シンギュラリティ」「シンギュラリタリアン」というカテゴリを作って、追っかけをしてきたが、当ブログはここまでは主張できないどころか、まったく傍観者であるのかもしれない。

    6)邦訳版「ポスト・ヒューマン誕生」は2007年1月に刊行された。当時は「シンギュラリティ」という言葉をネットで検索しても日本語でのヒットはほぼゼロだったこともあり、邦題を決めるのに大変苦慮したことを覚えている。p250「編集部より~[エッセンス版]あとがきに代えて」

    7)2006年にスタートした当ブログにとってレイ・カーツワイルの「ポスト・ヒューマン誕生」コンピュータが人類の知性を超えるとき(2007/1 NHK出版) は大きなトピックだった。しかしながら、編集部の苦慮からもわかるように、時代はまだ来ていなかった。当時としては、SFとしてSF小説「シンギュラリティ・スカイ」(チャールズ・ストロス 2006/06 早川書房)があるくらいだった。

    8)シンギュラリティは、物質界に起こる事象を意味する。それは、生物の進化に始まり、人間が進める技術進化を通じてさらに伸張してきた進化の過程における、必然的な次へのステップである。

     しかしながら、われわれが超越性(トランセンデンス)---人々がスピリチュアリティと呼ぶものの主要な意味---に遭遇するのは、まさにこの物質とエネルギーの世界においてなのだ。p241レイ・カーツワイル「超越としてのシンギュラリティ」

    9)彼の言葉を借りるなら、こちらは60年代のティーンエイジャーの時代からスプリチュアリティを求めてきたものであり、またそのプロセスにおいて、安易には答えがでてこないことも、十分わからざるを得ないことも理解しているつもりである。

    10)しかしながら、現在、彼を迎えて「シンギュラリティ大学」というものがスタートしており、しかもその中でマインドフルネスというネーミングではあるが、きわめて類似概念として瞑想やスピリチュアリティ探求が始まっていることは、多いに注目しておいて間違いない。

    11)前著やこのエッセンス版を含め、全体的なマインドフルネスのムーブメントなども交えながら、ケヴィン・ケリーの「弱いシンギュラリティ」という理解にそった形で、当ブログも、のっそりと探求を「続けて」いこうと思う。

    <6>につづく

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    2016/10/16

    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<15>ビキニング 始めていく 今こそ新しい時代の夜明けである

    <14>からつづく 

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <15>ビギニング 始めていく 今こそ新しい時代の夜明けである

    1)極めて強くインスパイアされる一冊である。当ブログが、2006年に梅田望夫の「ウェブ進化論」(2006/02 筑摩書房)でスタートしたとするなら、当ブログはこの一冊で幕を引いた、としてもおかしくはない一冊である。この本へ至る道であった、ということができる。

    2)しかしながら、ケヴィン・ケリーのこの12の法則が、ビカミングから始まって、ビギニングに至る道程であるならば、当ブログもまた、始まりつづけることを宣言すべき一冊となる。

    3)<始まっていく>ことは1世紀にも及ぶプロセスで、変わらずなんとか前に進み続けている。その巨大なデータベースと広大なコミュニケーションは退屈なものだ。リアルタイムの地球規模の意識の夜明けということの事象は、無意味なもの、あるいは恐ろしいものだとして片づけられている。

     実際のところ、大いなる不安が沸き起こるのももっともで、というのもこの脈打つ鼓動から逃れられる人間の文化(や本質)は何ひとつないからだ。

     それでも、われわれは自分たちを超えたレベルで動き出した何かの一部でしかないために、この興隆しつつあるとても大きなものの全容を掴むこができない。

     分かっているのは、そのまさにその始まりから、古い秩序を混乱させ続けていることだ。それに対する過激な揺り戻しもあるだろう。p384「BEGINING」

    4)コンテナとしてのパーソナルコンピュータ、コンテンツとしてのインターネット、そしてコンシャスネスとしての*****、と当ブログはとらえてきた。*の部分については、それぞれの時期に、それなりの試みで、さまざまな言葉を当てはめてきた。

    5)<インターネット>の次に来るもの、として、ごく最近ではブロックチェーンを取り上げる潮流がある。本書では、ACCESINGの中で、ビットコインとともに取り上げられている。

     ビットコインは完全に分散化され、中央銀行が正確さを保障したり保証したり法的措置や規制をかけたりする必要がない通貨だ。(中略)ビットコインのもっとも重要なイノベーションは「ブロックチェーン」であり、それはこのサービスを動かす数学的なテクノロジーだ。ブロックチェーンはお金だけでなく、他の多くのシステムを脱中央集権化するものすごい発明なのだ。p161「ACCESING」

    6)この本においては、それは必ずしも<インターネット>の次に来るもの=ブロックチェーン、という風には定義されていない。どんなものであっても、未来において確定ということはない。

     ブロックチェーンの重要な側面は、それが公的な共有地(コモンズ)の性格を持つことだ。誰もがそれを所有しているわけではなく、言うなれば、皆が所有している。創造する行為がデジタル化すれば、それはより共有され、共有されれば所有者はなくなっていく。

     誰もが所有するということは、誰も所有していないことに等しい。それこそ、公共財産やコモンズの意味するところだ。p162「ACCESING」

    7)現在はモノに偏った表現がされているが、コトに移り、やがてアルに至ることであろう。

     分散化されたウェブやインターネットは、いまでは公共のコモンズの中心にある。ウェブのサービスはまるで自分が所有しているように使えるが、それを管理する手間はほとんど要らない。指一本でいつでもすぐに呼び出せる。p162「ACCESING」

    8)一般には「強いシンギュラリティー」と「弱いシンギュラリティー」の二つのバージョンが知られている。強いシンギュラリティーは、未来が超知能によってもたらされると考える。もし自分よりスマートなAIを作れるAIがあれば、理論的には世代を重ねるにつれそれ以上ないレベルのAIになっていく。

     実際にはAIが自力で次々とスマートな次世代を生み出し、それが無限に加速していくと、最後にはAIが神のような知恵を持って存在する問題すべてを解けるところまで到達してしまい、人類を置き去りにするというものだ。

     それがシンギュラリティーと呼ばれるのは、その先がわれわれの理解の範囲を超えているからだ。これをわれわれの「最後の発明」と呼ぶ人もいる。さまざまな理由から、私はこうしたシナリオは起こらないと思っている。

     弱いシンギュラリティーの方があり得る話だ。この例ではAIはわれわれを奴隷化する(スマート人間の悪徳版のように)ほどにはスマートにならず、AIもロボットもフィルタリングもトラッキングも本書で述べたテクノロジーの数々もすべてが合体し---つまり人間にマシンが加わって---複雑な相互依存へと向かっていく。

     その段階に達すると、あらゆる出来事はわれわれのいまの生活以上の大きな規模で起こり、われわれの理解を超えたものになるので、それがシンギュラリティーということになる。

     それはわれわれの創造物がわれわれをより良い人間にする領域であり、一方でわれわれ自身がその創造物なしでは生きられなくなる領域だ。これまで氷の状態で生きてきたとするなら、これは液体だ---新しい位相なのだ。p380「BEGINING」

    9)当ブログでは現在、レイ・カーツイルの「シンギュラリティーは近い」 (2016/04 NHK出版)を併読中である。全6章のうち、5章までは、入り組んだ科学的な世界の用語の説明がつづき、正直理解しにくいところもあり、退屈でもある。しかしながら、最終章である第6章は極めて興味深い。

    第6章 わたしは技術的特異点論者だ それでもまだ人間なのか?

    意識をめぐる厄介な問題

    わたしは誰? わたしはなに?

    超越としてのシンギュラリティ レイ・カーツワイル「シンギュラリティーは近い」 p219

    10)ケヴィン・ケリーのこの興味深い一冊に感銘をうけながら、具体的にわがライフスタイルを更新しつつ、次はレイ・カーツワイルのこの部分を読みつなぐ予定である。

     われわれは、すべての人間とすべてのマシンがしっかりと結び付いた地球規模のマトリックスに向かって容赦なく進んでいる。このマトリックスは、われわれが作ったものというよりプロセスそのものだ。

     われわれの新しい超ネットワークは途切れることのない変化の波であり、われわれの需要や欲望を新しく組み替えては絶えず前へと溢れていく。今後30年の間に特定のものが成功するかどうかは、個人のチャンスと運の流れ次第だ。

     しかしこの大規模で力強いプロセスの全体としての方向性は、明確で間違いようがない。これまでの30年と同じように、これからの30年もホロスは同じ方向へと向かっていくだろう---

     つまり、より流れていき、よりシェアしていき、よりトラッキングし、よりアクセスし、よりインタラクションし、よりスクリーンで読み、よりリミックスし、よりフィルタリングし、よりコグニファイし、より質問し、よりなっていく。われわれ<始まっていく>そのとば口にいるのだ。

     もちろん、この<始まっていく>ことはまだ始まったばかりだ。p391ケヴィン・ケリーp380「BEGINING」

    <16>につづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<14>クエスチョニング 問うていく 次から次へと質問しつづけていく

    <13>からつづく  

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <14>クエスチョニング 問うていく 次から次へと質問しつづけていく

    1)ケヴィン・ケリーはこの項では、ウィキペディアを切り口とする。未来の預言者のように崇拝してしまいそうになる彼の姿だが、彼自身は、過去において自分の予測がまった外れたことがたくさんあったことを、具体的に、恥ずかしがらずに告白しまくる。

    2)そしてかつて予測すらできなかったことが、ネット社会では、ごくごく当たり前になっていたりする今日の姿を列挙する。そして、問いかけ続けること、発明し続けることの大切さを強調する。

    3)さらには、問いかけ続け、知り続けることは、さらに知られざることがますます増えていくことにつながると述懐する。それはまるで、既知から未知、そして神秘への道を、そっくりそのまま、キチンと受け入れている証明でもあるかのようだ。

    4)われわれが自分のために、質問して答えるマシンを作るとはどういいことなのだろう?

     社会は厳格な階層構造から分散化した流動性へと向かっている。それは名詞から動詞に、手に触れるプロダクトから触れられな<なっていく>ものになっていく。固定されたメディアからぐちゃぐちゃにリミックスされたメディアになっていく。

     保存から流れに変わる。価値を生み出す原動力は、「答えの確かさ」から「質問の不確かさ」へと移行している。事実や秩序、答えはこれからも常に必要だし有用だ。それらが消え去ることもないし、実際には微生物やコンクリートのようにわれわれの文明の多くを支え続けるだろう。

     しかしわれわれの生活やテクノロジーにおいて最も大切な側面---最もダイナミックで最も価値があり、最も生産的な面は新たなフロンティアにあり、そこでは不確かさやカオス、流動性や質問の数々が広がっているのだ。p381「QUESTIONING」

    5)当ブログが、その存在をかけて今問いかけてみたいことがいくつかある。その最たるものは、まずはエネルギー問題だろう。当ブログはちょうど「WIRED」誌を検証中である。彼らもまた触れる「トリウム原発」は、本当に益ある発電システムになりうるのか。これだけの問いかけのシステムがあり、もし地球全体がこの問題について考えて答えを出しうるとしたら、この問題にまずは答えを出してほしい。

    6)そして、「WRED」誌にひっかけて言えば、「マインドフルネス」という内観や瞑想に似たシステムは、ほんとうに新しいのか。このシステムは過去の人類が探し出し作り出してきたシステムを超えているのか。あるいは、たんなるその焼き直しなのか? あるいは伝統について、ビギナーたちに説明しているだけなのか?

    7)その他、いろいろある。

    8)ケヴィン・ケリーのこの法則をわがライフスタイルに取り入れるとしたら、まずはこの神秘主義へのオープンな姿勢と、絶望しないオプティミズムについてだろう。あきらめず、可能性に向かって問いかけつづけよう。理想は高く掲げ続けよう。

    9)答えを生み出すテクノロジーはずっと必要不可欠なままであり、おかげで答えはどこにでもあり、すぐに得られ、信頼できて、ほぼ無料になる。しかし、質問を生み出すことを助けるテクノロジーは、もっと価値のあるものになる。

     質問を生み出すものは、われわれ人類が絶え間なく探検する新しい領域、新しい産業、新しいブランドや新しい可能性、新しい大陸を生み出す原動力なのだときちんと理解されるようになるだろう。

     質問していくこと(クエスチョニング)は単純に言って、答えることよりも力強いのだ。p382「QUESTIONING」

    <15>につづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<13>トラッキング 追跡していく データや活動を常時見続ける

    <12>からつづく 

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <13>トラッキング 追跡していく データや活動を常時見続ける

    1)12法則のうちの10、ケヴィン・ケリーは、ここでトラッキングという法則で、データ一般のことを言っているようだ。追跡する。つまりデータを取り続ける、ということだ。ある意味一番面白いところでもある。

    2)データでいうなら、わが身を振り返っても、山ほどありそうだ。

    ・年に一度の健康診断の過去数十年のデータ。
    ・屋根の上の太陽光発電の発電量のリアルタイムと過去データ。
    ・会計ソフトに残っているわがSOHOの経理データ。
    ・過去10年におけるプリンターインクの交換時期や量のデータ。
    ・ウォーキングや血圧、体脂肪、体重など健康管理データ。
    ・ベーシックハイブリット車の速度と燃料の減り方のデータ。
    ・当ブログへのアクセス数と、人気記事の集中度のデータ。
    ・日々の業務の単体としての各指標と同業の中における位置データ。
    ・DMの発送率と受注の発生率の関連データ。
    ・小遣いの逓減率と、出費の増加率についてのデータ。
    ・通信費の年間の増減比較データ。
    ・市民農園での作業日数と作物の生育関係のデータ。
    ・その他 いろいろ

    3)思えば、データ化できないもののほうが少ないようであるが、実はこれらのデータは長く続けていると、データをつける(トラッキング)ことそのものが面倒くさくなったり、慣例化してしまって、ほとんど役立たず、活用できなくなる、という特性もある。これではいかん。

    4)これをケヴィン・ケリーの法則でもう一度見直してみる。

    ・データを取り続ける。(ビカミング)
    ・データ化できるものを増やしていく。(コグニファイング)
    ・データを記録して残していく。(フローイング)
    ・データ各種を一面にまとめてみる。(スクリーニング)
    ・データを関係者や第三者と共有や比較してみる。(アクセシング)
    ・データや対策をを公開してみる。(シェアリング)
    ・データの特に大事なところに注目する。(フィルタリング)
    ・データ各種を複数関連付けてみる。(リミクシング)
    ・データ結果の別なデータに掛け合わせてみる。(インタラクティング)
    ・データをメタデータとして記録し活用する。(トラッキング)

    5)こうした新しい情報の化学によって、いくつもの新しい化合物や情報を組立るための素材ができてくる。絶え間ないトラッキングは不可避だが、それは始まりに過ぎない。p353「TRACKING」

    6)これが大きく集まればビッグデータとなり、今後のポストインターネットにおける新しい始まりとなるのであろうが、個人でこれらを一括して活用するとなると、なかなかに骨の折れることではある。

    7)実用化されたAIによってトラッキングされ、解析され、コグニファイされることで、この広大な情報の海に浮かぶアトムが何百もの新しい形になり、新規プロダクトとなり、革新的サービスとなっていく。新しいレベルのトラッキングがどんな可能性を開くかを考えるだけでも圧倒される。p354「TRACKING」

    <14>につづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<12>インタラクティング 相互作用していく 複数のものを同時にかかわらせてみる

    <11>からつづく 

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <12>インタラクティング 相互作用していく 複数のものを同時にかかわらせてみる

    1)この項でケヴィン・ケリーは思いっきりバーチャル・リアリティについて述べている。正直言って、あまりこのVRについては、思い入れできない。過去にいろいろな失敗談もあるからだ。

    2)当ブログはかつて、VRゲームの一つである「セカンドライフ」なるものを、積極的に追っかけてみたことがあった。最近買い替えたばかりのパソコンであるが、これまでメインで使ってきた旧機①は、実はそのゲームをやるために、私なりにかなり無理して購入した高機能パソコンだった。

    3)松岡正剛なども積極的に旗振りし、さかんにおべんちゃらを言っていた。

    セカンドライフ上でも、初めは実社会のあるものの真似から入るでしょうが、セカンドライフの中で一番人が溜まりやすい「場のモデル」を発見し、当時のコーヒーハウスのようなものを独自に作っていければ、今までの実社会になかった社会モデルや「メディア内メディア」が作られる可能性はありますね。p92セカンドライフマガジン(vol.1)」 

    4)このVRゲームはほんの数年で消えたわけだが、今でも一部のマニアの変形した世界として存続はしているらしい。

    5) 「セカンドライフを読む。」(2007/11 エンターブレイン)を書いたイギリス青年・ティム・ゲストには、「My Life in Orange: Growing Up with the Guru」 (2005 HARVEST BOOKS Paperback)があって、彼はOSHOサニヤシンの子供だった。そんな縁も感じ、SL全体をおっかけようとしたが、ブームが覚めるとほぼ同時に、彼はベッドの脇で、なくなっていた、ということが報道された。

    6)VR機能についての関心はなくはないが、SLの盛衰にかかわりながら、私個人や当ブログとしてはもう深入りする余力はもうなくなっている。避けて通りたい、とさえ思っている。

    7)最近、町内会の、私よりちょっと年上の歯科医が早朝散歩していた。おお、ウォーキングでこの辺まで足を延ばしているのだなぁ、とちょっと感心してみていたのだが、後日奥方に確かめたところ、あれはポケモンGO!というゲームをやっているのだそうだ。

    8)最近のVRゲームと言えば、当然名前がでてくるポケモンだが、私はまったくやる気はない。面白さがわからないし、そもそもポケモンは1997年に児童たちがテレビをみていてショックを受けた、というニュースくらいしか関心がない。

    9)というわけで、現在の私はSLでペニスのパーツを股間に取りつけてバーチャルSEXを楽しむ趣味ももっていないし、スマホをかざして街を散歩する体力もない。ケヴィン・ケリーのここでのインタラクティングの法則は、あまり私のライフスタイルには入り込んで来そうにない。

    10)あえていうなら、この項を読んでいて、私の頭に浮かんできたのは名刺の件だった。この件については過去にメモしておいたので、詳細は省くが、現在使用している一枚の名刺や、HPのトップページは、固定してすでに10年ほど経過しているのだった。この更新をしようと、台紙を入手したり、準備はしてあるのだが、PCやプリンター不調などを理由にして、まったく進んでいないのである。

    11)時には4つ、時には3つ、現在の業務と趣味の2つの世界を持つ私にとって、バーチャルなのは、どちらであろうか。Bhaveshという名前でネット世界に入り込む私はバーチャルなのであろうか。それとも、 万年HPや一枚名刺を振りかざして業務に入るのが、私のバーチャルなのであろうか。

    12)ここんところが、このケヴィン・ケリーの12の法則のなかの9まできたところでの私の疑問だった。

    13)人間の一生のうちに社会的に破壊的変化を起こす最初の技術的プラットフォームがパソコンだった。モバイルがその次のプラットフォームで、これは数十年のうちにすべてを革命的に変えてしまった。

     次に破壊的変化を起こすプラットフォームがVRで、まさにいま訪れようとしている。p308「INTEACTING」

    14)この辺あたりは、私個人は賛成しないし、私にとっては、あまり説得力がない。だが、せっかくの法則だから、私なりに自分のライフスタイルに落とし込むとすると、あの名刺づくりを再開してみることも大事だな、ということであった。

    15)イントラクションの程度は向上していて、今後ますますその傾向が強まるだろう。イントラクティブでない単純なもの---例えば木の取手の付いたハンマー---も一方では存続し続ける。

     しかしインストラクション可能なモノは何でも---スマートなハンマーを含め---われわれのインタラクティブな社会でますます価値を高めるだろう。一方で、インタラクションを高めるにはコストもかかる。

     インタラクティブになるにはスキルや調整能力、経験や教育も必要になる。それはテクノロジーに組み込まれ、われわれ自身の中に培われていく。われわれは革新的なインタラクションの方法を発明したばかりで、その傾向はずっと続くだろう。

     テクノロジーjの未来は、かなりの部分、新しいインタラクションをどう発見していくかにかかっている。これから30年の間に、きちんとインタラクションしていないものは、故障していると見なされるようになるだろう。p313「INTEACTING」

    <13>につづく

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    2016/10/15

    ノーベル文学賞 ボブ・ディラン おめでとう! 「セルフ・ポートレイト」

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    形式: CD CD (1991/12/1) ディスク枚数: 1 レーベル: ソニー・ミュージックレコーズ 収録時間: 74 分
    No.3803★★★★★
     

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    今日の気分はこの3冊 <22>「<インターネット>の次に来るもの」、「Journal of Financial Planning」特集 フィンテックが変える 金融とFPの未来、「WIRED VOL.25」 特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える

    <21>からつづく 

    今日の気分はこの3冊
    <22>「<インターネット>の次に来るもの」、「Journal of Financial Planning」特集 フィンテックが変える 金融とFPの未来、「WIRED VOL.25」 特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える

            今日の気分はこの3冊 目次

     

    Ppopi

    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー(2016/07 NHK出版)

    「Journal of Financial Planning」特集 フィンテックが変える 金融とFPの未来(日本版FPジャーナル 2016年9月号(第200号) 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会)

    「WIRED VOL.25」 特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える 2016/10 コンデナスト・ジャパン

    <23>につづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<11> リミクシング 再統合していく 異質だったものを混ぜ合わせてみる

    <10>からつづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <11> リミクシング 再統合していく 異質だったものを混ぜ合わせてみる

    1)ケヴィン・ケリーのここにおける8番目の法則、リミクシングは、私にとっては、SCREENING(スクリーニング)にやや近い。別々だったものをまとめてみる。抹茶とコーヒーを、ひとつの茶器で飲んでみる。抹茶とアイスクリームを組み合わせてみる。アイスクリームとコーヒーを合わせてみる。などなど、同類項のものをより近くに置いてみる、というイメージだった。

    2)しかし、ここで彼はもっと別なことを言おうとしているようだ。それはおそらく今でいうところのガソリンエンジンと電気モーターの組みあわせでハイブリット車を生み出すような、配合を意味しているようだ。そして、それは価値を生み出すもの、ビジネスモデルをブレークスルーするようなものらしい。

