「遠足型消費の時代」 なぜ妻はコストコに行きたがるのか? 中沢明子他<1>
「遠足型消費の時代」 なぜ妻はコストコに行きたがるのか?<1>
中沢明子 (著), 古市憲寿 (著) 2011/3/11 朝日新聞出版 新書 248ページ
No.3847★★★★☆
1)コストコなるところへ行ってきた。直接的要因は、近場にそのチェーン店ができたからだが、小一時間かかるその場所に行くのは、ちょっと億劫だった。
2)だが、どういうわけか、あちこちからその話題がでる。若い人たちならともかく、50も過ぎた、おっさん仲間から、会員カードがあるから、行こうよ、というお誘いがあった。
3)ありゃ、これはまずいと、一度は行っておかなければ、と我が家の若い人たちのカードで一緒に連れていってもらった。
4)なるほどね、あんなもんだろう、とは思ったが、この本を読んでいて、すでに震災前から、この話題が全国的に沸騰していたのだ、ということを知って、あらためて自分のおっさん呆けを認知した。
5)遠足型消費とはまぁよくわかりやすくつけたものだと思うが、こういう文化がすでに全国的に根付いていたのだ、ということが次第に分かってきた。
6)それにしても因果だよなぁ。この本の発売日は2011/3/11、まさに震災その当日だったのだから、びっくりする。
7)たしかに読んでいて、ちっとも3・11のことなど出てこない。当然であろう。そしてまた、読んでいて、ちょっとずれていると思うのは、あの日を境目に、日本のマーケティング環境は大きく変わったからだ。そのことが、まったく読み込まれていない。
8)だけど、この本でメインとなっているのは、コストコとイケアである。当地には、イケアもコストコもできたので、ようやく話題には乗っていけるが、どちらも震災の後にできているのである。マーケティング環境は変わったはずではあるが、これらの業態は、これからもますます伸びそうだな、という予感はある。
9)確かに珍しい形態ではあるし、一度は行っておこうという気にはなる。しかしながら、我が家の若い人たちも、来年はもう会員にならないだろう、と言っている。一定程度の「信者」を集めることはできるだろうが、日常品を買うようなマジョリティな形態にはならないのではないだろうか。
10)似たような形態はさまざまあるだろうが、やはりアメリカ発というところが魅力なのだろう。あまり見かけないような、掘り出し物の商品も確かにある。安いものもあるし、高いものもある。量的に不要なものも衝動買いしてしまいそうだ。
11)イケアについても、ごく身近にあって、その人気の高さにも納得している最近ではあるが、実際には、わが老境にはいりつつある我がライフスタイルには、ちょっと不似合いな商品がたくさん並んでいる。
12)これから人生を始めようという、生活物資を集め始める若いジェネレーションにはかわいいデザインのグッドアイディア商品もあるが、まぁ自分の身の回りにはもうすでにそろっているものばかりで、必要品とは思えないものがたくさん並んでいる。
13)そういえば、ヴィレッジヴァンガードという若者向き本屋兼ファンシー店もごくごく近くにできたのに、ほとんど買うものがなかったという経験もある。この地方ではもっとも最初にできたので、珍しくて私も何度も足しげく通ったし、遠くから若者たちが通ってきていたが、私はほとんど購入するものがなかった。
14)わたしぁ、その辺のホームセンターや生協で十分だな。
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