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2016/10/19

「日本会議の研究」 菅野 完 <1>

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「日本会議の研究」 <1>
菅野 完 (著) 2016/04 扶桑社 新書 302ページ
No.3805★★★☆☆

1)現在当ブログは、ようやく重い腰を上げて「WIRED」誌追っかけを始めたところである。おそらく一か月、あるいは年内はこの話題で満杯になるだろう。そのタイミングでこの本が到着した。

2)この本は新刊直後に図書館の蔵書になってすぐにリクエストしたのだが、すでに人気本であった。私の手元にくるのに半年ほどかかった。なに本当に読みたいのであれば、店頭で手にすればいいのだけれども、そこまでの緊急さは感じていなかった。

3)だからこそこのタイミングでの登場となったわけだが、この取り合わせのなんと落ち着かないこと。いかにもギクシャクした対比である。

4)この本、時の本、ということになってしまっているが、本来はもっと純粋なインフィクション・ストーリーとして読まれるべきだった本ではないだろうか。今年読んだ本で言えば、「真説・長州力」1951‐2015(田崎健太 2015/07 集英社インターナショナル)とか、あるいは個人的にすごく感銘を受けた「Get back、SUB!」 あるリトル・マガジンの魂(北沢夏音 2011/10 本の雑誌社)とか、賞まで取った「さよなら、サイレント・ネイビー」 地下鉄に乗った同級生 伊東乾 2006/11 集英社)などのように、じっくりとそのターゲットとの出会いをかみしめながら、追跡していくような、長尺のストーリーになってもよかったはずだ。

5)実際、著者は、この新書一冊に盛り込めなかったほかのたくさんの取材結果を残念がっている。

6)現在、当ブログはこのテーマを深追いする気はないので、全部は見ていないが、ネット上では、著者の外国記者向けの記者会見や、本誌登場人物たちの動画など、たくさんの情報を見ることができる。それはそれで、面白い見もの、読み物である。

7)思えば、日本会議に象徴されるような、「日本、国家、天皇」に比して、追っかけを始めたところのWIREDの世界は「地球、人間、イノベーション」と対比できるかに思う。日本と地球、どっちを大事にするのか。国家と人間、どっちを優先するのか。天皇とイノベーション、どちらに重きを置くのか。

8)当ブログの姿勢やいかに、と問われれば、日本が成立する前の、あるいはホツマツタエがかろうじて伝えているような、もっと原始的な地球、国家が成立する前の人間が中心だった世界、天皇が君臨する前のスピリチュアリティ、となるであろう。

9)そうである。現在のところWIREDと当ブログは、イノベーションVSスピリチュアリティ、のレベルにおいて葛藤している。いずれ彼らが標榜するマインドフルネスを深堀することによって、当ブログとWIREDの距離感ががつかめるだろう。

10)さて、この本が書いているところの「日本、国家、天皇」についてはここでは復言しない。これまでの6000に余る記事に書いてきたことゆえ、ここでどう書いたとしても、当ブログの姿勢を隠すこともできなければ、修正することも不可能である。

11)日本に生まれ、日本に育ち、日本に生きながら、国家というものの庇護のもとにあって、あるいはそれを支える立ち場にあって、さらには天皇を敬う文化の中で自らの生命を永らえている限り、私が個人的に何を言おうと、それは宙に浮く、戯れ言にさえ、なりかねない。あるいは、不用意な論争などを巻き起こしたり、巻き込まれたりしたくない。

12)しかしここでは、当ブログはイノベーションを支持したい。この地球は、人間ひとりひとりを大事にする、スピリチュアリティにこそ立脚すべきである、と。

13)WIRED追っかけも、実は当ブログ最終形態ではない。そこからマインドフルネスに抜け、そして、さらに当ブログが掲げた世界へと抜けていけるもの、と確信している。

14)この本は、時事的に読まれているが、本来はもっとゆっくり、ひとつの文学として読まれるべき一冊なのではないだろうか。

<2>につづく

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