    3)そうなってくると、私は自分のライフスタイルの中で、それを実行しようとすると、すこし難題となる。そもそも、私は自らの業務と、ネット上の趣味は、ほとんどクロスさせていないからだ。それは正解であったし、コンプライアンス上、それは正しいように思う。

    4)しかし、彼は、ここではそれをやるように、私を誘惑しているように思える。やるかやらないかはともかく、私はここでは、このリミクシングという法則を、私の業務と趣味の組み合わせ方、と読み解いてみることにする。

    5)そもそも、二つは、ともに深くITと関わっている。両者とも、ITがなければ成立しない時代となっている。であるからこそ、私はこの両者をふたつにはっきりと峻別してきた。混同しないように、間違わないように。

    6)しかし、人々はうすうす気づいている。私の業務上の顧客は、私がネット上で積極的に楽しんでいるようだ、ということは知っている。人によっては、ネット上の私の人格を見抜いている。それは大きな問題を引き起こしてはいないが、逆に、そのステレオ効果によって、単なる業務人ではない、という良いイメージを持たれていることは多そうだ。

    7)逆に、ネットつながりの人々は、私の職業を漠然とながら推測はしているが、確定はできない。いくつもヒントを書きまくっているわけだから、職種くらいは当てることはできるだろう。しかし、日常的にどのような換金作業、採掘作業をしているかは、微に入り細に入りはわからないだろう。

    8)それほど特殊な職種ではなく、あくまで全国津々浦々に存在しうる職種なので、類推することは可能だ。しかし、どんな職業であろうと、他人からはよく見えない角度というものがある。ましてやそれぞれの個人的なやり方も違ってくる。

    9)ここでの私の挑戦は、あえて、この二つの私の大きな領域をリミクシングしてみることではないだろうか。

    10)そういう予感はあったのだ。だからこそ、今回、最後の最後まで突っ走れるかどうかわからないが、フィンテックというカテゴリ名を立ててみたのだ。

    11)人によっては本を書きながら、自らの業務をやんわりと含ませて宣伝している人もいる。あるいは、自分の業務を先行させながら、実はあらたな分野に人々の視線を向けさせている人たちもいる。

    12)現在のところ、フィンテックという語彙は、私にとってはどちらかというと業務側によっているネーミングだ。しかしフィンテックという用語を使っても、おそらく現在の私の顧客には、直接的なメリットはないだろう。なにを今更、と言われるだけだ。

    13)逆にネットつながりの人々にフィンテックという分野の現在進行形をレポートすることは、私の業務にとっては、まったく新しい顧客層を獲得するかもしれないチャンスではある、と想像できる。

    14)なるほど、ここまでくると、いろいろ思いつくことがある。業務は業務で、積極的にITへと近づこうとしている。それを積極的な意味で拒否続けてきたのは、私自身だった。サボりの理由にさえ使ってきた。ここは、意識改革だな。

    15)リミックスする---既存の素材を再構成したり再利用したりする---ことは、伝統的な財産や所有という概念に大混乱を引き起こす。もしあなたがメロディーを、家と同じように財産として所有しているなら、私がそれを許可もなく支払いもせずに使う方法は非常に限られたもになる。

     しかしすでに説明したように、デジタルのビットは手に触れることができず、他と競合することもない。つまり不動産というよりアイデアに近いのだ。(中略)

     われわれの法体系のほとんどはまだ農耕時代の原理原則で動いており、所有物には実体があることが前提となっている。つまりデジタルに追いついていないのだ。それは努力が足りないのではなく、所有することが以前ほど重要ではなくなった時代に、所有がどう機能するかを明確にできていないせいだ。p274 「REMIXING」

    <12>につづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<10>フィルタリング フィルターをかけていく 本当に必要なものを順に選別する

    <9>からつづく 

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <10>フィルタリング フィルターをかけていく 本当に必要なものを順に選別する

    1)ここまでくるとわかってきたのは、「<インターネット>の次に来るもの」は原題通りではないとしても、来るべきものを知るには、まずは、インターネットを知り尽くし、使い尽くしてこそ、初めてわかる、ということになるのだろう。

    2)12の法則のうちちょうど半分の6まできて、ここからは7番目の法則である。ある意味、ここからは折り返しの地点である。

    3)あふれ続ける情報の波にフィルターをかけるというのはある意味当たり前のことであり、各自それぞれに工夫もしている分野であろう。

    4)当ブログでは最近、アクセス解析を通して判別される「人気記事ランキング」のコードを変えてみた。というのも、ベスト10に入る記事は、ほとんどが一冊の本の各ページになってしまい、ある意味、当ブログの結論は、この人の、この本、という結論がでてしまったからである。

    5)個人的には、この人の、この本に人気が集中するのは当然であり、その結果についても問題はない。それは歓迎すべきことであり、ある意味、そのなるように書き手として読者を誘導してきた面も少しはある。

    6)しかしよくよく考えてみる。その読者の人々は、私の書いた文章にはあまり興味はない。ひたすら、あの人の、あの本の、リピターなのである。一人で毎日何十ページもアクセスする。ブログを設置している立場としては、うれしくはないのだが、あまりにも長期にその事態が常態化すると、飽きがでてくる。もう、これで終わりかな、とさえ思う。

    7)そこで、最近フィルターをかけた。その本に一切アクセスできないようにしたのである。そうすると、ベスト記事に登場する顔ぶれが大きく変わってきた。そして毎回違った顔ぶれが登場するようになったのである。これは正解だったと思う。

    8)さらには、二番手、三番手も、実はフィルターをかけた。ヤマタノオロチの8つの顔のうち、3つをやっつけてしまったことになる。ドラゴンヘッドが少なくなって、ロングテールから順番に、上に上がってくる記事もでてきたのだから、書き手としてはうれしい。

    9)おお、そうかそうか、この記事も読まれているのか、と再認識できる。。

    10)おそらくドラゴンヘッドのすべてをいずれフィルタリングすることになるだろう。そして、この記事はどうしても読んでほしい、といままで隠れていた記事が読まれるように、フィルターをかけ続けることになるかもしれない。

    11)逆に、自分向けにフィルタリングしなければならない面も多い。長い間メールのあるコーナーは、まったく手つかずで放置してあるのだ。そこはジャンクメールではないが、日常的にはあまり必要じゃないものの日々のデータが送られてくる場所だ。毎日毎日、同じ文面で同じ発信元から、数字だけ変えて送られてくる。自然、そのコーナーは無関心になってしまう。

    12)怖いのは、そのメールだけではなくて、他のメールにも関心が薄くなり、自然と大事なメールも見落としてしまいがちになるということである。これではいかん。フィルタリングは重要である。

    13)これまでのCOGNIFYING(コグニファイング)FLOWING(フローイング)ACCESSING(アクセシング)SHARING(シェアリング)にはやや矛盾し、逆方向への法則だが、ある種SCREENING(スクリーニング) にも似て、FILTERING(フィルタリング) も、インターネット・リテラシーにおいては重要な要素である。

    14)そしてまた、ここらあたりからこそ、「<インターネット>の次に来るもの」の本体の姿が見え始まるのではないか。

    15)経験やパーソナルライズを強化するあらゆるテクノロジーが面白いのは、われわれが何者であるかという問いを否応なく突きつけてくるからだ。われわれはじきに、「万物のライブラリー」の真っただ中で暮らすことになり、そこでは人類がなしたすべての仕事が流れていく存在となってわれわれを取り巻き、すぐ手が届くところに無料で存在する。

     大規模なフィルター群が寄り添い、静かにわれわれをガイドして、われわれの望みに応える準備をしている。「あなたは何がほしいですか?」とフィルターが尋ねる。「あなたは何でも選べますが、どれにしますか?」。

     フィルターは長年われわれを観察してきたので、われわれが何を望むかを察知している。だからほんとど尋ねられると同時に自動的にそれを満たしてくれる。問題は何を望んでいるのかわれわれが分かっていないことだ。(中略)

     われわれが新しいものを作り続ける限り、さらなるフィルタリングは不可避だ。新しいものでもっとも重要になるのは、フィルタリングやパーソラナイズの新しい方向であり、それがわれわれをより自分らしくするのだ。p253「FILTERING」

    <11>につづく

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    「わがボタニカルライフ」<34>ナナツホシテントウムシ

    <33>からつづく

    「わがボタニカルライフ」

    <34>ナナツホシテントウムシ

     庭仕事をしていたら、テントウムシがいた。よく見ると、ナナツホシである。珍しい。ニジュウヤテントウムシにはやたらと泣かされるが、このナナツホシはあまり出てきてくれない。一時期、二匹いたが、それはツガイだろうという。そこから増えていくのだ。

    Img_6734

     市民農園の掲示板にも、ナナツホシについて書かれていた。

    このナナツホシテントウムシはアブラムシを捕食します。

    殺さないでください。

    Img_6736
     この時期になって、ようやく出てきてくれるのが、この七つ☆なのだろうか?

    <35>につづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<9>シェアリング シェアしていく 秘匿化せずに分かち合う

    <8>からつづく

    71jnk7sfvgl
    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <9>シェアリング シェアしていく 秘匿化せずに分かち合う

    1)「社会主義」という言葉に多くの読者が眉をひそめることはわかっている。それは「コミューン」とか「共同体主義」とか「集産的」といった関連する言葉も含めて、文化的な重荷を背負い過ぎている。

     私が「社会主義」という言葉を使うのは、厳密に言って、社会的相互作用が駆動する一連のテクノロジーを示す最適な言葉だからだ。われわれがソーシャルメディアを「社会的(ソーシャル)」と呼ぶのも同じ理由からで、そこにはる種の社会的な行動がある。

     ここで広義の社会的行動とは、ウェブサイトやネットに接続されたアプリが生み出す、顧客や参加者、利用者もしくはかつて視聴者と呼ばれていた人々の非常に大きなネットワークからの入力を利用したものなのだ。

     もちろん、こういう扇動的な用語でさまざまなタイプの組織をひとまとめにするのは論理的な危うさがある。ただこの種の共有を表現するのに手垢の付いていない言葉が見つからないので、敢えてソーシャルとか社会的行動、ソーシャルメディア、社会主義といった最も直接的な言葉を引っ張り出すことになる。

     生産手段を持った大衆が共通の目的に向かって働き、プロダクトを共有し、自分の労働を賃金の対価なく提供し、成果物をタダで享受していることを、新しい社会主義と呼ぶのに不自然な点はないj。

     彼らが共通して使っている動詞が「シェアする」という言葉だ。実際のところ、こうした新しい社会主義の経済的な側面を、ある未来主義者たちは「共有経済(シェアリング・エコノミー)」と呼んでいるが、それはこの世界における基本通貨が「シェア」だからだ。p183「SHARING」

    2)ケヴィン・ケリーのこの本における12の法則のうち、もっともわかりやすく共感しやすいものの一つはこのシェアリングであろう。当ブログがインターネット社会にもっとも期待してきたことであるし、また享受してきたことの一つでもある。

    3)おそらく精神において、この法則から私があらためて具体的に示唆を受けることはそれほど多くない。そうだろうなぁ、そうすべきだよな、ということが圧倒的に心に浮かぶ。

    4)しかしだ。本当にそうだろうか、と胸に手をあててみる。ケヴィン・ケリーはこの項において、群衆としてのクラウドのボトムアップも必要だが、時にはある一定程度のトップダウンも必要だと言っている。具体例や表現法は違うが、私もまたそう思う。

    5)シェアリングというコラボレーションの基本は当たり前ともいえるが、実はこれが具体的に有効化されることは難しい。ある意味奇跡的であったりする。

    6)そういうことを踏まえて、私自身がかつて参加してきたプロジェクトなり共同性が、なぜにどうして、ああいう結果になったのか、ということは十分振り返ってみる必要がある。そして、よりインターネット的に理解を進める必要があるだろう。

    7)ここまでで、12の法則のうちの6つがリリースされたわけだ。私なりに私のライフスタイルにおいての理解をまとめておこう。

    ビカミング グレードアップしつづけよう

    コグニファイング もっとオープンにコミットメントしよう

    フローイング 次に向かって続けよう

    スクリーニング ひとつのスクリーンに収めよう 

    アクセシング クラウドサービスを利用しよう

    シェアリング コラボに参加しよう

    -----------後日追記-----------

    フィルタリング 自分らしくデザインしよう

    リミクシング 趣味領域と業務領域を混ぜ合せよう

    インタラクティング HPや名刺をつくりなおそう

    トラッキング 各種データをさらに再利用しよう

    クエスチョニング あきらめず神秘に向かって問いかけ続けよう

    ビキニング 始めていく 今こそ新しい時代の夜明けである 

     

    <10>につづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<8>アクセシング アクセスしていく 所有せず、活用する

    <7>からつづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <8>アクセシング アクセスしていく 所有せず、活用する

    1)ここにおけるアクセシングとは、クラウドに対応しているということ。群衆のクラウドではなく、雲の上のクラウドだ。そしてまたそれは所有という概念の対極にある。

    2)物事をクラウドに置いておく。情報、ソフト、システム、プロジェクト、その他限りなく、クラウドに置いておくのだ。私などは、それはちょっと怖いなぁ、と思うし、できれば避けたい。筒漏れ、ダダ漏れではないか。

    3)でもよくよく考えてみる。私はすでにクラウドの高度利用者なのだ。そもそも、このブログ自体がクラウドなのだ。私のコンピュータにこの文章があるわけではない。。布団のなかにいながら、ほんのちょっとの感想をスマホのキーボードから書いてクラウドに下書きとして保存する。明日起きたらまたパソコンからクラウドにアクセスして、その下書きを校正する。そしてアップする。どこに? クラウドに、だ。

    4)後日、私は自分の書いた文章を探すために、ネットを検索する。すでに一万近くある自分の文章はそもそも手元にないし、まとめたり整理したりする手間をかける意欲はなくなっている。むしろ、簡単にネットを検索すると、自分の文章が出てくるというクラウドスタイルが常態となっているのだ。

    5)業務においても似たようなことが起きている。もちろん必要なセキュリティやコンプライアンス上の安全性は確保されているが、基本的に業務内容はクラウドにアクセスすることで成立している。私のラップトップやスマホは、単にアスセシングのツールにすぎない状態になっている。

    6)私の日常の行動はクラウド化されている部分が多くあり、ひとつひとつを所有するよりも、はるかに便利で早く、経済的で妥当性が多くある。

    7)好みの音楽や朗読小説なども、すでにクラウド上にあり、 聞きたい時にスマホでアクセスする。図書館だって、考えようによっては、シームレスのクラウドとして、私の個人図書館化しているとさえ思える。便利この上ない。

    8)私はそれでもクラウドに対する警戒心は完全には解いていない。 むしろ警戒心は強い方だろう。クラウドを活用するにはそれなりのリテラシーが必要だ。街を自由に散歩する時だって、まるで裸というわけにはいかない。我が家の個室ではないのだ。クラウドに上げるそれなりの工夫が必要だ。

    9)ここでケヴィン・ケリーの法則を私なりに活用するとすれば、ちょっとだけクラウドに対する警戒を弱める程度でいいだろう。理療上ののリテラシーを高め、より便利で有機的に活用していくことを考えよう。

    10)父親は私が何も持っていないので、束縛するものがなく無責任な生活にならないかと心配する。実際には逆で、原始時代に還ったような気分になるといつも答えている。

     昔の狩猟採集民族が、何も持たずに複雑な自然の中を進み、必要なときには道具を作り出し、また旅を続けるときにはそれを置いていくようなものだ。いろいろな物を貯め込むのは農民だ。

     デジタル・ネイティブはわれ先にと前へ進み、未知のものを探索していく。所有するよりアクセスすることで私はいつも柔軟で新鮮な気持ちでいられ、次に何が起ころうとも向かっていけるのだ。p177「ACCESSING」

    <9>につづく

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    2016/10/14

    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<7>スクリーニング スクリーン化していく 一つの画面として見る

    <6>からつづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <7>スクリーニング スクリーン化していく 一つの画面として見る

    1)この法則についてのページは長い。説明は多岐にわたっている。意味の取り方は多様だ。さて、この法則を身近な自分のハウツーとして、どのように読むか。

    2)スクリーニングと言った場合、ケヴィン・ケリーはひとつのスクリーンをイメージしているようだ。あるいは、一つのスクリーンに集約していく、という意味合いだろうか。まず図書館の本は、ひとつのスクリーンとは言えない。すべての本が完結しており、またそれぞれのページも完結している、と言える。あるいは、図書館そのものも、それぞれに独立している。

    3)図書館だけではなく、テレビや新聞、ナビゲーターや映画、記録やさざまなリスト。それらが、ほとんどシームレスのひとつのスクリーンであるイメージを語っている。

    4)そのイメージに私の場合、もっと近いのはこのブログである。この10年間ほど、ほぼ毎日一冊の平均で新な本を手にとりメモし続けてきた。それらはもちろん別々の独立した本である。しかしながら、私はそれらの本をほとんどひとつのスクリーンで再体験することができる。

    5)検索するとき、「Bhavesh ******」とし、*のところに本のタイトルや著者、あるいはキーワードを入れると、私がメモした過去のデータが即座に登場する。現在4000冊ほどであるが、ある意味十分である。

    6)同じような形で、かつてYoutubeで視る聴くビートルズ全15枚」(2008/07/21記)という企画を実行したことがある。当時動画がはやり始め、はてさてどこまで動画でビートルズを視て聴くことができるか、という試みである。

    7)あの夏の一か月は、とても暑く、楽しかった。ほとんどすべてのレコードについての情報をネットで得ることができ、なおかつ動画でそのサウンドを楽しむことができたのである。作り上げた当時は完璧であった。

    8)しかし、現在はすでに動画のリンクが切れているものがほとんどである。一部まだつながってはいるが、ほとんど奇跡的と言える。もちろん、もういちどリンクを張りなおすことができるだろうが、逆にどれほどリンクが切れてしまうものか、テストのために、昔のままにしてある。

    9)これが、自分が書いたページだったらどうだろうか。例えば、OSHO「私が愛した本」の全リスト。登場する全168冊の本についてメモしてある。それぞれの出典のほかに、当時の読書感想などもメモしてあるので、一冊の本として、これら168冊の本を「スクリーニング」できているように思う。

    10)例えば現在、大好きなNHKBSのテレビ番組「植物男子ベランダー」の作品リスト。おそらく法的根拠がうすいのだが、ほとんど全作品をネット上で見ることができる。あちこちに散在しているこれらのリンクを、私は私のために、ひとつのリンクにまとめてみよう、と試みている最中である。

    11)しかしながら、リンク先は不安定なので、おそらくこのリストも、うえのビートルズのリストと同じように、作成が完成したとしても、いずれズタズタになるだろう。それはそれでいいと思う。

    12)さて、私が仮に4000冊の本を読んでメモしたとしても、それはそれで、まだまだズタズタで、ひとつの「スクリーニング」に成功したとは言えない。私が自分でもっとも当ブログで期待しているのが、その「ダイジェスト版」である。それぞれのカテゴリにそって書いたメモ記事を、おのおの108づつに区切って、さらにダイジェストを書いてある。

    13)現在63個目だが、これはこれで、実はまだひとつの「スクリーニング」に成功しているとは言えない。もうすこし手を加える必要がある。ほとんど7000にとどく記事の要約が、手軽に手にとることができれば、その時は、私の「スクリーニング」のひとつの成功といえるだろう。

    14)しかし、ケヴィン・ケリーの言っているスクリーニングは、さらにこれに加えて、例えば私のスケジュールとか、クルマのナビゲーションとか、健康管理ソフトの端末とか、仕事の業績やら、友人知人、顧客のリストのなどが、もっともっと有機的にリンクしあって、ひとつのスクリーンに収まっているイメージなのだろう。

    15)そしてまた、おなじようなスクリーンなのだが、それぞれのパソコン、そしてタブレットや、いくつかのスマホ、は、キチンとリンクはしていない。性能や容量、あるいは使用目的が違うので、別々にならざるを得ないのであるが、彼はむしろそれは、すべてもっとリンクしていたほうがよい、と言っているように聞こえる。

    16)異論がないわけではないが、彼の言っていることはわかる。

    17)そして、その方向に、今ある自分のIT環境をリンクし続けていくことは可能である。一部、さぼっているためにそうなってしまっていることもたくさんある。必然的にひとつのスクリーニングになるなら、それはその方向に従っていくのもイイだろう。

    18)すくなくとも、この本を読んでいる限りは、そのようなものとして、その法則を読み解き、自らサイズに落とし込んでみよう。

    19)書かれているものすべてを地球規模で閲覧可能にするテクノロジーはその一方で、われわれがいま本と呼ぶものやそれを収容する図書館の性質も変容させる。ユニバーサル図書館とそのたちは、紙で読むのではなくスクリーンで読むので、われわれが従来から知っている図書館や本とは違うものになる。

     大量のリンクでつながるウィキペディアの成功に支えられ、多くのオタクたちは、何十億人もの読者が一人ひとり古い本にハイパーリンクを張っていってくれると信じている。

     ある特定の話題や知られていないtっ著者、好きな本などを熱心に追っている人は、放っておいても重要な部分にリンクを張っていくだろう。そういう単純な作業を惜しみなくしてくれる人が何百万人もいれば、ファンたちによるファンたちのためのユニバーサル図書館が完成していくだろう。p131「SCREENINNG」

    <8>につづく

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    「THE NEW NUKE」 トリウム原発の新時代(WIRED Single Stories 008)Richard Martin<1>

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    「THE NEW NUKE」 トリウム原発の新時代(WIRED Single Stories 008)<1>
    Richard Martin (著),    相原俊樹 (翻訳) 2012/03 コンデナスト・ジャパン Kindle版 ファイルサイズ: 120 KB 紙の本の長さ: 10 ページ
    No.3802★★★☆☆

    1)「WIRED」誌と当ブログの距離を測る場合、このテーマを避けては通れない。あるいは、その距離を測るために、ずっと探していたのがこのテーマである。

    2)タイミングとしては3・11一年後のこのタイミングで、当ブログがこのようなテーマをまともに受け入れることはできなかった。そして、目に入らなかったし、目にいれようともしなかった。

    3)片や、このようなテーマで、いくら電子書籍とはいえ、このようなテーマを提出できていたのが、このWIRED誌の流れである。いいとか悪いとかはいえない。ただそういう事実があったのだ。

    4)そして、その違和感を抱えつつ、当ブログがこのWIRED誌に近づいていくとすれば、この問題は避けては通れないし、また、当ブログとしてはこの問題をもっと直視しなければならないな、と覚悟を決めているところである。

    5)このトリウム溶解塩炉の問題は、基本的には小出裕章氏によって、完璧に否定されている。小出氏ファンの当ブログとしては、それでこの話題はおしまいなのである。しかしながら、意見がちがうから、立場が違うから、と、対話の間口を閉じてしまうのは、民主主義の基本を取り違えていると思う。

    6)意見が違うなら違うなりに、なぜ彼らはそう主張するのか、そこんところをキチンと把握してこそ、納得のいく未来が見えてくる、というものであろう。

    7)著者のリチャード・マーチン「トリウム原子炉の道」(2013/10 朝日選書)については、当ブログでもメモ済みであり、こちらのわずか10ページの電子本の中身をはるかに凌駕する形でまとめられているので、あえてこちらの電子本をめくる意味もない。

    8)しかしながら、その時に、この「WIRED」誌がどのような態度を取り、どのようなスタンスで、この問題に立ち向かうのかは、とても関心のあるところであり、今後も当ブログとしては追っかけつづけていきたいテーマである。

    9)正直、この小さな電子本はあまり読む気はないのだが、このようなショートストーリーとしてまとめている、ということを確認したので、メモしておく。そのうち、ダウンロードして読む気になるかもしれない。

    10)いずれにせよ、いくら密かに研究が進められている、とはいうものの、あれからすでに3年以上も経過しながら、全体的に話題にあがってこないのは、その技術になんらかの瑕疵があるからであり、すぐに代替エネルギーとして活用できないからではないのか、と推測するにとどまっている。

    <2>につづく

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    「WIRED VOL.25」/特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える(あなたがそれを望むなら)<2>

    <1>からつづく 

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    「WIRED VOL.25」/特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える<2>
    2016/10 コンデナスト・ジャパン 雑誌  不定版
    WIRED関連リスト

    1)小旅行中で気が付かなかったが、この号の発行と同時に読者に編集者ノートがメールが同時配信されていた。それは、ネットでも見れるので、リンクを張り付けておく。

    中央なき世界のための「台帳」──『WIRED』Vol.25 特集「ブロックチェーンは世界を変える」に寄せて

    2)このリンクがいつまで有効なのかわからないので、気になったところだけ、コピーしておく。

    ──雑誌『WIRED』日本版、最新号の特集は「ブロックチェーン」ですか。アツいトピックですね。バズワード。

    若林(以下同):そうみたいですねえ。ま、確かに去年くらいから、自分の周りでもちらほらと耳にするようにはなってたんですが、正直難しくてよくわかんなかったんですよ。なので、半ば放置してしてたんです。勉強しようと本を買ってみたりもしたんですが、難しいってこともあるんですけど、なんだかつまんなくて(笑)。

    ──つまらない?

