« 「マインドフルネス認知療法入門」30のキーポイントで学ぶ レベッカ・クレーン | トップページ | 「地球が壊れる前に」レオナルド・ディカプリオ »

2016/11/06

「なまえのない新聞」No.187 <2>

<1>から続く

Img_00032
「なまえのない新聞」No.187
アマナクニ 2015/05 会員制新聞 p15

1)一年ちょっと前に寄稿させていただいた縁で、その後も続号を送っていただいている。本来であれば、毎号毎号感想をメモすべきであるが、一読者としては様々な情報の流れの中にあり、必ずしもこの新聞とばかり同調した生活をしているわけでもないので、なかなかそのエネルギーがやってこない。

2)この新聞については、あちこちに書いているが、二年前に雑誌「スペクテイター」<30号>に、編集者とこの新聞が詳しく紹介されていたのが、強く記憶に残る。

Spectator301_3

3)さて、今回は、その新聞の中のひとつの記事についてSNSでも話題になり、先日送ってもらった<No.196>にも触れてあった記事について、簡単にメモしておくことにする。

4)ことの発端は、2007年から約50回にわたって連載されてきた記事について、SNS上で、ある方が「苦情」を申し立てたのだ。へぇ、彼もまた、そう感じたのか? それはそれで納得できないわけじゃなかったが、メモするほどでもなかったし、また、私は基本的に両論併記というスタイルは嫌いじゃないので、どちらの意見も、なるほど~~、と聞いていた。

5)でも、それがきっかけかどうかはわからないが、当の女性の連載記事はこれで最終回となり、それに対するご本人の挨拶もあり、編集者のメモもあり、SNS上に書かれた男性の意見もほぼ全文が再掲されていた。

6)これはこれで、よくあることで、コトの経緯はこれでおしまいとする。

7)しかし、ここでテーマとなっていたのは、「日本」であり「天皇」であり「皇居」であった。これに続くところの「憲法」の問題もあるだろうし、「生前退位」の問題もあろう。「皇室典範」やら、「女性皇族」などなど、ホックり返したら切りがなくなるので、当ブログとしては、あたらずさわらずの態度を通してきた。

8)火事と喧嘩は江戸の花、にあやかって、「炎上とバトルはネットの花」などと洒落てはみるが、実際は、ブログやネットでのバトルや炎上は、なかなか面倒くさい。できれば当事者になりたくないのである。だから、面倒な話題は避けたくなるし、そのような表現もできるだけ避けている。

9)しかし実際には、あちこちで何度も何度もぶち当たるテーマでもある。

10)私は東北に住んでおり、小学生時代は、庭に国旗掲揚塔がある農家で暮らしており、毎日国旗を掲揚するのが日々の「手伝い」の一つであった。仏教や神道と言われている文化は、日常的にしみ込んでおり、地域としては特に浮き上がっていた暮らしぶりではなかった。

11)ついでに言っておけば、ごく最近、何かの役職の表彰があり、3学年上の兄はそのついでに皇居の奥深くに案内されたことを、なにかの賞状とともに、自慢話をしていた。私個人はあまり聞きたくない話なのだが、まぁ、否定するほどのことでもないので、下を向いて聞いてあげた。

12)かく言う私も、皇居の参賀にも参加したこともあるし、去年は国会の内部から首相官邸を眺めたし、伊勢神宮や、靖国神社に行ったこともある(1990年、そこまで車で案内してくれたのはあぱっちだった)。

13)私は右翼か左翼か、という二分法なら、おそらく左翼だろうと思ってきたが、最近バリバリの左翼の人と話した時に、私がサヨクを名乗るなんて生っちょろいと思った。されど、もちろん右翼ではない。最近、街の中を黒塗りのバス仕立ての街宣車が何台も並んで大型スピーカーでがなり立てていた。その主張にまったく共感しないわけではないが、あのスタイルは敬遠する。

14)私個人は、それぞれの主張に耳は傾けるけれど、敵対しないまでも、違うなぁ、という部分はいずれにしても残る。

15)さて、当ブログの読書を進めてきて、特に3・11後に最も影響を受けた飯沼勇義氏の「解き明かされる日本最古の歴史津波」(2013/03 鳥影社)である。彼の一連の著書は、私が住む東北、特に仙台平野の生態系や歴史について書いているところが多く、郷土史的にもバイオリージョン的にも、あまりにもハマりすぎて、抜け出れなくなっている現状である。

16)しかし、その飯沼史観追っかけも、実はちょっと暗礁に乗り上げている。

17)飯沼氏は、自らの史観をさらに広げるべく「ホツマツタエ」を援用している。偽書説などさまざまな論評のある一冊ではあるが、彼は直接ホツマツタエにあたるわけではなくて、千葉 富三「甦る古代 日本の誕生」ホツマツタヱ―大和言葉で歌う建国叙事詩(2009/7/1 文芸社)にあたっていることが分かった。 

