「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<5>
「WIRED (ワイアード) VOL.1 」特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?<5>
(GQ JAPAN2011年7月号増刊) 2011/06 コンデナスト・ジャパン 不定版 27.2 x 19.8 x 0.6 cm WIRED関連リスト VOL.1について
★★★★★
1)この本、表紙にあるタイトル通りに本文が並んでいるわけではない。だから、次に「特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」を追っかけようと思ってみたが、必ずしもそのように区切られているわけでもなさそうだ。全文が、その特集タイトルに掛かっているようにも見える。
2)そもそもコピーライティングとしては「OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」というタイトルは秀抜だが、こんな薄い本にすべてが書かれているわけではなく、この小さな本にすべての答えを見つけよう、とするそのこと自体がムリであろう。
3)しかし、ここでは、「WIRED」はどうとらえているのか、という姿勢が分かればそれでいいのだ。3・11直後という創刊時期にあたり、いかにアメリカ本誌の翻訳雑誌とは言え、どのようにこの本の編集部はとらえていたのか、ということを把握しておく必要がある。
4)少なくとも、パラパラ読み進めるうえで、この本は完全にアメリカ本誌の翻訳本ではなく、日本独自の記事も多数あるのだということが分かってきた。
5)ただ、この本は文字が小さい。老齢化して、それでなくても老眼がすすむ我が読書人生において、小さな文字は障壁である。このページを電子本でみると、さらに小さいので、ピンチインしてさらに大きな文字にして読むのだが、ページ全体が失われて、別な意味で読みにくくなる。
6)そんな思いをしたので、電子本ではなく紙ベースの雑誌を取り寄せたのだが、こちらはむしろピンチインできないので、小さな文字を老眼鏡を強くして読むしかない。途中疲れること多し。
7)されど、レイアウトやデザイン、印刷の色調、文字構成、リード、イラストなど、寡聞にして、日本雑誌には見られない雰囲気が多々ある。これが好き、これがいい、とまではいえないが、その「違い」を楽しむことはできる。これが「WIRED」なのだ。
8)さて、「特集OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」という問いかけだが、本文においては、現場のレポートと、それについての肯定否定の両論併記、がパターンとなっており、その問いかけに反して、どちらかの答えを導くという誘導ラインは少ない。
9)両論併記の場合、読み手が、どちら一方に肩入れしている場合、こいつは、相手チームを押しているのではないか、と疑ってしまうこともなきにしもあらずである。
10)基本、この雑誌を途中まで読んだ限りにおいて、「テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」という問いかけについて、答えはでていない、どちらにも肩入れしていない限り、不透明ではある。
11)しかし、その問いかけは正しいだろう。その問いかけにダイレクトに答えはでなくても、その問いかけがなぜでてきたのか、という見直しにはなりそうだ。あるいは、議論に油をそそぐことはできそうである。
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