    なんかほら、日本でブロックチェーンが言及されがちな、ビットコイン流れのフィンテック周りの動向って、偏見かもしれないですけど、すごく面白そうには見えないじゃないですか。手数料がどうしたとか、送金コストがどうしたとかって、よく知らずに言うのもなんなんですが、まあ、いずれにせよそういうのはビジネス系のメディアがやればよい話なので…とにかく、なんかこうワクワクしないな、と(笑)。

    ブロックチェーンの話は、ホントはもっとなんか面白い話なんだという期待があったんですけど、大手銀行とかが出てきていきなりアプリケーションの話になっちゃってる気がして、なんだそれ、と。「未来は銀行がなくなる!」とかって話じゃないと、『WIRED』的には基本テンション上がらないんですよ(笑)。

    3)確かにこの辺は同意だな。当ブログ今期のカテゴリはフィンテックだが、実はこれってあまり根が深くなさそう。

    ──じゃ、なんの話なんですか?

    「来るべき分散型世界」の話、だと思います。

    ブロックチェーンというアイデア・コンセプトのキモは、「分散型台帳(Distributed Ledger)」というものの発明にありまして、これは、ある特定の集団が、みんな同じひとつの「オープンな台帳」をインターネット上で共有していて、そのうえで、さまざまなものをやり取りができるというもので、しかも、そこでやり取りするモノは複製ができない「正統」なものであるということが担保されるってとこがポイントなんです。そのことによって、デジタル通貨、つまりビットコインのようなものを、ちゃんと流通させることが可能になったわけです。つまり、貨幣に限らず、さまざまな資産や価値といったものを、第三者機関──中央銀行のような──の信任・担保を経ずして、P2Pでもやり取りすることが可能になるということです。

    ──よくわかりません。

    そうなんですよ。自分だってよくわかってないですから(苦笑)。

    ま、技術的な説明はここではこれくらいで勘弁していただいて詳細は本誌に譲りたいと思うんですけど、大事なのは、そんなわけで、この特集内にはやたらと「分散」「P2P」「脱中央集権」という言葉が飛び交うことになるということなんです。

    なんですが、これらのキーワードって別に新しいものでもなんでもなくて、なんのことはない、インターネットというものが、その発明当初から内包していた指向性・理念で、ブロックチェーンもしくは分散型台帳という技術・アイデア・コンセプトは、それをさらに大規模なスケールで飛躍的に拡張することになるというのが、ここに込められた期待・希望なんだと思うんです。

    「ブロックチェーン」もしくは「分散型台帳」っていうものは、中央集権的に編成されてきたあらゆるものごとをディスラプトし、それを分散型のものとして編成し直し新しい世界像を提示する、非常に強力な「コンセプト」である、というのが今回の特集のスタンスで、だから、技術解説でも事例紹介でもなく、いろんな人が「ブロックチェーンに見る夢」を語るものとして特集をつくりたかったんです。

    4)この編集者のスタンスは、当ブログとしては共感しながら読んだ。

    ──しかし、にわかには信じがたい話です。そんなにガラリと世界って変わります?

    んなわけないじゃないですか。何百年と続いた社会構成が一夜で変わるわけはないですよ、そりゃ。だから、それはまずは「コンセプト」として理解されなきゃならないってことを、声を大にして言いたいわけなんですね。

    それは現状、「コンセプト」もっというと「理念」に近いものであって、当然、実装レヴェルにおいては、現実的な困難やハードルは山ほどあるわけですよ。でも、このコンセプトは、世界をまったく違った目で捉えることを可能にしてくれるし、現状のシステムやパラダイムのオルタナティヴを提示し、そこに新しい「夢」を見ることを可能にもしてくれます。そのことが、まだまだ発展途上にあるこのテクノロジーがいまぼくらに与えてくれるいちばん大きな恩恵なんだと思うんです。

    もちろん、だからこそ、いまある現状の社会構成のなかにそれを埋め込みトライ&エラーを繰り返すことは何よりも重要で、極めて現実的なところから夢への一歩を歩こうとしているスタートアップたちは素晴らしいんです。

    ところが、それが体現している理念やコンセプトを見ずに、新しいテクノロジーだからといって我先にと飛びついて、ひたすらそこに「利便」や「利益」だけを追い求めていくというような態度でいると、そこから先、何も生み出せないし、イノヴェイションとかいいながら結局先細っていくだけなんですよね。

    5)わけがわかんないところが、この新しい技術の面白そうなところですなぁ。

    ──本当にわけわかんないですね。

    いや、ですからね、このわけのわかんなさは、もちろん、ぼくらの頭の悪さに起因するところももちろんあるんですが、実際のところ、ブロックチェーンがもたらしうるものごとや世界そのものがわけわかんないんですよ。国家が終わる、貨幣経済が終わるって、想像しようと思ったってなかなかできないですよ。でも、 それを想像してもいい、あるいはしなきゃいけない、という局面に、おそらくいまの世界は来てるということなわけで、これまでのあらゆる「当たり前」がひっくり返ってる話なわけですから、そもそも「わけのわかる話」になるはずもないんですよ。

    6)今後、この雑誌やムーブメントがどのように変化していくのか、関心を持って見つめていよう。

    <3>つづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<6>フローイング 流れていく コピーなどとして流れつづけていくこと

    <5>からつづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <6>フローイング 流れていく コピーなどとして流れつづけていくこと

    1)この三つ目の法則で言えば、すべては流れつづけていくのであり、その流れにコミットし、さらに流れていこう、ということであろう。ただし、かつての流通といわれるような、モノが川を流れていくようなものではなく、インターネットでは、常にコピーされ続けていくことを意味している。

    2)当ブログもある意味ではコピー文化である。すでに紙媒体として印刷されたものを図書館から借りてくるまでは確かにモノとしてのフローイングだが、そこからが大きく違う。

    3)まずはネット上の本情報にアクセスする。その画像をわがブログに張り付ける。ここがまずはコピーだ。その属性もまたコピーして貼り付ける。そして、時には我がブログもどこかにリンクを張られたりするし、時には自前で撮った画像が画像サイトなどに延々と展開されることもある。これもまたフローイング、コピーとして流れている、ということになる。

    4)さて、ここまでケヴィン・ケリーの法則にしたがって、わがITライフを、具体性を持って見直してきた。
    ①ビカミング。機器やソフト、機能を更新(グレードアップ)しつづけよう。PC本体をグレードアップし終わった現在、具体的には会計ソフトとプリンターのグレードアップの問題をかかえている。
    ②コグニファイング。認知し認知され続けよう。具体的には、クラウドやSNSにさらにコミットメントしよう、ということになるだろうか。たしかに中途な参加で終わっている。リスクも当然あるが、その上でさらに参加の技術を身につけよう。
    ③フローイング。流れつづけよう。コピーし続けよう。さて、ここのでの学びは、おそらく具体的には、ブログを続ける、ということと、このブログからさらにネット本のような電子本を作成しよう、ということになろう。

    5)電子本についても、すでにコンテンツは決まっているのだが、その仕様が定まっていないので、なかなかクイックスタートできないままでいた。そういえば、長らくお休みしているあちらのSNSの旧友はすでに宣言通り、いくつもの電子本を発行済みである。私も彼との旧交を復活させ、なんとか志を実行したい。

    6)われわれはこの流れを開始したばかりだ。デジタルメディアのいくつかでは流動化の四つの段階がすでに始まってはいるが、ほとんどにおいてわれわれはまだ最初の段階にいる。まだ液化していない日常の仕事やインフラは山ほどあるが、いずれは液化し、流動化していく。

     非物質化と脱中心化へと向かう着実で巨大な傾向が意味するのは、さらなる流れは不可避だということだ。われわれが作りあげた環境において最も固定化された一連の装置がエーテルのような力へと変化していくというのは、いまはまだあり得ないように思えるが、やがてはソフトがハードを凌駕していく。

     知識が物質を支配するのだ。手に触れられない生成物が、フリーな世界の上に立ち上がる。それこそが、流れていく世界だ。p111「FLOWING」

    <7>につづく

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    2016/10/13

    「48歳からのウィンドウズ10入門」<9>

    <8>からつづく

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    「48歳からのウィンドウズ10入門」 

    リブロワークス (著) 2016/4 インプレス 単行本(ソフトカバー): 128ページ 目次
    ★★★☆☆

    <9>会計ソフトとプリンター

    1)暇にまかせてまたまた家電店へ。まずは、最近ようやく入手した新機①の展示コーナーに行く。あれこれ他社製品と見比べて、うん、この選択でよかったな、とあらためて納得。あれだけ時間をかけて選んだのだから、納得するのは当たり前か。めでたしめでたし。

    2)次はソフトコーナー。実はここに来る前、隣の大型書店で会計ソフトの教則本を探してみた。いろいろあるのかなぁ、と期待していったがあるのは一社の製品についての本、二種類のみ。あ~、あらためてそのマーケットの小さささに驚いた。

    3)家電店のソフトコーナーでは、会計ソフトは各種あったが、やはりかなり一社に偏っていて、寡占状態だ。それにしても、年末が近づいているとは言え、パソコンソフトの数は実に減っている。ほとんど会計ソフトでもっているようなものだ。これじゃぁ、いかに大型家電店とは言え、採算はとれているのかな。

    4)会計ソフトは、内容がたいして大きく変わらないのに、毎年年末に新しいバージョンがでるようだ。消費税などの対応はソフトでチョチョイノチョイと変更できそうなものだが、メーカーはあまり細かい操作をできないようにしていて、誠実なユーザーは毎年のように買い替えないといけないようなシステムになっている。ある意味、悪質だなぁ。

    5)じきに次のバージョンがでるというのに、安くはなっていないし、次期バージョンがでたとしても店頭価格はかわらないらしい。商売だしね、売り手側になればなったなりに事情があるのでしょう。しかし、そこをなんとかくぐっていくのが、賢いユーザーというものだろう。

    6)ひとつ気がついたのは、最新の会計ソフトでも、古いOSのパソコンにも対応しているということ。ホームページは動作確認できません、なんて脅かしているが、実は、適応範囲は広いようだ。ここんとこ、ネットでもうすこしユーザーからの情報を確認する必要があるだろう。

    7)入手する場合のバージョンや入手先などは、ある程度目途をつけてはいるが、まだまだチェックすべき点は多い。まずは、無料体験版からとダウンロードしかけたのだが、なかなかうまくいかない。あせらず、まずは楽しんでいこうじゃぁないですか。

    8)久しぶりのプリンターコーナーにも行って、いろいろ見ていたのだが、なかなか納得できない陳列棚である。いよいよ迷って店員さんに聞いてみると、こちらはビジネス用のレーザー白黒用プリンターのコーナーであるらしい。あれれ。それにしてもそれだけ限っただけでも、いろいろな種類があるね。

    9)とりあえずわがSOHOとしては、家庭用プリンターが目的である。思ったほど価格ダウンはしていなかったが、よくよく見ればやはり、こちらも用途によって様々ある。目的の一台にたどり着くまでは、多少は時間をかけて迷ったほうがいいようである。

    10)まずモバイルプリンターが目につくが、こちらはスキャナー機能が弱く、コピーなどはあまり期待できない。時間もかかる。A3や、時にはA2までカラー印刷できるプリンターもあるが、割と値段は控えめである。ただし一枚一枚の印刷経費が高くなる。もちろん私はA4判でいいわけで、自然とマトは絞られてくる。

    11)今更メーカーにこだわるわけではないが、今まで使ってきた3社のメーカーであれば、イメージはしやすい。まずはそこから選ぶことになるだろう。また、今回大きく関心を持ったのは大型タンクのプリンターが登場していること。インク代が月々かからないだけ、ビジネスモデルが違う。プリンター代はその分高い。

    12)計算してみると、わが社におけるインク代は月々数千円。年間数万円だから、二年使うとほぼ同等の価格となる。インクの残量を気にすることや買いに走る手間を考えれば、大型タンクを最初から買ってしまうのも悪くはない。おそらくこちらの方が結果として安いだろうが、初期投資が大きくなる。痛し痒し。

    13)ファックス兼用もあって、なるほど妥当性はあるが、ファクスについても当社としては好みがあるので、兼用機は避けておこう。あとは、用紙口が2wayあるといいのだが、ここまでくるとかなり限られてくる。

    14)インクタンクの数も、私は多くて印刷がきれいなものが好みなのだが、全体としてはインクタンクの数は絞られているようだ。価格もそれなりにまちまちではあるが、用途と製品の充実度を見ると、まぁ、大体は妥当な範囲に収まっている。

    15)「パソコン購入ガイド」 2016 を見ると、ほぼ数種に絞り込んでいる。複合機は最低条件だが、高級機種を選ぶ必要はない。WiFi対応と液晶パネル搭載の2条件は絶対外せないp60「プリンタはこうして選べ!」、とのことである。

    16)あ~~ん、それならそれなら、今ある現プリンターでもなんの問題もないので、ここではプリンターの追加は必要ないかな。いよいよ使えなくなったら、その時、家電店に走ればいいや。

    <10>につづく 

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<5>コグニファイング 認知していく

    <4>からつづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <5>コグニファイング 認知していく

    1)ケヴィン・ケリーの第二の法則は、「認知していく」である。誰が誰を、何を、認知していくくのか、ということではない。むしろすべてが「認知されていく」ということである。つまりAI=人工知能というものは、どこかにあるスーパー大型コンピュータのことではない。すでにあるこのインターネットのが、常になりつづけているものである。

    2)私は、IT社会の成果を享受したいと思いつつ、自らが、データの一部として「認知」されることを嫌ってきた。外付けのメールも使いたくなかったし、クラウドサービスもほとんどすべて登録してはいるけど、活用はしていない。通信手段だって、最近の若者たちに人気サービスも、いの一番に登録はしているけれど、もうそこまではいかない、と決めてきた。

    3)当ブログが、かつてのブログサービスの窮屈さから、こちらの動画やアフェリエイトや、アクセスログ解析において優れたブログサービスに移行してきてからすでに7年。なんとか次のステップを、と模索してきたのに、いまひとつ見つけられないで来たことの、理由の一つがわかってきたように思う。

    4)まず、情報の確かさは、ネット情報よりも図書館蔵書のほうが優れている、と思ってきた。たしかにその通りだった。ほとんど無料で読める図書情報は、ややリアルタイムでは遅れていたが、正確さ信頼性では優れていた。私自身の情報整理や思想探索には大いに役立ってくれた。

    5)その感謝の気持ちも込めて、私はせっせと読書メモをネット上に公開してきた。その効果はいかほどのものかはわからない。しかしながら、メモや画像、新規の情報などは、ネットユーザーの中に、ある程度の利用価値を生んでいた、と感じることはよくあった。これが私のネット参加の基本であった。

    6)しかし、ケヴィン・ケリーがここで言っているのは、誰かが誰かに情報を手渡す、というレベルの話ではない。IoT、すべてネットにつながっていくというのは、つまりAI人工頭脳を鍛え続ける作業、ということになるのだ。AIは「できあがる」ものではない。どんどん成長して、止まらないのだ。それがシンギュラリティへとつながり、そこから先に行く。

    7)私は基本的にカードで買い物はしないし、GPSで自らの居場所を公にすることもない。実名というよりニックネームのほうが多くの友達とつながっているので、ほとんどネットでは実名は使わない。そして、いくつかのSNSも互いにリンクさせずに、私という実像をリアルには結像しないように努めてきた。

    8)しかし、それって、本当に良かったのだろうか。断片化したアンケート調査のように、量的にだけ認知された私の断片化されたデータは、本当に、AIを鍛えるために役立っているだろうか。少なくとも、AIは私に役立つ情報をうまくキックバックしてくれるだろうか。

    9)ネットで検索すれば、それと類似のコマーシャルサイトの案内が延々と表示されることにはいまだにウンザリだ。だが、もっと私のことをわかってくれたAIが、この新しい本がでましたよ、と教えてくれるばかりか、この人とこの出版社が新しいあなたに必要な本を企画していますよ、と、より的確に教えてくれたら、どうだろう。

    10)ましてや、まだ自分でも何が必要なのかわからないうちに、ひょっとすると、今度あるイベントに参加すると、あなたがいずれ必要になるだろう本の企画を考案している人と、出会う可能性が10%あります、なんて教えてくれたら、すごいな。しかも適格に。

    11)私はネットが断片的にプッシュ式で伝えてくる情報にはちょっとウンザリだ。だが、それって、私自身がネットと、真正面から向き合っていないからではないか。ネットというAIが、私の「実像」をとらえていないので、あてずっぽうで、私の好きそうな、必要そうな情報を五月雨式に投げつけ続けている、という段階なのではないだろうか。

    12)ケヴィン・ケリーの法則二つ目において、私がすべきことは、ネットつながりのアプリを、もっと活用することだろう。もっとリアルな情報をAIに打ち込んでいく。もちろん、その場合は、セキュリティをさらに高くして、それらの利用技術を高めなければいけない。そしてそれは、他「人」への告知である必要はないのだ。人間にではなく、ネット上のAIについてだ。

    13)私はほとんどクラウドサービスを信じてはいない。しかし、よくよく考えてみると、私の日常的な業務はすでにクラウドサービスで完成されている、と言っていい。もちろんそれは関係各部署に管理されている。ヘタなことはできない。その分、私がすべきことはほとんど、もれなくカバーされている。仕事ははかどる一方である。

    14)おそらく、ネット上のAIは学習途上である。私の協力も少ないので、まだまだ力を発揮できないでいる。そして未来においてもそうである可能性はまだ残っている。それをわかったうえで、私は「認知されていく」ことが必要なのだ。

    15)おそらく、ネット上のAIは、ビックブラザーのような管理者でもなく、HALのような人格をもったスーパーコンピュータでもない。それを一手に悪用しようという「人間」的な悪意は、どんどん排除され続けるだろう。それは道具なのだ。

    16)これはマシンとの競争ではない。もし競争したらわれわれは負けてしまう。これはマシンと共同して行う競争なのだ。あなたの将来の給料は、ロボットといかに協調して働けるかにかかっている。あなたの同僚の9割方は、見えないマシンとなるだろう。それら抜きでは、あなたはほとんど何もできなくなるだろう。 

     そして、あなたが行なうこととマシンが行なうことの境界線がぼやけてくる。あなたはもはや、少なくとも最初のうちは、それを仕事だとは思えないかもしれない。なぜなら退屈で面倒な仕事は管理者がロボットに割り振ってしまうからだ。(中略)

     われわれが新しい仕事を自分たちのために見つけるのを手伝ってくれる。その新しい仕事が、われわれ自身を拡張していくのだ。ロボットのおかげで、われわれはもっと人間らしい仕事に集中できる。

     それは不可避だ。ロボットたちには仕事を肩代わりしてもらい、本当に大切な仕事を頭に描くのを手助けしてもらおう。 p81「COGNIFYING」

    <6>につづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<4>ビカミング なっていく

    <3>からつづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    <4>ビカミング なっていく

    1)ケヴィン・ケリーがせっかく「未来を決める12の法則」を上げてくれているのだから、わがライフスタイルをこの12のステップで検証してみようと思う。

    2)「パソコン購入ガイド」 2016 からパソコン選びを始め「48歳からのウィンドウズ10入門」へと移行してきたわがITライフだが、今、大きくは3つのことがテーマとなっている。
    ・古OSを使っている古機PC③をどうするか?
    ・古バージョンの会計ソフトをどうするか?
    ・古プリンターをどうするか?