Tiba2

18)遠野在住の千葉氏のホツマツタエも大変な力作だが、いくつかの点において、私には不思議に思うところもある。ホツマツタエについては当ブログでも追っかけ中ではあるが、縄文につながる日本の基層の文化につながるもの、という認識から、現天皇制については、一家言あってしかる部分ではある。 

19)しかるに千葉ホツマに至っては、むしろ天皇制についての賛美が続いていることも多く、結果、そうなるのか、と、不思議な気分にならないわけでもない。ここらあたりで、当ブログのホツマツタエ追っかけは暗礁に乗り上げているのだ。

20)最近の私はその辺になにか光が当たらないものか、と、廃物アートで、縄文土偶のコピーを作ったり、聖徳太子が国家の礎としたという仏教のシンボルとしての五重塔の模型を作ったりしている。

21)そして、時には、渡来民族がやってくる前の神を祀っているともいわれるアラハバキ神を訪ねたりする。

22)その反面、ネット社会の行く末も気になり、最近は雑誌「WIRED」誌の追っかけを始めてみたところである。

51whunwvytl

23)特に最新号の表紙には、特集ブロックチェーン 「そのテクノロジーは会社や、銀行や、国家さえも壊してしまう(かもしれない)」の文字が踊る。そして、いくつかの関連書(と勝手に思い込んでいる)をいくつか紐解いてみたりしている。

Og3_2

24)私自身は、日本という国ができる前にあっただろう縄文文明、そしてそれを受けつぐところの日高見文明の最末裔とされる場所とすこしづつ縁ができつつあることを喜んでいる。そしてまた、遅ればせながら、ネット社会がさらに進化してP2P技術の最先端とされるブロックチェーンなる不思議なテクノロジーの行く末が気になっている昨今である。

25)シンボリックにいうとするならば、私の地球観は、「縄」から「チェーン」に連なっていく一連のプロセス、ということになる。

26)さて、主題に戻って、「日本」、「天皇」、「皇居」に加え、「憲法」」や「生前退位」や、「国家」そのものについての議論は、おそらく百論あってしかるべきだと思う。そして、その発言に「名前のない新聞」を初めとするメディアは、その編集方針に沿った形で、許容範囲ならば、両論にその場を積極的に提供すべきである、と考えている。これ以上の意見は、それぞれが自分なりに醸成し、発言し、行動していけばいいのだろう。

ーーーー

27)最後になったが、蛇足ながら、ふたつのエピソードを付け加えておく。

28)最近「日本会議の研究」 菅野完(2016/04 扶桑社)という本を読んだ。そのノンフィクション的な面白さはさておいて、もっとも際立っていたのは、その母体、あるいはそのきっかけとなったであろう一宗教団体の最近の姿であった。

29)出口王仁三郎の弟子で「霊界物語」の筆記者の一人でもあった人物が創設した教団は、右翼的発言や行動で、とみに有名であった。その教団が、じつはもう30年近く前にすでに政治活動から手を引き、いわゆるエコロジー左翼的な教団に変身しているらしい、ということを詳しく知ったことは大きかった。

Sih

30)それともうひとつ。今回の3・11の大災害においては、知人友人が多くその被害にあっているが、そのうちの一人は、沿岸部の学校の校長をしていた。自宅も被災し、自らが校長をしていた学校の体育館で、多くの住民と避難生活をしていたのだが、慰問に訪れる天皇ご夫妻の案内役を務めることになったという。

31)責任ある立場から、多忙を極めていたこともあり、彼の髭はぼうぼうと長く伸びてしまっていたという。もちろん風呂には入っていたのだが、若い時分には演劇活動も行っていた彼は、しゃれっ気もあり、このまま復興が終わるまで伸ばし続けようと決意していたということである。

32)さて、案内する日も近くなり、係の人から、「校長先生、そのお髭はどうなさいますか?」と聞かれ、彼は、自分の考えもあり、このまま伸ばします、と答えた。すると、係の人は、「ああ、そうですか」と静かに答え、そのままその問答は終わった。

33)彼の言葉によれば、「たかが天皇、と思っていたが、いざ隣に行けば、そのオーラに圧倒された」という。膝を折り、被災者一人ひとりに声をかけてくれた天皇には心から感謝した、とのことだった。

34)この話には後日談があり、被災地のこの天皇訪問は、全国ニュースでも大きく報道された。何度も何度もテレビで報道されたが、周囲の風景や周りの人々の姿は大きく映像として報道されたが、ご夫妻の隣でずっと案内していた髭の校長の姿は、一切無視され、ブラウン管に移ることはなかったという。

|

« 「マインドフルネス認知療法入門」30のキーポイントで学ぶ レベッカ・クレーン | トップページ | 「地球が壊れる前に」レオナルド・ディカプリオ »

09)イノヴェイション」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「なまえのない新聞」No.187 <2>:

« 「マインドフルネス認知療法入門」30のキーポイントで学ぶ レベッカ・クレーン | トップページ | 「地球が壊れる前に」レオナルド・ディカプリオ »