「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」 マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 ラス ハリス
「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」 マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門
ラス ハリス (著), 岩下 慶一 (翻訳) 2015/12筑摩書房 単行本: 284ページ
No.3804★☆☆☆☆
1)マインドフルネスという単語がバズワードとして飛び交っている。当ブログもある思惑から、この言葉を手繰り寄せてみようと思っている。結局は「WIRED」のセンスでもって、マインドフルネスとはどうか、というところまで行こうとしているわけである。
2)とりあえずわが最寄りの図書館の蔵書を検索してみると、かなりの冊数があり、しかもそれぞれが人気本だ。いまさら予約しても、私の番がめぐってくるのはだいぶ先になりそう。
3)そこでまずは予約ゼロの「不人気本」から読み始めることになった。
4)だから経緯から言って、この本が面白い確率は低い。あまり読まれていない本なのだ。そう分かってはいるのだが、いざ開いてみると、この小さな本を完読するのは難しい。タイトル、サブタイトル、中身、それぞれが、どうもこちらをオープンにしてくれない。
5)実は、この手の本は、昔からずっとあるのだ。この手の本をさがせない時期などなかった。常に亜流のサードパーティが活躍する。そしてその余地は常にある。
6)なぜなら、人間は生まれ続け、幼児は少年になり、少年は青年となり、人生の壁へと招き入れられるからだ。人間が新陳代謝として生まれ続ける限り、この手の本は消えてなくならない。
7)もし、若い層がこの本を手にとって、夢中になっているとしたら、私には何もいうことはない。がんばれ、と声援を送るのみだ。
8)しかし、キミがこの本を手に取って、あれ変だな、ちょっと違うな、と思うのだったら、私はキミの感性と知性を支持する。少なくとも、この手の本は他にもたくさんあり、しかも有益さにおいては、はるかにこの本を凌駕する本が山ほどある。
9)私は私なりに探検し、ある意味、その答えを知っている。
10)しかし、今は、あえてその答えを即答するのは避けておこう。問題は、その答えを見つけることになるのではない。その答えを探して彷徨うことにこそ意味があるのだ。キミにはキミの回答がある。
11)この本にキミの回答を見つけたのなら、それはそれでいいのだ。それ以上のことはない。おめでとう。だが、もし、いずれこの本に不満足になるのだったら、それはそれで、キミはかつてのオメデタイ自分に気づいたことになるのであり、それは成長したことを意味する。
12)マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門、などというまがい物に迷ってはいけない。
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