    3)実はこの3つのテーマはつながっている。古機PCはすでにサポート期間が終わったPCではあるが、非常に安定しておりスタンドアロンとしてはまだまだ使える。ただインターネットにはすでにつながっていない。

    4)古バージョンの会計ソフトはすでに10年ちかく使ってきたソフトであるが、まだまだ使える(と思っている)。ただ、最新OSではすでに使えない。また出力としても現プリンターでは印刷できない。

    5)古プリンターとはいうものの、当時は最高機種だった。非常に高性能で対応力もある。度重なるトラブルにも見事に復活してきた。しかし、インク吸収体が限界で、また、ドライバーも最新OSに対応しておらず、印刷も無線のエアプリントには対応していない。

    6)この三つのテーマはトリニティとしてつながっており、存続するならこのまま、廃止するなら、この三つを同時に廃止していくのが妥当である。

    7)思えば、この古OS古機③も実は、かなりの憧れに機種だった。安定しており、ハードもトップメーカーのモノで実に堅牢である。しかしながら、ディスプレイがダウンして知人から私が譲り受けたもので、部品を取り寄せ、私が修理して使っているものだ。

    8)会計ソフトは、知人の会計事務所が老齢で閉鎖する機会に、悩んだすえパソコン会計に切り替えたものを今でも使っている。税処理などかなりシンプルな我がSOHOでは今だに現役で、実はこれ以上の機能はいらないと思っている。

    9)古プリンターも実によく働いてきてくれた。ただ一年前からダウン。緊急の家族のプリンターを今じゃ常時使用している。古機PC③でしかつながらない。旧会計ソフトも、実はこのプリンターでなければ印刷できない。有線でコードをずるずると引きずりながら使っている。

    10)さて、この古いシステムに、私はなぜに固執しているのだろうか。実はこの古PC古機③とはいうものの、このOSは当時の私にとっては憧れのOSだった。なかなか買えなかった。あの時も、さらに古いバージョンのOSを使っており、ようやく手に入れた時の感動が、今でも忘れられないのである。

    11)古会計ソフトも、実は、わがSOHOを絶ちあがた時には思いもつかない方法だった。そもそも知人が会計事務所をしているからという理由で、わがSOHOを法人化したのであった。経理については、帳簿類を全部わたしてまかせっきりだった。そのあと、自分で決算処理までできるようになった会計ソフトは、驚きの連続であった。

    12)古プリンターも、その前は白黒のドッドプリンターや、カーボンプリンター時代に比べて、その高機能さに圧倒された。カラー写真も、街のDPE屋で印刷するようにきれいで、なおかつ安く、お手軽に印刷できた。このプリンターには感謝している。

    13)これらの現象を、ケヴィン・ケリーの「法則①ビカミング」に対応して考えたら、どういうことになるだろうか。物事を固定的に考えてはいけない。形ある機器の裏では、常に新しいことがグレードアップされているのだ。なり続けること。ここがテーマだ。

    14)すでにわがオフィスには最新OSパソコンが3台存在している。敢えて会計ソフトのためだけに古いトリニティシステムを残存させておくことの意味は何か? 機種が増えればメンテナンスの手間も増え、狭いオフィスをさらに狭くする。最新OSで会計ソフトを動かすことを考える時期である。

    15)古いOSでしか動かない古会計ソフトに満足しているのはなぜか。一番シンプルなモードで運用しているからであり、もっと戦略的に経理を考えるなら、実は、もっともっと会計ソフトを使い倒す必要がある。会計ソフトに合わせて、わが業務を縮小してきてしまったのではないか、という反省がある。

    16)古プリンターには感謝している。きれいだったし、頑丈だった。度重なるトラブルから何度も復活してくれた。しかし、エアプリントに対応していない。ドライバもネット配信されていない。CDからインストールしなければならない。バージョンアップし続けなければならない。思えば、インクも高価だったな。

    17)思えば、これに加えて、会計ソフトのデータは恒例として3.5インチFDに記録しているのだった。いまだにFDを使っているのは単に慣例というだけではなく、保存するのに紛失しにくいという思いもあった。しかし大容量のDVDやメモリスティックなどがある時代、もうちょっと時代遅れだな。それにクラウド時代だよ。

    18)つまりこういうことだ。いまここですぐに、2016年から始めるのがベストだということだ。歴史上、何かを発明するのにこんなに良いときはない。いままでこれだけのチャンスや、いろいろな始まりや、低い障壁や、リスクと利得の格差や、収益の高さや成長が見込めるタイミングはなかった。

     いまこの瞬間に始めるべきだ。いまこそが、未来の人々が振り返って、「あの頃に生きて戻れれば!」と言うときなのだ。

     過去の30年ですばらしいスタート地点が創られ、真に優れたものを作り出す強固なプラットフォームとなった。しかしこれから来るものは、それとは別の、それを超える、もっと違うものだ。われわれが作るものは、恒常的に、休むことなく別のものに<なっていく>ものだ。それに最高にカッコいいものはまだ発明されていない。

     今日こそが本当に、広く開かれたフロンティアなのだ。われわれは皆<なっていく>。人間の歴史の中で、これほど始めるのに最高のときはない。

     まだ遅くはないのだ。 p40「BECOMING」

    <5>につづく

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    2016/10/12

    「WIRED VOL.19」 特集 ことばの未来

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    「WIRED VOL.19」 特集 ことばの未来
    「GQ JAPAN」 2015年12月号増刊 2015/11 コンデナスト・ジャパン 雑誌 p138 WIRED関連リスト

    No.3801★★★★★

    1)当ブログのコンセプトは、ごくありふれた一般市民が、よくある身近な公立図書館を利用して読書を続けた場合、どのような結末に行きつくのか? あるいは真理を見つけることができるのか? というものである。そして、それをインターネット上に読書ブログとして書き続けた場合、どうなるか? あるいは読者の大勢に同意を得られるか? という調査の側面もある。

    2)その試みは10年続いた。

    3)ブログサービスの勃興があり、ソーシャルネットワークサービスの流行があった。図書館のオンライン化が始まり、常時接続からスマートフォンのようなモバイル端末への変遷があった。そしてその10年間のちょうど中心には、3・11東日本大震災という、超ド級のディザスターがあった。

    4)自らを「ごくありふれた一般市民」と規定する前に、私にはもっと明確な自己規定があった。若くして真理探究の道に入り、インドまで足を延ばしてマスターと出会った。その教えの元に瞑想を体験し、自分としてはこれでいい、という最終の体験をしている。その言葉にならない体験を、自分のものとして、市民社会のなかで確たるものにしうるか。ほかの市民と共有できるものとなりうるのか? そういう問いかけの中で生きてきた、と言える。

    5)インターネットに公開した読書ブログとしての当ブログの軌跡は「ダイジェスト版」に詳しいが、つい先ごろ、スタート地点での漠としたコンセプトは、ようやくその目的を達成したと言えるだろう。

    6)私は積極的にわがマスターの言葉を当ブログにも反映させてきた。本もできる範囲では最大限に触れてきた。そして、10年後。当ブログの読者たちが選んだのは、その中の一冊だった。

    7)それはある意味、私としてはうれしい結末だった。私が体験したもの、私のマスターの残したものが、私のブログの読者たちによって選び抜かれたのである。当ブログの半分以上はその本へのアクセスとなり、当ブログ人気ページのベスト10は、その各ページへのアクセスで満杯になった。

    8)当初は意図せぬ結果ではあったが、私はそれで満足である。それでいい。それで埋め尽くされれば、それでいいのだ。

    9)しかし、わがマスターは、それを許さなかった。彼が、私を通してやった行動は、その彼のもっとも人気のある本を、私のブログから全削除させ、一番厚い読者層を、突き放したのである。彼らの盲目さ、無意識さに、さらに一撃を加えたと言える。

    10)当ブログは、今新たな旅にでた。

    11)自らの体験と、それを裏付けるものとして、誰かの仕事を借りる。それを多くの人が認める。で、それでいいのか、と問いかける、新たな旅である。旅に出た、というより出ざるを得なかった。私自身が放りだされたと言える。

    12)当ブログにはさらにいくつかの問題点があった。どうも私には気に食わない本についてのアクセスがいくつかある点である。一つは、アウトローの娘がロックミュージシャンと結婚していた時代のことを書いた本である。私は傍線としてこの本に触れただけであったが、なぜか人気が高い。

    13)一時期のバブル人気であろうとタカをくくっていたが、これがなかなか収まらない。どうかすると、当ブログの人気記事ベスト3を形成する勢いなのである。それを終息させようと、追加記事を書いたのだが、それはむしろ逆効果だった。私は、この記事も削除することとした。

    14)そしてもう一冊。ちょっと古い外国の本でエソテリックワークに関する本である。どこぞの国の独裁者が自らのおどろおどろした世界観の底本にしたとさえ言われた本であるが、日本では入手がなかなか難しい。この本に触れたところが、どうもアクセス数が多い。これもまた当ブログ記事のベスト3に入ってしまう。

    15)私はこの記事もまた、当ブログの代表記事のように思われるのは心外である。ほかで触れているページが少ないので、あえて当ブログがヒットするのであろうが、私としてはこれもまた心外である。私は私が読んでほしいページをヒットしてほしい。また、私は私として読んでもらえる記事を書かなければならない。このページも削除した。

    16)よくも悪くも、私は私の言葉を通して語りたいのだ。誰かの衣装を借りたり、誰かへの反発や、何ごとかの思わせぶりを利用して、コミュニケーションをしようとしているわけではないのだ。

    17)そして、もっと大事なことは、私自身は私自身の体験を言葉にすることができるかどうか、ということだ。また、言葉の次元におとすことによって、私の体験をより確かなものに、確実で、実効性のある、よきものとなりえるのかどうか、ということなのである。

    ---------------

    18)以上は、タブレットでネット上のタダ読みサイトで本号をめくりながら、頭の中に浮かんだ言葉たちの表出である。

    19)「反」でもなく「非」でもなく「脱」でもなく、「新」あるいは「真」と自己規定した以上、当ブログは、あらたな地平を求めて、あらたな旅を始めることになる。その最初の道連れが「WIRED」である。

    20)まさに「ど真ん中」へと至る道では至る道ではあるが、全くの一人旅になるまでは、同輩が必要となる。もっとも近い同朋を務めてくれそうな本誌をまずは近くに置きながら、道は続く。

    21)「WIRED」をめぐる、当ブログからのテーマとしては2点。原発とマインドフルネス、この2点を、同シチュエーションは、どのように収めようとしているのか。
    ・原発を完全に廃止する方向にいるのか? トリウム原発などに延命しようとしているのか?
    ・マインドフルネスという発展途上の技術をどれだけ発酵させ、純化させるのか? それは瞑想とどう違うのか。マインドフルネスは、21世紀の新しい文化をまとった意識への扉としての瞑想の一バージョンなのか?

    22)そのあたりが最奥の接点、もっともはげしいせめぎあいとなる。

    つづく

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    2016/10/11

    「48歳からのウィンドウズ10入門」<8>

    <7>からつづく

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    「48歳からのウィンドウズ10入門」 

    リブロワークス (著) 2016/4 インプレス 単行本(ソフトカバー): 128ページ 目次
    ★★★☆☆

    <8>古機③の復活はあるか?

    1)またまた微妙なポイントにやってきた。悩みは尽きない。それは古機③の扱いである。そもそも2年前にサポート期間が切れてしまっているので、すでにネットにはつながずスタンドアロンで使っているものだが、その用途は実は限られている。

    2)ひとつは会計ソフトはこのPCじゃないと完全には動かない。そういった意味では重要な位置づけになっている。あるいは顧客管理の年賀状印刷も実はこのPCの役割なのである。そして、DVDで映画を見るときなども、実は問題なく使えている。

    3)大きく重く、ファンの音もうるさいが、私の常識からすると、まだまだ使えるのにもったいないなぁ、と思う。

    4)これに関連するところの旧プリンター②。こちらも連動しているので、どのような形で保存するか、あるいはグレードアップするか、悩ましいところである。

    5)先日、ケヴィン・ケリーを読んでいた。そしていろいろ考えた。まだまだ使えるけれど、今進行しているのは、モノではなくて、裏のバージョンアップそのものなのだ。それを受容し続けることが大切なのであり、そのことによって全体が進化していくことになるのだ。

    6)長年愛用してきた最高機種のプリンターも一部部品を取り換えれば、まだまだ使えるのだが、まずエアプリントができない。有線オンリーなのである。さらにはドライバが最新OSに対応していない。これには参った。

    7)会計ソフトも、今のところ別段に不足しているわけではないのだが、最新OSでは動かない。もっとも旧OSでも動かないバージョンを使っていたわけだから、他人から見たら、もうそろそろいいでしょう、ということになる。

    8)このあたりに頑迷に張り付く根性は我ながら、ちょっと醜い。さっさとモノ離れして、新しいのに交換すればいいのに、と思う。だが、それができない。困った性分である。

    9)さて、古機③のグレードアップだが、もしこれが成功するのならほしいと言い出した知人がいる。それはそれで面白いな。一旦は寝ていた古機③が引き取り手を見つけて、動き出す。これはこれでめでたいことではないか。

    10)ということで、なにはともあれシュミレーション。
    ・旧プリンターはすっかり諦める。(スキャナーとしては優秀だが、ドライバがない)
    ・最新OSに対応する会計ソフトを入手する。2~30KYの出費( ノД`)シクシク…
    ・古機③を旧OSにアップグレード 
    ・旧OSから最新OSにアップグレード
    ・新プリンターの選定
    ・顧客管理ソフトの選定
    ・それと健康管理ソフトが二つほどあるぞ

    11)いざやろうと思ったら、いろいろあるなぁ。あ~めんどくせ~、あきらめるかな・・・・・

    <9>につづく

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    「シンギュラリティは近い」エッセンス版―人類が生命を超越するとき レイ・カーツワイル<4>

    <3>よりつづく  

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    「シンギュラリティは近い」エッセンス版―人類が生命を超越するとき<4>
    レイ・カーツワイル 2016/04 NHK出版(編集)  単行本(ソフトカバー) 256p

    1)この本を最初に読んだのは10年前の2007年6月。「ポスト・ヒューマン誕生」コンピュータが人類の知性を超えるとき(2007/1 NHK出版)というタイトルだった。読書ブログを始め、図書館の本を手当たり次第読んでいた時代だが、この本にはつよい印象を受けた。

    2)その後、カテゴリとして「シンギュラリティ」や「シンギュラリタリアン」などと名付けて、それなりに追っかけをしてみたが、当時はまだ時期至らずで、それほど多くの情報はなかった。したがって、どこか尻切れトンボになってしまったのだった。

    3)ところが今年の6月になって、新刊情報に触れて、書店で手に取ってみた。とても懐かしく、うれしかったが、ダイジェストになっているとは言え、やはり難しい本であった。一気に読んだり、簡単に理解することはできない。

    4)そして、先日、図書館でも新刊コーナーに入っていたので、借りてくることにした。化学や物理や情報や生物などのことについては、もうお手上げなので、そこそこにスルーして、全体に目を通すだけだった。

    5)それでもやっぱり、最後の「私は技術的特異点論者(シンギュラリタリアン)だ」の中の「意識をめぐる厄介な問題」p228あたりは、とても気になるところである。

    6)この辺のところはまた、そのうちゆっくりフォローするとしても、ここまでくれば、あとは書き手や読み手としての違いはそう大きくない。人間に立ち返って、とにかく瞑想の中に入っていくだけということになろう。

    7)もっとも、今やシンギュラリティ大学での講義の中には、マインドフルネス、という表現で組み込まれているようなので、今後はその範疇にも手を広げて、行きたいと思っている。

    <5>につづく

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    「『走る原発』エコカー」 危ない水素社会 上岡直見<3>

    <2>よりつづく

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    「『走る原発』エコカー」 危ない水素社会 <3>
    上岡 直見 (著) 2015/07 コモンズ 単行本  134ページ
    ★★★★★

    1)秋の行楽連休に、年に数度の小旅行をしてきた。旅行と言っても最近はほとんどお決まりのコースで、あまり目新しいこともない。新しい試みと言えば、小さな孫を一人載せて長旅をしたことだろうか。

    2)高速道路は行楽シーズンでやや混雑してはいたが、いたってスムーズに流れていた。天気予報は雨模様だったのだが、どういうわけか、全線ほとんど雨なし、曇りどころか太陽まで顔を出して、今回、俺って晴れ男?と、やや自信を持ってしまったのだった。

    3)普段はそれこそほんの2~30キロ圏内で乗り回しているマイカーだが、今回は600キロほど走行。ひとつ心掛けたことは、走行速度を安全運転圏内に収めようということだった。

    4)普段は走っているとついつい流れに乗ってスピードが出てしまっていたりするのだが、今回は意識してスピードを下げた。スピードを下げてみると、他のクルマも決して急いで走っているわけでもなく、私も別段に邪魔にされるようなノロノロ運転ではなかった。

    5)高速道路はさすがに高級車も多く、バイクも多かった。トラックや観光バスなどは思ったより少なかったように思う。軽自動車も走っていることは走っているが、少ない。やはりミドルクラスの乗用タイプが長距離には似合うようだ。

    6)今回、ここに特記しておくべきことは燃費のことについてだ。あくまで私の走行の比較だが、同じクルマで同じコースを走っても、追い越し車線を飛ばしていくのと、走行車線を安全運転するのとでは、明らかに燃費の効率が違った。

    7)ズバリ、20~30%は違うのだ。これってかなり大きい。

    8)燃費のいいクルマやエコカーに乗り変えるのも一案だろうが、まずは今乗っているクルマの燃費のいいドライブも学ぶ必要があるな、と思った次第。

    <4>につづく

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    「マネーと国家と僕らの未来」茂木 健一郎, 堀江 貴文, 金杉 肇<2>

    <1>からつづく 

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    「マネーと国家と僕らの未来」<2>
    ハッカーズ、  茂木 健一郎, 堀江 貴文, 金杉 肇  2014/12 廣済堂出版 単行本 197ページ★★★★☆

    1)この本が出たのが2014/12、当時当ブログは、ビットコインというキーワードで10数冊の本を追っかけ、大体の概略をつかみ、最後にこの本を読んだのだった。あれから一年半あまりの日々が経過した。

    2)昨年は春から市民農園を借りてすっかりアウトドアに夢中になっていたので、こっちのほうの話題はちょっとお休みしていた。

    3)その間、世の中では、ビットコインというキーワードはフェードアウトしていったが、自然とフィンテックやらインステックという単語で、何事かのうごめきは続いていたことになる。そのことを、最近また強く意識するようになった。

    4)一年半前に読んだこの本のイメージはあまりいいものではなかった。★2つである。類書を併読していたから、特段にこの本からしか読めないことは少なく、むしろ、この三人のキャラクターだけが浮き上がる形で、正直、ちょっとウンザリして、斜め読みしたのだったと思う。

    5)さて、今回は、この本を再読してみて、自分はどんな感想を持つのだろう、ということに関心があった。

    6)今回、通読してみて、まずは前回よりは印象はアップしていたことに驚いた。本当は★5つけてもよかった気がするが、でも、なんだか薄汚い連中、というイメージが付きまとい、一つ★をマイナスした。

    7)1~2年前の、ビットコインや仮想通貨、あるいはブロックチェーンという現象について語るのは、流行りの好きなアウトロー的な存在が多かったように思うが、現在はむしろ反対に、フィンテックという名前で、金融や行政あるいは企業と言った、いわゆる体制維持派たちが、躍起となってこの話題に参入している感じがする。

    8)それもこれも、グローバル経済の中で、特にアメリカを中心とする経済の新しい波が、この話題を取り上げざるを得ない環境を生み出しているのだと思われる。

    9)この本のタイトル、「マネーと国家と僕らの未来」に即した形で、分解して理解してみる。まず、「マネー」だが、ビットコインやブロックチェーンを、単に「マネー」と言い放ってしまうところに、時代性がある。なれなれしくマネーと言い倒してしまったところに、この「ハッカーズ」という三人組の当時のスタンスの弱さがある。

    10)また、現在、あわてぎみに「フィンテック」というキーワードで「対策」を練り始めた金融関連や企業には、「国家」という領域はあまりいじりたくない、タブーなエリアとして残っていることだろう。知っていつつも、触りたくないのだ。

    11)そして、「僕らの未来」という時、まずは「僕ら」という寄りかかった甘えに似た言葉に、どうも限界がある。一部の「僕ら」の「未来」しか考えていないようだ。これでいかん。

    12)まず、未来については、一部の人間の未来ではなく、広く、地球全体の、人類全体の未来についての考察でなくてはならない。

    13)そして、あえてマネーと言ってしまわないで、価値の在り方、信頼の在り方、なんのために生きるのか、という人生の目的としての、新しい技術をイメージさせる言い方が必要だろう。

    14)国家についても一工夫が必要だ。反国家とか、無政府主義、という挑戦的な形ではなく、人類社会の集団性やまとまりの新形態への対応、という言葉の対策が必要だ。

    15)となると、「新しい技術が開く、新しい社会の在り方と、人類の未来」というニュアンスのタイトルに置き換えていくべき、ということになろう。

    16)ないしは、当ブログとしては、再燃したこの話題をそのような方向で読み解いていくことにする。

    17)パーソナルコンピュータは、自宅でインベーダーゲームができるから素晴らしい、なんていう少ないマニアが喜んでいた時代は短かった。そのことだけではパソコンの魅力も本質も考えることはできなかった。

    18)インターネットにしても、裏本をタダで見ることができる、なんてヨダレを垂らしていた男どもだけが楽しんでいた時代も、本当に短かった。ネットはそんなものではなかった。莫大な可能性があった。

    19)今、ネーミングとしては正しいかどうかわからないが、ブロックチェーンという新しい技術で、向こう見ずの好きモノたちが、ビットコインという投機性にあふれた通貨を持てあそび、それに対抗するかの如く、オーソリティたちが、その技術を逆手にとってフィンテックなどと称して、未来を取り込もうとしている段階だ。

    20)でも、おそらくそれは、パソコンにおけるゲーム、ネットにおけるアダルト、程度のほんの初期的現象でしかないのだ。おそらく、仮称「ブロックチェーン」における「金融ごっこ」などは、ほんの手始めにすぎないのだ。

