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2016/11/03

「シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃」 Fintech,IoT,Cloud Computing,AI、 アメリカで起きていること、これから日本で起こること<1>

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「シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃」 Fintech,IoT,Cloud Computing,AI、 アメリカで起きていること、これから日本で起こること <1>
櫛田健児 (著) 2016/09 朝日新聞出版 単行本 248ページ
No.3837★★★★☆

1)興味深い一冊である。特に現在当ブログで進行中の、フィンテックやインステック、ブロックチェーンやビットコインなど、AIやシンギュラリティやら、IoT、ビッグデータなどを、アルゴリズム革命と包括して、まぁ、早く言えば、アメリカの状況を日本に向けてレポートしている、という一冊である。

2)なるほど、と思うことは多いし、最新刊なので、ニュースも新鮮である。一読に値する。でも一読し終わったあとに、ふと一息つくと、なにかが絶対的に足りないことを痛感する。

3)この手の本はいわゆるビジネス書という分類になるのであろうか。とにかく日本の「ビジネス人」に向けて書かれた本なのであろうが、書かれているのは、弱肉強食の、それもスケールのさらにドデカくなったアメリカの状況を、レポートしているだけである。

4)おそらく、その地にいたら、その地の新聞やらテレビやら雑誌やらで、ザッパな情報はどんどん入ってくるだろうし、ましてやその地に職や研究所などの居場所があれば、それをつぶさには知らない日本人に向けて、こういうこと日本人のあなたは知らないでしょ、と、まぁ、一冊ものすることは、あり得るだろう。

5)ふと、これに対して、いわゆるアメリカの「ハードカバー」本を思い出す。彼らは、頼みもしないのに、他の書にも書いてあるような歴史を延々と再録し、そしてインサイドインタビューを、さもありそうな小説仕立てにし、しかも、ドロドロとした人間模様も書き加える。

6)日本人の私としては、どちらかというと日本人が書いた「ビジネス書」のほうが好みで読みやすいのであるが、時にあのアメリカの「ハードカバー」本ほどドロドロではなくてもいいから、もう少し人間模様を書き加えてくれないかな、と残念に思う。

7)ほかの本にも書かれているような20も30も振り返るような一般的な歴史ストーリーは辟易するが、その中にあって、この登場人物はどの程度で、どのような家庭環境にあって、実際はどうしたかったのか。それからどうなったのか、などなど、その辺が日本のいわゆるビジネス書は、弱い。

8)その例にもれず、この本に対しても、最終的な評価としては、やはり物足りないなぁ、ということになってしまう。シリコンバレーがどうした。今後のイノベイションはこうなる。日本の経済界はこう動け、とマクロな表現は多いが、当ブログとしては、それが不満なのである。

9)当ブログ自身も、盛んにイノベイションをイメージするのだが、なかなかこれと言ったいいアイディアは少ない。最近タイトルを「地球スピリット2.0」にしようかな、と思う時がある。

10)ジャーナルは取材や記録という意味もあるが、10年も経過して、中間報告というよりも結論として、勝ち得たものを発表する時期でもあろう。だからジャーナルという接尾は外す。

11)2.0は、そもそも、最初に始めた楽天ブログを1.0として、ココログに移ってきた以降を2.0と言い慣わしているのだが、むしろ、伝統的な地球人スピリットを1.0として、未来に向かって今勃興しているスピリチュアリティを2.0と呼んでみたい気もする。

12)さらには、地球人という言葉から「人」を外してみるのはどうだろうか、と思う。「地球スピリット2.0」。ちょっと短くなって、すっきりした気もする。

13)でも、このような日本向け風なビジネス書に出合うと、当ブログはやっぱり「人」ははずせないな、と思う。

14)当ブログの根底には、コンテナ(科学)、コンテンツ(芸術)、コンシャスネス(意識)、というトライアングルの力バランスがある。どこにも偏り過ぎないバランスを取っていこうという編集方針である。だが、どちらかというとコンシャスネス思考がモロにでて、コンテナ論はもういいや、となりがちである。特に、この数年はそうなり勝ちだ。

15)そういう意味では、久しぶりにこの本のようなコテコテのコンテナ論を読むのもよいバラスである。カンフル剤ともいえる。

16)されど、読み終わってみれば、物寂しさが、ふわあ、と広がっていく。これは特にこの手のアメリカIT界の紹介本などを読むと、必ず感じるものである。この本の中に、例えば、アメリカインディアンについての考察とか、宮沢賢治との類似とか、あるいは最近で言えば、深いマインドフルネスへの考察とかが付記されていれば、私の評価はグググ~~と上昇するものと思われる。

17)その辺のバランスが悪い。というか、この手の本はそのバランスを取る気がない。そのようなものを期待して読む本ではないのである。つまりだなぁ、読み手のこちらが間違っているのである。そういうことを期待するなら他の本を読んでください。まさにその通りである。

18)しかし今から10年前に、梅田望夫が「ウェブ進化論」を出したあとに、「ウェブ人間論」を急いで追加したように、人間論が書かれなければ、それは単なるマニュアル本になってしまうのではないか。

19)私は決して右脳人間とは思わないが、この手の左脳本を読むと、お互いバランスをとる必要があるなぁ、と感じる。

20)そういった意味においてはWIRED誌のイノベイション論は、それなりにバランスが取れていると思う。

<2>につづく

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