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2016/11/05

「WIRED VOL.11」 特集 イノヴェイョンは世界を救う 明るい未来のためのテクノロジー&デザイン<3>

 
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「WIRED VOL.11」 特集 イノヴェイョンは世界を救う 明るい未来のためのテクノロジー&デザイン<3>
(GQ JAPAN.2014年4月号増刊)] 2014/03 コンデナスト・ジャパン 雑誌 不定版 WIRED関連リスト
 
1)特集イノヴェイションとはいうものの、WIRED誌は必ずしも特集雑誌ではないので、雑多な記事にあふれており、イノヴェイションに関わるページはそう多くはない。
 
2)というか、WIRED誌そのものが、イノヴェイションを標榜しているわけだから、雑誌全体がイノヴェイションに関わっているともいえる。
 
3)それぞれの各論的な実例や、WIRED大学と銘打った「21世紀の教科書」42冊なるものも、まぁまぁ注目してみるのも悪くない。しかし、本当にこの号で読むべきものは、ビル・ゲイツの文章であろうし、そのゲイツと同じビルの名前をもつビル・クリントンの対談であろう。
 
4)本文にあるように、ゲイツを、どこかの暗黒帝国の親玉ギークとみる向きもあるだろうし、当ブログもあるときから、あまり好んでは彼を取り上げてこなかった。それは途中からスティーブ・ジョブズの再評価の急上昇とは逆比例して、あまり好まれないような話題になっていた。
 
5)そのビル・ゲイツのインタビュー記事を、まずは虚心坦懐に心を開いて読むところから始めた。世界一の富豪であるし、世界のインターネットに大きな力をふるった存在である。それなりに知性豊かであるし、ビジョンもあり、行動力もある。
 
6)二人のビルを対談させて記事にするWIRED誌の実力も大したものである。読むに値する。
 
7)しかし、その上で言いたい。結局は、「イノヴェイションは世界を救う」という時、そのイノヴェイションとは、ビル・ゲイツのように「成功」して、かき集めた資産を「慈善」のためにばらまくことを言うのか?
 
8)クリントンもまた、この一週間で奥方が大統領になるかどうかという瀬戸際ではあるが、結局、現職にある間ではなかなかその実力を発揮することは難しいのか。NPOやNGOがどうしたなんて言っている以上に、現職の時に力を発揮すべきだったのではないか。
 
9)小泉純一郎もまた、現職の間は原発を推進しておいて、フリーな立場になって、しかも3・11を体験した後に「脱原発」なんて言い出すのは、どんなものか。詭弁とか、ご都合主義とか、いいかげん、と言われてもしかたないだろう。
 
10)そういうことを含めたうえで、「世界を救う」とはなにか。たしかに日本のガラパゴス的平和に慣れ過ぎていれば、飲み水や飲料、基本的な医療にさえ事欠いている開発途上国のこを見逃しがちになる。それらの人々に、援助を与えようというのは、たしかに「世界を救う」という図式にはなっている。
 
11)それは、我さき主義、弱肉教職で資産をかき集め、貧しい世界の人々に金をばらまいて(と自己宣伝して)いくことが、「特集イノヴェイションは世界を救う 明るい未来のためのテクノロジー&デザイン」の実態なのであろう。
 
12)それはおそらく違うであろうし、読み方としても、あまりにも偏ったいじわるな読者ということになろう。でも、ここでも強く違和感が残る。
 
13)簡単に言っておけば、マインドフルネス瞑想も、なになにのためにやるのではなく、ただひたすら瞑想のための瞑想なのであって、決して目的を持つものではない。
 
14)それと同じように、「世界を救」ったり、「平和」を求めたりすることを、目的化したり、なにか外側にある特別なことであると考えてはならない。
 
15)人間が人間らしくあり続ければ、イノヴェイションは起こるべくして起こるのであり、平和は平和として自然にその状態になるべきなのである。
 
16)慈善なのか、偽善なのか。
 
17)この辺は注意深く読み進めていく必要がある。
 
18)ビル・ゲイツは、トリウム原発開発に資金援助しているという。結局は、優先順位もあるだろうし、開発期間に援助はするものの、その開発途上の技術をイノベイションできるわけではないので、あまり進んでもいなさそうだが、この辺も、これから、もうすこし追っかけてみる。
 
19)この号の裏表紙見返しには「ぼくらの新・国富論」(並木裕太+ワイアード編集部2014/01)の宣伝がある。ワイアードブックスの第一弾として発表されたはずだが、それ以降続いているとは聞いていない。この号の出来はどうだったのだろう。こことも調査が必要だな。
 
つづく~~かな

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