    21)本当にそうなのかどうなのかは、正直わからない。そうならない可能性も十分ある。しかし、イノベーションというものは、待っているものではなくて、自らが参加し、みんなで作っていくものであるとしたら、「僕らがそれを望むなら」、そっちの方向に強く誘導していけるはずなのである。

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    2016/10/10

    「FinTechが変える! 」 金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス 小林啓倫

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    「FinTechが変える! 」 金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス
    小林啓倫   (著) 2016/06 朝日新聞出版 単行本 256ページ
    No.3800

    1)おなじようなスタンスだが、「FinTech入門」テクノロジーが推進する「ユーザー第一主義」の金融革命(辻庸介他 2016/04 日経BP社)に比較した場合、圧倒的にこちらのほうが面白い。それは、企業ファーストで書かれておらず、むしろ、それこそユーザー視線ファーストに徹底されているからである。

    2)「<未来>のつくり方」 シリコンバレーの航海する精神 (池田 純一 2015/05 講談社)と比較した場合でも、アメリカと日本との対比に終始している池田本に対して、こちらはもっとグローバルな視点で話が進んでいく。大国ばかりではなく、中小の国家におけるそれぞれの事情を考える時、これからのグローバル・ビレッジにおける金融とはなにかを、真剣に考えたくなる。

    3)そしてその視点の中から、やはり日本には日本のシステムや成長過程があるだろう、ということで、実際の我々の生活のレベルまで話が具体的になっていく。

    4)ブロックチェーンやビットコインが持つ、分散型のデータ構造が不特定多数の人々が参加する仕組みを、インターネットと似ていると感じた方もいるかもしれない。実はそうした感覚は、いま数多くの人々が共有しており、現在のブロックチェーンをめぐる状況が「1990年代初期のインターネットと同じ」と指摘する人もいる。

     この表現を聞けば、これから起きるであろう変化がどれほどのインパクトを持つのか、想像できるだろう。実際に世界経済フォーラムは2015年、今後の社会における重要な役割を果たす「6つのメガトレンド」のひとつにブロックチェーンを選び、2023年までにブロックチェーンの政府による利用に転換点が訪れるだろうとの調査結果を発表している。(中略)

     いったいブロックチェーン技術は、社会のどの範囲まで、どのくらいの大きさの変化をもたらすのだろうか。まだその変化は、どのくらいの速さでやってくるのだろうか。正解は数年経ってみないとわからないが、本章で紹介した社会が到来しない可能性だけでなく、それ以上の大変革が生まれる可能性についても考えておくべきだろう。

     上振れという形で予想が外れるというのも、私たちはすでにインターネットにおいて経験している。p220「ブロックチェーンは第2のインターネットとなるのか」

    5)インターネットを通じた仮想通貨という意味では、かつてのバーチャルリアリティ・ゲーム「セカンドライフ」の仮想通貨リンデンドルを連想する部分もある。似ていて非なるものが、実はビットコインのブロックチェーンの技術なのである。

    6)リンデンドルにおけるリンデンラボのように、仮想通貨の流通を中央で管理する機関がビットコインには存在しないという点だ。法定通貨における中央銀行や、電子マネーにおける運営企業(SuicaのJR東日本など)のような「発行主体」も存在しない。

     それでも通貨としての安全性が確保されるように、ビットコインは暗号理論に基づいて設計されており(そのためにビットコイン)は「暗号通貨」と呼ばれることもある)、ごくわずかなコストでその仕組みが維持されている。

     その結果、ビットコインによる決済や送金は、従来の通貨とは比べものにならないほど安く済ませることができる。p202「お金そのものが進化する」

    6)フィンテックのみならず、本書ではインステックにも興味深い角度から触れている。

    7)コンサルティング会社のプライスウォーターハウスターバースが2016年3月に発表したアンケート結果によれば、「フィンテックにどう取り組んでいるか」という問いに対し、23パーセントの保険会社が「取り組んでいない」と回答。

     これが回答の中で、最も割合が大きかった。インステックという言葉は消えたとしても、フィンテックによって最大の破壊的変革を経験するのは、保険業界かもしれない。p162「保険も進化する」

    8)ちょっと入り込みすぎていて、わかりにくいところもある本書だが、意味不明なところが少しあるこの本くらいが、ちょっとワクワクドキドキ感を得ることができて、読書としては面白い。フィンテックなんてもういいかなぁ、と思いつつ、いや待てよ、と思わせられる一冊である。

    9)当ブログとしては、今後、フィンテックのどこにターゲットを絞って調査していくのか、について、大いなる示唆を受ける一冊である。

    10)フィンテックは金融のテクノロジーではなく、社会全体を変えるテクノロジーだ。さまざまな問題をお金とフィンテックの視点から考えてみることで、いままでにない解決法が見えてくるだろう。(中略)

     そして、金融を超えた日常生活と結びつけばつくほど、金融業界に革命的変化を起こし、社会を次世代へと導くだろう。p253「フィンテックは『金融のテクノロジー』ではない」

    11)チェーンブロックやフィンテックというネーミングは、本当の意味での名前をまだ与えられていないのだ。字義的に理解するだけでは本当に起きていることを把握することができない。今のところは仮称チェーンブロック、仮称フィンテック、とさえ呼んでいたほうがいいようにも思う。新しい言葉に新しい意味付けが始まるのはこれからなのだ。

    12)そしてそれが起こるかどうかは、「あなたがそれを望むなら」、というキーワードにかかっている。

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    「FinTech入門」テクノロジーが推進する「ユーザー第一主義」の金融革命 辻庸介他 

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    「FinTech入門」 テクノロジーが推進する「ユーザー第一主義」の金融革命
    辻 庸介 (著),    瀧 俊雄 (著) 2016/4/14 日経BP社 単行本
    208ページ
    No.3799★★★★★

    1)穏健的で、誰が読んでも、なるほどね、とわかりやすい一冊。今のところ、この一冊だけを読んでフィンテック理解と言っても、全然おかしくない。むしろ、この本だってかなり革新的で、すぐにこの世界へと移行できる「ユーザー」はいない。

    2)逆にいうと、「ユーザー第一主義の金融革命」というサブタイトルはウソになるだろう。これは、ユーザー第一主義という看板を掲げたい、企業や専門家たちファーストの世界観である。

    3)かくいう私なぞ、現在のところ、一SOHO経営者として、ずいぶんと使い回してきた会計ソフトを、いよいよバージョンアップするかなぁ、とか、金融業の端くれとして、インステックなどと言われるイノベーションが、いずれやってくるよ、などと業務セミナーの席で驚かされる程度で、実際には、急にはなにも起こらない。

    4)著者は二名とも、個人や中小企業向けの会計ソフトを作っていたり、企業のAPIにかかわるコンサル企業を立ち上げている存在で、ある意味、きわめて穏健。このまま、この著書を持っていって、オタクの会社でコンサルや講演をやらせてください、とプレゼンに使えるような、バランスのとれた良き資料である。

    5)バランスよく、ブロックチェーンなどにも触れてはいるが、その「革命性」などには躊躇せずに、今は使えない、と単純に切り捨てるだけ。両者とも本音ではないだろうが、そういわざるを得ない。触れないでおいたほうが得策と、遠回りしている感もある。

    6)もっとも、フィンテックという語彙には幅があり、このように解釈してもなんの問題もない。こういうものだ、と通り過ぎてしまってもなんの問題もない。

    7)日本でも会計ソフトはインストールベースがまだまだ主流で、弥生の「弥生会計」やオービックビジネスコンサルタントの「勘定奉行」などが知られています。しかし、今後徐々にクラウドサービスを利用する会社が増えてくるでしょう。

     すべてをクラウド化しなくても、請求書発行のような毎月発生する煩雑な作業をクラウド で自動化すると、その便利さを実感できるはずです。p70「企業会計、経営・」業務支援」

    8)さりげなく自社の営業活動を刷り込ませている。

    9)損害保険で今、注目されているのは、「テレマティクス」と呼ばれる保険です。テレマティクスとは、テレコミュニケーション(通信)とインフォマティクス(情報工学)から作られた造語です。

     自動車などの移動体に通信システムを組みわ会わせて、自動車などから走行距離や運転の特徴、例えば、アクセルの踏み方やブレーキの掛け方などの運転を保険会社に送信し、その情報を基に保険料を算出した保険です。

     既に英国や米国では導入が進み、2020年には、契約件数の約2・3割を占めるのではないかともいわれています。p129「保険」

    10)この程度の憶測記事を含ませておかないと、本としては売れない。こんなことも可能ですよ、ということではあるが、外国はいざ知らず、私たちの暮らす日本では、あと数年でこのようになることは、あり得ない。

    11)手間と経費を考えれば、むしろ保険料全体が増加する。いろいろ試みやアイディアはあるが、それを一般化するには、日本社会はもうすでにかなり動脈硬化してしまっている。

    12)いろいろ難はあるが、フィンテックについて、何か一冊、というなら、この本はよくまとまっている。わかったようなわからないような、一ユーザーという立場では、何を「第一主義」にされているのかわからない一冊。

    13)むしろ、「ユーザー第一主義」を掲げる企業や専門家たちにとって、都合のいい未来像を集めた一冊。

    14)「革命」的なユーザーは、こういう本に対しては、本当は、大きく怒りをあらわにしたほうがいい。

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    「さよならインターネット」 まもなく消えるその「輪郭」について 家入一真<1>

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    「さよならインターネット」 まもなく消えるその「輪郭」について<1>
    家入 一真   (著) 2016/08 中央公論新社 新書 253ページ
    No.3798★★★★☆

    1)煽情的なタイトルの割には、内容はいたっておざなりな内容である。「スマホをやめたら生まれ変わった」(クリスティーナ・クルック 2016/09 幻冬舎)と同じように、そもそもがその世界のエキスパートでありながら、それを捨てるというポーズを取って、衆目を集めようとする、あざといタイトルと言えないわけではない。

    2)逆に、「<未来>のつくり方」 シリコンバレーの航海する精神(池田純一 2015/05 講談社)のように、シリコンバレーのことを日本人に教えてやるんだとばかり、これでもかこれでもかと情報をかき集めて送り続けながら、自分のことはほとんど書かない本とは対極にあると言える。

    3)著者については2014年の東京都知事選に、舛添要一、宇都宮健児、マック赤坂、ドクター・中松、細川護熙と言ったお歴々と対等に立候補した若者、というイメージしかなかった。しかし、その立候補は、中学生時代からネットに接してきた人物のほんの最終章にあたる小さな出来事でしかなかったようだ。

    4)さようなら、というタイトルなら、結構書ける。例えば、「さようなら原発社会」でもいいだろうし、「さようなら都市文明」でもいいし、「さようなら地球」でもいいだろう。しかし、簡単には、そのタイトルどおり、そのようにはならない。ならないからこそ、新刊本の売らんかな精神の権化としてこのようなタイトルになるのだろう。

    5)「さようならパーソナルコンピュータ」なら、たしかにそのようには書けるかもしれない。ブラウン管があり、キーボードがあり、マウスやプリンターまでブラ下がっているようなパソコンには、すでに多くの若者が「さようなら」を告げている。それはいつの間にか、タブレットになり、スマホになっている。

    6)そういった意味においては、たしかにパソコンの姿は変わったが、それは単に小さくなってキーボードやマウスが消え、さらに最小になってポケットに入ってしまっただけである。パーソナルコンピュータであることには変わりはない。

    7)同じく、インターネットにしても、電話線を介してピーヒョロロの時代から見れば、常時接続になり、WiFiが充実し、無線接続が当たり前になった現在においては、たしかにちょっと前のことには、さようなら、を言うことは可能だ。

    8)それと同じ意味において、現在のインターネットも、やがては次の世代に取って代わられるわけだから、とにかくさようなら、と言っておくことも可能は可能である。しかし、本質的に、著者もまた、インターネットと言われる、いわゆる人類史におけるイノベーションとまったく手を切る意図があるわけでもないし、すくなくとも、本書においては、それをまったく過去のものとして捨て去る方便をもっているものではない。

    9)意地悪く言えば、所詮、一冊モノにして、すでに何度も書いた自己史をなぞっているだけであり、多少の提言はあるとしても、上から目線で、更に若い世代へと「忠告」しているような内容である。デスマス調で書かれていなかったら、大いなる自慰的なつぶやきで終わってしまうだろう

    10)そうわかったうえでも、この1978年生まれのすでにミドルエイジに達した人物の言行は、わが子世代がどのように考え、どのような体験をしてきたのかを知る上では参考になる。若い若いと言っても、世の中、このような世代がすでに社会の中核になっているのである。若いもんには花を持たせなければならない。

    11)わかりやすい一冊ではあるが、読みようによっては、ちょっと鼻につく本である。

    <2>につづく

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    「WIRED VOL.25」/特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える(あなたがそれを望むなら)<1>

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    「WIRED VOL.25」/特集 The Power of Blockchain ブロックチェーンは世界を変える<1>
    2016/10 コンデナスト・ジャパン 雑誌  不定版
    WIRED関連リスト
    No.3797

    1)秋の行楽シーズンの連休とあり、数日自宅を不在にしていたが、小旅行から帰宅してみれば、ポストにこの雑誌が投函されていた。あ、来た来た。私はこれを待っていたのである。

    2)今号、実は最初はフィンテック特集と、本誌自らが予告していたはずだが、いつの間にかフィンテックというタイトルはずっと後退していて、ブロックチェーンがメインになっていた。

    3)当ブログ、今期はフィンテックがカテゴリ名となっているが、実はこの雑誌が次号でその特集をする、という情報が下敷きになっていたのである。なのに、こうして変更されると、なんだか途中で投げ出されたような気になって、ちょっと寂しい気分ですらある(笑)。

    4)本来、カテゴリ名は暫定的につけてあり、フィンテックに固定したものではない。ここで大きくブロックチェーンと変更してしまっても構わないのだが、いや、それもちょっと違う。むしろ、私は、この雑誌そのもののほうが気になる。いずれ「WIRED」というカテゴリ名に変更するかもしれない。もっとも、そこに行くまでにも、まだ不可解な点がいくつか残っているが。

    5)今号の特集のトップに位置する記事は、未来学者ドン・タブスコットのメッセージである。

     ブロックチェーンは革命だ (あなたがそれを望むなら) p037

    6)かなり刺激的なタイトルである。ブロックチェーンは革命だ。本当にそうか? 間違いはないのか? ある意味、待ちに待ったタイトルである。そして、つづくかっこ書きは、もっと気になるだろう。(あなたがそれを望むなら)

    7)私はこの10年ほど、このブログを書くようになってから、本をほとんど買わなくなった。図書館の利用システムがとても向上し、近くの図書館に全国の図書館の本を速やかに転送してもらうことができるようになり、どんな本でも、このシステムで読めるようになったからだ。

    8)ましてや自宅の蔵書スペースもなくなってしまっている。いまさら老年に向かって自宅蔵書を増やして本に埋もれてしまう気はまったくないのだ。図書館システムには多いに満足している。

    9)雑誌の類もそのとおり。ネットでも大体の内容はわかるし、新刊号なら店頭で気になる記事を完読できる。バックナンバーなら図書館のお得意なところ。ほとんど何の問題もない。

    10)ああ、それなのに、私は、この雑誌の、この号から、有料の、しかも自宅配送の定期読者になったのである。私はこの号が自宅に届くのを、この数週間、首を長くして待っていた。

    11)雑誌を定期購読するなんて、本当に久しぶりのことだ。気になる雑誌があったとしても、その号だけを買えばいいわけだし、毎号毎号気になるなんてことはない。一冊買ったって、全部読むわけでもない。気になる記事に目を通せば、それで大体は終わるのである。

    12)しかしながら、このところ、ず~~と、この雑誌のことが気になってしかたなかった。

    13)この雑誌の存在に一番最初に気づいたのは、「WIRED×STEVE JOBS」 『WIRED』 保存版特別号(2013/10)だった。マック派でもなんでもなかった私は、ジョブスのことは、どちらかというと、いやな奴、というイメージを持っていた。しかしながら、いやいやながら業務で必要となり、iPadを手にするようになってから、そのイメージは変わった。ましてその後、ガラパゴス・ケータイからiPhoneに変更してからは、ほとんど、遅れてきた「マック派」に転向したようなものだった。

    14)でもその時点でも、ポイントはジョブズにあった。この本が、「WIRED」という雑誌の特別号だなんて、意識していなかった。今では、むしろ、ジョブズを超えて、この雑誌の存在のほうが気になってしかたないのだが。

    15)この雑誌はおそらく20年前以上にアメリカで創刊されたものだが、日本においては、忘れもしないあの3・11直後に「創刊」されているのである(2011/06/10)。創刊されたと言っても、形としては、既存の他の雑誌の「特別増刊号」という形だった。

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    16)あれ以来、私はこの雑誌が気になってしかたなかった。ほかにも気になる雑誌はあるのだが、毎号毎号気になるということはない。面白い特集があれば、年に何号かは購入する雑誌は確かにあった。しかし、この雑誌は、毎号気になった。

    17)そして、困ったことに、毎号この雑誌には、私の気にいらない記事が載っているのであった。気にいらないというのはちょっと言い過ぎかも。どうもチューニングできない、私の意見とはちがう、あるいは私の関心の範囲ではない、という記事がいつも載っているのである。

    18)そんなことは当たり前だろう。どの雑誌でもそういうものだ。しかし、さらに困ったことには、そんなどうでもいい記事が、この雑誌に載っている、というだけで、さらに気になってしまうのである。このWIREDで取り上げているからには、なにかあるに違いない、と勘ぐってしまうのだ。

    19)そんなこんなをしているうちに、不定期刊として形をつないできたこの雑誌も、いよいよ隔月雑誌で刊行しつづけるという覚悟を決めたようだ。おそらく経営的にも見通しがついて、日本でもやっていける、という方針が決定したのだろう。

    20)この25号から、ようやく定期購読のシステムができたのだ。私はこの機会に、定期購読者になった。だから、たしか店頭に並ぶより前に、私のポストにはこの号が投函されたのだ。

    21)もっとも、この雑誌は、紙で印刷されて店頭にならぶばかりが入手方法ではない。ネットでも配信されているのであり、タブレット端末で見ることもできる。ましてやタダ読みソフトなどでは、その内容の一部のダイジェストはすでに読めるようになっていた。

    22)私はまだ試していないけれど、紙雑誌の定期購読者には、タブレットでも読めるようにサービスされている。寝床でタブレットで見るのも好きだが、私は、年々すすむ老眼のせいもあり、本当は紙でペラペラ読むほうが好きなのである。

    23)そして、なんと言っても、本や雑誌というものは、読むだけが能ではない。傍らにポンと投げ出されているだけで、何かのオーラを放つ、ということはよくあるのである。読まなくてもいい、気にいらなくてもいい。とにかく格闘していたり、愛していたり、無関心を装ったり、時にはぶっ壊してバラバラにしたり、捨てたり、他人にあげてしまったり。とにかく、モノとしてそばに雑誌がある風景というものも、実にいいのだ。捨てがたい。

    24)というわけで、この雑誌の、今号の特集は「ブロックチェーン」である。内容の記事については、難なしとはしない。イッチャモンつけたいところは、いろいろある。納得したこと、この号で初めて知ったことも、あちこちある。そのことについては、いずれメモすることとして、まずは、この号が手元にきたよ、とだけ、書いておこう。

    <2>につづく                                                                                                                                                                                          

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    2016/10/08

    「FinTech革命」 テクノロジーが溶かす金融の常識<3>

    <2>からつづく 

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    「FinTech革命」 テクノロジーが溶かす金融の常識<3>
    日経コンピュータ (編集) 2016/01 日経BP社 単行本   204ページ
    ★★★★★

    1)今期、当ブログのカテゴリ名として暫定的に選んだのが「Fintech」だった。それがいくら暫定的とは言え、この時期このテーマを選んだということは、決してあてずっぽうであったわけではない。

    2)ひとつには、この言葉が、私の業務上の上でも飛び出しつつあったからである。フィンテック、あるいはインステックという用語とともに、何事かの浮足立つ状況が生まれていることは確かなのだ。

    3)しかし、それが、ことの本質をズバリと突いている、とは、まだどうしても私には思えない。当ブログは、スタート以来なんとか業務からみのブログにならないかと、実は私なりに努力はしてきているのだ。いろいろ試みた。だが、その試みは長くは続かない。いつの間にか、趣味的というか、もっと私的業務から離れて、どんどん一般論になっていくのが常であった。

    4)おそらく、私の日常的な業務に関連させていくのなら、むしろこのフィンテックというジャンルに絞り込んで、より自分の業務のイノベーションにテーマを絞りこんでいくべきなのだろう。だが、そうならないだろうことはすでに予感から実感へと移っている。

    5)中学校時代のクラスメートで、同じバスケット部のチームメイトだった友人は、いまや地方銀行の頭取である。あの、スポーツもできて、頭も切れて、なんでも一生懸命やる彼なら当然だとは思う。が、それにしても、人生わずか40年50年の間には、大きな差がつくものだ、とわが身と比較して、驚愕する。

    6)だがしかし、私は私で別段に劣等感を感じているわけでもなく、それなり自分の人生に納得満足しており、また、彼はまた人もうらやむような出世街道を歩んだわけだが、その苦労も、友人の一人として、まったく知らないわけでもないし、この長期不景気が続く時代において、当面しているだろう課題も大きかろうことを推測し、そのご苦労も推察するものである。

    7)ましてやこのフィンテックの時代、彼は具体的に、どのような課題に直面し、どのように解決していくのだろうか、と、思いを巡らしてみることもある。これもまた、フリーな立場である自分の身軽さがあった上の話であろう。

    8)かたや地銀の頭取に比較すれば、わがSOHOのなんと、身軽すぎることか。所詮長年使ってきた会計ソフトを、バージョンアップするべきかどうか、なんてことを悩んでいるのだから、まぁ、お気軽といえばあまりにもお気軽である。

    9)この本には、会計ソフトの話題もいくつかピックアップされている。ベンチャーと言われているタイプのネット会計ソフトのCEOなどもインタビューに答えており、なるほど、最初はあまり気にはならなかったが、一度このネットにつないで、その会計ソフトを使ってみようかな、なんてことを思ったりする。

    10)しかし、やはり、当ブログとして取り組むべき話題は、結局はフィンテックではない。その本質であるブロックチェーンであろうし、パーソナルコンピュータ、インターネットにつづく、さらなるイノベーションはどのような形でやってくるのか、というテーマである。

