「2001年宇宙の旅」講義 巽 孝之 <3>
『2001年宇宙の旅』講義 <3>
巽 孝之 (著) 2001/05新書 平凡社 205p
★★☆☆☆
1)今回もちょっとは楽しみにしながらこの本を開き始めたのだが、どうもだめだった。全体的に、躁的な著者の全体的に飛び跳ねた文章を、ひとつひとつ追いかけていくことに、とてつもない疲労感が伴う。
2)この本を読むとするなら、著者に合わせて、映画のあれこれと、SF小説のあれこれを併読しておかなければならないだろう。それも、幅広く必要となる。すでに同じチャンネルにいて、同じような嗜好の文化に浸っている読者にとっては、物事の再構成となるので、面白いのかもしれない。
3)この本が石川裕人蔵書の一冊だったというのも奇縁だが、石川ならなるほどこの分野をカバーしていただろう。されど、このような飛び跳ねた文章を好んだかどうだかはわからない。
4)私にとってはこの本が「2001年宇宙の旅」から夢枕獏「上弦の月を食べる月」につないでくれた一冊としては感謝しているのだが、その「上弦の月」もまた未消化であることは間違いない。当ブログの裏キーワードであるアガータを浮き彫りにしてくれた、という意味では感謝に堪えないが、それでも、そこまでだったように思う。
5)今回正月を過ぎて、あえて「2001年宇宙の旅」追っかけを再スタートさせたのは、このような躁的心情からではない。鬱とまでは言わないが、もっとずっとずっと静かで落ち着いたトーンの中での出来事である。
6)おそらく、私はこの「講義」を読まないでも、私は私の「2001年宇宙の旅」を楽しめるのだ、ということを、今回改めて確認した。
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