「講座スピリチュアル学」 第3巻 スピリチュアリティと平和 (地球人選書)鎌田 東二(編集)<10>
「講座スピリチュアル学」 第3巻 スピリチュアリティと平和 (地球人選書)<10>
鎌田 東二(編集) 2015/04 ビイングネットプレス 単行本 287ページ 「地球人選書 講座スピリチュアル学」リスト
★★★★★
1)三シリーズの中から、それぞれ一冊づつ抜き出したとして、さらにその中からもっとも象徴的な一文を抜き出してみる。この第3巻「スピリチュアリティと平和」の中から、さらに一文を抜き出そうとするなら、小林正弥の「地球公共平和とスピリチュアリティ---友愛幸福世界に向けて---」が最もふさわしいであろう。
2)この「講座スピリチュアル学」は、企画・編者の鎌田東二の文章をもっとも重く読むべきだと思うし、シリーズ一貫して書いているのは彼なのであるから、この主筆を引用すべきとは思う。
3)しかし、ここに置いては、鎌田と行動や思想を共にしている部分が多いと思われる小林を引用することに、それほど違和感はない。
4)そして、この30数ページにおける論調は、当「地球人スピリット・ジャーナル」ブログとは非常に親和性が高い。「地球人選書」であり、「講座スピリチュアル学」であってみれば、当然とは言えるが、それだけに、とりあえず抜き出してみる分には、非常に便利である。
5)多少の言葉遣いやニュアンスを見逃せば、当文章コンテストとするならば、おおよそ100点満点である。
6)そして、論旨としては百点満点であるからこそ、そこに瑕疵はないのか、というアラさがしが始まる。それは、当ブログにおける自己点検ともいえる。
7)地球的友愛(愛・慈悲・仁など)を根本的な理念として、人種・民族・宗教などの相違を超え、地球人としてのグローバル・アイデンティティに基づき、地上に恒久平和と良い環境・福祉などの共通の善と正義を実現することを目指すべきだろう。そのためには、様々な差異を乗り越え、友愛に基づき、「和」(調和)の精神で協働することが必要なのである。p35 小林正弥「友愛平和主義」
8)その言やよし。そのままそれでいいと思う。されど、はて、この文章は誰が読むのだろう。誰がどういう形で共感するのだろう。日本語で書かれた日本人の文章が、ある一部の日本人とごくごく少数の日本語を理解する他国の人に理解されたからと言って、これだけ高邁な思想は、どれだけ理解され、具体的な影響力を持ちうるだろう。
9)「公共」の実現とそれに基づいた「公」の再建を目指す。つまり国家や政府に関わる公よりも、NPOやNGOといった中間集団などを通じて人びとが自発的に公共性に寄与することを重視し、それに基づいて公的な制度や政策の再形成を目指すわけである。p18 小林正弥「公共哲学の観点」
10)非常に耳当たりのよい、親和性のある言葉が続くが、はてさて、その「理想」や「うんどう」はどこまで進んでいるのか、という問いをつきつけたい。この選書のこの本のこの文章を書いているではないか、と、そういわれればそれまでだが、しかし、その一文だけでは、ここに高邁な理想があったとしても、それは絵に描いた餅になりはすまいか。
11)当ブログとしては、その反語として、具体性を持ったひとつの「うんどう」を提示したいが、いずれ、それは明確な形でおのずと明瞭に浮かび上がってこよう。
12)なにはともあれ、このシリーズのこの本の中に、この文章を見つけたのは幸いだった。この一文を、他の二冊の本から選び出した文章と対峙させてみようと思う。
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