    11)自宅でインベーダーゲームができる、というレベルでパソコンをとらえていたら、次なるものは決して見えてはこなかった。パソコンで裏本をただで見れる、というレベルでみていたら、インターネットの本質などわかるはずはなかったのである。

    12)自分の金融業としての業務がどのように変わっていくのか、とか、送金手数料が安くならないか、いい投資先はないのか、というレベルで見ているだけなら、おそらく現在進行形のイノベーション全体は見えてこない。

    13)ではでは、一体全体、やがてやってくると言われるシンギュラリティ状況へのステップアップとしてのこのブロックチェーンを取り巻く環境は、今後どのようなものへと変質していくのか。そこのところは正直まだわからない。わからないからこそ、今後も注意深く、みつめ続けていく必要を感じる。

    つづく

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    2016/10/07

    「FinTech革命」 テクノロジーが溶かす金融の常識<2>

    <1>からつづく 

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    「FinTech革命」 テクノロジーが溶かす金融の常識<2>
    日経コンピュータ (編集) 2016/01 日経BP社 単行本   204ページ
    ★★★★★

    1)ブロックチェーンという根幹技術は、まずはビットコインというマスクをかぶって、<勢い>をもって登場した。それに呼応したのが、銀行や決済機関、送金システムなどを含むフィンテックといわれる<波>であった。

    2)そして、もっと大事な<アングル>は、1970年代のパーソナルコンピュータ、1990年代のインターネットに続く、ブロックチェーンというさらなるイノベーションである(進化とも革命とも)、というフレーズである。

    3)思えば、1970年代の末、私たちの目の前に初めてやってきたのは、おそらくインベーダーゲームという、当時大流行した喫茶店用の専用ゲーム機だった。どこの店からもピコピコという音が聞こえてきた。

    4)連続的な反射神経を要するゲーム機は、青少年たちを夢中にさせた。私などは、あっという間にコインを10個20個飲み込んでしまうゲーム機に夢中になれず、ああ、こりゃ、だめだ、と早めに切り上げた。

    5)しかし、それからパソコンが登場し、そのパソコンで何をやるの?と聞かれたら、やはりインベーダーゲームをやれるよ、ということだったので、ああ、それはどうかなぁ、と嘆息した。半面、ルービックキューブが図解入りで一人で完成図に向かっていくカラーページには実にビックリした。

    6)それからパソコンという「箱」は、さまざまなことができるようになった。星占いも、表計算も、ワープロもできるようになった。あれもこれもできるようになり、人々は、一体パソコンには何ができるのか、あれこれ考えるようになった。

    7)パソコンという存在の、本当の技術革新は、半導体という最も根幹にあったのだろう。単なるそのチップだけ見せられても、私のような専門外の人間には、やがてそれがパソコンにつながり、日々の業務や遊びなどがどんどん置き換えられていくことなど、想像もつかなかった。

    8)ワープロ専用機をつないで文章だけのパソコン通信をしていた私は、インターネットという画像が飛び出してきたのには、本当にびっくりした。電話線をつないで、大変な時間と大変な電話料がかかったが、その通信の向こうには、久しぶりに再会する昔の多くの友人たちが続々登場した。

    9)最初は、ネットつながりであることだけで素晴らしかった。たわいのない雑談をするだけの仲間ではあるが、彼らとも、またネットでつながり得るんだ、という驚きは大きかった。ネットするだけで満足だった。

    10)しかし、それはどんどん活用範囲が広がっていった。ホームページを作ったり、チャットで一晩中話せるようにすらなった。そして、アダルトページが闊歩した。しかし、そこにとどまっていたら、今日のネット社会は登場しなかっただろう。また、本当にあの当時、今日のインターネットの「繁栄」を予測し得た人々はいただろうか。

    11)インターネットがこれだけつながり得たのは、パーソナルコンピュータという基礎が限りなく広範に広がったからだし、やがてケータイやスマホ、タブレットという進化を遂げることによって、その基盤を広げたからだった。

    12)さて、ブロックチェーンという<勢い>は、やはり、通信手段としての常時接続や携帯可能な通信手段スマホという機器が、ごくごく当たり前に入手できる21世紀だからこそ登場しえた存在であるといえる。

    13)おそらく、ブロックチェーンという基礎技術は、半導体や、TCP/IPという通信プロトコルの発明と同じように、基礎の基礎となるものであろう。そこから何を生み出すのかは、これから、それぞれのイノベータ達が競いあっていく中で、より明確になってくるだろう。

    14)現在、パソコンでインベーダーゲームをしたり、インターネットでアダルトページを見ている、というそれだけの、最初の最初のところにいるのが、ブロックチェーンとビットコインなどのいわゆる「フィンテック」などの現在の次元であろう。

    15)ゲームやアダルトサイドだけに目を奪われていれば、そこから未来が見えなかったように、ブロックチェーンからフィンテックレベルだけのイメージしか浮かばなければ、おそらく、ブロックチェーンの本来の意味を大きく見失ってしまうことになるのだ。

    16)最近は、そう思うようになってきた。

    17)半導体のおそろしいほどの緻密さ、TCP/IPの限りないほどの膨大さ、それに対応するほどの遠大な計算システムに支えられているブロックチェーンだが、それは次なるイノベーションの米粒となるのだ。

    18)ブロックチェーンという<勢い>には、本当にそれだけの<勢い>があるのだろうか。それは専門家ならざる私にはわからない。フィンテックという<波>は、ブロックチェーンの成果の最終形態なのだろうか。そうであるなら、結局私などは夢中になり切れず、すぐに飽きるだろう。

    19)パーソナルコンピュータ、インターネットに続く、根幹的なイノベーション(進化&革命)と言われるほどの<アングル>の中に、本当にブロックチェーンは成長していくのか。そこをみきわめなければならない。

    <3>につづく

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    2016/10/06

    「<未来>のつくり方」 シリコンバレーの航海する精神

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    「<未来>のつくり方」 シリコンバレーの航海する精神
    池田 純一 (著) 2015/05 講談社 新書 320ページ
    No.3796★★☆☆☆

    1)3・11震災直後に読んだ「ウェブ×ソーシャル×アメリカ」<全球時代>の構想力(2011/03 講談社)には感動した。だいぶ真面目に読んだし、ためにもなった。しかし、ほとんどが震災以前に脱稿された本だったので、そこのところがとても残念だと思った。

    2)この人の震災後の本ならきっと面白いだろうと期待して読んだ、「ウェブ文明論」(2013/05 新潮社)、この本は、結局、前著の焼き直しであり、また3・11に対する本格的な言及がなかったし、どうも個人的には接点を感じることができなかった。

    3)また、3・11以前にすでに出版されていた「デザインするテクノロジー」情報加速社会が挑発する創造性(2012/10 青土社)も、どうも私が読みたいと思うような内容ではなかった。 

    3)そして今回、この本を読んだ感想はやはり似たようなものだった。この本が最初の一冊なら、それはそれで面白いのだと思う。しかし、どうも同じような本であるし、確かに第一冊目よりかはスマートになってはいるのだが、濾過された分、どうも苦みもなくなり、ひっかかりも少なったイメージである。

    4)どうも面白くない。視点が違う。結局その皮膚感覚は見事に当たったようだ。最後の最後になったが、著者の言葉にこういうところがあった。

    5)このように文明ないし文化ごとの時空感覚の差異は、根本的なところで未来への態度を決める。この点では、19世紀末に東洋と西洋の狭間に立って、両者の間の文化交流を促した鈴木大拙の科学観が参考になる。

     大拙は、シカゴ万博が開催された頃のシカゴに8年間滞在し、禅をアメリカに広めるのに貢献した。同時に、プラグマティズムの創始者の一人であるウィリアム・ジェイムズの思想を日本に---特に同郷人の西田幾多郎に---紹介したことで知られる。

     その大拙は、「科学教育の振興につきて」というエッセイの中で、「東洋民族の中でどうして科学が発生しなかったのか」と問い、西洋が科学が生まれた土壌や、そこから生じた科学の精神を知ろうとしなければ、仮に科学の天才が生まれたとしても、それは属人的で突発的な出来事でしかなく、永続性や普遍性を持たないと指摘している。

     要するに、西洋由来の科学的精神にまで立ち返る必要があるということだ。この指摘は、大拙自身が、東洋と西洋の双方の思想に通じていただけに謹んで受け止めるべきものであろう。p313「あとがき」

    6)結局ここで著者は鈴木大拙の言葉を借りながら、東洋(日本)人としての自分は西洋(アメリカ)に行き、そのレポートを東洋(日本)に向けて、発しているだけであることを明確にする。つまり、この本はシリコンバレーの最近の動きをコンサルタントとして、日本におけるクライエント向けにまとめているだけであり、東洋や西洋という枠組みを超えた、あるいはネットやITという世界を超えた、全体的な人間としての、未来の姿を、自らの道として探ろう、としているわけではないのだ。

    7)取材者ではあっても、求道者ではない。そこんところが、一読者の私としては、どうも納得がいかないのだろう。

    8)ご説ごもっとも。それで、あなたは? といつも問いたくなるのはそのせいなんだな、と納得した。

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<3>

    <2>からつづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 <3>
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    1)原題は「THE INEVITABLE」UNDERSTANDING THE 12 TECHNOLOGICAL FORCES THAT WILL SHARPE OUR FUTUER」である。邦題は当たらずとも遠からずだろう。

    2)12の法則と言われるものはそれぞれ12章のタイトルになっている。

    1.BECOMING(ビカミング)
    2.COGNIFYING(コグニファイング)
    3.FLOWING(フローイング)
    4.SCREENING(スクリーニング)
    5.ACCESSING(アクセシング)
    6.SHARING(シェアリング)
    7.FILTERING(フィルタリング)
    8.RIMIXING(リミクシング)
    9.INTERACTING(インタラクティング)
    10.TRACKING(トラッキング)
    11.QUESTIONING(クエスチョニング)
    12.
    BEGINNING(ビキニング)   p5 「はじめに」

    3)それぞれのタイトルに合わせたような形で、現在の話題になっているような事象をひとつひとつ取り上げていく。これだけではわかりにくいので、あえて要約した形で日本語に訳しておくと・・・。

    1、なっていく。永遠にアップグレードをし続けること。
    2、認知していく。認知されていく。
    3、流れていく。コピーなどとして流れつづけていくこと。
    4、スクリーン化していく。一つの画面として見ること。
    5、アクセスしていく。所有せず、活用すること。
    6、シェアしていく。秘匿化せずに分かち合うこと。
    7、フィルターをかけていく。本当に必要なものを順に選別する。
    8、再統合していく。異質だったものを混ぜ合わせてみること。
    9、相互作用していく。複数のものを同時にかかわらせてみること。
    10、追跡していく。データや活動を常時見続けること。
    11、問うていく。次から次へと質問しつづけること。
    12、始めていく。今こそ新しい時代の夜明けであること。

    4)と、まぁ、一読者としての意訳で理解したのだが、まぁ、当たらずとも遠からず。この結論に至るまで、ケヴィン・ケリーは具体的なシリコンバレーやネット上での例を挙げて、つなげていく。実際は、インターネットの次に来るもの、というよりは、この30年間のパーソナルコンピュータからインターネットの社会で起きていることを、ごく最近までの経緯として網羅しているだけであり、そこからさらに次に来るものについては、実際は、読む読者そのものがおのおのイメージしなければならないことになる。

    5)ビットコインやブロックチェーンについては、明確に章立てて書いてあるわけではないが、5.ACCESSING(アクセシング)に詳しい。

    6)ブロックチェーン推進派の中には、分散化・」自動化したブロックチェーンのテクノロジーを使えば複雑な照合作業を順に続けていく取引(例えば輸出入業務)を可能にするツールが作れると提案する人もいて、すなると、ブローカーに頼っている多くの業界で大きな破壊的変化が起きる。

     ビットコイン自体が成功するかどうかは別にして、ブロックチェーンのイノベーションによって不特定多数の間で非常に高い信頼性を確保できるようになれば、さらに制度や産業の分散化が進むだろう。

     ブロックチェーンの重要な側面は、それが公的な共有地(コモンズ)の性格を持つことだ。誰もそれを所有しているわけではなく、言うなれば、皆が所有している。創造する行為がデジタル化すれば、それはより共有され、共有されれば所有者はいなくなっていく。

     誰もが所有するということは、誰も所有していないことに等しい。それこそ、共有財産やコモンズの意味するところだ。p161「ACCESSING」

    7)ここからもまた、ドシロートの一読者としての感慨だが、インターネット世界での、永遠に続いていくアップグレイドやとどまること知らないクラウド化の波の中にあって、個的に所有することができなくなっていく生産物や所有物に対して、ブロックチェーンは、その仕組みそのものを全体で共有認知しながらも、そのプロセスを誰もが改ざんすることができない形で表現し、保存しつづけることができる。それはまるで、インターネットの本質とは、真逆の性格を持った機能なのだ。

    8)共有しつつも、ほぼ確実にその個的な信頼を確保することができるという、ある意味、インターネットが生み出した、真逆の仕組みこそ、インターネットを超える革命的な発明である、と言われる所以である。

    9)この機能は、現在はビットコインなどの仮想通貨などで具体化し始めているが、さらに別な形で表現され活用される日を待っている。誰も管理せずにしかも確実に信頼されるもの。考えてみれば、そんなものほとんどない。お空に浮かぶ太陽かお月様くらいしかないのではないか。

    10)ネグリ&ハート、 マルチチュードが、憲法、貨幣、武器、を自らで管理しないことには、「<帝国>」を乗り越えることはない、と喝破する。おそらく、ここで言われるところの貨幣のイメージに、ビットコインなどの発展形の仮想通貨が台頭してくることはありうる。

    11)そして、その貨幣が現在はそれぞれの国家が発行し管理していることを考えると、その根本的な足場を崩しつづけていく可能性は高い。現国家体制が、その対応に苦慮している姿が目に浮かぶ。しかし、技術革新はもっともっと進むだろう。国家が仮想通貨を追い落とす前に、国家自体が破壊的ダメージを受けてしまう可能性は高い。

    12)さらに、国家的存続の意義が薄らいでいけば、一国的なルール「憲法」もまた、別な仕組みで、他国と融和的、あるいは共有として再作成されなければならない時期もくるだろう。ECからのイギリスの離脱など微妙な現象もあるが、地球大に広がった村には、それほど際立ったローカルルールは不要になるはずである。

    13)憲法があり、貨幣があればこそ存立しえた「国家」という途中経過的残照は、次第にその姿を薄めていくだろう。そして、いずれは「戦争」しようとしても、誰が誰と戦うのだ、という「アングル」を失って、それを支える「波」も胡散霧消していくことになるだろう。

    12)今、国家というものは、本当の「勢い」を持っているだろうか。必要悪だった現代国家というい概念は、いずれは、地球の一部地方を指し示す、町名や山や湖を指すような用語となるだろう。あちらの海と、こちらの平原では、確かに違いがあるが、山も海も湖も平原も砂漠も山岳もあってこその、ひとつの地球なのである。それは誰に所有されるものでもなく、誰もが所有することができる、共有財産(コモンズ)なのだ。

    <4>につづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<2>

    <1>からつづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 <2>
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次

    1)まだ読み始めて、第1章、第2章、そしてやく半分あたりまで読んだところであるが、思い浮かんだことを書き留めておく。

    2)この方は、やはりシリコンバレーやイノベーターたちの活躍については極めて詳しい。通常のユーザーでは知りえない様々な裏事情まで知り尽くしているという意味では、プロレス界の裏事情をより細かく教えてくれた「悪役レスラーのやさしい素顔」(2015/03 双葉社)のミスター高橋を連想した。

    3)ピーターことミスター高橋は、実際に長年にわたりアントニオ猪木率いる新日本プロレスのレフリーを務めた人物だが、ウェイトリフティングの猛者でもあり、またマッチメイカーとしても長年活躍した、プロレス界の裏の裏まで知り尽くしている人物でもある。リング上からしか知りえないこともたくさん教えてくれる。

    4)それに比するところのこのケヴィン・ケリーもまた、花形プロレスラーでも話題の極悪ヒールでもないにせよ、研究所や雑誌の編集者として、シリコンバレーのイノベーターたちの間を長年動き回ってきた猛者であることは間違いない。彼でなければ知りえない裏事情もあるに違いない。

    5)そして、ミスター高橋が、プロレス界を論じて、「勢い」、「波」、「アングル」という言葉を使っていたことを思い出した。まず、ベビーフェイスにせよ、ヒールにせよ、その登場の仕方に「勢い」がなければならない。そして、どれだけの「波」を感じているか、どれだけの「波」を起こせるかが重要だと述べる。

    6)さらに彼が重要視し、何度も口にするのは「アングル」である。つまりは物語の大枠である。

    7)例えば、相撲界で関脇まで上り詰めた力道山の「勢い」。これだけでは、仮に大関・横綱まで上り詰めたとして、これだけのヒーローにはなれなかった。彼はプロレス界に転じて、柔道やほかの格闘技などの「波」をつかむ。そして、最後は、外国からやってくる悪者レスラーたちを、バッタバッタと空手チョップでなぎ倒す、戦後日本に登場したヒーロー、という「アングル」がなければ、これだけの伝説のヒーローにはなれなかった、という具合である。

    8)あるいは、初代タイガーマスクのことを考えてみよう。もし彼が佐山サトルというレスラーであり続ければ、軽量級のシューターとして、マニアの目には留まったかもしれないが、あれだけの空前絶後の旋風を巻き起こすことはできなかっただろう。

    9)まず、シューターとしての「勢い」があった。そして、ジャイアント馬場率いる全日本プロレスに対抗する新日本プロレスに何か新しいヒーローを期待する「波」を受け、漫画やテレビアニメから抜け出るような「アングル」で、登場したからこそ、国民みんながこぞって、あの四次元殺法にフィーバーした、といういことになる。

    10)ではこのたとえを例えば、パーソナルコンピュータにあててみよう。もし、コンピュータといういものが、IBMを筆頭とする巨大コンピュータを制作する大企業の独占物であったならば、おそらく現在のIT社会など登場しなかったのだ。その「勢い」だけでは、人類史に与える影響は限定的なものであった可能性が高い。

    11)ところが、その巨大コンピュータを個人で所有したい。もっと小さくで安価で、使いやすいものにしたい、という「波」があった。それを体現化したのがスティーブ・ジョブズであり、あるいはビル・ゲイツたちであった。

    12)彼らの動きは、巨大な像に立ち向かう、か弱きアリか、虫けらのような存在でしかなかった。その彼らが、次第々々に巨大コンピュータと同等の性能を持つパソコンを自作し、あるいは次第に大量生産することによって、さらに安価に導く成功譚という「アングル」を作りえたからこそ、パーソナルコンピュータは、「革命」に成功したのだ。

    13)インターネットも、特殊な研究機関や大学を結ぶだけの、限られた機能だけだったならば、いくらパソコンが普及するという「勢い」があったとしても、これだけの変革はできなかった。それは私ももちたい、僕もほしいとなり、学生や研究者だけでなく、ゲームに走る子供や、家庭の主婦など、そしてあらゆる職場という「波」があったればこそ、やがて、「世界が一つにつながる」というアングルが可能になり、もはやインターネットのない世界など考えられない、という時代まで走ってきたのであった。

    14)さて、これからが問題である。結論部分まで読んでいない段階では軽率だが、パーソナルコンピュータ、インターネットの次にくるものはなにか、と多くの人が考えている。そして、その答えの一つが、ブロックチェーン、なのだ。

    15)ブロックチェーンはまだ、ブレイクスルーしたとは思われていない。しかしその直前である、という見方が大勢を占めている。ブロックチェーンの一番最初の話題は仮想通貨ビットコインであった。一部の関係機関が粗相したというニュースで始まったこの話題は、実は、まだ多くの人々の理解を獲得したとは言えない。まだ「波」をつかんでいないのだ。

    16)あえていうなら、最近、このビットコインを含めた形で、金融や産業、政治を巻き込むように「フィンテック」という言葉が乱発されるようになってきた。ファイナンシャル・テクノロジーの訳であるフィンテックは、まだまだ未知のモノとして、イノベーターたちの話題になっているに過ぎない。しかし、彼らはどうやら、このブロックチェーンが次なる大きな「波」をつかむであろう、とみている。

    17)ケヴィン・ケリーはおそらく、この後半部分で、そのことに触れるであろう。読みながらわくわくしているところだが、さてわが身に立ち返った場合、モノとしてのパソコンから、ネット社会へと移行してはいるものの、まだまだ、その本質をわが物としていないのではないか、という忸怩たる思いが湧いてくる。

    18)彼に言わせれば、クラウドに情報を預けるのは当たり前のことだし、日々、データやソフトがアップデイトされ続けていくことは当たり前なのだ。そのことが当たり前になってこそ、次なるイノベーションがやってくる、というのだ。

    19)グレードアップに乗り遅れたパソコンやプリンターに、いまだ頭を悩めている私なぞには、なかなか耳の痛い話ではあるが、たしかに彼のいうことには一理あると思える。

    20)しかし、ドシロートながら、私の見るところ、このブロックチェーン、ビットコイン(仮想通貨)、フィンテックという「勢い」は、まだまだ大きな「波」をつかめていないばかりか、残念ながら、さらなる「アングル」を獲得していないように見える。

    21)おそらく、国家を超えて活動する仮想通貨の時代は来るだろう。それは技術がすでに可能にしている。それを金融界や国家がどのように対峙しようかと思案しているのが現在の構図だ。このままフィンテックが進展していけば、それなりの「勢い」の加速にはなるだろう。しかし、それはおそらくインターネットの発展に比較した場合でもまだ「波」とは呼べないだろう。もっと、地球全体を巻き込まないとダメだ。

    22)この地球上にある最大の問題は何か。戦争という愚かな行為であり、その戦争を引き起こす国家の存在である。そしてその国家たらしめようと、力の根源に据えられているのが原子力発電(核武装)である。ここを解決しないといけない。

    23)二年前に「マネーと国家と僕らの未来」(茂木 健一郎, 堀江 貴文, 金杉 肇 2014/12 廣済堂出版)という本がでた。まだまだ説明不足だと思うし、直観的にはわかっていても、まだまだ具体化が遅れている。また大きな「アングル」を提供するにはまだまだ役不足だ。

    24)ブロックチェーン、ビットコイン(仮想通貨)、フィンテック、という「勢い」が、この地球上に渦巻く平和への行進の「波」をつかんでほしい。そして、「地球上から、戦争、原発(核)、国家をなくす」という大きな大きな「アングル」をとらえた時、おそらくそれは、本当に、パーソナルコンピュータ、インターネットの次に来る、本当のイノベーション(革命や進化)と呼べるものになるに違いない。

    <3>につづく

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    2016/10/05

    「48歳からのウィンドウズ10入門」<7>

    <6>からつづく

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    「48歳からのウィンドウズ10入門」 

    リブロワークス (著) 2016/4 インプレス 単行本(ソフトカバー): 128ページ 目次
    ★★★☆☆

    <7>プリンター

    1)ケヴィン・ケリーがなんと言おうと、やっぱりまだまだ使えるものは、最後の最後まで使いたい。修理、改造、再利用、アップグレード、なんであろうと、モノは大事にしなければならない。使い捨て文化が美徳だなんて、言わせておいてはならない。

    2)まずは、古機③の点検から始まった。すでにサポート期間が終わったスタンドアロン機であるが、重要な役割を担っている。いまや会計ソフトはこの古機③でしか動かない。そして、すでに休眠に入っている古プリンターでしか印刷できない。これでは困る。

    3)そこで、ネットにつながる最新OSの他機で、専用のドライバーをダウンロードし、メモリースティックで古機③に無事インストール。現プリンターでも印刷できるようになった。これで、形としては、古プリンターは廃棄する準備はできた。

    4)この過程で、もうすでにサポートが終わってしまって、ネットにつなげることができないと思っていた古機③は、実は、まだまだ現役で使えることがわかった。まず中間OSにグレードアップすることができるし、必要ならば最新OSにだってアップグレードできるのだ。

    5)これは朗報だろうか、凶報だろうか。4台すべてが最新OSになるというのは、なんと素晴らしいことだろう、と思いつつ、会計ソフトのことが気になる。会計ソフトは、古機③が古機として存在してくれていてこそ活動できるのである。最新OSになってしまえば、すぐに会計ソフトはまったく使えなくなる。これは困った。

    6)会計ソフトについては現在調査中だが、手元にある旧バージョンを使っていても、まだまだ問題はないし、はっきり言って新しいソフトだからと言って、あまり目新しいことはないのだ。反面、その割に経費は大きくかかる。

    7)ここは、おとなしく古機③は古OSに固定して、旧会計ソフト専用にすべきなのだろうか。おそらく新会計ソフトを準備すれば、これから10年は使えるだろう。そうすれば、多少高くても割安になる、というものである。悩む。

    8)これを調べる過程で、もうすでに何もなくなっていたと思っていた古機③の内部データは、実は調べてみるとたくさんあった。単純に削除していいものではなかったのだ。だいぶ時間が経過したからこそ、今になって貴重な存在となったデータもある。確認、整理、大量削除が必要である。

    9)そして、もっと大発見があった。実は、もうすでに廃棄準備が完了した旧プリンターだが、調べてみると、リペアして復活する可能性も十分あるのだ。そうだろうなぁ。私としては当時として最上位機種を選んだのだ。値段でいけば、現プリンターの10倍はする。プリンターだけはなんとかいいものを買おう、と実に奮発したものだったのだ。

    10)これがリペア可能である、というのは朗報だ。メーカーのサポートは一年前に問い合わせた時点で、もう使えませんの一本槍だった。こちらも忙しかったし、メーカーがそういうならそうなのだろう、と思ってはいたのだが、今回調べてみれば、いやいやそんなことはない。まだまだ使える可能性がでてきたのだ。

    11)印刷紙のセッティングも2Wayだし、インクタンク数も多く、印刷もきれいだ。厚紙の印刷紙も使えるし、なんと言ってもスキャナー機能が優れているのだ。この機能だけでも残しておきたい一品なのである。

    12)ここに来て思わぬ展開である。会計ソフトと古機③の問題はひとまず保留として、旧プリンターの復活の可否が、目下のテーマになりつつある。

    つづく

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    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー<1>

    71jnk7sfvgl
    「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則<1>
    ケヴィン・ケリー (著),    服部 桂 (翻訳) 2016/07 NHK出版 単行本: 416ページ 目次
    No.3795

    1)人気本である。なかなか私の番が回ってこなかった。当然であろう。ケヴィン・ケリー、目下、もっとも注目を集めるべき地球人のひとりである。その最新刊である。

    2)最新型のコンピューターも融通が利かなくなる。使っているうちにアプリも古びてくる。プログラムも陳腐になる。新しいソフトもすぐにほころんでいく。あなたのせいではなく、勝手にそうなっていくのだ。それが複雑であればあるほど、より多く(より少なくではなく)注意を払わなければいけない。変化へと向かおうとする自然の傾向は、最も抽象的だと思えるもの---ビットにさえ及ぶのだ。 

     こうしてデジタル世界の景色を変えようと攻撃が始まる。周りのものがすべてアップグレードされたら、自分のデジタル機器にもその圧力がかかってメンテナンスが必要になるのだ。あなたはアップグレードしたくないかもしれないが、他人がやっていたら、あなたもせざるを得ない。それはアップグレードの軍拡競争だ。 

     私はずっと自分のデジタル機器を(まだ使えるのになぜだと思いながら)、最後の最後にいやいやながらやっとアップグレードしていた。それがどんな結末になるかはお分かりだろう。一つアップグレードすると途端に他のものもアップグレードが必要となり、さらにそれがあらゆるものへと飛び火する。 

     私はある小さなアップグレードをしたせいで、自分の一生の仕事をダメにした経験があるので、ともかく何年でも延ばせるものは延ばしたい主義だ。 

     しかし個人が使うテクノロジーがどんどん複雑になってくると、周辺機器ともお互い依存するようになり、それは生きた生態系(エコシステム)のようになっていくので、アップグレードを遅らせることはより破壊的な結果をもたらすことになる。

     現在進行中の小さなアップグレードを放っておくと、それがどんどん溜まっていき、最終的に行われるアップグレードがとんでもなく大変なものになる。そこでいまでは、アップグレードはある種の衛生手段だと考え、テクノロジーの健康を保つための健康法だと思うようにした。

     テクノロジーのシステムにとってアップグレードを続けることは不可欠なので、主要なコンピュータのOSやいくつかのアプリでは、自動アップグレードが行われる。マシンは陰に隠れて自らをアップグレードし、時間と共に静かに自らを変えていくのだ。これは徐々に行われるので、われわれはそれが何かに<なっていく(ビカミング)>ことに気がつかない。

     われわれはこの進化を当たり前に受け取るようになるだろう。p17「BECOMING」

    3)いやはや、泣いた。あのケヴィン・ケリーすら、このような状態であったのである。私はずっと自分のデジタル機器を(まだ使えるのになぜだと思いながら)、最後の最後にいやいやながらやっとアップグレードしていた。まさに現在の私の立場のような状態だ。

    4)しかし、さすがにケヴィン・ケリーである。そこでいまでは、アップグレードはある種の衛生手段だと考え、テクノロジーの健康を保つための健康法だと思うようにした。なるほどなぁ。私もそこまで、自分の考え方をグレードアップできるだろうか。

    5)私はここまで読んで、すっかり「掴まれて」しまった。ぐいぐい彼の世界へと引き込まれていく。そして頭の中では、はてさて、会計ソフトはどうしようかなぁ、すでにスタンドアロンの古機③はどうしようかなぁ、プリンターは、どうしようなかなぁ、と考え続けていた。

    <2>につづく

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    「ご挨拶」Theater Group "OCT/PASS"

    Img_6583

     本日封書がとどきました。

     新作上演のお知らせかな、と期待したのですが、中身は以上のような内容でした。当ブログとしても、若い時代から一緒に育った同時代の友人たちの活動なので、人並み以上の関心をもって見つめてきました。特に3・11以降の活動におおいに期待していた劇団だったので、本日この挨拶をもらって、感無量です。

    石川裕人関連リスト

    劇作家・石川裕人・年表(私家版)

     劇団Theater Group "OCT/PASS"は、小学校からの友人の一人として私の目から見た場合、彼が主催した4つ目の劇団でした。劇団座敷童子、洪洋社、十月劇場、そしてTheater Group "OCT/PASS"となりました。

     もっとも歴史としてはもっと最後の劇団が最長の活動でしたが、その間、さまざまな経緯がありました。身近で見ていた私たちには、どこまでが私たちで、どこからが彼らなのか、境目がわからなくなるほどの、多彩で重層な活動を続けてくれました。

    Theater Group "OCT/PASS"ホームページ

     多くの若者がその創作活動に加わり、多くの作品を残すとともに、さらに多くの人材を残しました。演劇人や、独立劇団、その他、彼らの意思は、今後も力強く持続発展していくものと確信しています。

    「石川裕人劇作日記 時々好調」

    「石川裕人百本勝負 劇作風雲録」

    宮城県復興支援ブログ「ココロ♡プレス」

     たくさんの思い出を残してくれた石川裕人とその仲間たち、とくに最後の最後までそのスピリットをともに掲げて疾走した劇団Theater Group "OCT/PASS"の歴代の団員の皆さまに心より敬意を表します。

     どうもありがとうございました。それぞれの道においての、今後のさらなる飛躍を期待しております。

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    「スマホをやめたら生まれ変わった」クリスティーナ・クルック

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    「スマホをやめたら生まれ変わった」  
    クリスティーナ・クルック (著) 2016/09 幻冬舎   単行本: 310ページ
    No.3794★★★★☆

    1)またまた気をてらったタイトルである。そもそもの原題はThe Joy of Missing Out : Finding Balance in a Wired World である。当たらずとも遠からずではあるが、日本語と原語では、かなりニュアンスが違ってくる。特に読み手にとっては、かなりのイメージの違いが生じるであろう。

    2)かつては草思社にこの手のタイトルが多かったが、なるほどこれも幻冬舎か。あり得るな。

    3)この本の著者は確かに女性ではあるが、はやりに乗ってスマホを手にとり、いい加減疲れて、ああ、やっぱりアナログはいいなぁ、とつぶやいているような本ではない。むしろ、ITや情報社会の先端にいる専門家だ。イノベーターと言ってもいい。決してその辺のラガードおばちゃんが書いた本ではない。

    4)そんなこと、タイトルに惹かれたからと言って、一ページでもめくればすぐわかることではあるが、出版社の意図として、このようなタイトルは、私はあまり好きではない。むしろ原題にある Wired World という単語に注目する。

    5)今回、当ブログは期を区切ってあたらしいカテゴリーを始めたところだが、タイトルを「FinTec」とした。近日発売の「WIRED」誌の今号の特集が「FinTech」でもあることから、半分妥協的にスタートしたことのタイトルだが、私はむしろこの「wired」という言葉を追っかけている最中である。

    6) wired とは ピン留め 主な意味 針金で補強した、有線の、盗難警報機がついている、興奮した、(麻薬に)酔った Wiblio

    7)という意味らしいが、スラング辞典によれば、さらに若干のニュアンスの違いがある。

    スラング: wired
    wired=Very stimulated or excited, as from a stimulant or a rush of adrenaline. hyperactive, alert 意味: 興奮状態 覚醒状態
    wired 例文: 
    •I am so wired after drinking five cups of coffee.
    5杯もコーヒーを飲んだら、凄く興奮状態だ。
    •Kids were wired from the sugar they had.
    子供達は食べた糖分で興奮状態だ。
    スラング辞典/アメリカ生活101

    8)WIRED誌は、1993年にアメリカで創刊された雑誌だが、そのそうそうたる執筆陣で、ひときわ他紙をひきはなす際立った雑誌である。 

    9)本国版は1993年1月に創刊された。その創刊号のなかで、『WIRED』は単なるテクノロジーについての雑誌ではなく、デジタル革命を人類が火を扱えるようになったときに匹敵するほどの社会変化だととらえ、そこにmeaning(意味)とcontext(文脈)を与えていくことを「究極のラグジュアリー」だと宣言した。その後、その時々の社会変化に応じて、ロングテールやクラウドソーシングといった時代を象徴するキーワードを提唱してきた実績がある。wikipedia

    10)この本の中には、たびたびこのWIRED誌についての言及がある。この女性もこのようなバックグランドをもっており、さらにその世界にどっぷりつかったうえで、さらに一度一か月メールなしの生活を送ってみた、ということである。

    11)さらにこの本では、マインドフルネスについての言及もめだつ。

     人間心理学の生みの親、アブラハム・マズローによれば、自己実現には、有害な文化適応に対する抵抗が必要だという。

     私たちの時代で、強く推す力とは何だろうか? 消費せよという力だ。あるいは、もっと情報を、もっと製品を、もっとつながりを、という力である。それではどのように押し返したらいいのだろうか? 減速すること、そこに存在すること、もっと近づくことだ。

     ひとつは、サブリナ・ウォード・ハリソンが「敬意」と呼ぶ方法で生活にアプローチすることだ。ハーバード大学の心理学者、エレン・ランガーなら、それと同じものをマインドフルネスと呼ぶだろう。それは新しいものに積極的に気づくプロセスであり、精一杯生きていること、現在に生きていることである。p211「生活に新しい方向を与える--手書きに学ぶ」

    12)表現方法はなんであれ、ここで言われているマインドフルネスは、当ブログで常用してきている瞑想=meditationとほぼ同義の言葉であり、また、ルーツとしては禅=ZEN、あるいはインド世界のディアーナと一脈つながるコンセプトである。

    13)NHKテレビ「がってん」では、前駆番組を含め、スタートしてから21年目にして、「めい想」を特集した。一般家庭に送り込む番組であり、その取り組みに難なしとはしないが、すくなとくもt1995年にスタートしたこの番組シリーズが「21年目」にして、この特集を組んだということは注目に値する。この番組の中でも、取り上げ方の良しあしはともかく、マインドフルネスがレポートされていた。

    14)1990年代半ばにして、私たち日本社会は不幸にも、あの暴力集団の愚行により、「瞑想」という単語をタブー視するようになった。まともに光を当てることができなくなってしまったのである。あれから21年、事実は事実として、必要なものは必要な事実として、浮かび上がってこざるを得ない。

    15)気づきであろうが、マインドフルネスだろうが、時代にあった表現方法がでてくるのはよいことであろう。

    16)この本を、デジタル社会への拒否としてのアナログ生活推進と捉えるのは当然間違いである。シンギュラリティなどというFinTechなどを含む大きな終着点へと突き進もうとしているIT社会に対する、明確な人間性としてのマインドフルネス(瞑想)などの新しい動きへの着目、と捉えるべきであろう。

    17)それは併存するもの、あるいは補完しあうもの、そして、ついには人間は人間として、より高見へと進化するためのプロセスの一部としての現象である、と捉えておくべきだろう。

    <2>につづく

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    2016/10/04

    「48歳からのウィンドウズ10入門」<6>

    <5>からつづく

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    「48歳からのウィンドウズ10入門」 

    リブロワークス (著) 2016/4 インプレス 単行本(ソフトカバー): 128ページ 目次
    ★★★☆☆

    <6>会計ソフト

    1)さて、三台すべてを最新OSにそろえたところで、さまざまな周辺機器やアプリ群の再設定が待っている。いままであったことを、そのまま設定しつづければいいはずなのだが、そう簡単には問屋が卸さない。

    2)まずは、いままで愛用してきたフロッピーが使えなくなったりしている。いまさらFDDもあったものではないが、あるものは大事にしたいというケチ根性がまだまだある。それとプリンターの接続もうまくいかなくなっている。

    3)今のところ、一番の課題は会計ソフトだろう。顧問の先生が老齢で事務所を閉鎖したことをきっかけにわがSOHOでも会計ソフトを導入したが、これがわりと便利でいままで使い続けてきた。こまかいところは直接税務署に行って聞くことになるのであるが、大概のことは自分でできた。

    4)それをいいことに長いことひとつのソフトを使い続けてきたのだが、わが社の場合、実にシンプルな経理構成になっているので、実は会計はかなり楽なのだ。特殊な操作はいらない。毎年、税制の変化に合わせて変えなければならないところもあることはあるが、個人で対応できないわけではない。

    5)そのために、もうず~~と、一つの体制できたのだ。

    8)そのことが、今回のOS全引っ越しの影響でひっかかってきた。まず、その旧ソフトが最新OSに対応しないのだ。別段に今のままでよかった会計ソフトが、パソコンのOSを上げたからと言って、インストールできなくなったのは、ちょっと困った。

    9)と言っても、そもそもが、この旧ソフトは本当に古いので、旧機①②でも完全には動かず、しかたなく、専用機と化していた、さらに老いた古機③の専門となっていたのだ。だから、この古機③を温存していけば、まずまず経理作業は続けることできるのだが、どうも寂しい。本当は新OSで会計ソフトも動かしたい。

    10)そう思って、検索してみると、やはり会計ソフトの世界もそれなりに進化していて、インターネット版や、クラウド版もでている。フリーソフトというのもあるが、購入導入への無料使用期間の意味らしい。

    11)メーカーも様々あるが、主だったところはおおよそ数社に限られ、結局は使い勝手がわかっている今まで使ってきたソフトの最新版にもっとも関心が集まる、ということになる。無料体験版もあるらしいから、登録してみようか。でも、しょせん、おなじことだよね。

    12)ここで考えた。わが選択肢は三つ。

    A案、いままでの旧ソフトと旧プリンターのセットで当面続ける。

    B案、それなりに新しい中古ソフトをそろえて、現プリンターで印刷。

    C案、最新ソフトをそろえ、プリンターもそろそろ買い替えじゃぁ!

    13)なんてったって、一番いいのはC案。新しいのはなんてったって気持ちいい。そりゃぁわかっているが、だけど、それなりの資金が必要だ。それだけの投資の効果ってあるのかな。やる作業はほとんど同じことだよ。

    14)B案の場合は、古機③に依存せず、最新OSでも使えるので、もしもの場合のバックアップ体制もとれる。古機③をリナックス化し、旧プリンターもこの際、すっかり処分できる可能性もある。でもそれなりの資金は必要。中古ソフトといっても安くはない。

    15)現状、A案でもなんなくこなせるが、年に一度、決算期のお祭り状態のときは、相変わらず、旧態依然の自分の姿にがっかりするかもな。

    16)現状A案が本当にこれからもずっと稼働し続けることができるかどうか、まずは確認して、よ~く考えるのはそれからだな。

    <7>につづく

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    「入門クラウドファンディング」スタートアップ、新規プロジェクト実現のための資金調達法 山本純子

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    「入門クラウドファンディング」
    山本 純子 (著) 2014/02 日本実業出版社 単行本(ソフトカバー): 190ページ
    No.3793★★★★☆

    1)よく話題になるクラウドファンディングもフィンテックのうちのひとつには違いない。クラウドファンディングもフィンテックも、別段に最近のことではないが、インターネットとスマホの普及により、より現代的な形となって注目を浴びるようになった。

    2)日本語になると、同じクラウドとなるが、クラウドサービスのcloud(雲)と、クラウドファンディングのcrowd(群衆)では意味が違う。場合によってはまったく真逆の意味にさえなるような言葉の違いだ。

    3)こちらのクラウドは群衆からいかに資金を調達するか、という意味である。

     クラウドファンディングとは銀行、投資家等金融の専門家ではない「クラウド(crowd=人々、大衆)から「ファンディグ(Funding=資金調達)」することです。p76なぜ信頼関係にあるわけではない人々がお金を払うのか?」

    4)購入型クラウドファンディングの調達額が大きくのびている一因として、「キックスターター」というプラットフォームの大躍進があげられます。p56「世界最大のプラットフォーム キックスターターの快進撃」

    5)キックスターターについては、すぐに関心がわくわけではないので、あとで調べよう。しかし、よくよく考えてみれば、そこにインターネットやスマホがなかったとしても、私個人は、昔から、よくこのようなクラウドファンディグに立ち会ってきたのではないだろうか、と思った。列挙してみる。

    6)もっと最初は、中学一年の時に友人の石川裕人とともに肉筆漫画雑誌「ボーイズファイター」を立ち上げた時だろう。クラス20数人の男子から10円ずつの資金を調達し、わら半紙を買って100ページの雑誌を作った。書くのは自分であるし、そのクラスメイトたち。報酬はそれをただで見ることができること。それにクイズがあって、当選者一人には50円のボールペンがプレゼントされた。これは一年間で5号まで続いたのだから、立派なものだと思う。これも立派なクラウドファンディグであっただろう。

    7)高卒後、冬埼流峰たちと、共同生活コミューン「雀の森の住人達」を立ち上げた時は、ひとり数万円ずつ調達してアパートの一室を借りた。その後、続々と新しい住人達が加わった。そこからまたカウンターカルチャー誌「時空間」を作った時も、スケールもともあれクラウドファンディングであったことはまちがいない。それを購読することによって、読者もまた、「ムーブメント」を共有していたのだ。これは4年で12号続いた。

    8)インドから帰ってきて1980年代初頭にヨシローたちと立ち上げたスバガット・ラジニーシ瞑想センターもまた、クラウドファンディングだったということは可能だろう。ひとり10万円で、永久使用可能(笑)な瞑想パスを買って、元サウナ風呂だった施設を借りてオープンした。まとまった資金などだれも持っていず、どうしてもやりたければ、このような形になるのは当然であろう。

    9)また、1990年代の初頭に、「スピリット・オブ・プレイス仙台」という環境心理学国際シンポジウムにかかわった時の形態もまた、クラウドファンディングであったということは可能だろう。のちにNPO設立法の権威となる加藤哲夫氏がいたせいもあったが、かなり多くの人々が集まり、大きなプロジェクトを立ち上げ成功させた。骨子となる企画がしっかりしていたせいでもあるが、反対者や無関心者、悲観論者たちがいるなかで、最後までやり続けることができたのは、やはり仲間たちの「やりたい」気持ちがしっかりしていたからだ。

    10)21世紀になってからは、例えば、PTAの役員として高校野球部の甲子園出場にかかわった時のことを思い出す。あれよあれよという間に、ベスト4から準決勝、決勝と進み、県大会で優勝した喜びとともに、すぐに校長とともに、その甲子園出場の経費調達に頭を悩ますことになった。実際は、高校野球のタニマチたちがいるので、後で考えれば、あまり心配することではなかったのだが、最初は街頭での募金活動から始まった。あの時は、50年ぶりの県立高校の優勝ということで、多くのクラウドが共感して協力してくれたのだ。

    11)ここまでは、インターネットもスマホもない時代なので、必ずしも今日いわれるようなネットでのクラウドファンディングではないが、形としては同じものであろうと推測できる。少なくとも、核があり、多くの人々の共感を呼べるものであり、また具体的に調達すべき金額や、具象化されるビジョンがあれば、おのずとクラウドファンディングは成立する。

    12)よくよく考えてみれば、今私が営んでいる事業も、大きな枠組みではクラウドファンディングと、言えないこともない。営んでいる事業は別段に特殊なものでもなければ、めずらしいものでもない。ごくごくありふれた事業である。しかしながら、人々だれにとっても必要なものなので、誰かに依頼しなければならない。その時、ある一定の人々は私という存在に共感を寄せて、その信頼と資金を差し向けてくれる。ただ、明確なクラウドファンディングとはいいがたいが。

    13)さて、このクラウドファンディングは、継続事業よりは、創立事業の資金調達に向いているように思うが、今現在、私にはなにかこのクラウドファンディグを活用して、始めてみようか、というプロジェクトはないのだろうか。ないとは言えないし、あるとも言えない。おそらく、かつての自分の履歴を見ても、すべてクラウドファンディングに成功したのには、まず先立つ出会いがあった。

    14)私があり、出会いがあり、アイディアが生まれ、プロジェクトとして形づくられる。ここまでくれば、おそらく現在ならクラウドファンディングは成功する。ここまでこないことが、実は最近多い。私はつねにあるのだが、出会いから、アイディアまでが少し遠い。そしてプロジェクトという形になる前に、ほかの要素で立ち消えになることがほとんどだ。

    15)エネルギーはある。マグマもある。あとは出会いと、それを具象化するクリエーターたちと、いかようにして出会っていくかだろう。クラウドファンディングは、それからだ。

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    2016/10/03

    「Journal of Financial Planning」特集 フィンテックが変える 金融とFPの未来<1>

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    「Journal of Financial Planning」特集 フィンテックが変える 金融とFPの未来<1>

    日本版FPジャーナル 2016年9月号(第200号) 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 会報 p96
    No.3792★★★★☆

    1)毎月わが事務所にとどく会報。正直あまり真面目に読んだことはない。この号もようやく、フィンテックつながりで話題つくりのために、ちらっと開いてみた。フィンテックの特集は15ページほど。

    2)内容的には野口悠紀雄氏のインタビューが見開きで掲載されているものの、あとは簡単なフィンテックのさわりと、あとはFPのお仲間的な人々の論説がつづく。雑誌の特集としてはこれでいいのだろうし、FP個人のレベルでの対応となれば、この程度で十分なのだろうし、この程度しかできない、というもの本当のところだろう。

    3)フィンテックの数あるサービスの中で、最もFPの関心が高いのはロボ・アドバイザーではないだろうか。2016年は日本でも続々とロボ・アドバイザーを利用したサービスが開始された年になった。p9「注目のサービスとFP」

    4)誰に、何を、どう、なにするのか、というレベルで考えれば、まだまだ絞り込みが足らないロボ・アドバイザーであろうが、将来的には、より的確で、早くて、効率のよいサービスが出来上がっていくかもしれない。

    5)そうとなれば、FPと名乗る人々の職種や業態はさまざまあれど、その職業的存在が危うくなる人々もいるに違いない。そういった意味においては、機械に置き換えられてしまうかもしれない存在のひとつがFPである。

    6)いまさら、血の通わないロボ・アドバイザーのデジタルサービスよりも、人間FPのアナログ感覚がいいですよ~、なんてつぶやいてもしょうがないだろうな。会計事務所が会計ソフトに仕事を奪われたように、FPたちもまたロボ・アドバイザーに足場をすくわれるだろう。

    7)その時はなにも、不利な立場に固執する必要もないし、人間が人間らしく仕事をできる場所をみつけて移動すればそれでいいとは思うが、そう単純にばかりは受け取らない世代も、職種もあるに違いない。

    8)なにはともあれ、こういう視点からフィンテックを見ている人々がいる、という確認になった。

    <2>につづく

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    「弥生会計04ではじめるらくらくパソコン会計」 益子会計事務所

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    「弥生会計04ではじめるらくらくパソコン会計」
    益子会計事務所 (著) 2003/12 翔泳社 単行本 293ページ
    No.3791★★★★☆

    1)長年さぼりつづけてきたパソコンの更新が、たまりにたまって、トラブル連続となり、これはいかんと、せっせと更新作業を続け、ようやく三台のパソコンを最新OSまでアップグレードすることができた。

    2)達成感があるものの、ややお疲れ気味である。このままなんともなく、うまく行ってほしいと願うのみだが、パソコンは順調になったとしても周辺機器や常用ソフトのマッチングの問題が残っている。

    3)その問題のまずはトップにくるのが会計ソフトだ。

    4)わがSOHOの会計はすべて知人の会計事務所に長年見てもらっていたのだが、いつのころからか、先生が老齢で事務所を閉鎖し、わが社でも会計ソフトなるものを導入して、なんとかかんとかやってきた。

    5)あれこれ事務所も探したのだが、なかなかうまいところがない。さらには、わが社の会計はあまり難しくはないのだ。実にシンプル。えい、と意気込んで、自分でやってはきたものの、毎年決算の時には税務署の窓口でゆっくり指導を受けることで、なんとかしのいできた。

    6)ふと気づいてみれば、あっという間に10年以上の年月が過ぎたのだ。あれからずっと同じソフトを使い、同じ作業を毎年繰り返してきた。そして、おそらくは、来年も、再来年も、このソフトで、少なくともわが社はOKなのだ。買いかえる必要などない。

    7)ただ、不具合がまったくないわけではない。このソフト、新PCに対応しないばかりか、すでに旧機①旧機⓶の時代においても、すでに時代遅れでちょっとした不具合がでていた。そのために、この会計ソフトをうごかすためにだけ、さらに古い古機を温存してきたのである。

    8)考えようによっては専用機なので便利でもあるし、ときにはこのソフトのためにだけ古PCを温存メンテナンスし続けることが、ちょっと面倒にはなっていた。このへんで、そろそろ考えなければならないだろう。

    9)今回はすでに三台とも最新OSにグレードアップしたので、この会計ソフトも新しいものにしなければならないだろう。さっそく会計ソフトの情報集めに着手した。

    10)思えば、この会計ソフトというやつで、私たちSOHOレベルの経営者はだいぶ助かったと思う。かくいう私もSOHO仲間から教えてもらったのだが、おそらく、会計事務所などにとっては、打撃だったのではないだろうか。だいぶ仕事が奪われたはずだ。

    11)考えてみれば、これもフィンテックのうちの一つだろう。

    12)ネットで検索すると、会計ソフトも結構なお値段である。毎年年号のラベルがついているところを見ると、毎年年末に新しいヴァージョンがでているようだが、まちがっても毎年買い替えている会社はないだろう。たしかに法律が変わったり、細かい仕様が変更にはなるのだろうが、会計という基本はおんなじだ。

    13)それでも今回は、どの事務所でも最新OSに合わせて、最新会計ソフトをそろえなければならなくなるのだろうか。それとも、ソフトを温存するために、旧OSの動くパソコンを大事に使い続けることになるのだろうか。

    14)わが社でも、その分かれ目にあるが、はてはて、どうしようかな。

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    「48歳からのウィンドウズ10入門」<5>

    <4>からつづく

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    「48歳からのウィンドウズ10入門」 

    リブロワークス (著) 2016/4 インプレス 単行本(ソフトカバー): 128ページ 目次

    ★★★☆☆

    <5>目次

    12)サポート  NEW2017/03/08更新 
    11)三か月使ってみた
    10)音声アシスタント「コルタナ」を活用する? 
    9)会計ソフトとプリンター
    8)古機③の復活はあるか?
    7)プリンター
    6)会計ソフト
    5)目次
    4)最新OS三大揃い踏み
    3)アカウント
    2)プラウザ
    1)最新OS

    このコラム記事は 「パソコン購入ガイド」 2016 からの続き

    <6>につづく

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    「フィンテック」柏木 亮二

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    「フィンテック」   
    柏木 亮二 (著) 2016/08 日本経済新聞出版社 日経文庫 新書 256ページ  
    No.3790★★★★☆

    1)本書は「フィンテック(Fintec)」の基礎的な解説書です。(中略)もっとわかりやすくいえば、上司から「フィンテックって何?」と聞かれたときに、その質問の内容にうまく答えられるような構成になっています。p3「初めに」

    2)著者はおそらく年齢的には40歳台半ば、IT研究所の中堅どころ。すでに還暦過ぎの私などは、「え~、柏木くん、ふぃんてっく、ってなにかね、ふがふが」などと聞く役どころではあるだろうが、役員でも上司でもない私は、偉そうに聞きただすことなどできない。ただひたすら拝聴するのみである。

    3)この本、先に読んだ「FinTech革命」テクノロジーが溶かす金融の常識(2016/01日経BP社)に比べれば、内容はややおとなしく、日本国内的視点が重視されており、読みやすく、わかりやすい。

    4)いままでは、革命や進化、という単語には割りと簡単に飛びついてきたが、イノベーション(改革)という単語は、どうも相性が悪かった。革命や進化は、夢はあるけれど、現実味がなく、目は惹かれるけれど、現実の自分は安泰、というイメージがあったのだろう。

    5)この本は、革命や進化というより、イノベーションというニュアンスでフィンテックをとらえている。その分、現実味があり、現実のわが身がゆすられるような危険を感じる。今日、あすにも、足元がどんどん崩れていく感覚がある。

    6)「1975年のパーソナル・コンピューター、1993年のインターネット、そして2014年のビットコイン」---これは著名なベンチャー・キャピタリストである、マーク・アンドリーセンがビットコインのインパクトについて述べた言葉です。p230「ビットコインとブロックチェーンの登場」

    7)当ブログにおいても、「ビットコイン関連リスト」を作成して散発的に追っかけを繰り返してきたが、全体的にはよくわかっていない、と言っていい。私たち末端のマジョリティには、それが海のものとも山のものとも判断がつかない。

    8)長じて、現在においては、話題の中心としてのビットコイン、その中核的な技術としてのブロックチェーン、そしてそれらを大きく含むところの動きをフィンテック、と呼んでおいて、まぁ、大きな間違いではなさそうだ。

    9)保険業界にもフィンテックの波は押し寄せています。保険領域でのフィンテックは、「保険(インシュアランス:Insurance)の頭文字をとって特に「インステック(InsTech)と呼ばれています。(中略)

     保険業界はテクノロジーの進化によって大きな影響を受ける可能性のある業界です。それには大きく4つの理由が考えられます。
     まずはビックデータの影響です。
    (中略)
     2つ目はリアルタイムの情報が利用できるようになることです。(中略)
     3つ目が自動運転という技術改革です。(中略)
     最後に、保険の販売チャンネルの問題です。(攻略) p165(インステックが保険業界に与える影響)

    10)この業界は、かつてパソコンの登場やインターネットの普及によって、大きく影響を受けてきた。情報産業であり、データ産業でもありながら、また金融産業でもあるこの業界に、さまざまな技術革新の手がはいり、ひと昔前とは大きく姿を変えている。

    11)今後、このフィンテックやインステックと呼ばれる技術革新は、大きく業界全体の姿を変えるであろう。いや、もうすでに始まっている。

    12)アメリカにトロフ(Trov)というマイクロ保険を販売しているフィンテック企業があります。この会社はスマートフォンやデジカメ機器を対象とした少額の保険を販売しています。このマイクロ保険のすごいところは、スマートフォンからいつでもオン・オフができる点です。

     例えばデジカメに保険をかけたいとしましょう。通常この手の保険は年単位の契約が基本ですが、トロフの保険なら旅行に出かけるときには保険を「オン」して、自宅に着いたら「オフ」にするような使い方が可能です。

     トロフは盗難や破損のリスクが高いときだけ利用できるオンデマンド保険なのです。p247「さらに進化するフィンテック」

    13)この程度のことならば、なにもアメリカの例を取り上げる必要もない。海外旅行保険などは、スマホから勝手にいつでも契約することができるし、自動車保険でも、登録さえしておけば、スマホから一日~数日だけの保険加入が可能になって久しい。

    14)ただ、それらの契約形態は主流とはまだなっていない。そういうこともできますよ、というレベルであり、保険会社としても、未来におけるインステックに向けての助走といえるだろう。

    15)広告の目立つインターネット保険だが、その契約数はおそらく全体の数パーセントから10数パーセントのレベルではないだろうか。ゼロから始まったのだから、そこまで来たというのもすごいことではあるが、50パーセントを超える、全体の多くを占める、というところまでいくには相当の時間がかかるに違いない。

    16)欧米でのネット保険の普及率も20パーセント前後で伸び悩み、と聞いてはいるが、今後の推移やいかに。アメリカの保険会社は、日本のメガ保険と違って、中小零細の、一部に特化した保険も多数ある。その中にたしかにトロフのような存在もあるのだろうが、日本の実情から考えてみると、はてどうであろうか。

    17)ペット保険やらナントカ共済やら、さまざまサービスも見聞するが、その信用度でいうと、かなりグレーな部分も多い。有効に役立てはそれに越したことはないのだが、なにやら怪しいサギ商法などのようなものにも、ひっかかりたくはない。

    18)なにはともあれ、おとなしぎみだが、この本において、日本的視点におけるフィンテックのイメージができた。

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    「48歳からのウィンドウズ10入門」<4>

    <3>からつづく

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    「48歳からのウィンドウズ10入門」 

    リブロワークス (著) 2016/4 インプレス 単行本(ソフトカバー): 128ページ 目次 
    ★★★☆☆

    <4>最新OS三台揃い踏み

    1)このコラムシリーズは、「パソコン購入ガイド」 2016 の書き込みNO<48> からの続きである。

    2)現在手元にはパソコンが4台ある。購入したばかりの新PC、旧機①、旧機②、そして旧機③。旧機③は、すでにオンラインをあきらめたスタンドアロンであるが、ただし、会計ソフト、顧客管理、DVD視聴などに活躍している。

    3)形としては、すでに3台の最新OS機がそろったことになる。ここが春から取り組んできたパソコン選びの終着点ではあるが、また、本格的なパソコン使用としての業務活用の面では、ようやくスタートラインに立ったところといえる。

    4)新PCは、いたって安定している。シンプル環境でモバイル=ノマドも十分な体制を整えることができた。ただし、業務に必要な会計ソフトや、一部オフラインの顧客管理ソフトがまだ搭載されていない。bluetoothマウスの異常行動など、いくつかの問題があることはある。

    5)旧機①も、最新OS化して延命計画は成功したといえる。しかしながら、発熱による騒音、キーボードのがたつき、ディスプレイの暗さ、筐体の崩壊化など、ちょっとメインとしては使えない状態だが、サブのバックアップラインとしては十分だ。ただし、現在bit数が小さい。これをなんとかフルのbit数にしてメモリを十分に開放したい。それが現在の課題である。

    6)旧機②は、おそるおそる最新OS化したのであるが、これがいたって元気である。このマシンが10年前の最も廉価なモデルであったなんて、ちょっと信じられない。メモリを増やしただけで現役復帰。奥さんが大事に使ってきただけあって、いたって筐体にもダメージが少ない。ただ共通課題として、会計ソフトや最新オフィスの選定・インストールなどの必要性は残っている。

    7)加えておけば、プリンターの問題がある。こちらもかなりトップエンドの素晴らしい機種を使ってきて、長年そのありがたみすら忘れかけていたが、一年ほど前にダウン。それをサポートしているのが、一人住まいしていた子供が緊急用にそろえた廉価なプリンター。ほとんど使用されていなかったが、もったいないのでピンチヒッターに駆り出されたが、こちらも難なしとはしない。

    8)今のところ緊急の課題とはなっていないが、新プリンターの選択・導入も必要となる。エアプリントができて、写真印刷もきれいなインクタンクが多いものがいい。印刷紙の吸い込み口も二つあったほうがいい。そして厚紙にもひっかからない、強靭なタイプが好みだ。

    9)今のところ、瀕死状態の旧プリンターと、安価な現プリンターで、なんとかしのいでいるが、そろそろキチンと対応を考えなくてはならない。それに最新OSとの整合性もとる必要があるだろう。

    10)昨日、インストールを試みて失敗したのは会計ソフト。すでに10年前のものであり、だいぶ前にメーカーからサッサと切り捨てられていたバージョンであることが判明した。ただ、すでにスタンドアロンとなっている旧機③あたりではしっかり動いているので、いざとなれば、専用機として延命し続けることは可能である。

    11)しかし、ここはやはり会計ソフトもリニューアルする時期になっていると自覚すべきであろう。こちらは思ったよりも値が張るが、長年使うことを考え、その必要性から考えると、会計事務所への支払いと比較してみた場合でも、やはりここは一考すべき事案であることは間違いない。

    12)さて、オフィス。こちらも10年前のオフィスで十分だし、その中の表計算ソフトくらいしか使わないのでフリーオフィスで十分だと考えていた。しかし、内部的にはそれで構わないのだが、どうやら業務用に提供される情報やマクロが、なんと一部の管制オフィスしか使えないことが分かった。これもなんとかしなければならない。

    13)そもそも現行管制オフィスのサポートはあと一年で切れるということなのだが、はてさて、これはサポートが切れても内部的に使っていく限り問題ないのか。それとも、やはり新ソフトに対応していかなければならないのか、頭をひねるところである。緊急の課題ではないが、難題のひとつである。

    14)顧客管理リスト。こちらも業務用のクラウドと連動している限り、あちこちの情報をあつめなくてはならないが、これが大活躍するのは、まずは年末の大仕事=年賀状作成である。最低限、手書きでも可能ではあるが、年に一度の機会をとらえて顧客リストの整理はぜひとも必要である。

    15)これも業務先から提供される最新ニュースと照らし合わせながらすすめなくてはならないが、こちらもまた旧機③に依存していることが、なんともうらめしい。せっかくの新OS体制が出来上がっているのだから、この際、新しい対応を考えなくてはならない。年末に向けて、実は日程的にそれほど余裕はない。

    16)それと、外部ソフト的には、2~3の健康管理ソフトがあるのだが、こちらもキチンと最新OSで稼働するかどうかの、こまかいチェックが必要となってくる。外部機器がすでに古くなっているが、個人的には大変お気に入りのシステムであり、過去の膨大なデータもなくすわけにはいかない。

    17)その他、メールソフトやアカウント、銀行管理や、ブログ管理、などなど、上げ続ければキリはないが、とにかく最新OSに対応すべく、やらなければならないことはたくさんある。やはり、これらを苦痛とするか、喜びとするかは、人生の分かれ目だが、ここはどうせやるなら、楽しんでいくしかない、と覚悟は決めている。

    <5>につづく

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    2016/10/02

    「FinTech革命」 テクノロジーが溶かす金融の常識<1>

    71yg5luzwol「FinTech革命」 テクノロジーが溶かす金融の常識 <1>
    日経コンピュータ (編集) 2016/01 日経BP社 単行本   204ページ
    No.3789★★★★★

    1)当ブログでもたくさんの本を読んできたが、かなりの確率で「革命」とか「進化」とかいうタイトルがついている本をめくってきた。そのようなタイトルは目につきやすいのだろうし、また当ブログもまたそのような本が好きなのであろう。

    2)しかし、ここにきてFinTech革命と言われても、ピンとくる人はそう多くあるまい。かくいう私もちょっと眉唾でいることは確かである。

    3)当ブログでもすでに、仮想通貨、ビットコイン、ブロックチェーン、AIと言った類似ワードで追っかけを続けてきたが、ここにきて、それらの全体の言葉が、FinTechという表現に固まりつつあるようだ、と気づいた。

    4)FinTechとは、金融技術(Financial Technology」のことであり、情報工学(Information Technology)がいつの間にかITという言葉ですっかり社会に溶け込んでいるように、やがて近い将来、私たちの生活のすぐそばに存在することになるだろう、と言われている。

    5)その技術を支えるものは3つのキーワードで示されている。

    6)まずはAPI(Application Progrmming Interface)。
     APIはアプリケーション・プログラミング・インターフェースの略で、他のシステムやソフトウェアに機能を提供するための規約のこと。APIを使えば、外部サービスと連携する際にシステム開発の手間が省けるなどの利点がある。p31

    7)二つ目は、いわゆる人工知能(Artificial Intelligence)。
     人工知能とは、コンピュータを使って人間の知能と同等の機能を実現するシステムや、その実現に必要な基礎技術を指す。p32

    8)三つ目はブロックチェーン(Blochchain)。
     ブロックチェーンとは、暗号技術とP2P(ピア・ツー・ピア)ネットワーク技術を応用し、データの改ざんをほぼ不可能にしたデータベース技術のこと。仮想通貨「ビットコイン」の信頼性を支える基盤になっている。p33

    9)これらが束になって新しい時代を切り開いていく、という予測のもとに、ある種の革命前夜的な騒ぎになっているのが、いわゆるFinTech周辺である。

    10)同じテクノロジーでも、情報と金融、と言った場合、前者はともかく、後者においては、ぐっと一歩身をひいて冷静になってしまうのは私だけだろうか。私はいわゆる金融業に分類される業務に従事しており、必要に迫られFP(ファイナンシャル・プランナー)などとも呼ばれているが、正直、あまりこの分野については深入りしたくない、というのが本音のところだ。

    11)情報なら、発信するのも受信するのも、ある種の自由な雰囲気がただよっているが、金融となると、なぜかどこかに後ろめたい、まがまがしさがつきまとう。これはそう周囲から感化されてきているからかもしれないし、もともとこの世界が持っている本質をついているからかもしれない。

    12)情報ならば、世界のあらゆる情報を知ってみたい、などという途方もない夢を持ったりするが、金融となると、まさか世界の資金を全部かき集めてみたい、などという無謀な陰謀は、ほとんどの人間が持つことはないだろう。

    13)ましてや、情報や知識なら、典型的には図書館のような公共スペースにおいて、ほとんど無料で提供されるに比べ、金融となると、あらゆる規制と陰謀、裏切りと落とし穴、などを連想してしまい、あんまり関わりたくないなぁ、と、私は率直に思ってしまうのだ。

    14)